気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

悪魔の孤独と水銀糖の少女

悪魔の孤独と水銀糖の少女Ⅱ

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「人の世に溶ける方法を、俺達は知らない」

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「だからそれを教えてはやれないが……異端のまま、追う奴から逃げ切りたいっていうなら、力を貸してやる」

 

呪われた島を離れ、旅を続けるヨクサルとシュガーリア。

異形と異端の噂を追いかけて各地を巡る彼らの旅路が、荒事とかもあるんですけど、こう穏やかというか。シュガーリアが楽しそうで何よりといいますか。

幸せな時間が流れていたんだと、思います。

 

一方で異端を狩る帝国は、悪魔背負いを許してはおらず。

その足跡を追い……ヨクサルとの因縁がある相手を放り込んでくるんだから容赦がない。

敵がとった手に対して、シュガーリアが激昂したのが少し新鮮だったというか。

でも、そうですよね。彼女は、観賞用の人形ではなくて、恨みや憎しみを抱いた戦う人でもあったんだ、というのを見せつけられた感じ。

帝国の手が伸びた砂漠の街。

道中で出会った少年ビーノの淡い思いと、シュガーリアの返答が切なくて、良かったです。

 

あとがきの始まりと結びの文が読了後の胸にしみます。

うん、いいお話でした。



悪魔の孤独と水銀糖の少女

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「やりたいことをやることが、生きるということではない?」

 

黒い海の先にある、呪われた島。

ネクロマンサーの孫娘、シュガーリアはある目的を持ってそこを訪れた。

その島には、「孤独を力に変える」能力を持つ悪魔を背負った青年が居て。

 

その二人の交流が、とても愛おしい。

あらすじには「愛など知らない男と、愛しか知らない少女が出会った時、末路を迎えたはずの物語が動き始める」と書かれていましたが。

上手いこと纏めるなぁと思いましたね。

 

「勇者が魔王を倒して、みんな平和に暮らしました」なんてハッピーエンドはない。

ひたすらに終わりに向かう話で、あるは既に終わってしまった話といってもいいかもしれない。

ネクロマンサーたちは滅びを選んだ。悪魔のいる島には孤独があった。

未来に希望はなく……それでも生きることは出来る。罪と言われようと、生き続けることは出来る。その中で、生まれるものだって、あるんだ、と。

彼女たちはそう、やりたいことをやって、愛して生き抜いた。それが宝石のように輝いて見える、良質な話でありました。



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ちゃか

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