「だが――これは現実だ。けっしてそんなことはない」
魔導国の知恵袋が1人、アルベド。
ナザリックの駒として飲み込んだ犯罪結社・八本指を動かし、いずれくる王国との決別に備え、馬鹿に派閥を作らせる裏工作を進めていたわけですが……
馬鹿が独断で暴走。魔導国の荷馬車を襲撃するという愚行を働いて。
この場合、策士策に溺れるというか、馬鹿は死ななきゃ治らないというべきか。
馬鹿は、時に想像もつかない行動をとるから馬鹿なんですよ……
馬鹿が動員できる戦力なんて知れているわけで。荷馬車には護衛も居たので、戦えばそれで終わっていたんでしょうけど。
下手に八本指は結束を強めて、横のつながりが強まっていたのが裏目に。
旗頭として祭り上げている馬鹿の顔を、輸送団の男が知っていたのが運の尽き。
これもまた何かの策謀かと勘ぐった結果、失敗するはずの襲撃が成功してしまった。
いやぁ、アインズの前に連行されたヒルマ、本当に生きた心地しなかっただろうなぁ。同情してしまう。
馬鹿のしたこととはいえ、相応の反撃はしなくてはならないと燃える守護者たち。
しかし参謀2人は、かつて彼らの王が口にした「廃墟となった国では名前に傷がつく」と言う言葉を覚えていたので、対応に悩んでいたようですが。
……そうか、覚えていてこれまでの惨状なのか……と、恐ろしさを感じましたね。いやぁ、悪役極まってて凄い。感動すら覚える。
敵視された方からすれば、たまったもんじゃないですけど。
辛うじてストッパーがあったらしいですけれど、今回の件で昇華されちゃったからな……
王国を徹底的に叩くことで、先んじて従属した帝国とのギャップを演出する、新たな飴と鞭作戦。
駆り出された守護者たちが創意工夫して、都市を潰し民を逃さない方法を考案・向上させてるのを見ると、今後の相手が可愛そうになりますねー。
アインズを敵視する、他国の勢力が介入したりする場面もありましたが……見事に偽の情報掴まされてる辺り、世界がヤバい。今更か……
さて、王国は全滅と言っていいくらいの惨状になったわけですが。
魔導王に与した人物たちは生き延びていて。牢にぶち込まれて、恐怖公未体験だった幹部のコッコドール。見捨てるのもアレという事で、回収されてましたが。幹部だったから恐怖公送りにされていたので、助かったと言えるのかどうか……
そんな中で、しっかり自分の望みを果たしているラナーが、一番恐ろしいですね……。最後の挿絵、ぞくっとしましたよ。