気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

夜を歩けば

夜を歩けば3 ミルキーウェイ

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「私は貴方が嫌いです。最初から独りで立っていたから。縋ったときに拒まないから。拒まなかったのに受け入れなかったから。独りで汚れて、独りで格好をつけて、独りで罪を背負うから」


現代異能ファンタジー、完結。
・・・帯に書いてあったので異能ファンタジーと呼称しますが、二巻では異能バトルと書いてなかったか。
異能を売りにしたいのはわかるけれど、決してバトルはしてないと思うがなー。せめて煽りの文句は統一したほうがよかったんじゃないだろうか。

閑話休題。
隔月刊行のあおりを受けたのか知りませんが、挿絵がありませんでしたね。
2巻読んだときはさっぱり気づいてなかったですけど、2巻にもなかったか。
まぁ絵師さん調子悪いのか知りませんがなんか、微妙なテイストになっている感じもあるので、ない方がよかったのかなぁ。物足りないですけど。

今回の事件は「目撃者がいない刺殺事件」。
「上」の方から派遣されてきたなんか偉そうなよそ者の指示に従ってあちこち調査に回ったりしています。
七枷市における異能者の数と、東京における異能者の比率。
異能を研究する研究者。
新しい情報をいくつも出しながらもしっかりと話が進んでいて、あっさりと事件が解決していっているのはいつもの感じですねー。

1巻、2巻にあった伏線というか物語ならそんなこともあるのか程度の認識だった「偶然」。
それが誰かの行動の結果導かれていたものだとは。
異能者の呼び方としてアウター、外側の者ってつけた人は偉大だと思います。
なるほど、容赦ないというか、ためらいがないっていうんだろうな。

真冬が理不尽を許せないように。所長が異能者を嫌うように。
異能があることも影響はしているでしょうが……「許せないと思ったものを許さない。その道を選んでしまったから」。真冬の行動を見ながら一野が思っていたことですが。
行動の分岐なんてない。既に選択はなされているから。だから、彼らは揺るがない。
そういう意味では、早坂刑事も安定していたよなぁ……すげーわあのシスコン。
王道に話を展開しようっていうんだったら、真冬とか早坂刑事をメインに据えたほうがよっぽど安定しただろうに。

ま、この話の主人公は宮村一野なわけですけど。
花梨とのやりとりとか結構好きだったので、完結してしまうのは残念ですねー。
伏線をちゃんと回収したのは評価できますが、ちょっと駆け足だった感じは否めないといいますか。他のシリーズみたいに四巻構成じゃダメだったのだろうか。そこは少し残念です。
まー、なんだかんだで楽しんで読みましたけどね。
次回作は内容未定ながら刊行予定はあるようでそれ楽しみに待ちます。


夜を歩けば2 ガテラルデイズ

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「でも、辞めたじゃん」
「他にやることができた」突き放すように言う。「おまえみたいに、歌わなきゃ死ぬような人種では、俺はない。死ぬほど許せないことがあった。目の前にそれがあったら、楽しいことをするより、死ぬほど許せないことを許さない方を俺は選ぶ」


ある人気バンドの周辺で、集団暴行事件が起こる。
《異能》が絡んでいるのではないか、とサイトウリサーチに仕事として持ち込まれた。
元々は、都内を拠点としているバンドなので、そっちを管轄にしているサイトウリサーチと同類の会社が調査していたものの、結果は芳しくない。
地方でライブをやることになり、そっちでも調査してくれと持ちかけられて、仕事に臨むことに。
ただの事件ではなく、それは真冬の友人や、宮村たちがサイトウリサーチに属する原因となった「2年前の事件」に状況が酷似していて。

他人の雰囲気や空気が見える、ザクロビジョンの宮村一野。
他人の思考が読める、プチプランスの石本花梨。
2人は、互いの能力が干渉するため、空気も見えず、思考も読めない。
だから、前回の最後花梨は一野の家を避難所に受験勉強に励んでいるわけですが。
なんか一野、花梨に食事作ってもらったりしているんですが。
どうしようもなく外側にいる癖に、日々充実しているなぁ、という感じが。
花梨もなんだかんだと、入り浸っているようですし。

2年前の事件。真冬が一野を殺したいと思うような、事件ですが。
これもバンドの周辺で集団暴行事件が起こる者だった。
真冬と一野が出会い、それに対処しようと行動するわけですが、一野が最後に出した解決方法がとんでもないよなぁ、というか、ろくでもないというべきか。
流石、外側にいる奴はやることが違う。断片として描かれていた過去。
一野と所長はだいぶ似た者同士なところがあるようで。
異能を、異能者を、踏み外してしまった存在を、何より自分自身を許せない。
歪んでいるなぁ、と思いますが。

2年前の事件で、千手院との縁もできていたんだなぁ、っていうのが少し意外な気もしましたが。
あの時点で彼女は被害者で、前回も今回も傍観者なんですよねぇ。
死角に入り込むウィルギニス。まぁ、調査向きではあるでしょうけど、荒事向きではないですし。
あとは、未だに所長の異能がなんなのか描かれていないんですよねぇ、次回タイトルは「ミルキーウェイ」とのことですし、一野に『靄』として見える所長の異能が絡んでくるんでしょうか。

一番驚いただったのは、千手院と一野の関係か。
それを知ってなお花梨が離れていかないのが意外でしたが。
一野の分析によれば、彼自身は外側にいる人間で、真冬と千手院は内側に戻れる人間。
そして、花凛は外には居ないけれど、内側には戻れない。外と内との境界線上にいる状態。
時間が進み、最後四月となり春。
石本花梨は大学生となっていましたが、もう一つしれっとトンデモなこと書かれていたような。
次回でラスト、という事ですし、少し早めですかねー。
個人的には、この歪み具合が好きなんで、もうちょっと続いてくれてもいいんですけど。


夜を歩けば1 ザクロビジョン

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壊れてほしいのか。
壊れてほしくないのか。
壊れるところを見たいのか。
ひょっとしたら壊れないところを見せてほしいのかもしれないな、と思った
だとすれば、実に勝手で、実に僕らしい話だ。

あやめゆうさんの新作。
やっぱりこの作者さんの文章とか、キャラクターとかは好みにあってますね。
これまでの2作は異世界ファンタジーでしたけど、今回は現代ファンタジーという事で。

異能をもった人々の話。
超能力のようなものではあるけど、分かりやすいものではない。
瞬間移動や念動力とかそういった方向に発現していない。
例えば、雰囲気やその場の空気といったものを幻視する能力だったり、死角に入り込むものだったりします。
強くもないし、万能でもない、けれど確かに普通とはかけ離れた異質な力。
そうした相違をうまく描いていたんじゃないかと思います。

連続して発生する、飛び降り事件。
特殊な調査会社のバイトをしている主人公は、ビルの窓から人が落ちるのを目撃する。
目撃者の一人として、いろいろと事件について調べていくわけですが。
まともな解決をするわけじゃないんですよね。
彼らは決して探偵ではない。謎を解くのではなくて、事件を終わらせることが仕事。

異能を持つものは世間の外側にいる。
主人公は、人の雰囲気を視覚化するがゆえに、空気を読めすぎて、距離を取るようになった。
自分の異能と折り合いをつけるという事は、そうやって多くの事象の外側に立つことになるようで。
だから彼らは『外側の者』という意味を込めて『異能者(アウター)』を自称する。
そんな人たちがまともなはずがなくて、誰もかれもがアクが強い。
主人公がそんな人たちからもやたらと嫌われているのはなぜなのか、とか気になりますねー。
あとは、今回所長なにもしてないし、早坂刑事の妹の必要性とかも少し疑問ですが、次回以降活躍してくれることを祈りましょう。
隔月刊行らしいので、今から楽しみですね。


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ちゃか

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