「姫様、誰しも死にたくないものです。だから必死に生きるのです」
他国との戦争が激しさを増す中、王女ながら第一線で戦っていたイシュリーン。
けれど、彼女は国の中枢を担っている派閥から嫌われていて。
戦線を維持できず撤退する段になって、彼女のいる部隊に殿が押し付けられて、イシュリーンも殺されそうになった。
邪魔だから消してしまいたい……けれど彼女が死んだら自分が真っ先に疑われるだろう、と戦争に乗じた策ですが。
事情を知る者からすれば、よくやるというか。
目先のことしか見えてないと言いますか。敵将にも「腑抜けの王に助けられた。王女が指揮を執っていたらあそこまで簡単にはいかなかった」みたいな感じで評価されてますしね。
この機を見て殺す、という策も予想外の救いの手が差し伸べられたおかげで失敗してますし。
サトウナル。
気が付いたら戦火の真っただ中にいた、日本人。
彼がたまたまイシュリーンを助けたことで、内乱は激しくなりました。
敵の行動にも迷いが出て、国としての寿命は延びた気がします。
現状ナルは、帰還の方法を探しつつ世話になった恩があるため、書記官の仕事をしたりしていますが。
活躍としては地味というか、タイトルに在る通り主役はイシュリーンって事なんでしょうかね。
窮地に立った王女が、信頼できる貴族のところに行き、味方を増やしている……という所で終わっていますので、盛り上がってくるのは次回以降ですかね。