「彼女の覚悟は、ずっと前に決まっていたのだと思います」
長期休みの間、フォリアはガーデルセン教会で穏やかな時間を過ごしていたようですが……そこに害獣が出現して彼女が慕っているゼールが毒を受けることに。
通常の魔法では効果が薄かったけれど、フォリアは諦めなかった。
カーナからシナリオについて聞いていたラゼは、乙女ゲーの範疇を超えて覚醒イベントとかいうものが発生したことに驚いていました。
……驚きつつも、ガーデルセン教会での異変について通達されたとき、軍人としての職務中だったけど即座に軍服を脱ぎ捨ててフォリアのマーキングに跳んでるわけですから、対応が迅速すぎてこっちがびっくりしますね……。
そうやって想定を超えてイベントが発生するのを目撃したラゼは、同様に「断罪イベント」も避け得ぬ形で襲ってくるかもしれないと懸念して。
自分が知人と共謀して「婚約破棄イベント」を起こそうとかしていたのは、ちょっと微笑ましくて笑いましたね。……軍人ラゼは多くの人に慕われており、大騒動に発展していたので、笑いごとではないんですが。
ラゼは変わらず長期休暇には軍人として活動しつつ、時期によっては学生として過ごす二重生活を送っていたわけですが。
帝国の転生者「予言の巫女」がバトルグランプリで王子の優勝を予言したため、ラゼに勝って欲しいという依頼が出されて。軍人としての苛烈さは抑えつつ、護衛対象である生徒たちへ配慮しつつ、それでも圧勝する彼女の強さにしびれましたね。
実力を示したことでアディスとかが、ラゼの秘密を伺う場面も出て来てましたが。軍人としての誇りを持つ彼女に、事情を知らぬとはいえ「危ない仕事は辞めろ」とか言えちゃうのが嫌いだなぁ、アディス。
作者の「彼氏よりまず先に女友達と仲良く過ごしたい」という思想が現れて、カーナやフォリアとばかり仲を府構えて、アディスが距離を詰められずにいるようですが。
クロードから指摘されて失言に気付くことはできてましたけど、個人的にはかなりクリティカルにワーストワード選んだ感じがして、そのままずっと距離詰められないでいてほしいと思ってしまった。
……まぁそれで言ったら、帝国の介入によって「魔物化してしまった人間」を目の前にしたとき、軍人として処理しようとしたラゼに「なんで諦めるの」と言ったフォリアも、ちょっとなぁ……とは思いましたが。
軍人として覚悟決まってますからねぇ、ラゼ。だからこそ大人たちは、彼女に護衛任務なんて建前を用意してまで学園生活を送らせてあげよう、なんて考えていたわけですが。
様々な事件が起きてしまい……ついには、軍人としての彼女に立ち戻らせることになってしまったわけです。重いなぁ。学生として振舞う特別任務が終わり、戦が始まろうという引きが、ラゼが学園を楽しんでいたことを知っているからこそ、刺さる。