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「摩天楼を築こうなんて荒唐無稽なことを考える奴が僕以外にもいるとは」

(略)

「そっくりそのまま返すよ。村を作っても変わらず好敵手ってわけだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。WEBは既読。

日本で都市開発を行う会社に勤めていた主人公。商談を上手くまとめて、これから念願の開発が始まる……という所で命を落として。

テンプレのトラック転生とかじゃなくて、自販機に置かれた毒入り飲料という辺りは独特ですね。

 

そして転生したのは、地上に魔物が溢れ、世界樹と呼ばれる大木の上で人々が暮らす世界だった。さらに、そこで暮らしていたのは千年の寿命を持つというエルフで。

最初の挿絵にもなっていましたが、世界樹の葉の下にエルフが居ると、葉が大きすぎて自分が小人のように錯覚してしまうほど。

樹だけあって、魔虫と呼ばれる厄介な虫が発生する事もあるようですが、弓で戦う魔虫狩人という職業もあって、上手い事暮らしている様子。

 

転生した主人公・アマネは、この世界でかつてできなかった事。都市開発をやりたいと思い、行動を開始。

成人後に、建築を生業としている人に弟子入りして、勉強して。自分でも資格を取るように。樹上で暮らしている都合上、独特の建築様式があったり。いかに巨大とはいえ、世界樹の枝で支えられる重量にも限りがあるので、それを計算する必要があったり。

元々の知識以外にも覚える事が多く、何年も修行してましたが。

 

寿命が1000年あって、プラスマイナス30歳くらいなら誤差と感じるような世界だからでしょうか。普通の小説だったら数日後~くらいの感覚で年単位の時間が飛びます。

アマネは一人でなんでもできるような天才じゃなく、縁に恵まれながら着実に進んでいく堅実なタイプ。

物語にもそれが反映されているので、地味に思える展開もあります。

タイトル「村を作ってみませんか」ですが、1巻終了時で影も形もないですからね。修行して、経験を積み知り合いを増やして、資金を溜めて終わり。

 

個人的には、こういう足元の設定しっかりしていて、それを描写してくれる作品も好きなんですが……

その辺り、好みが分かれそうなのでWEB版に触れてみるのは一つの手ですね。

書籍化にあたってイラストがついてるのはもちろん、いくつかのエピソードは加筆されてボリュームアップしてるので、読みごたえはありました。