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「あぁ。だから俺は、自分の心に従って戦った。自分が望む未来を守るために戦った。俺はお前が泣き虫だったから戦ったんじゃない。俺は……俺自身がお前と一緒にいたいって思ったから戦ったんだ」

 

えんため大賞東放学園の特別賞受賞者デビュー作、らしいですよ。

魔族との戦争があった世界。勇者は戦いの果てに魔王を倒し……今は、幼馴染の家で執事をしていた。

もっとも、戦闘に全能力割り振ったのか、日常生活てんでダメですけどね、彼。

幼なじみの少女の寛大さがなかったら、一日で五回くらいクビになるんじゃないだろうか。

 

全体的に、平坦というか驚きは少ない感じですかねぇ。

戦争が終わって多少の時間が流れただけなら、そりゃあ反感を抱く輩も多いでしょうし。

そんな中で、『勇者』って言う旗頭が、貧乏貴族の家で執事をやっているなんてしったら引っ張り出そうとする人もいるでしょう。

で、勇者だって一人で全てを出来るわけではないから旅の仲間だっているでしょうよ。

……だからって、それら全てを一度に登場させることは、ないんじゃないかなぁ。

 

キャラクターが多いから、場面が切り替わって新キャラ出てきて、そいつがどういうヤツなのかって言う説明が入って。

そこからイベントに派生したりもするんですが、いかんせんキャラが多いので一回のネタが短くて。一応最後の事件につながりは持たせてるんですが……なんというか、粗が目について仕方ない。

要素としては面白くなりそうなんで、もうちょっとキャラを絞って一つのイベントの尺を長くするとか出来てたら、面白さ増したような気がするんですが。

あーでも、最後の女王さまがいい感じに歪んでて、そこは個性を感じられたかなぁ。