気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

三田誠

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿10「case.冠位決議(下)」

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「本当に、ボクは、お前の望みを叶えてやりたかったんだ」

 

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿、ここに完結。

ハートレスの思惑を阻止するべく、霊墓アルビオンに突入するⅡ世チーム。

そして冠位決議に挑むライネス側のエピソードの、同時進行。

どちらも面白かったですねぇ。魔術師の業というものを強く感じた。

 

Ⅱ世達の状況から始まります。

一日足らずで、深奥まで簡単に辿り着けるような場所ではなく。

フリューの伝手で情報やなんかを得てましたが、こんな所にまで伝手あるあたり傭兵凄いというか。

彼の師父殺しという異名についてもしっかり触れてくれて満足。微妙に気になってたんですよね。

即席のチームではあれど、実力者揃いであるので何とか先に進んでいました。

その中に混じったⅡ世が要所要所で自信ないことを明言してて、ちょっと笑ってしまった。

 

冠位決議に望むライネスが、アルビオンの工房を見学したりしてる一面もありましたが。

秘匿をなげうった複合工房とか、そこで行われている蕩尽とか、魔術師の側面を見られたのは新鮮でしたね。

一筋縄ではいかない決議の場に、油断ならない相手を引っ張り込んでくるあたりライネスも策士というか。暗躍好きな魔術師ですよね。しかしあの人形師、とことん自分のやりたいように場を作るな……

 

最後、全てはⅡ世がハートレスを止められるかどうか、という局面になって。

残り14分という時間で、答え合わせに時間を割くあたりが彼だよなぁ、と言いますか。

魔眼蒐集列車の時のような激しさはなく。思ったよりも、静かな幕引きになったのは少しだけ、意外でした。

……そこに至るまでが大変だったんですけどね!

 

グレイが、良い立ち回りをしてくれていましたね。

内弟子としての彼女が、彼をエルメロイⅡ世として引き締めさせた、というか。

わざと間違えた言葉を口にした時。師匠にも言わぬ秘密を得た時。

「君が居なければ、困る」というロードの言葉が、彼女たちの日常そのもののようで、綺麗なエンディングだったと思います。




よすがシナリオパレェド2

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「作家と作家が互いのエゴをぶつけ合って互いの世界をすり合わせるのには……」

「博打以上の価値があるんだ ないほうがおかしいんだよ」

「そう信じたから私達は シェヘラザードを作ったんだろう?」

 

よすがが由字の家まで押しかけてきて。

そこで、由字の父から伝言を預かってきた弟子と遭遇。

家を手放す、という伝言すら人伝にするって、どんな関係なんだこの父子……

由字の父の蔵書。カードキーでロックされた、その部屋には数万を超える本が詰め込まれていて。

 

あぁ、いいなぁ。この上ない贅沢だ。幼少期にコレを詰め込みまくったという由字が羨ましくて仕方がない。

書店員としてやはり紙の本は好きですが、スペースとの兼ね合いとかもあっていくらかは蔵書電子にしてますので。

小さい頃は、こういう書斎がある家を持ちたいと思ったものです。

 

膨大なインプットをした由字が物語を書くとき。それは一体どんな形になるのか。

彼の近くにいるクリエイター達は、興味津々のようで。

創作話になると生き生きすんな、シェヘラザードの人々。いやまぁ、坂口みたいに魂振り絞って書いてる人もいるけど。

創作に手をだすことにした由字。坂口との合作で、短編を書くことになって。苦しみながらも、それでも創りあげた辺り、彼もクリエイターなんだなぁ、と。

やっぱり彼らの活動は、眩しくて仕方がない。自分でも何か書いてみたくなりますなー。

 


よすがシナリオパレェド1

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「じゃあ正しい作品ってどんなものなんですか?」

 

「引き」が強くて物語アレルギーを持つ高校生桜橋由字。

そんな彼が、バイトの面接を受けに行ったのは只の喫茶店ではなくて。

シナリオライターの共同事務所として使っている店舗で。

創作者たちと交流する中で、由字にも変化が生じていってますが。

 

彼も重要人物であるのは間違いないですけど。

登場するクリエイターたちの存在が、本当にまぶしいんですよ。

創作をしている人。あるいは、かつてしていた人。そういう人達に、手に取ってほしい。

締切破って冷や汗書いてたり、修羅場を協力プレーで乗り切ったり。

天才に届かないとしても、創作をする情熱であったり。痛くて苦しくて、それでも書く人々の姿に圧倒される。

 

「書くぞ俺はっ!!」

「てめぇが勝手に「坂口考一郎」の価値をさげるんじゃねぇっ!!」

一番苦しみながら、書いているように見える坂口が好きですねー。

彼の叫びは、本当に胸に痛い。けど、彼は自分で言った通り、書き続けてるんですよ。尊敬できる。



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

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「こんなにもたやすく… 君たちは… 本当に卑怯だ」

 

原作1巻、剥離城アドラ完結。

4巻以降で双貌塔イゼルマ編もやってくれるようで一安心。

このまま続いてほしいなーと思いますが、ツェッペリンはアニメでやるから~とか言って刊行されなかったら泣く。

7月までにどうにか視聴環境整えたいなー。懐に余裕があればいいんだが……

 

閑話休題。

地の文も、台詞も長くなりがちな解決部分を、コマ割りとかで工夫して魅せてくれます。

誰も彼もが魔術師らしい中で、紛れ込んだ未熟者のロード。

知識と覚悟だけは一人前で……そんな彼だからこそ導き出せる答えがあり引き込まれるんですよねぇ。

イゼルマ編も楽しみです。

 



Bestia1

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「お前の賭けに乗ってやるって言ってんだ」

「行くぞアスカ!」

 

姿を消した母。記憶に残る少女。

その影を追い、ロンドンへの短期留学を決めた司飛鳥。

母が借りていた屋敷を訪れ……そこで、奇怪な出来事に遭遇、今まで知らなかった母について知っていくことに。

飛鳥に聞こえている声とか母の真意とか気になることが多いですねぇ。

続きが楽しみなシリーズが増えるのは喜ばしいです。心が豊かになる。

 

知る者が限られる幻獣の存在。

保護と共生のための組織だというZOOですが……今のところ、不信感しかわいてこないんだよなぁ。

怪しさしかない、というか。飛鳥の母と方針の違いもあったって話ですが、絶対あちこちで似たような事してるだろ感がすごい。

 

百の幻獣を取り戻すと聞いて桁多いなと思ったら九十は凍結状態になってると聞いてかなりハイペースで進みそうな雰囲気。

とりあえずは、嫌みなZOOの連中を見返してやってほしい所です。

本編はわりとシリアスですが、構成担当のみやこかしわさんの後書きは笑えました。正論に負けたそうです。編集さん正解、といいつつネタ方面もいっそアリだったのではとか思ったり。




ロード・エルメロイⅡ世の事件簿9 「Case.冠位決議8(中)」

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「……君の言う通りだ。レディ」

(略)

「そうだとも。忘れていたんだ。あんなにも、決心したというのに」

 

ハートレス達の目的。

それに辿り着いてしまったエルメロイⅡ世は足を止めてしまって。

あぁ、それはそうだろう。

彼が今の姿になった、その始まりなのだから。衝撃を受けない筈が、ない。

迷いの中に会っても、状況はどんどんと進んでいき。

 

ハートレスとフェイカーは派手に行動を開始したし。

冠位決議が迫る中で、他のロード達もどんどんと準備を進めていくし。

どれだけ気長に仕込みをしてるんだ、という話ですが、

そんな中に、状況が分からぬ仲でも踏み込んでいくことになるエルメロイ派の綱渡りっぷりにはハラハラしますね……

よくもまぁ、こんな罠だらけの場所で、肚のうちの読めぬ先達相手にロードとして活動してこれたな、ウェイバー。

 

ここにきて普段と違う姿が色々と見れたのも良かったですねぇ。

ロードが居ない中で事件が起こり、ライネスの呼び方を「姫様」と変更して上下を明確に示すスヴィンの姿とか。

歩みを止めてしまったⅡ世と、引きこもってしまった彼の部屋に入り、声をかけたグレイの事とか。

 

他にも見どころがあって冠位人形師が英霊と戦う場面とかも良かったですが……

個人的に気にいってるのは、メルヴィンが心を折られた場面。「少なくとも数か月は逆らえない」的に書かれてるところでしょうか。

大魔術を成立させる域の魔力を感じ、心を折られても、逆らえない期間数か月なんだ……ってあたりがツボでした。彼も魔術師だなぁ、という感じで。

 

とはいえ今回のMVPはグレイでしょう。彼女が、Ⅱ世の側にいた事が、本当に幸いでした。

王に会おうとしたⅡ世が、そのために打った手のひとつでグレイと出会い。聖杯戦争を諦めハートレスを追う中で、王の影がよぎり動けなくなってしまった彼を、グレイが引き戻す、というのは中々物語的というか。皮肉、とはまたちょっと違うかな。

でも、グレイが居なかったら。そこでハートレスの目的が明らかになったら。Ⅱ世、本当に動けなくなった……どころか彼の側に転びかねない危うさがありましたからね……

 

グレイの事以外にも、これまで彼が積み上げてきたものが、彼を動かして。

更には、最後の最後、あがけるだけの状況を作れたんだから、素晴らしいのひと言。



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿8 「case.冠位決議(上)」

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「でも、拙は連れて行ってくださるのですね」

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「君がいないと、死ぬ」

 

そして始まる、ロード・エルメロイⅡ世最後の事件。

冬木の聖杯戦争が着実に準備が整う中、ドクター・ハートレスの陰謀は進み……

連動するかのように、時計塔の君主達が動く。

いや、実際に繋がっている部分もあるんでしょうけど、未だ明らかにならず。

 

『冠位決議』。時計塔で行われる、君主や代行が集まる、意思決定の場。

かつて、エルメロイ派が鉱石科から外され一件、現代魔術科に据えられる事になった一件。そうした派閥を超えた決定を下す際の決議の場だとか。

議題の重要性に応じて出席率も変わるようですが。今回は、貴族主義、民主主義の筆頭派閥の君主が動いていて、エルメロイ派も否応なく巻き込まれてました。

 

ま、ハートレスの影が見え隠れする時点で、Ⅱ世に退くという選択肢はないわけですが。

いやぁ、君主って言うのはどいつもこいつも化け物揃いというか。少しでも油断すれば足を掬われそうになる。

それぞれの格を感じさせつつ、上手い事凌ぐⅡ世やライネスの姿が見られたのが良かった。

 

というか、ライネスは義兄にいじわるしたりして、楽しんだりしてますけど、割と魔術師のわりに真っ当というか。

「……ああ、私だって、この兄がいなければ、きっとその程度の読破平然と飲むからだ」とか考えているあたり、お兄ちゃん大好きかよ……

 

大好きといえば、冠位決議に備えエルメロイ教室の授業を停止した後の生徒たちの動向が受けた。

失踪した教授を探そうとして、通りそうな場所を使い魔で一日監視したり。

追いかける為に憑霊用の触媒準備したり、君らは君らで教授が好きだねぇ……

 

あと、今回は君主たちと対面するⅡ世・ライネス組と、ハートレス絡みの調査をするフラット・スヴィン・グレイ組に分かれてましたが。

情報共有のための手段が、可愛かった。正確に言えば、それをはじめた見た時に目を輝かせていたというグレイを想像するともう……ねぇ。

 

各派閥の思惑が入り乱れた状況。ハートレスはある程度は見破られても……そこで詰むだろうと予測してましたが。

それをどう乗り越えてくるのか、予想もつかない……というか、おい。落ち着けハートレス。いや自陣にのみ英霊なんで札があるなら切らない方が損というか。だからって初手宝具とか容赦ないな……



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿2

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「たとえ起源とは違っても属性はその人間の性質に根ざす」

「魔術もまたその例外じゃない」

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「その意味で魔術師ほど嘘の吐けない人種はいない」

 

それぞれに与えられていた天使名。

色々な要素に見立てることが出来るが、人体にも適用できて。

化野のハハシアは眼球を意味し――彼女の死体から眼球は抉られていた。

 

そして一人死者が出たところで、困惑するような可愛い性格をした相手はおらず。

魔術師らしいズレが分かりやすく描かれていますよねぇ。

その中で非力ながら、魔術の世界に居続けているⅡ世がやっぱり好きです。

決闘が始まれば負けるのは自分だ、と理解しながら。それでも退けないのだ、と意地を張る。

 

何故ならもう選択は済んでいるから。だからこそ、進み続ける彼の姿勢が魔術師たちにも影響を与えているのが面白いですねぇ。

彼を忌避する相手からも、Ⅱ世が魔術を愛し求道者であるのは確かだと認められてます。もっとも、それ故に魔術の破壊者だ、とも評されるわけですが。

それぞれに同盟を組んだりして、状況がどんどん進んでいくのもテンポ良くて楽しいです。



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿1

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「――あなたの師匠は最悪の魔術師ですわ」

「……否定はしません」

 

三田先生の引き込まれる文体で描かれた、あの世界を見事に描いていると言いますか。

Ⅱ世がグレイに魔術講義をする場面。ライネスと会話をしている場面。

それぞれの場面で違う表情が描かれていて。シリアスなところとギャグな場面とでメリハリが効いてる。

 

現代の魔術師の扱う「天使」。

それが多く展示された、剥離城アドラ。そこの城主が死んだことで遺言が公開され、遺産を目当てに、癖の強い魔術師が集まったわけですが。

戦闘になったら誰と戦っても負けるのは私だ、と言いながらもⅡ世が言葉によってちゃんと渡り合っているのが彼らしい、と言いますか。

彼なりの戦い方を身に着けてるんだなぁ、と変化が好ましいやら寂しいやら。

 

この城に来た面子はそれぞれに事情があって、それの説明を入れるのがかなりややこしくなるんじゃないかと思ってましたが。

いい感じにはめ込んでいて良質なコミカライズだと思いますね。


ロード・エルメロイⅡ世の事件簿7 「Case.アトラスの契約(下)」

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「だから私達は理由を知らねばならない」

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「でなければ、大切な者を見落とすからだ。あなたについてだって、それは変わらないんだ。ズェピア」

 

6巻の最後で予想外の騎士の名前が出てきましたが。

純粋な英霊として呼ばれたわけではなく、裏技的な出現だったとか。

元々アッドに施されている封印に付与された人格モデルだとか色々情報が出てきましたが。

いったいどこまで作り込まれているんだ、この世界は。

 

新たな同行人を迎え、2週目の村で真実を明かすべく行動するⅡ世とグレイ。

危機的状況に陥りながらも、歩みを止めず進んでいく姿は眩しいなぁ。

一方で現実の方に取り残されたエルメロイ教室の双璧は、ズェピアから色々を情報を引き出しつつ、工作をして啖呵を切ってのける辺り、彼の弟子だなぁ、と。

イゼルマで橙子にしてやられた事をバネに成長している。他の生徒もこんな感じで影響を受け、躍進していったとなれば、階位が上がるのもむべなるかな。

 

一週目の村で死んだ「グレイ」の正体は。村に隠されていた秘密とはなんだったのか、と謎が解き明かされていく流れは見事でした。

あそこまでやってのける愛って、凄いな……

自身の無力さを理解しながらも、強大な相手に立ち向かって言葉を告げられるⅡ世の姿が、見ていて涙が出そうになる。

探偵ならざる彼が、今回の事件の最後に立ち会おうとした時に述べた、彼の魔術師としての在り様に、届かないと知りつつも挑む姿は、どうしようもなく目を惹かれる。

 

Ⅱ世とグレイの、妙に噛み合っている感じの絶妙な距離感が、良いですねぇ。

前回のポカポカ叩いてしまうシーンのグレイも可愛かったですけど、ゲーム三昧している師匠の世話を焼いているグレイも中々。

次からラストエピソードが描かれるとの事ですし、今から楽しみです。



プロフィール

ちゃか

 友人に「活字中毒っていうか読書中毒」と評される程度には本が好き。適当に感想を書いていく予定。リンクはフリーでコメントはご自由に。悪質と判断したものについては削除する場合があります。

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