気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

和ヶ原聡司

ドラキュラやきん!

ico_grade6_3

「真似事でもなんでも、何もやってないよりマシだろう」

()

「人らしいことを何もかも諦めてる俺より、よっぽど生きてる」

 

『はたらく魔王さま!』の作者、和ヶ原聡司先生の新作。

非日常側に属する存在が、アルバイトによって日常に接しているという構造は同じではありますが。

魔王たちみたいに異世界から来たとかではなくて、元々この世界に根付いた怪異であるのが違いでしょうか。

 

夜だけコンビニのシフトに入って働いている、虎木由良。

彼は元人間ながら、吸血鬼に襲われ同族にさせられた存在で、仕事の傍ら元に戻る術を探していた。

元人間であるために、家族も居て支えてもらっていることもあってか、かなり真っ当に生活してるんですよねぇ。

勤務先の店長の悩みを聞いたり、酔っ払いに絡まれている女性を助けに行ったり。夜遅くで歩いている未成年に難色を示したり。倫理観がちゃんとしてる。

 

一方で、「身体を霧状化出来る」・「太陽光を浴びると灰になる」・「灰からの蘇生が可能」だとか、吸血鬼らしい弱点・能力も持ち合わせていて。

吸血鬼が海を渡るのは大仕事とかも言われてましたし、想像される大概の弱点が適用されそうですよね……

ライブハウスには自然に入ってましたから、招かれないと入れない類の性質はなさそうってくらい?

 

そんな人間味あふれる吸血鬼であるところの由良が、ひょんなことから吸血鬼退治を生業とする組織の少女と出会って……

とは言え「全ての吸血鬼を殺す」みたいな前時代的な組織でもなく、罪を犯している相手を追う類で、会話も成立するのは何より。

 

組織の少女・アイリスは、人間の男性が苦手で、座学は優秀でも結果を出せず、窓際部署である極東へ飛ばされたポンコツ要素溢れる子で、こう、目が離せない感じではありましたが。

不慣れな土地ということもあり、由良の手を借りようとするアイリスと、面倒だからとバッサリ断る由良のやり取りは楽しかった。

由良の事情を知っているもう一人の少女、未晴も可愛くてそれなりに楽しく読みましたねー。

 

キャラ的には未晴の方が好みではありましたけど、明かされてない設定的にアイリス掘り下げていくことになるんだろうなぁ、と言う感じが。

未晴とアイリスとバチバチやってるシーンが、外から見てる分には笑えて良い……巻き込まれたくはないですが。中心に置かれてる由良は頑張ってほしい。

はたらく魔王さま! 21

ico_grade6_4

「いってらっしゃい。みんなの幸せのために。私達の、働く魔王様」

 

長らく続いたシリーズの完結巻。

もう1~2冊くらい続くかなーと思っていたので、ちょっと意外ではありましたが。400P超で1冊に纏めあげたって感じですね。中々に分厚い。

神討ちの戦いに向けて準備は順調に進んでいて……敵がどんな手を打ってくるかは分からない。

 

ならば、戦いに臨むにあたって心残りは残せない、と。ちーちゃんのお父さんに事情を打ち明けたり、かつて犯した罪について謝罪に行ったりしている様子が、笑う場面じゃないんですけど笑えた。どこまでも真面目だなぁ、ホント。

 

神討ちの戦いに向けた前巻から続く時間軸の話と、全てが終わった未来の話を交互に描写していくのは、最終巻だからこそ出来る遊びだなぁというか。

未来において、あっちこっち予想できなかった方向に事態が進んでいて、驚きましたね。一番はサリエルですけど。まさかすぎる……

まぁでも、早々に愛を見つけていたからこそ、割り切りも凄かったというか。「佐々木千穂の心の百と、貴様の心の百は違う」みたいに中々いい事言ってましたよね。

 

未来のエピソードが挟まることで、討伐準備の段階では作中のキャラ達も不安を感じていましたが、まぁ上手い事決着したんだろうなぁと思えて、スルスル読めました。

神討ちの戦いがさっぱり始まらないので、本当に終わるのか……? みたいな気分にはなりましたけど。思ったよりもあっさり決着した風味。

 

物語のように勇者が魔王を倒して終わるわけではなく。終わってからも色々とすることは多くて、未来においても全てが決着してはいない感じでしたが。

事後処理も含めて、彼らの日常となって続いていくんだなぁという終わりは、余韻があって好きですね。

鈴乃やちーちゃんの気持ちに対して、魔王がそれぞれ答えを返していたのも良かったですし。

シリーズ完結、おめでとうございます。

はたらく魔王さま!20

ico_grade6_4
「押さえつけたって、漆原さん以外はみんなやりたいことがあるんですもん。でも、それは今だって一緒。でも、私ばっかりみんなのことを受け入れなきゃいけない理由はありません。私の気持ちだって、みんなに受け入れて欲しい。だから、今回私は色々やり返すんです」

 

やっと読めたー。

積読の山に埋もれてしまったのは分かってたんですが、発掘する気力が尽きてて。

しかし今回もまたちーちゃん無双だったと言いますか。

悪魔大元帥の肩書に恥じぬ活躍を見せてくれておりました。

 

事ここに至る前の段階では、ベルやエメラダ達が権力を活用して、状況を誘導しようとしていましたが……権力があるってことは同時に柵もあるってことで。

この状況は、エンテ・イスラから距離がある彼女だからこそ用意できたのは間違いないでしょう。

 

一方で、魔王への思いを自覚したベルは……今回はパッとしなかったというか、自分の感情に振り回されまくってて可愛かったですけど。

ルーマック将軍が、振り回されまくってて、「知るか本当にもう」とか言ってる場面は、つい笑ってしまった。

ある程度状況を把握している上の人間が、こういう発言を出来る程度には平和だというのが分かって、ちょっとほっとしました。

 

アシエスに続いてアラスラムスにも異変が生じて。

それの解決の為に魔王と勇者が一つ屋根の下で暮らすという、愉快な状況が怒ってましたが。……虐殺した側とされた側。

普段は飲み込んで交流していても、どうしても譲れない一線はある。エメラダの暴走にしたって、そこに起因してるわけですしね……

 

魔王と勇者が諸事情により自由に動けない。ならば、こちらからあいさつに行こうと、エンテ・イスラの面々が勤務先に訪れてきてたのには笑った。

それはそれとして、魔王にはそろそろ答えを出してほしい所ですが……え、ここで根本的な問いに行くの。というかサリエルにそれを聞くのか。

 

はたらく魔王さま! 19

 ico_grade6_3h

「毎日、おにぎりを二百個食べてるよ」

千穂は、ごく自然に尋ね返していた。

「聞き間違いだよね」

「聞き間違いじゃないよ。二百個だよ」

 

こ、このヘタレ魔王……!

ちーちゃんへの返答を保留にしているばかりか、新しい爆弾を抱え込みやがって。

ついに想いを自覚した鈴乃は可愛かったです。

それはそれとして、魔王は本当にもう……最近ちーちゃんの方が活躍してるじゃないか!

ここまで引っ張っている以上、魔王が恋とかの答えを出すのは、決戦後とかもありうるのでは……

流石に答えを出さない程ヘタレではないと信じています。                     

 

後、鈴乃は……何というか、運が悪かったというか。

八方手を尽くして、仕事を遅らせていたのに昇進するとはこれいかに。

「仕事の進みが遅いのは、お前の位階が低いのも一因だろう。出世させるから励めよ」的な事を言われて昇進。

しかも、本来なら時間をかけて行う儀式なども緊急時だからと、かなり簡略化されて。

鈴乃の昇格によって、他の面々の工作も裏目に出たりとエンテイスラは大騒ぎ。

 

日本側もかなりの騒動になっていましたが……それが、アシエスが大飯ぐらいになったって言うものだから、言葉にすると、なんか気が抜けるな。

腹が満たされていないと、光を放ち周囲に被害が出るというあたり、こちらはこちらで危機的状況ではありました。

荒療治ながら、それを落ち着ける手を打ったのもちーちゃんで。この作品の主人公はちーちゃんだったんだな……みたいな気分。



はたらく魔王さま! SP2

ico_grade6_3h

「心を鍛えるには、身体も強くないといけないと思ったんです」

 

アニメ特典小説を書籍化したSPシリーズの2巻。

書き下ろしも加わっているそうですよ。

特典時は「2.8」だったそうで。そのナンバリングの通り、2巻と3巻の間。アラス・ラムスが現れる前のエピソードです。

 

化粧をしたことがなかったという鈴乃がその辺りを教え込まれてたり。

魔王の散髪を芦屋がしたり。いや、本当に多芸な芦屋……

でもそうした生活様式、文化を通じてエンテイスラとの差に触れられる辺り、油断ならない。

最初は化粧やこちらの世界について知らなかった鈴乃が、終盤は出かけるにあたって化粧をしたり、漆原を言い負かすときの例えにゲームを持ち出したりと成長していて、なんか感慨深かった。何目線だ。

 

Gが苦手なちーちゃんとそれを知った佐々木母のやり取りなんかもちょっとわらっちゃいました。

まぁ、嫌いな人は本当に嫌いですよねぇ。

私も対処は出来ますけど、決して得意ではないし、あまり見たくもない。

あと漆原は本当に漆原というか、安定のポンコツだなぁ……こいつも能力がないではないだろうに、なぜこうもポンコツなのか……



はたらく魔王さま!SP

ico_grade6_3

「……なんつーか……」

「何よ」

「……面倒くせぇ奴」

 

テレビアニメシリーズの特典小説、描き下ろしを加えて文庫化。

電撃大王にてコミカライズされたのを読んでいて、大凡エピソードとしては把握してましたが、迷わず購入。

こうやって特典小説を、時間をおいて刊行してくれるのが最近チラホラ出てきてますが。

正直有難いですねぇ。円盤まで追いかけ切れてなかったりしますし。本当なら購入して応援とかも出来ればいいんですけど、懐が寒いとどうにもねぇ。

 

閑話休題。

5巻と6巻の間のエピソードですね。

農業を営んでいる千穂の父親の実家から急な人手不足による応援要請がやって来て。

まだマグロナルドが改装終了していない為、手が空いていた魔王軍三名が派遣されることに。

 

元農家の娘である勇者は、実家の農地を潰した魔王たちがどんな顔して農業にいそしむのか、と愚痴をこぼしてましたが……

まぁ、そういう感情を抱くのは仕方ないですよね。魔王もそれに関しては、理解を示していましたが。

それとは別に魔王と勇者が、互いの感情や思考を想像できる自分というのに苛立ちを覚えているのも確かなようで。

このころはこれぐらいの距離感だったよなぁ、とちょっと懐かしくなりました。

 

親戚から魔王との関係……というか自分の思いについて突っ込まれて慌てふためいているちーちゃんが可愛かったです。

ただ農業に従事して終わらず、厄介事にまきこまれているあたり、誰が招き寄せてるんだかって感じですが。

餌を求めてうろついて居た熊を勇者が対峙したり、近隣を騒がしていた野菜泥棒を捕まえようと動いたり。条件次第で団結できるって言うのは強い。

しっかり泥棒共を捕まえて脅してくれたのにはほっとしました。

勤務先で万引きに悩まされる日々を送っている身としては、盗人は本当許せないので。……まぁ、勇者と魔王におどかされて同じような真似はしないでしょう。
……そこで終わってれば格好良かったのに、熊殺しでオチをつけるあたり魔王様、詰めが甘い。


はたらく魔王さま!18

ico_grade6_3

「いつも、悪かったな」

「やっと分かってもらえて、嬉しいです」

 

年度の変わり目という事もあり、マグロナルドのスタッフも入れ替わり……

ちーちゃんも受験生になるため、店を去ることに。将来、どうなりたいのか、という悩みは尽きないようですが……

ちゃんとアドバイスをくれる大人が周囲にいるからちーちゃんは大丈夫でしょう。

 

こんな良い子から想いを寄せられて、長々と返事を保留している魔王は本当痛い目見ればいいのでは……

いや、前回不測の事態で吐血したり気を失ったりしてましたけど。

 

エンテイスラ側でも動きが加速してます。

天使たちが神託を下し、中央大陸でこそこそと準備していた魔王たちを打倒しようと準備が始まってます。

とはいえ、人や物資を集め、旗印を揃え船による輸送ルートの確保等々目的が定まっても敵が即座にまとまってやってくるわけではなく。

鈴乃達が可能な範囲で足が遅くなるように工作していて、無用の血が流れない良い結末になってくれればいいですけど。

また天使たちが何か手を打ってきそうで嫌な予感もしますね。

 

芦屋もこの状況下で色々と暗躍しています。

魔王たちはあくまで王とその配下であるのだ、と。日本に適応して生きてるだけじゃなかったんだなぁ……

魔界の抱えていたエネルギー問題、魔界の住人たちの行く末。そうしたものをしっかりと、今なお考え続けていた。

 

そしてちゃんと未来につながる策を出してくるんだから、流石。

万事解決する一手というわけではありませんが、多く抱えている問題を解決していく一歩目にはなったんじゃないですかねぇ。

少なくともマグロナルドの人員不足に関しては一枠埋めたわけですし。この調子でどんどん進んでいってほしい所です。

はたらく魔王さま!17

ico_grade6_3

「さあ、肚を決めろ天使。我らは未来のために、とっくに道を選んでいる」

 

魔王が正社員登用試験に落ちて、木崎店長が異動する事が決まり、エンテイスラだけではなく勤務先でも問題が。

神様をどうこうしようって計画の最中であっても、こうやって日常側のエピソードをちゃんと織り込んできて、どちらも大切なんだと描いてくれるのがいいですねぇ。

 

落ちたショックで仕事に打ち込み、同僚たちから魔王が何人も居るように見えるとか言われるぐらい働いてる場面から始まったのには笑った。

大分揺れてるから、魔王的には笑い事ではないでしょうけど。木崎が絡んだときのサリエルみたいに割と魔王も面倒になる時あるよな……

 

傷付いたカミーオが持ってきた厄介事。

大魔王の遺産、最後のひとつには厄介なトカゲがくっついてきて。

特殊な能力がありつつボケてるとか、扱いに困るどころの話ではない……

神を打倒するために着々と準備が進んでいたと思いきや……天界もただそれを黙ってみているはずもなく。

最悪の手を、こちら側が嫌がるタイミングで的確に打ってくるあたり油断ならない。

さてはて、状況的に仕方ない部分があるとはいえ、魔王に良い所なしだからもうちょっと頑張ってほしい所ですが。


ディエゴの巨神

ico_grade6_3

「時代というものが確かにあるなら、私はそれを受け入れる側ではなく作る側でありたい。だから頼む。私が死んでも、お前の父上が死んでも、時代を作るこの戦いの結果を受け入れて欲しい」

 

新大陸の発見に湧く海洋国家スピネイア。

そこに住まう、違法とされる陰陽術の研究を続ける青年ディエゴと、素材の手配を手伝う剽軽者アルバロ。

ディエゴは研究内容に疑惑を抱いた娘に襲撃され……違法な研究だったので、それを咎める教会にも目をつけられて。

折よく新人募集をしていた、新大陸遠征軍の船に転がり込むことに。

 

そこから新大陸の実情なんかに触れていくわけですが。

ディエゴ、書物だけの知識で陰陽術をある程度形にしてしまう程度には才能あるのに、微妙に視野が狭いですよね。

過ぎた力は、争いを呼び、多くに禍を為すという事に気付いていなかった。

 

あと、自分の立場が弱いのに、持っている札について情報を隠していなかった、というのも。

結果として、彼の残した知識を元に、被害甚大になってしまったわけですし。

いやまぁ、新大陸側の視点から見るからやらかした、って感じになりますが。

遠征軍側としてみれば、なすすべが無かった相手への対処法を考案したってことで、かなりの貢献、ってことになりますが。

何というか読んでいる途中で、そう上手くいくかなぁ、と思ってしまって作品に入り込めなかったのは残念でした。


はたらく魔王さま! 0-Ⅱ

ico_grade6_3h

「自分達こそがこの軍を率いるのに相応しいとは思わんのか」

そして遂に、これまでのアルシエルなら決して言わなかったであろう一言を言った。

それに対する二人の大悪魔の答えは、きわめて簡潔であった。

「「本当に相応しければ、最初からサタンの力など必要としなかった」」

 

魔王たちの過去編第2弾。

ルシフェルが退屈を感じたために裏切り……そのせいで魔王軍は予定の前倒しが必要になって。

南部のマレブランケへ進軍することに。

オマケにルシフェルがそっちに加担して戦う事になったりして、魔王が一度捕えられる状況も発生していましたが。

 

主が居なくとも、サタンが作った流れはもはや止まるものではなく。

自己の判断で動ける部下って言うのは貴重だなぁ。

これまでの魔界であったら、ありえなかった光景。それをサタンは作ってきたんだ、と。

アルシエルが受けた衝撃はどれほどだったろう。

 

そしてアドラメレクの株がどんどん上がっていくというか。

「この軍におるとな、己が昨日のままではいられなくなるのだ」と新しい技を会得する事に躊躇いが無い。

本当に理想的な長だったんじゃないかなぁ。

 

名前だけは出ていた四天王の最後の一人、マラコーダも登場。なかなか食わせ者というか。油断ならない手合いですなぁ。

既に亡き人(悪魔だけど)って言うのが惜しくなる感じ。

本編の時間軸の話も最初と最後に挟まっていましたが、17巻がどうなっていくのか今から楽しみです。


 
プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ