気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

坂本みねち

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿4 「Case.魔眼蒐集列車(上)」

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「それでも、あなたのように誰かを守ろうとしている人を、私は信じたい」

 

下巻の発売予定が出るまで、読むの我慢してたんですよねぇ。

ようやく手を出すことが出来ました。あぁ、やっぱりエルメロイⅡ世好きだなぁ。

『序章』のⅡ世の「ああ……やっと……」という言葉にどれだけの思いが込められていたのか。

まだ道のりは果てないとはいえ、彼はまた一つ成し遂げたのだ。それを思えば、少し深酒して寝落ちするくらい可愛いものではないでしょうか。

 

エルメロイ教室の新しいメンバーも登場してましたが……

堂々と他学科からのスパイですと公言するイヴェットに、フラットが術式を読み解きⅡ世が理論化した原始電池を与えられたカウレス。

また個性的なキャラが出てきたな、と言いますか。カウレスはアポクリファの世界線でなくてもエルメロイ教室にくる運命なのか……

 

カウレスの方は、師弟の暴走の結果ではありますが……他者の秘匿した魔術を暴いて、別の奴に与えるとか。

そりゃあ、他の魔術師から歓迎はされませんわな……。グレイにすら得心されてるじゃないですか。

まぁ、その行いが今回後半Ⅱ世を助けるんだから、人生何がどう転ぶか分かりませんな。

 

今回の舞台は、「魔眼蒐集列車」。

その名の通り魔眼を集めるのみならず……オークションを実施し、その移植まで請け負う一種の都市伝説的な存在。

Ⅱ世は招待状を受け取り、奪われたものを取り戻すために、列車に乗り込むことに。

FGOでおなじみのオルガマリーが登場したりしてますなぁ。まだ幼さが見えるというか、人の死を見て悲鳴を上げられる可愛げが残ってる。

 

列車内で起きた殺人事件。

Ⅱ世も対面したときに硬直した、予想外の存在の登場。

そして予期せぬ列車の進路変更。さらにここに状況引っ掻き回しそうな乱入者が来るんだろ……?

なかなか混沌として来てますが、コレをどうまとめ上げるのか、下巻が今から楽しみでならない。


ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3 「Case.双貌塔イゼルマ(下)」

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「魔術師だろうがそうでなかろうが、人にとってエゴは絶対だ。いかなる善行も悪行も、それが本当に他人を救ったか、はたまた傷つけたかなどしれたもんじゃない。だが、それが誤認だろうが誤解だろうが、自分が辿り着いた生き様だというのなら胸を張れ。自分のための戦い挑むなら、せめて独善で他人も染めてみろ。(後略)

そうしなかったのだから、お前は負けたのだと。

そうできなかったのだから、お前は這いつくばっているのだと。

 

エルメロイ2世の葛藤。

人間は成長するのかどうか。繰り返し学習することで、能力が伸びることはあるだろう。

けれど、人生の岐路は幸運や偶然に左右される。ならば本質的に成長する事などないのではないか。少なくとも、自分は成長はしたと感じていない。

 

グレイが思い起こしていた、ロードとの出会い。

灰色だった存在が、弟子として外に出た時の記憶。

始まりにこのエピソードを持ってくるあたりは、ズルいなぁ。2世の必死さが、彼の願いに向けるひたむきさが、より強く感じられる序章でありました。

聖杯戦争について触れる時。自身の願いについて語る時。かの王の影響が2世の言動に現れていますから。

 

エルメロイ教室の古参のメンバーとともに調査することになって。

スヴィンは2世の信奉者みたいですが、フラットはFakeと同様に引っ掻き回す天才で。

現役の生徒でも双璧とされる彼らの戦いぶりが見られたのは良かったですね。

まぁ、さすがに歴戦の魔術師や冠位を相手どるのは難しかったようですが。

 

襲撃をかけたアトラム・ガリアスタ。

依頼を受けてエルメロイ教室の敵に廻った蒼崎橙子。

イゼルマの魔術師と、二人の君主。黄金姫と白銀姫。

色々な思惑が入り乱れた、一触即発の状況で、どうにか会話できる程度に毒気を抜くとか、さすが2世と言いますか。手札の使い方が上手いですよね。

 

そして彼が、今回の事件に対しての推測を語りだすわけですが。

……結局あの冠位の魔術師が愉快なだけの一人勝ち、ってところなのかなぁ。

アトラムの狙っていたある呪体の行方が明らかになったときには、これでこそ蒼崎橙子と思うと同時、「何してんだこの人……」とも思いました。

イゼルマが呪体を得るためにつかった資金はどこから来たのか。解離城の時のように裏で動いている勢力があるのではないか、という考察が出てましたがそのあたりは次回以降明らかになっていくと信じます。

次回はまた夏予定とのことで。今から待ち遠しい。



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿2 「Case.双貌塔イゼルマ(上)」

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「美の作用について、魔術はこう考えるそうだ。――美しいものを見ることは、自らを美しくすることだと」

 

Fateの正史。

エルメロイ2世が関わることになる事件。

今回は、メインの視点が義妹のライネスですけどね。

 

彼女が招待された「時計塔の社交界」。

究極の美の実現を目的とした一派の、成果のお披露目。

時計塔となれば魔術師の派閥もあるわけで。色々と面倒な事情もあるため、ライネスはグレイを護衛として連れてその会へ足を運ぶわけですが。

 

そこには冠位の魔術師がいて。事件が起きて。

ライネスは事件の犯人と疑われ、自分の潔白を証明するために調査していましたが泥沼にはまって。

本当良い所で2世が登場して。彼の知見によって、とりあえず状況はロード預かりになりましたが。

他家の魔術師のホームグラウンドで、敵視される状況はよろしいものではなく。駆けつけた2世も謎の答えを即座に導けるでもなし。

首の皮一枚つながった、よりはマシでしょうが良い状況ではないですね。

 

まだまだ事件の本質は明らかにならず。エルメロイ教室のウェイバーやスヴィンといった特徴的なキャラクターも登場して、中々楽しくなりそうな状況ではありますねー。

しかし、最後に登場したあの魔術師は……いや、確かに五次前なら生きてますけど。


ロード・エルメロイⅡ世の事件簿1 Case.剥離城アドラ

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「ボクは、もう十分な栄誉を受けたんだよ」
(略)
「その栄誉は後払いでもらったものだ」
(略)
「だから、ボクはその栄誉にふさわしい人物にならねばならない。順序が逆になってしまったけれど、あなたの見る目は間違えてなかったのだと証明しなければならない」


三田誠が描くFateの世界。
Zeroで描かれた、未熟で必死で、そしてサーヴァントとマスターという関係を変えた、良コンビ。
ライダーと共に戦った、ウェイバーのその後の話。
時計塔の講師になっている、というのはどこかで見たことあったんですが。
割と様になっているというか。

色々な巡り合わせもあって「君主」の一人として、菲才の身ながら末席に名を連ねているようで。
魔術師としては凡庸でも、頭脳の冴えは素晴らしく、第四次聖杯戦争において、キャスターの根城を突き止めたのと同じような空気を感じます。
そこからさらに成長が見られたり、自分の非力を真っ向から認められたり。
ある事情から集まった魔法師たちの中で一番弱くて、決闘したら死ぬのは自分一人だ、とか言っちゃいますからね。
確かに成長しています。けれど同時に、天才たちへの渇望というものもあって。

「君たちは、本当に卑怯だ」
(略)
「ただ天才であるというだけで、あっさり高みへ飛翔していく。私がただ思い描いているだけの空を自由に飛び回る」


剥離城アドラ。ある魔法使いの拠点とした工房。
城内には多くの天使が飾られ、遺言によって魔術師たちが集められる。
提示された謎を解き明かしたものが遺産を得られる、と。
キャラがそれなりに出てきた中で、ちゃんとそれぞれの事情や心情なんかをしっかり描いたうえで、話がするする進んでいくんだから流石というほかない。

まぁ、魔術師が集まって、謎解きやろうとすれば脱落者も出るわけですが。
その人たちもまた魅力的なキャラクターでした。
Fate好きなら読んで損はないんじゃないですかね。
自分がそこまでFateの派生追い切れてるわけでもないんですけど。
もうちょっと頑張って追いかけたいところはあります。
作品は文句抜きで面白かったです。アポクリファは完結しましたが、新たに始まったこちらはまだ巻数でるようなので、今から年末が待ち遠しいですねー。


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