気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

天酒之瓢

ナイツ&マジック11

ico_grade6_3h

「そんなに変でしょうか?」

「変なところしかないから、逆に変に見えないくらいには変だ」

「それは同感」

 

空中大陸を舞台にした争いに区切りがつくことになる巻。

イレブンフラッグスの連中が中央の柱に手を出したことで、厄介な存在が目覚めて……。

交渉によって飛竜の修理に協力する代わり、融通を利かせてもらえることになり。エルがウキウキ調査に赴いてましたが、一度は撤退を余儀なくされるほど。

 

爆弾があると分かったのだから空から退くのも選択肢にはありましたが……貴重な資源に溢れた大陸の高度が下がっているのが明らかになり、それもかなわず。

退いた後の方が、地上で大きな争いになるって言うだから面倒な事この上ない。

一組織だけで対応できる規模ではないため、オベロンまでも巻き込んだ体制で事態に対処する事になっていきますが。

エルはどこまでも変わらないなぁ。飛竜戦艦を作ったオラシオも、自分の目的のために驀進して、その過程で被害が出ようと気にしないマッドな部分がありますが。

エルはエルでロボット至上主義過ぎるからなぁ……。オラシオの目的である宇宙進出も、ロボットで成し遂げてやる! って宣言してたのをやってしまいそうな雰囲気がある。

 

一方のオベロン。彼がハルピュイアに肩入れする理由なんかも明らかになりましたが……小王を名乗る通り、上に立つ覚悟はあるんですよね。

仇敵と認識しているエルとだって、必要なら手を結ぶことだってできるし。最後、嫌いだけど恩もあるので追放するって選択するのが、嫌いじゃないですよ。

 

ナイツ&マジック1

ico_grade6_3h
「じゃあ騎士になります!!」

プラモを作るのが趣味だったサラリーマン。

彼は事故で死に……異世界へと転生してしまった。両親から見ても、賢くて良い子ながら退屈そうにしていたそうですが。

シルエットナイトという、こちらの世界の魔法で動くロボットを見た瞬間、彼の人生はロケットスタートを決める事になるのです。

 

エルの目がキラキラしている様とか、魔法行使の際の規格外さとかが絵で示されてていいコミカライズですねぇ。

彼の屋上散歩を見て、長い付き合いとなるキッドやアディと出会ってますが。なるほどアレをみたらそりゃあ声の一つもかけたくなるってものでしょう。

夢に向かって突き進む彼の影響を受けて、最初は普通の子だった二人も著しく成長していくのが面白い。

(家出しなくて正解だったろ?)(しようとしたからエル君に会えたんじゃない)ってコマの口をとがらせてるデフォルメアディが可愛い。

 

ロボットに乗りたいけどエルは体躯が小さくて、身長制限に引っかかってしまう。ならば自分で適合したロボットを作ればいい、と乗りこなすための授業ではなくて、作るための授業を受けに行く辺り愛が激しい。

その為に、本来なら受けないといけない授業を、「受ける必要が無いくらい習熟してる」と圧倒的な才覚を示して、免除を認めさせてたし。彼の敵には回りたくないなぁ、と思う一エピソードですが、止まらない暴走特急っぷりを示してて好き。

ナイツ&マジック10

 ico_grade6_3

「得意げにしている場合かッ!? 貴様は! それでも! 騎士なのか!?」

「はいもちろん。これでも国許では騎士団長を拝命する身です」

「この世に救いはないのか……?」

 

2年ぶりの新刊。

9巻で、エルとアディが結婚した前半の印象が強く残ってて、そう言えば浮遊大陸編だったな……と思いだすのにちょっと時間かかった。

エムリスとキッドが冒険に出かけたものだから、エルたちが新婚旅行を中断して追いかけてきたんでしたね。

 

独断専行すぎるきらいはあるものの……

浮遊大陸は、源素晶石という需要が高まっている資源が眠る場所であり。

多くの国家の欲望によって、災禍に見舞われる事となっていた戦場でもあったので、介入の余地を作れたのは大きいんですよね。

エムリスたちは知らなかったことではありますが、巨人族との縁すら紡いだフレメヴィーラ王国であれば、ハルピュイア達とも良い関係を築けるハズ。

既にキッドがいくらか達成してはいましたけど。随分懐かれたね……

 

各国がバラバラに動いていましたが、含有戦力的にイレブンフラッグスが劣り、飛竜戦艦を擁するパーヴェルツィークが優位をとって。

ハルピュイア達をそこまで気に賭けず陣取り合戦するんだから、たまりませんね……。

裏で動いているエムリスやエル、別勢力の狂剣までいましたけど。

エルがイカルガ持ってこれなかったのはちょっと痛いなー。アレだけの大戦力をそうそう他国に運べないのはその通りですけど。

 

まぁ、それで大人しくしてるはずもなく。代わりにもってきたトイボックス2で好き勝手暴れて状況を何度も動かしていたので、銀凰騎士団長がジョーカー過ぎるんだよなぁ。

カードゲームだったら公式大会で使用禁止になるレベルでしょ。

エルの暴れっぷりが楽しいシリーズなので、その調子でどんどん他国の人の度肝を抜いてほしい。……たまに自国の王様すらびっくりさせてますが。うん。いいと思う。

ナイツ&マジック9

ico_grade6_3

「………………………………ほう、そうか。あの銀凰騎士団団長が結婚すると。それはなんというか、よきことであるな」

()

「しかしあれも結婚などという『普通』なことが、できたのだな」

 

無事に王都へと帰還したエルネスティ。

とはいえ、お土産に巨人族と遠征軍の末裔についての情報を齎すんだから、国王が卒倒するのも無理はないというか。

王族を卒倒させるなよ、騎士団長。

先王なんかは、隠居の身ということもあって凄い状況を楽しんでましたけどね。

 

エルがこれまで多くの偉業を為してきたこと、それに甘えすぎていた、と周囲が気づいて。

状況が変わってきたこともあり、銀凰騎士団も形を変えることに。

第一、  第二中隊を核として新たな騎士団を創設、銀凰の傘下とすることで勢力を拡大。

エルが動くより先に、部下を動かすためとか、彼らが持ち帰った大森林の情報を受けて未来に備えるためとか事情が絡み合ってましたけど。

 

銀凰の名が周囲に広まり、その活躍が演劇になったりしてるなんて事情も描かれていました。熱心なファンとかもいて、ちょっと笑ってしまった。

部下が増え、手が空いたエルがまた色々工作初めて、振り回されていましたね。ラボから派遣されてきた人員がさっそく洗礼を受けてました。

強く生きろ……

 

騎士団絡みのあれこれをこなしつつ、オビにも書かれていた通りに、ついにエルがアディと結婚する事に。

まぁ、なんだかんだでお似合いなのでは。

振り回されていた王様は結婚の報せを受けた時に、あれも結婚できるのか……とか言ってましたが。振り回されてきた実績があるからな……

 

情勢が落ち着いていた事もあり、新婚旅行に行くことを決めたエル。わざわざ隣国に足を延ばすあたり、自由だなぁ。

オマケにイカルガ持って行こうとしてましたしね。過剰戦力にもほどがあるし、整備の問題もあると王に止められていましたが。

赴いた先で騒動起きてるっぽいし、イカルガ持ってきてても良かったのでは……

 

ナイツ&マジック8

ico_grade6_3

「巨大な、人。彼らと関係を築くうえで、我々は力を示しておく必要があるということか」

「彼らに寄りかからなければ暮らせないようでは、この地に来ることもできませんから」

 

隊長の生存を信じ、大森林に戻ってきた銀凰騎士団。

初見の際は手痛い打撃を受けたものの、情報があり対策を練れれば、対処するのに問題はない、と穢れの獣を追い払っていました。

この広大な場所で、ちっこいエルをどう探すか……と考えた時に「どうせエルなら何かするだろうから、それで分かるだろう」と共通認識を得ている銀凰騎士団は逞しくなったな……

 

まぁ実際大人しくしてなかったんですけどね、エル。

味方の飛空船を見つけて、けれど通信する手段もないから、仕方ないので正面から乗り込もうとカササギを使って、飛翔騎士の包囲を掻い潜って接近する辺り、彼の選択肢には無茶ぶりしかないのかと。

 

無事に銀凰騎士団と合流したエル。

巨人族の戦いの前に、大戦力を得たわけですが……コレをまっとうに使うはずもなく。

理由があるから自分とアディは参加するけど、他の面々まで加わる必要はない、と団長として宣言。

ただ、銀凰騎士団も慣れたもので。ディーとかは「私は勝手に団長についていくから、来たい者は来ればいい」とかエルに順応してましたからね。

エルの無茶ぶりになれた騎士団の面々の対応力が上がっていて笑った。

 

巨人族と小鬼族の関係。

小鬼族の王の願いはともかく、手段を認めることが出来ず戦う事になっていましたけど。

まぁ元より何かを企んでいるのが明らかでしたから、こうなるとは思っていましたが。

なんとか巨人族たちの争いは終結したものの、問題が全て解決したわけでもないところがポイントですよねぇ。

小王はいったい何をしでかすやら。またロクでもない事仕掛けてきそうな予感しかしないんですが。


ナイツ&マジック7

ico_grade6_3

「小鬼族と呼ばれている者たちの、始まりを。あなたならば識っているのではありませんか? 小鬼族の王よ」

 

ボキューズ大森林へ乗り出した飛空船団は、未知の魔獣によって撤退。

皆を守るために奮戦したエルは命こそ助かったものの、取り残されてしまって。

……まぁ、ここに残ったのがエルと彼を信頼しきっているアディだったのは幸いだったことでしょう。

 

森に住まうエルたちの何倍も大きい、巨人族。

体躯が巨大なだけではなく、目がいくつもある、明らかにエルたちとは違う種族。幸いにして言葉は通じるようでしたが……

最初に見つけたのがエルたち出なかったら。もっと頭の固い誰かだったら、異形の化け物として血で血を洗う凄惨な戦いになってもおかしくなかったのでは。

 

まぁ、エルが色々と常識をぶち壊しまくったからこそ、こうして大森林へ赴くことが出来たわけですし、銀凰騎士団の面々だったら、交渉もできたのでは。

……幻晶騎士抜きで、巨人族の勇者と競り勝って交渉の卓についたエル程順調にはいかなかったでしょうけど。

 

そして巨人たちと交流を続ける中で、エルは色々とこの地の力関係やルールなどを学んでいますが……

資材が不足していようと彼のロボット狂いは止まらず。

扉絵の解説で「きあわめて物資の乏しい状態で作られたために、下半身を丸ごとなくすという狂気的な設計方針が採用された」とか書かれている辺り、もうなんというか流石としか言えない。


ナイツ&マジック6

ico_grade6_3

「夢だけ抱いて死んでしまったら、もしも続きがなかったら。道に迷って、彷徨ってしまいますから」

 

西方諸国における戦いに勝利し帰国した一同。

鹵獲した飛空船で帰ってきたため、注目の的になっています。

そうした技術が他国で生まれたことを受け、遅れるわけにはいかないとエルたちの故国でも飛空船の開発は進み……

一方でエルは嬉々として騎士を飛ばす計画を立てて。

 

銀鳳騎士団の面々はエルの無茶ぶりにもなれたもので。

エルの情熱に押され……開発に着手する事に。まぁ、飛空船が出てきた以上、必要性があるのは確かなんですがね。

エルの趣味に押されまくって、なんというか彼らもスペック向上してるよなぁ……

 

エドガー達中隊長に対する引き抜き工作が始まったり、新たに始まる難しい事業を押し付けられたりと、彼らも話題に事欠かないよなぁ。

ボキューズ大森海へ進出する企画。満を持して始まったその作戦で、エルは騎士を溶かす難敵と出会い単身で突っ込み……戻らなかった。

普通なら死んでいただろうけれど、部下たちは彼らの長を信じていて。彼を救出に向かう新たな計画を練り始めて。

……本当に生き延びてるんだから、彼も強運というか。アディのフォローがなければ今回はちょっと無茶が過ぎたと思いますがねぇ。

 

 

ナイツ&マジック5

ico_grade6_3
「……私は、信じています。あなたが護ってくれることを。それにもし、あなたたちが失敗するほどならば、ほかのだれにも止められないのでしょう……」

西域での戦争でヒャッハーするエルたちの話。
あながちウソでもないのがなぁ。
敵から鹵獲した兵器を、魔改造して再利用するとかおっかないにもほどがある。
とは言っても、敵も世界初となる飛空船を開発した天才マッドサイエンティスト。
報告にあったエルの行動から、分析して対策をしっかり打ってくる辺り、油断できる相手ではないですし。

エルの無双っぷりに追随してくるこの世界のキャラクターがいるというのは、バランス的にもいい感じだと思います。
因縁の相手との決着があちこちに盛り込まれているのもいいですね。
デッドマンズソードとディーの戦いだとか。
兵器を盗まれたエドガーと、銅牙の戦いだとか。
その辺が解消されたのは良かったんじゃないでしょうか。

ただ、せっかく帯で竜と謳っているんだし、新兵器の絵が欲しかったなぁ。
その方が、迫力があってよかったと思うんですけどねぇ。
今回もいい感じにエルが暴走していてよかった。
WEB版の進捗からみると、6巻はまた1年以上先になりそうですけどねー。


ナイツ&マジック4

ico_grade6_3
「いいえ、縁をたぐってこられたのは若旦那のほうですよ。僕は騎士として剣を振るいつつ、ついでに幻晶騎士同士の戦闘を楽しんでいるだけです」


ついに自分だけの機体を開発させたエル。
ちなみに、いろいろ盛り込んだせいで操作性は劣悪。
エル以外には操作できないだろうっていう機体になったとか。
その分高性能ではあるんですが、最強ながら最大の欠陥品。
まぁ、エルが趣味丸出しにすればそうなるだろうっていうのは予想できたよね……
本人割と向こう見ずっていうか、作りたいから作るって部分があって作ったらどうするかってあまり考えていないところあるし。

イカルガが地の分で煽っているほどの造形ではなかったというか。
鬼の面には見えないけどなぁ、顔。
その辺のイラスト絡みで若干引っかかる部分はありましたが、おおむねいい感じにまとまっています。
4巻まで読んだのに合わせて、WEBの原作の方も読んできたんですが。
割と変更されているんですね。
転生して、ロボオタクで、騎士になるためにイベント積み重ねていってと大筋では同じなんですが。
書籍版の方が、やっぱり編集されているからか読みやすいです。
イベントあたりについても研ぎ澄まされた感じがする。まぁ、元が結構くどい感じがするので、まだ粗は感じられますけど、原文ママよりはとっつきやすくなっているという意味で快挙何ではないかと。

そして、エルが自分の機体を得てテンションMAXになってますが。
時を同じくして西国の方で火種が生じたのはタイミングがよかったのか悪かったのか。
敵国も哀れな……いや、侵略を堂々と行って犠牲を出しているから同情の余地はないと思いますが。
まぁ、端的にまとめれば敵に回した相手が悪い。



ナイツ&マジック3

ico_grade6_3
(前略)こうして、銀鳳騎士団の存在は周知のものとなり、この日列席した者達を起点として、フレメヴィーラ王国の貴族のあいだに、エルネスティの名が静かに広まっていくことになる。
その名前にはひとつの注意が付帯していた。曰く「銀鳳騎士団騎士団長エルネスティ・エチェルバルリアなる者は、凄まじいまでの開発能力を持つと同時に、想像を絶するほどの幻晶騎士バカである」と。


この作品はエルの自由さを満喫するものです。
そう思っていれば何でも許せるような気分になれます。
ここまで一勢力が驀進しまくってていいのかとか、エルの暴走に歯止めがかからなかったりとか。
戦闘とかあちこち微妙に引っかかる部分があったりとかで、物語としてちょっと物足りない部分はあります。

まぁ、自分としては、エルが本当に生き生きとしてるからいいか、みたいな感じですけど。
楽しそうに生きているあたりは、いい主人公なんじゃないかなぁ、と思いますが。
自分の趣味の為に周囲を巻き込んでいくあたりとかも、他人事だと笑ってみてられますし。
これ巻き込まれて振り回されている平の団員たち大変だろうなぁ。
大変さの対価として、最先端の技術、最高の環境、良き仲間と、決して悪い職場ではないんですよね。
国王の肝いりっていうのも大きい要素ではあるでしょうし。
ただ、団長が国王とかその友人である学院長とかにも止められない場合があるレベルで暴走するって問題があるだけで。……それが一番ダメか。

王命を受けた上で、頭の固まっている研究者の度肝を抜きに行くことに。
どんどん突拍子もない改造を重ねていきますが、見栄えとか重視して、効率と常識度外視するから、本当に親方さんとか大変そう。
前回の失敗から、そう簡単に期待を奪われないような工夫をしっかりとってきているのも好印象ではありますね。
対策早すぎだろ、とかそういうツッコミを必要とする次元にエルがいないからなぁ。
早いとかそういう問題じゃない。追いつこうって方が無理だ。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ