「得意げにしている場合かッ!? 貴様は! それでも! 騎士なのか!?」
「はいもちろん。これでも国許では騎士団長を拝命する身です」
「この世に救いはないのか……?」
約2年ぶりの新刊。
9巻で、エルとアディが結婚した前半の印象が強く残ってて、そう言えば浮遊大陸編だったな……と思いだすのにちょっと時間かかった。
エムリスとキッドが冒険に出かけたものだから、エルたちが新婚旅行を中断して追いかけてきたんでしたね。
独断専行すぎるきらいはあるものの……
浮遊大陸は、源素晶石という需要が高まっている資源が眠る場所であり。
多くの国家の欲望によって、災禍に見舞われる事となっていた戦場でもあったので、介入の余地を作れたのは大きいんですよね。
エムリスたちは知らなかったことではありますが、巨人族との縁すら紡いだフレメヴィーラ王国であれば、ハルピュイア達とも良い関係を築けるハズ。
既にキッドがいくらか達成してはいましたけど。随分懐かれたね……
各国がバラバラに動いていましたが、含有戦力的にイレブンフラッグスが劣り、飛竜戦艦を擁するパーヴェルツィークが優位をとって。
ハルピュイア達をそこまで気に賭けず陣取り合戦するんだから、たまりませんね……。
裏で動いているエムリスやエル、別勢力の狂剣までいましたけど。
エルがイカルガ持ってこれなかったのはちょっと痛いなー。アレだけの大戦力をそうそう他国に運べないのはその通りですけど。
まぁ、それで大人しくしてるはずもなく。代わりにもってきたトイボックス2で好き勝手暴れて状況を何度も動かしていたので、銀凰騎士団長がジョーカー過ぎるんだよなぁ。
カードゲームだったら公式大会で使用禁止になるレベルでしょ。
エルの暴れっぷりが楽しいシリーズなので、その調子でどんどん他国の人の度肝を抜いてほしい。……たまに自国の王様すらびっくりさせてますが。うん。いいと思う。