気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる  Long Long Engage

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「みんな、お父さんより先に死んじゃうんだよ。そしたらお父さんは、やっぱり一人になっちゃうでしょう」

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「ううん、詩くんは、この先も一人にはならないよ。詩くんは、そういう人だから」

 

本編が多くの謎を残したまま、続きが出ないと知ったときの悲しさが少し晴れた気がします。

成長した詩也の娘、ミナ・アリス=原田の視点で語られる、「その後」のお話。

 

甲斐崎の謎とか、雫の過去だとか、そういったものの答えが描かれていたのはうれしかったです。ただ、同時にやはり惜しくもあります。

謎は明かされましたが、「昔を懐かしんだ父の語った話」という体裁なので、どうしてもダイジェストなんですよねぇ。

それが惜しい。甲斐崎と詩也のバスケ勝負とか、それは楽しいシーンだったろうから、それに至るまでの話を見てみたかった、という想いもあります。

けど、本当はあそこで終わりだったはずなのに、期せずしてその後の話が見られたのは本当にうれしく作者さんや編集さんには感謝の気持ちで一杯です。

 

あらすじで「母は父のそばにはいられなかった」と有ったので、一体何があったのかと思っていたんですが。

吸血鬼である故に別れが来るのは分かっていて、それが想っていたよりも早かった。けれど、子どもたちが生きていたり、彼の秘密を知ったうえで黙ってくれている人達がいる、というのは安心できました。

吸血鬼、という事に苦悩していた十六歳の少年はもういなくて。全てを受け入れた「父親」として、ミナを見守っていた詩也が格好良くなっていたなぁ、と思います。

これから先、喪失は増えるだろうけど、きっと今の彼なら大丈夫なんじゃないかなぁ、と思える良いお話でした。

 

……あとがきで作者さんの容態の方がちょっと心配になりましたが。元々先に原稿を書いて余裕を持っているとか以前書かれてましたが……それでも、どうかお体をお大事にしていただきたいものです。


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる5

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「一番好きな相手と恋人になれるのって、とても幸福なことよ。それいつまで続くかは、本人たちしだいだけれど。苦労して手に入れた者は、大切にしたほうがいいわ」

(略)

「大切にしても……失われてしまうこともあるけれどね」

 

……完結巻、です。

話は、途中です。むしろこれから盛り上がってくるところだったろうに……

売り上げ的な理由で、ここで終了となってしまったようです。好きなシリーズだったので、すごく残念でならない。

というか、野村さんと竹岡さんのコンビは『文学少女』以来鉄板のコンビで、まさか打ち切りの憂き目にあうとは予想外。

 

本編は相変わらず面白かったです。

バレンタイン公演から、カレナたちの世代の卒業まで。

相変わらず報われずに空回っている偲とか、表向きは交際していないことになった詩也達の付き合い方とか。

ホワイトデーまでのイベントとか、詩也の周囲の女子たちの想いとか。

イベントが盛りだくさんで、飽きることなく最後まで読めました。

男女逆転の『ドラキュラ』は、コレはコレで見ごたえある舞台だったことでしょう。迫力はあった。

 

理歌が覚悟を決めたり、例によって冒頭の「ミナ=アリス・原田」の気になる記述とか、

終わりの「この後に来る哀しみを、今は、知らなかった」とか。

本当に、これから盛り上がってくるってところで終わってしまうのは無念です。

……どこか他のレーベルで続きとか出してくれないものだろうか。

 

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる4

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「オレが、吸血鬼だからです」

綾音と距離をとる決意を決めた詩也。
カレナ様視点でも書かれていましたが。
お互いに想っているのが傍目に明らかなのに、変な方向に覚悟しちゃったから厄介に。
レグルスのトップなのに、綾音の演技は精彩を欠いていて。
一方、役にはまったため、今回は詩也の演技での問題は大事になってませんでしたね。
重要なのは、すれちがっていた人間関係の方だったわけで。

詩也が雫とデートしたり、それに嫉妬した綾音がカレナとデートしたりと錯綜してる。
動きやすい格好として詩也がコーディネートした雫がいつもとイメージ違って中々可愛かった。
巻頭のミナ=アリス・原田の言葉。
これを見るにこのまま詩也は綾音を選んでいくコースにも見えますが。
一人きりの雫にも何か得るものがあってもいいんじゃないのかなぁ、と思うんですが。

すれ違いの果てにちゃんと距離が縮まったのは良かったんじゃないですかね。
秘密を打ち明けたりしたのもあって、関係がより強固になった気もしますし。
とりあえずストーリー的には、理歌が自覚しかけてる想いだとか、詩也が見た雫の過去だと思しき映像だとか、いろいろ気になる点は残っているわけで。
そのあたりにどういう決着をつけるのかが気になります。
後書きが体調に関する供述あって不安ですが……今年あと7本書く予定でその分脱稿済みって……相変わらず驚異的な執筆速度……体に無理がない範囲でやっていってほしいものですな。


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 3

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(そうだ、人だから迷うんだ。人だから間違えて、失って、絶望して。のたうって、大泣きして、また求めるんだ)
この物語に永遠は存在しない。
けれど、うたかたの恋にも意味はある。
(略)
だから一生懸命に恋をして、失ったら夢中で泣くんだ。


今回は、4チームある演劇部の合同での舞台。
それぞれのチームの主役級の面々が集まって、劇をすることに。
演目は「とりかえばや」。

詩也もなんとかメンバーに選ばれて、けれど、各チームのエースの前で大分迷っていましたが。
自分の演じることになった宰相中将の姿がうまくつかめなくて。
オマケに、またぞろ周囲で変な事件が起きて。
魅惑の永世王子、偲。静寂の白百合、百合香。無邪気の妖精、繭奈。
今回登場のキャラクターたちがまた、魅力的だった。

偲の演技力に充てられて、思わず弟子入りを願ったりと詩也が行動的。
けれど、同時に綾音との距離に迷い、吸血鬼であることにも迷い、心がぐらぐら揺れている感じ。
吸血鬼になった年齢から、もう成長しないと雫は言っていましたが。
容姿が変化しなくとも、心の在り方というのは大分変っているといいますか。
詩也が迷っている中で、覚悟を決めて行動を起こし、その痛みによって後輩である詩也を動かした忍先輩が格好良かった。
「簡単じゃ……なかった」。
彼女は叫び、その必死さに詩也は撃ち抜かれた。今回の主役はやっぱり忍と百合香の二人だったのかなぁ、と思います。

地味に気になるのは、名前だけ出てきてやたら存在感を放っている甲斐崎。
そして、終盤に気になる爆弾発現をこぼしていた繭奈。
この二人の話もその内描かれるんだよなぁ、と思いたいところですけど。
冒頭にある「ミナ=アリス・原田」の文章もまたかなり心くすぐられますが。
「あんな風に母を失った」という一文があるという事は、彼女は詩也が人との間に設けたという事になるんでしょうか。

相変わらず面白かったです。
後書きがちょっと心配ですが。少し手術をなさったそうで。
先に先に原稿を上げて余裕持ったスケジュールにしてるそうで当面は問題ないと言ってましたが。
他シリーズも含めて5冊分くらい余裕があるって、どれだけ……
凄まじいですね。無茶は苦手で、早め早めにやってますという事です。手術の方もそこまで悪くはなかったようですから、一安心ですが。倒れない範囲でやっていってほしいと思います。


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる2

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「いいや、やっぱりダメだ」
詩也はこぶしを握って立ち上がった。
「オレは吸血鬼になったけど、人間でもいたいんだ。人に混じって、人として生きていきたいんだ」


ひょんなことから吸血鬼となってしまった詩也が、演劇で頑張ろうとするシリーズ。
今回はバスケの方はあまり描かれてなかったですねー。
1巻で試合も出てたし、イベントとして消化されてしまったという感じなんだろうか。
まぁ、あのバスケ部の先輩だって一回だけのキャラじゃないだろうし、その内出てくるか。

自分の吸血衝動に悩む詩也。
それを抑えきれず失敗してしまった場面を、別の演劇集団「チーム・ベガ」のアイドルに見つかって。
どんどん泥沼というか、いち子女史の助言を活かして出会った瞬間に逃げてれば悪化はしなかったんじゃないのかなぁ、っていうのはありますが。
今だ慣れない環境、慣れない体質と問題を抱えている詩也にとっては難しいか。お人よしだし。

吸血鬼としての悩みを抱えながらも必死に生きている詩也はますますいいキャラになってきたんじゃないでしょうか。
ベガのアイドルとのスキャンダルとみて落ち着かない綾音や、その妹の理歌とのフラグも立てて着々と周囲の好感度上げていっているのがまた。
まぁ、今回会見をやったりしたネタもあるので、相応に評価落ちてる部分もあるのでイーブンなのだろうか。
雫の登場頻度が上がっていて個人的にはうれしい限り。
スラムダンクにつられて登場するあたりはなんとなく笑えるというか、可愛い。
昔のことについて色々と零したりと、気になることは積み重なっていってます。
何を考えているのか。彼女の言葉は当たるのか。
冒頭のセリフ。ミナの母はいったい誰なのか。今のところどこに転がってもおかしくない気がしますけども。
次回はもう文化祭ってことで、劇も迫力あるものになるんですかね。


野村美月&竹岡美穂 プレミアムブック

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やわらかな雪が、まるで天からのクリスマスの贈り物のようだと、ぼんやり考えながら――。
傷ついた愛しい人を抱きしめる切なさと喜びに、震えつづけていた。


藤壺~陸と千星の三冊が発売していた時のキャンペーン特典。
応募者全員サービスって素晴らしいですよね。

内容としては完結した『ヒカル~』と『吸血鬼~』のイラストとSS。
陸と千星はイラストと、作者からのコメントだけですが。
これについては、変にSS乗せちゃうとあの最後のいい終わり方が崩れちゃいますし、あれぐらいでちょうどいいんじゃないですかねー。
作者の語る「書き終えた物語のその後の想像」がいいなぁ、という感じで。
あぁいう続きがあっても面白いだとは思いました。ただ下手に手を出すと蛇足になってしまいそうな感じはありますし、想像で納めておくのが一番穏当ですかね。

ヒカルのSSも吸血鬼のSSもいい感じでしたねー。
クリスマスデートをした是光と式部のエピソード。
二人で映画をみてそれに影響を受ける綾音と詩也のエピソード。
短いながらに、満喫させていただきました。
こういうのいいなぁ、と思いますし、こういうのが増えないだろうかとも思うんですが、中々厳しいですかね。

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる1

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生き続けることに飽きたそのときは。
――永遠の恋を、はじめてみればいい。
――それは永遠に生き続ける者にしかできないことだ。


バスケの強豪校で練習に打ち込んでいた詩也。
だが、彼は通り魔に襲われ命を落としかけ、吸血鬼に救われる。
雫という少女は、何か目的を以て接触してきたというか、様子をうかがっていたようですが。
十二年は待つつもりだったという当たり、随分前から目星つけられていたようですけど。
吸血鬼と変えた後、ほとんど接触がないっていうのも不気味というか。
3度会い、少し会話は交わしているからまったく放置ってわけでもない。
そもそもの「正しく答えられたら、永遠の命をくれてやろう」という問いかけに対しての詩也の答え。
詩也自身も「正しいとは思えない」と感じている、あの答えを受け入れたのはなぜなんでしょう。
まぁ、雫に関係するエピソードは追々、ってことでしょう。

詩也を吸血鬼に変えた本人、雫は十字架など諸々を恐れない存在のようですが。
イメージに引っ張られているのか、詩也はにんにくの類も苦手になっているようで。
そして、吸血鬼と思春期の男子と合わさると、吸血に関しては葛藤の種となるわけで。
相変わらず心理描写が上手いなぁ、という感じで。
青春まっただ中な彼の迷いとか、演劇の相手役である綾音との会話とかが、もう眩しくて仕方ない。

綾音は、学校で聖女のように謳われ、ファンクラブもあるほど。
ただ、身長が女子としてはかなり高い部類で、演劇を行うにも相手役の男子を超えてしまうからなかなかパートナーが決まらないという状態で。
そんな時詩也に出会って思わず引き込んでしまうわけですが。
この人も中々天然というかなんというか。聖女と言われるのも納得ですな。
詩也の病気という言いわけも受け入れて、何とかできないかと考えるあたりは何とも。

葛藤しながら、詩也がバスケの試合をしていたのも印象深いところで。
転校して、演劇という畑違いの事をやることになって悩んでいる中で、捨ててきたはずのバスケの試合に参加する。
悩みを深くした部分もあると思いますが、そうした悩みを見せたからこそ綾音との劇につながったわけで。
劇の台詞の応酬をうまく見せてくれたよなぁ、という感じで。
綾音の妹のこととか雫のこととか、これからどうなっていくのか気になる部分もあるので、楽しみに待ちたいシリーズですねー。


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ちゃか

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