「タカクスは俺が作ったんだ。見えなくたって、見えてるんだよ」
シリーズ完結巻。アマネが作った「タカクス村」が、摩天楼に至るまでの軌跡。
こちらもWEBにはなかった展開とかが加筆されて面白さが増していましたね。雲上の層に橋をかければ即座に認められるわけではなく、必要になる物がある、と。
そこに踏み込んで、新しいデザインの大会が開催される流れになって。アマネが発表した論文を基に新しい建築物を作った都市があったり、ケインズとの因縁の戦いが披露されたりと、完結巻に相応しい綺麗な終わりになっていました。
まぁ、そこに至るまでに、悪魔とも呼ばれているような魔虫との戦いが繰り広げられることになったりするんですが。
……加筆でもなお雪揺れは免れなかったケーテオ町は本当にご愁傷様です。キリルギリ関連のエピソードも増えていましたけど、ジェインズの背景がちょっとだけ見えて、すごく良かった。いや、詳しいなとは思ったけども。
被害が発生して、建設ラッシュが起きた時に師匠やライバルが応援に来てくれた展開はかなり熱かったですねぇ。
ランム鳥の開発も進行してますが、品種改良に至る流れもちょっと変更されてましたかねー。深紅から名称の変更も入ってましたし、違いを探して読むのも楽しい。結構WEBとは別の味わいありますけどねー。果樹園って言う新施設もありますし。
教会は人気だけど、遊ぶ場所が少ないという観光客からの声があって、遊技館作ったりしてました。WEBだと劇団からのお声がけがあって劇場作ってた分ですよねぇ。完結巻だから新キャラ登場削ったとかの意味もありそうではある。ローザス一座好きだったので、そこはちょっと残念でしたが、あとがきにも遊び心が盛り込まれてて楽しかったです。