気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

宇野朴人

七つの魔剣が支配するⅥ

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「その狙いが実を結ぶかどうかは分からねぇ。……だが、ひとつだけ言える。

俺はあいつのファンだよ。これまでも、今この瞬間も――この先もずっと」

 

キンバリーはかなりの魔窟で、魔に呑まれる事例も珍しいものではない。

とは言え、流石に二年連続で教師が消息を絶つというのは、稀な事例で……

さらにはオリバーの同士が潜り込んでる第三新聞部が、他の教師による犯行だなんてゴシップを飛ばして。ま、元々権力に阿らず、百二十年も続いてる筋金入りのところみたいですけど。

 

教師陣と完全に敵対している「誰か」が居る。それを認識した教師陣も動き始めて。

校長直々に、数名の生徒を尋問する事態まで発展。

学生統括のゴッドフレイも聞かれていましたが、それは実力者であると認めてるためで。

真相に迫っているわけではない、というのは安心材料ですけど。

 

エンリコの研究成果を見た事がある生徒ということで、オリバーとピートまで呼び出されてたりしてハラハラしますね……

あからさまに怪しい転校生が来たりもしてますし、統括が変わる選挙の話まであって、問題の種ばっかりだな。ゴッドフレイ派閥の人に受かってほしい所ですけど、どうなるやら。

 

オリバーがエンリコを打倒するときに使った邪法。

それによるダメージは深刻で……解決後も3日位治療に当てて、辛くも乗り切ったぐらいの状況。

その反動によって、通常の授業にも影響が出ていて……それが、いつかバレる時の切っ掛けになりそうで怖いなぁ。

剣花団の協力によって、最終的には乗り切ってましたが。あの場面は、青春してるなぁと言う感じで、中々尊かった。支払った代償が、大きすぎて怖いなぁ。

 

箒競技で出会った先輩、アシュベリー。

後半は彼女と、かつて彼女のサポートをしていたキャッチャーの話がメインでしたね。

かつて残された、タイムアタックの公式記録。達成者が、魔に呑まれたソレ。

アシュベリーは家系的に、それを上回ることを期待されていて……

最後に残された最速の軌跡が、目に見えるようだった。

 

先輩方がオリバー達に見せつけた、「魔」の姿。その2例目。3巻のオフィーリアを思い出す、恐ろしくも鮮烈で、美しいとすら思えるものでした。

オリバー達の二年生編、その終幕となる巻。さて、続く三年目は、どんな騒動が起きるやら。楽しみに待ちたい。


七つの魔剣が支配するⅤ

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「……優しいものが……優しいままで、いられるように……」

 

2年生に進級した6人。たった1年ではあるけれど、この魔窟ではそれはかなり大きな違いで。

剣花団の中では未熟なカティやガイが、一年生達に優しい先輩している姿とか見られたのは新鮮でしたね。下級生は微笑ましく、先輩側は頼もしく見える。

ピートを交えた三人での迷宮探索とかもしてましたが、成長著しくても、まだまだ青い部分もあるというさじ加減は誠実でいい。

 

6人が食事を一緒にするけれど、それぞれ興味の方向も違うので、図書館行ったり自分の研究・研鑽に励んだりという別のつながりがあるのも、学園モノしてて楽しいです。

カティはミリガン先輩、ガイは迷宮美食部。ピートはオルブライトに目をかけられているし、エンリコ先生にも注目された。ナナオは箒競技で競い合っている。オリバーは、同志たちとの交流がある。

 

……シェラの交友が見えてこないのが、ちょっと不安と言うか。オルブライトとか居るにはいるんでしょうけど。先輩とかとの絡み余りない印象。まぁ彼女の場合は、ナナオにちょっかい出している父親がキーパーソンではあるんですよね。

彼の父君は、意図を持ってナナオを引き込んだ。そして、校長先生の頭痛にも察しを付けている。さらに今回シェラから聞いた話によれば。クロエとの交流まであったようですしね。ナナオとオリバーの対立の可能性ばかり気になってましたが。魔道の深淵をしる家だからこそ、彼女との決別もあるのかなぁ、とか少し考えてしまった。

 

あと、今回地味に驚いたのはこの世界の天文学と異端の話。

異端狩りについては、時々名前が出ていたと思いましたが。てっきり、魔に呑まれた魔法使いの処理だとばかり思っていましたが。もっとヤバい何かだった。

 

標的を定め、同志と下準備をこなし、ついに復讐の第二幕が開演。

ダリウスの時とは違い、同志の協力のもと作戦を実行。七年生を交えた三十二人に囲まれて、優位を取り続ける辺り怪物と言うほかない。

調査と準備をしてなお隠されていた手札で状況は変わり、一手ごとに対策を求められる。まさしく攻略せんと挑み続ける同志たち。

そして、彼らの戴く王としての姿をオスカーは全霊をもって見せ付けるのだ。

 

オリバーの事をまだまだ分かっていなかった。復讐の為に凡庸な才能を平均以上に持って行った秀才だと思っていましたが。今いる場所に辿り着くまでの道は、想像以上の苦難と罪過と血で満ちていた。

「……ノル。とっておきの、世界を良くする魔法を教えてあげよう」

かつて母が望んだ、今は遠き願い。復讐の道を選んでも、その為に犠牲を積み重ねようとも。心根が優しいままであった。

 

もし何か一つでも変わっていたら。あぁ、その空想はとても優しく温かく……現実はそうならなかった冷たさばかりが刺さる。怨敵に最後、蛮行の理由を聞く彼の在り方が、悲しくてならない。

エンリコが魔道建築者としての顔だけではなく、教師としての顔を見せていたのが印象的でした。研究者であり教育者なんですよね、アレで。

彼が最期に残した忠告は、金言ではありましたが、止まれない彼は望むことができるんだろうか。

なにしろオリバーは、既に覚悟を決めて闇に身を置いているのだから。剣の花が散るのは、きっと避けられない。……避けられないとしても、それが彼の救いになってくれればと願わずには居られない。



七つの魔剣が支配する1

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(…………俺は)

(俺の目的を遂げられるだろうか)

 

キンバリー魔術学校を舞台とする『七つの魔剣が支配する』、そのコミカライズ。

入学式に向かう道中のオリバー達。

喋る植物の生える道、幻想生物のパレード。そこで起きたひと騒動。

その縁もあってつるむことが増えた、6人の物語です。

 

まぁ、メインとなるのが6人というだけで、7年制のこの学校では先輩方も外しては語れない魅力を持っているわけですが。

入学説明で校長が「好きにやって好きに死ね」と言う学校なだけはあるというか。

 

魔法剣の授業では、立ち合いの動きがしっかり描かれていて、漫画ならではの良さがありましたねー。

二個目の授業での、「魔法杖」に対するオリバーの返答とかが好きだったので、その辺が割愛されていたのは少し残念でしたねー。

オリバーとシェラが魔法使いとして覚悟が決まっていて、他の4人に青い部分がある、というのは良いバランス。

今回は後半、カティの優しすぎる故の問題が描かれてました。2巻以降も楽しみです。






◇オマケ
電撃文庫の原作の方が、『このライトノベルがすごい!2020』にて総合&文庫1位に輝きました。おめでとうございます。

七つの魔剣が支配するⅣ

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「……一気に成長していますわね、三人とも」

 

オリバー達が2年生に進学。

相変わらずキンバリーは、恐ろしい学び舎であるようです。

入学に際した挨拶で、「去年死んだ生徒の数」をトップが告げてくるあたり怖いわぁ。

そして、震える新入生たちを歓迎する先輩サイドに、オリバー達がいるんですよね。

 

彼らの成長が分かって嬉しかったです。まぁ、読み進めると先輩方に比べてまだまだ甘くて青い部分も見えてくるんですが。

各々が未熟さを自覚し、現状を良しとせず、前に進もうとしていくのには好感が持てます。

実際、成果も出てきてますしね。ただ、魔道を極めんとするということは、魔の深みへと踏み込んでいく事でもあって、その辺りのバランスが難しい所。

 

一つ間違えれば、魔に呑まれる。カティなんかは、ナナオの抱えていた想いを聴いた時に、ありうるかもしれない可能性を見てましたし。

ナナオが、魔術師として初心者だったなんてことは関係なく、深淵はどこにでもあるのだと見せつけられたようで、あのシーンは震えましたね。

 

魔法都市ガラテアで、休日を過ごす6人。

料理を食べ、魔法生物店を訪れ。魔法使い専用の射撃場でゲームに勤しむ。

シェラとオリバーが、最高難易度に挑戦して、疲弊してる場面が笑えました。店員も慣れたもので「キンバリーモード」用意してる辺り流石。

 

他校生徒との諍いなんかもありましたが。キンバリーの恐ろしさばかりが目に入ってましたが、そうだよな、当然魔法技術が発展している以上、ほかにも学校あるよな……とちょっと目から鱗。

大分温度差がありましたけどねぇ。それもまた新鮮でした。概ね、2年に進学した彼らのキンバリーにしては平穏な日常回でしたね。

 

――もちろん、この作品が平穏ばかりを描くはずもなく。

シェラの父親の抱えている魔導士としての闇だったり、ナナオが対峙した人斬りだったり。

オリバーの配下、隠密役のテレサ=カルステの入学と、彼らが狙う新たな標的。

残り6人で、キンバリーが7年生ってことは、これ一年に一人ずつ慎重に削っていく形?

それともどこかで勝負に出るのだろうか。気になりますねぇ。

あと、表紙が女子3人って言うのが良いですねぇ。これ5巻が男子三人で対になっているデザインだったら私は万歳して喜びますよ!






七つの魔剣が支配するⅢ

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「――間に合った……」

 

オフィーリアが魔に呑まれ、ピートを含む学生が攫われた。

わざわざ手間をかけて「攫った」以上、何か目的があったためで即座に殺されてはいないだろうが……実験などの生け贄になっていない保証もない。

オリバー達は無事に帰還し、数日を過ごしていましたが。その間に行われた先輩たちの探索でも良い報告は上がらず。

 

教師陣も頼れない。「いざとなれば教師が助けてくれる」と生徒に思わせないための処置で、教員が動くのは生徒に対処しきれないと判断した8日目以降の事だそうで。

ミシェーラの父親は『守る力がないなら。ここでは、友を得た瞬間に失っているようなものなんだ』と語ったそうで。

毎度こちらの想像を超えてくるおっかなさですねキンバリー。この作品について語る時毎回のように言ってるんですが、やっぱり卒業時生存率八割って、嘘では……?

 

攫われた友の為に、迷宮に挑むことを決めたオリバー達。

しかしそれはほとんど自殺行為のようなもので。一年生で第二層に踏み込むことも稀なのに、オフィーリアの研究室は、最低でも三層。それも四層近くでは、なんて予想まで出てくるんだからなおさら。

そこに来て意外な顔が手助けしてくれて。キンバリーらしく、下心含みではありましたが、オリバー達にメリットのある提案でもあって。

後輩の成長を見守る先輩の視点も入って、中々新鮮でした。

 

……そうやって、オフィーリアを見守っていた人々も居たんだ、と。

彼女の過去が描かれていたのが胸に痛い。

かつてあったゴッドフレイの対策には、思わず笑ってしまったし、それを二か月続けた精神に驚嘆した。あとちょっと引いた。

けど、そんな彼だからこそ、五年生で統括なんてやってるんだろうなぁ。彼の信念はこのキンバリーにおいて異質で、眩しいもので。

 

あるいはオフィーリアが「サルヴァドーリ」でなかったら。そんなIFを少し、夢見ました。

サルヴァドーリという家の辿り着いた果てが彼女なんだと思うと、こんな騒動を引き起こした相手ではあれど、切なく感じる。

色々と気になる情報も出て来たりしましたが……オフィーリアが起こした事件に置いて、オリバー達は友を攫われた当事者でしたが。

オフィーリア自身の問題においては部外者だった。あの結末は、そういう事でしょう。

 

キンバリーの、魔道の恐ろしさ。先輩たちの積み重ねて来た時間。

そうした物を見せつけられたエピソードでした。

これにて、オリバー達の一年は終わり、短い休息の後2年生になるそうで。

しかしまぁ、オフィーリアにすら穏やかな時間があったことを描かれると、剣花団の行く末が本当怖い。いつかの破たんが約束されているようで。

……あとがきの「こうした結末も、キンバリーではさして珍しい話ではないのです」という一文が、3巻を読んだあとだと印象的ですね……



七つの魔剣が支配するⅡ

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「今までと同じように、何か訊かれれば普通に答えるさ。ただ――そこからは名実共に、君と俺は対等の魔法使い同士になる。そういうことだ」

(略)

「それは――滾るでござるな」

 

入学から半年。

順調に学園にも馴染み、六人の絆も深まっているようです。

カティがかなり成長したという印象でしたね。

あの優しい少女はこの魔窟で心折れてしまうのではないかと思っていたのですが、彼女なりの理を見つけ、そこに至るための道を進む決意をしていた。

 

ピートがここにきて個性強くしてきたなぁ、とか。

シェラがとんでもない隠し玉もっていたとかも驚きの場面ではありましたが。

この作品の一番の肝は、キンバリーという所の恐ろしさ、なのではないかと思います。

危険だという事は一巻から明示されていましたし、事実色々とオリバー達は巻き込まれてきたわけです。

 

……今回は、ガルーダを倒したオリバーとナナオの名声によって一年生最強決定戦、なんてイベントを引き寄せてきたわけで。

それに参加の名乗りを上げたのは彼ら自身ですから、自ら踏み込んでいってる部分もあるにはありますけど。

 

講師が生徒に魔法使いの優位性に「簡単に死なないこと」を上げてくる怖さ。

絶対彼ら、確かに魔法使いは死に難いけど――死んだら死んだ。そこまでの事でしょう? とか思ってますよ。

実際ダリウスが消えた事も、「まぁ、そういう事もあるよね」とかそんな感じでしたし。

 

そんな中で、リチャード=アンドリューズがオリバーとナナオの言葉から自らを正したように。トゥリオ=ロッシにオリバーが説いたように。

シェラとナナオがコーンウォリスとフェイに示したように。

先に進む意思が、とても眩しく見えて――急転直下のラストに絶望を駆り立てられるわけですが。

これは、卑怯だ。こんなの続きが気にならないわけがない。1年生編ラストとのことですが、はたしてどれだけが生き残れるのでしょう。

そして、1巻の時も思いましたが、これで卒業できないの2割って絶対嘘だろ……



七つの魔剣が支配する

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「……貴殿の行く道に光あれ。その意思が斬り開く運命を、あまねく神仏よ寿ぎたもう。

そして願わくば――戦友の未来が、一振りの剣のように誇り高くあらんことを」

 

「天鏡のアルデラミン」の作者が送り新シリーズ。

キンバリー魔法学園。その名の通り、魔道を極めんとする若人が集う学園で、在学期間7年を無事に終えることが出来るのは8割との事。

2割が何がしかのトラブルに巻き込まれ発狂したり、消息不明になったりするそうですが……

先輩方のぶっ壊れ具合を見るに、絶対2割で済まないだろ、って気しかしない。

 

忘れ物を取りに夜の学校に入った時とか、運悪くトップクラスの危険人物と鉢合わせたりしてましたし。

いやこれ、オリバーとシェラが的確に時間を稼いだから生き延びただけで、ピート一人だったら、或いは他の生徒だったら目も当てられない事態になってたろ。

その二人にしたって新入生にしては頑張った、ってだけで他の先輩のフォローがなければ詰んでたしな……

かなり派手にやりあっても、魔法がある故か、内臓引きずり出されるような怪我をしても死者出なかったりするって言うのもあるんでしょうが。

 

物語の主軸となるだろう、6人の新入生。

それらを取り巻く学園や先輩たちの状況などが、いい感じに描かれていましたねぇ。

今回の事件でキーパーソンとなったカティ、彼女も騒動を通して成長してました。オリバーの危惧していたように、優しすぎる彼女はどこかで折れてしまうのでは、と思いましたが。

初っ端から、価値観を揺さぶる事件に出くわして、それでも奮起できるなら大丈夫だ、と思えました。

 

こんな感じで、他のキャラの掘り下げをしていく展開かと思いきや、最後に爆弾放り込んでくるんだもんなぁ。

新入生であっても、彼は既に魔術師だった。技量の問題ではなく、精神の在り方が。

6人の関係が、いつか壊れてしまうんだろうなぁ、と予兆が感じられて震えた。



ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIV

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「……ありがとよ」

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「お前らに出会えたおかげで――俺も、ちったぁましな大人になれた」

 

ついに完結となった今シリーズ。

一体どういう決着となるのかと思いきや。

割合真っ当に戦争していたなぁ、という感じ。キャラが増えて、規模も最大級の戦闘なので、物足りない部分も出てくるんではないかと思ってたんですが。

 

流石に一つ一つのシーンは短めでしたが、キャラごとの動きがしっかりと描かれていて。

共和国側のジャンの思考、イクタの策、そうしたものがうまくハマったなぁという感じで。

戦争ですから、一から十まで理想通りとはいかず。

サザルーフの決断と、副官のメルーザ中佐の覚悟の決まり方が見事でした。

 

眠らずに動き続けてきたジャンと、正しく怠けることを是としたイクタの在り方の違いが戦争の決着に現れたように見えました。

佞臣トリスナイとの決着も描かれていましたが、先のサフィーダみたいに、事情を持っていたようですけど……だからと言って、アイツの行いが許されていいわけではない。

けれど、これは決して珍しいことじゃないんだろうなぁ、というあたり帝国の腐敗は極まっていた感があります。

 

そして、シリーズ当初より言われていた、「上手く負ける結末」へ向かおうとしたときに、想定外の事が起きて。

イクタなら、きっとシャミーユが見たのとは違う結末に導いてくれると思っていましたが……確かに、違う方向には行きましたね。

 

だけど、イクタ。お前のキャラじゃないだろう、そういうのは。無茶しやがって……と呼んでいる間ずっと思ってましたが。

自分を正しく計っていたからこそ、止まれなかったのが悲しいし……彼を止めようと大kの人が動いてくれていたのが、嬉しかった。

それだけの事をして来たんだ、と。もっと認められていいはずだ、と。

 

戦後、共和国の宰相がしれっと夫婦生活に突入しようとしていたのは、釈然としないものがありましたけど。

ジャンやエルルファイ達に良い変化が訪れてくれたには安堵しているので、こう、言葉にしづらい感情が渦巻いてる。

好きな部分、苦手な部分と有りましたが……総じていうなら、読んで良かった。忘れられないシリーズになりそうです。



ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン13

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「……後悔なら、遅すぎるだろう……」

 

今回は、終始穏やかな雰囲気でしたね。不穏なところもありましたが。

ただまぁ……帯にも書かれていましたが、この平穏はあくまで、嵐の前の静けさでしかなく。

着々と戦争に向けた準備は進んでいるんですよねぇ。

 

爆砲の整備が帝国側でも進められて、それの脅威を実感するための演習が行われるようになったりしていました。

精霊にまつわる驚愕の真実が明らかになり、それに伴って精霊たちの機能の一部が解放されてましたし。

限定的とはいえ通信機能が解放されたのは、軍にとって大きいでしょう。

 

マシュ―とポルミが結婚する事となって。それ自体は目出度いことですが。

陸軍と海軍と畑が違うわけで。おまけに名家の娘と出世頭の息子だから、家の問題なんかも出てきて、ちょっとギスギスしてましたね。

その空気の中で平然と食事を楽しめるイクタは相変わらずだなぁ。

 

ハロが怪我から無事に復帰したり、良いイベントもありましたが。

サザルーフが過去の因縁とまさかの再会をする羽目になったりと驚きの展開もありました。いやまったく、帝国は本当にズタボロですね……シャミーユとイクタがそろって存在しなければ、形が壊れていたんじゃないかなぁ。

 

とはいえ、共和国側が安泰かといえばそうでもなく。眠れないジャンなんかは、あの時精霊から彼の長期的な不眠がもたらす悪影響について教えられたみたいですし。

捕虜の身を脱し、共和国に戻ったエルルファイはイクタとの約束を律儀に守ってくれて……その中で迷いを抱いているようですが。

さてはて、こんな状況でも共和国の宰相と帝国の佞臣は動いているようですし。

次で最終巻と予告を打っていましたが、ここからどうやって幕を引くのか、今からちょっと楽しみです。



ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン12

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「死に方とは生き筋によって導かれるもの。しかしながら、人の生き方は決してひとつきりではないのであります。小官は兄と同じく、騎士として生き、騎士として死ぬことを望むのでありますが――ミアラ殿はどうなさりたいのでありますか?」

 

帝国、共和国、ラ・サイア・アルデラミンそれぞれの思惑によって成立した三国会談。

その場に、共和国は瀆神者と教会側から忌まれているアナライ博士を引っ張ってきて。

一体何を考えているのやら、と思いましたが。そのあたりの事情もしっかり序盤で説明が入ったのは良かったですねぇ。

 

仮にこのまま帝国を滅ぼしたとして。その後、教会と共和国の関係はどうなるのか。

教会側の行動に不審な点があり、隠している手札を暴きたかった、とか。

それ以外にも教会があの帝国の狐に位をくれてやっているのは何故なのか、とか。

イクタと共和国宰相がお互いどんな思いを抱いているのか、とか。

途中で、ジャンがアナライ博士の弟子となって以降初となる対面をしたイクタとジャンが「お前は弟弟子、兄弟子を敬え」「ふざけるな」と言う感じのやり取りを始めたのは笑った。立場ある男どもが、会談やっている地でなにしてるのか……

そうした各陣営の考えとかがしっかり描かれた、会談らしい会談だったと思います。序章は。

 

三国会談はアナライ博士の独壇場、みたいな感じになっていましたが。

そこで精霊たちが一斉にある問いかけを発して。その問いの答えを求めて、三国はそれぞれ協調して行動する事に。

1つの問いに答えると、次の問いが出てきて。その度に正解を探し動き回ることに。

道中、イクタとジャンがそれぞれの過去を語り合う場面や、ミアラとルカーンティの模擬戦と兄語りなんかもありました。それぞれ魅力的なシーンだったんですが……

 

精霊たちの最後の問いに答えた先に、明らかになった真実のインパクトがすごすぎた。

え、これファンタジー戦記だと思ってたんですが、SFだったの!? と言いますか。

タイトルに込められていた意味が明らかになると、いつから想定されていたのか、と驚愕が。いや、タイトルに織り込まれていたように最初から何でしょうが。

女性キャラが多いのはラノベ的なアレじゃなかったんだ……って部分にも驚き。さて、色々と事実が明らかになり佳境も佳境ですが、え、ここから戦争するの……? とどういうゴールにたどり着くのか先が見えな過ぎて怖い。




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