気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

創元推理文庫

まもなく電車が出現します

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「……柳瀬さん、可愛いですね」

 

芸術棟が封鎖された影響で、そこに根城を構えていた文科系クラブは居場所を失って。

葉山なんかは、美術室に移住して事なきを得ていたようですが。

……美術室あるのに芸術棟に引きこもっていたから、新入部員来なかったのではないか説。いやまぁ、芸術棟ある時期に葉山自身が部活に入ってるし、他の文科系部活も新入生確保してるからそれは無いか。

魔窟になっていた芸術棟には様々な部活があって、部室代わりに仕えそうな部屋を巡ってあちこちで調整していたそうで。

 

元は美術部の領地だったと思しき場所を、他の部が取り合っていて。

その騒動に巻き込まれている辺り、葉山君は本当事件を引き寄せてますな……

鍵を紛失して、開かずの間となっていたその部屋に「鉄道模型」が出現するという現象までついてくる辺り、芸が細かいというか。よくもまぁこれだけ引っ張ってこれるな……

 

その後にあった「シチュー皿のそこは平行宇宙に繋がるか?」は、調理実習の際に、三野が食べていた皿にじゃがいもが無かった謎を解く話。

また三野がしょうもないことしてるのかと思ったら、理由は真面目だったというか。ここで悪知恵働かせてる辺りひねくれてるよなぁ、彼。

「頭上の惨劇にご注意ください」は、一歩間違えば大惨事だったって言うのに、実行した相手に反省の色が見えないのがなぁ。

「嫁と竜~」は……マニアって業が深いものですよね……結婚早々こういう話題になるってことは、今後も大変だと思いますが、どうなるやら。

 

「今日から彼氏」は、葉山君に彼女が出来る話……なんですが。

相手は柳瀬さんではなく。向こうから声を掛けられて、という時点で怪しさはあった。

事件を引き寄せる彼は、こんな時でも変なものを引き寄せるんだから、流石というかなんというか。

ピンチのところに駆けつけて、助けられてるって葉山の方がヒロインだったかな……みたいな感じですが。柳瀬さんが格好いいから仕方ない……

葉山君はもうちょっと頑張れ。

 

 

さよならの次にくる 新学期編

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「……子供、って、そんなに欲しいものですか」

(略)

「いなくてもいいと思う人はいるだろう。だが失っていいと思う人はいない」

 

伊神は卒業し、葉山は進級した。

美術部には新入生が入らなかったが……曲がり角でぶつかった少女の悩みを解決したことで、部室に一人って状況は減ってましたな。

まぁ元々、あちこちの部活から相談とか持ち込まれて彼が一人でいる場面って少ないですけど。

 

入学以来、怪しい男に後をつけられているという一年女子の佐藤さん。

ストーカー撃退に動き出してますが、世の中にはヤバい連中たくさんいるから、もうちょっと気を配ったらどうかな……

心配にはなりますな。演劇部のノリの良さは素晴らしいと思いますが。

 

ストーカー騒動以降、少女は美術部に入り浸ってるわけですが……

葉山君の学園生活も大概波乱万丈だよなぁ。なぜ教師の目を盗んで交錯する羽目になったり、脅迫を受ける目に合ったりしてるんだろうか。

変わった学友が居て、変わった出来事に巻き込まれる星の元に生まれたんだとしか。

巻き込まれるだけじゃなくて、ちゃんと近くに答えを出してくれる名探偵がいるあたりまだ運には恵まれてる方だと思いますけど。

 

さよならの次にくる 卒業式編

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恋愛の相談など友人にするものではない。そういう相談は親友にするものである。

 

次に出た「新学期編」と合わせて前後編の構成なんですよね。

タイトル通り、卒業式までのエピソードで、頼りになる探偵役の伊神も卒業する事に。

まぁ、今度も折に触れ葉山君が事件に巻き込まれて、相談を持ち掛けるので頻繁に登場するんですがね……

伊神のスペックなら不思議はないと言えますが……よく時間確保できてるよな大学生……

 

閑話休題。

葉山君が幼少期に書いたラブレター。

それをみた友人たちに閉じ込められた葉山君が脱出するために頭を凝らした謎をとく「あの日の蜘蛛男」。

そして再登場が早かった、葉山君の初恋の相手渡会千尋が登場する「中村コンプレックス」。

彼女は、愛心学園の生徒で。そこの吹奏楽部の部室に張られた「東雅彦は嘘つきで女たらしです」という怪文書を張った犯人として名乗りでたと言うが……

 

「猫に与えるべからず」は、実家で猫を飼ってるので、判りやすかったと言いますか。

当然気をつけないといけないことですからね……

四話目は卒業式のエピソード「卒業したらもういない」。

伊神は式の最中はいたはずなのに、退場の時には見失ってしまい。

葉山君が伊神を探してあちこち走り回ってますが。「卒業生は後輩に何か、残していかないと」という理由で開かずの部屋とかまで駆使して振り回された葉山はお疲れ様……

 

 

理由あって冬に出る

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「葉山君、どうやら、謎が解けたぞ」

それを聞いて、僕はずっこけそうになった。……この人、スーパーコンピューターどころじゃない。

 

積読に埋まっていた最新刊を読むにあたって、既刊読み返しー。

1巻の刊行2007年ですって……凄い懐かしかったです。

「芸術棟」と呼ばれる建物がある、市立高校が舞台です。

もっとも、この芸術棟って何かに使うだろうから作ったけど、用途不明で文系クラブが占拠して部室を確保したので芸術棟と呼ばれてるだけらしいですけどね……自由だな……

 

市立高校では、この芸術棟にフルートを吹く幽霊が出るという噂が立って。

それを怖がった部員が練習に来ない、と吹奏楽部の部長が悩み……じゃあ幽霊が出ないことを証明しようと、夜芸術棟に残ると言い出して。

いい加減な顧問から芸術棟の鍵を預かり、戸締りを委任されている葉山も、夜の見張りを手伝う事に。

幽霊なんかいないと思っていたものの……葉山たちは、フルートの演奏と幽霊の影を見て。

 

翌日調べてみると、演劇部の部室に泥棒が入った、という話だとかも聞こえてきて。

文芸部の伊神部長が探偵役として、謎を解いたと思ったら……また別の幽霊が出てきて。

なんだかんだでノリがいい学生がそろってるなぁ。柳瀬さんとか結構面白いキャラで好きです。

東は痛い目見ればいいと思うし、三野はちょっと視野狭かったんではと心配になりますが。

 

 

星読島に星は流れた

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しかし、それでも。

それでも、あの夜、たしかに――

星読島に星は流れたのだ。

 

天文学者ローウェル博士は、孤島に観測所を作り居住していた。

その島には、数年おきに隕石が降って来るという曰くがあり、毎年行われる天体観測の集いは恐ろしいほどの倍率に。

医師の加藤も、ネット上にあるローウェル博士主催に参加していて。最も、たまに眺めるライトユーザーだったみたいですけど。

 

何の因果か、高い倍率を潜り抜けて当選。天体観測の集いに参加する事になったわけですが……

滞在中に、一人が死体となって海に浮かぶ事態になって。

孤島である上、用意されていた設備が破壊されたため通信もできず。定期船があるわけでもないので、「この中に犯人がいる」というクローズドサークルの状況に。

 

加藤が天文のライトユーザーであるため、隕石についてだとか説明が入り判りやすかったですねぇ。

そして星座の数の話なんかも驚きました。意外と少ないんですね。

隕石の価値に吊られてこの島に来たもの。個人の事情として願掛けの意味を込めて参加した者。色々と事情がありますが……

 

それらが上手く溶け合って、あの島の不思議を演出していたように思えます。

「地球最後の日」の問答や、「星が流れた」結末に至るまで。綺麗にまとまっていて、流れるように読めました。




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