気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

日向夏

薬屋のひとりごと14

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「困った話だろ。というわけで、儂がおまえさんに何が言いたいかわかるかい?」

(略)

「捕食者を上手い具合に扱って、今の混乱を少しでもおさめてくれ」

 

中央に戻ってきた猫猫。外廷の医務室で医官の仕事をしつつ、後輩との交流をしたりもしていますが……。

彼女が西に行っている間、変人軍師という重石がいなかったこともあってか奇妙な派閥争いが起きていたようで。

特に若い武官が衝突しやすい状況になっており、医官の仕事が増えていることもあって猫猫がどうにかしろと無茶ぶりされているのにはちょっと笑ってしまった。

 

それとは別件で、妙な求婚者に悩まされている姚に貴重な図鑑をエサに担ぎ出されることに。

正確には「名」持ちの会合に参加するために羅半を頼ったら、猫猫を連れてくることを条件に出された、という状況のようですが。

それで的確なエサを用意する辺り、なんだかんだ慣れてきてるなぁ……という感想が零れました。

名持ちの会合では羅半の思惑によって、猫猫が40年前に起きたトラブルから犬猿の仲になっている一族の問題を解決できないか、と酷使されることになったわけですが。

なんだかんだそれっぽい回答を見つけるのが上手いですよねぇ。そうやって結末を導き出したと思ったら変人軍師が最後にひっくり返す……まではいかずとも、変な空気にするんだから流石すぎる。

 

女華の出自問題だったり、天佑の実家の話とか。今回の派閥争いの一件とか。いろんな情報をつなげていくのが上手いなぁと思いました。

最後、裏で動いていた相手に雀が目をつけていましたが……奇妙で厄介な師弟になるのでは、アレ。

薬屋のひとりごと13

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「でも、一つだけ忠告しておく。ただ、貰うだけで終わらないように、相手がなんでもくれるからといって、それだけで終わらそうなんて考えるんじゃないよ。与えられて相応の自分になりな。もらうだけで終わろうなんざ、二流、三流止まりだよ」

 

一年ぶりに中央へと帰ってきた猫猫たち。

さすがにそれだけの時間不在にしていると、あちこちに影響が出ているようです。

変人軍師こと羅漢が居なかったことで、派閥から抜けた馬鹿が出たそうですが……彼が不在の間に雇われた人が、変人軍師への忠告を真に受けないのはまぁ分からないでもないですが。知っている人間が敵に回したくない手合いの筆頭だと思うんですがねぇ、変人軍師。

まぁ、その愚かさの代償を自分で払うことになってたんだから、自業自得感はあります。

 

……猫猫はその出来事だったり、後に娼館の姐たちと再会した時の会話などから、不穏な影を感じているようですけれど。

怪しい噂について探っている輩がいることは、中央においては政争や謀略の一環としてよくあることでしょうけど。三代前の皇族の血を引く末裔がいる、っていう噂を探っているって言うのは、どうにも怪しい。

壬氏との距離が近づいた猫猫にも悪い影響がなければいいんですが……まぁわざわざ描写されている以上は、避けられないんだろうなぁという気持ちもある。

 

桃が羅邸にお世話になっている間に、羅半が気になるようになって側近の燕燕としてが気が気じゃなかったり。

雀さんの上役からいろいろと話を聞かされたりと、いろんな人の感情が描かれたりもしていました。

事ここに至って猫猫の方は覚悟決まってるの笑いましたが……一方の壬氏が悩んでいるのは、どうしても立場の問題があるからでしょうけど。どうなりますかねぇ。

薬屋のひとりごと12

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「安全だと思って連れてきたのに、なんで全て裏目に出るんだろうな」

「世の中上手くいかないものですから。中央にいても、どうせ似たような厄介事があったかもしれませんよ」

「それもそうだな」

 

玉鶯が死んだことで、否応なく西都のお家騒動に巻き込まれる事になってしまった猫猫たち。

壬氏が本当に真面目と言うか、この状況でもしっかり仕事抱え込む羽目になってるのがなぁ……お疲れ様です。

終わってみると本当にどうしようもないお家争いだったな……というか。

猫猫がしなくても良い苦労をする羽目になったので、関係者はもっと反省してもらって。まぁ、猫猫自身の選択に寄る部分もありますけど、始末が甘いとかの文句は言っていいはず。

 

玉鶯の息子たち……長男は放蕩してるし、次男と三男は後継者としての教育を受けていなかった。

さらに長男の息子は、祖父や両親の偉さを自分の偉さとはき違えてる悪ガキで、手術で救った少女・小紅に嫌がらせをしたりしていた。

猫猫はそんな子供たちとの接点が出来たり、三男に付き纏われたりしながら職務を全うしています。

……温室で生薬育てられる時とか、調査の名目で酒を飲める時とかは相変わらず自由に動いているなぁって感じではありましたが。

 

そうやって働いている中で、噂の長男とも遭遇。

こっちに因縁を付けてきたかと思えば、自分の息子が間違った事をしていたら詫びの品を渡すくらいのことはする。どうにもチグハグな印象を受けるキャラだなぁと思いましたが。

……詰めが甘くて、振り回されたなぁと言う感じでなんとも言い難い。

小紅が無事でなおかつ面白い成長していた位しか良いところなかったのでは、今回の騒動。いやまぁ、西都も一応の決着を迎えてはいますけども。

なんとか中央に無事に帰れることになったのは何よりでした。そして相変わらずの羅半兄よ……。

薬屋のひとりごと1

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「芙蓉妃が羨ましいなんて言ったら 私はひどい女かしら」

「そんなことはないと思います」

 

ヒーロー文庫作品のコミカライズ。『薬屋のひとりごと』は、こちらのビッグガンガン版の他に、サンデーGXからもスピンオフとかではなく同じ時系列でのコミカライズが進行してる、少し変わった展開の仕方をしてますねー。

訴求範囲を広げたい目的とかがあるんだろうか。買い間違える人とか出そう。

 

中華風高級世界のファンタジー。

花街で薬師をしていた猫猫は、人さらいにあって後宮の女官として働かされることに。給金が人さらいどもに流れるのが癪で、文字が読めることなどの技能は伏せていた。

けれどある時。帝の子供が亡くなる「呪い」の噂を聞いて。

ふらふらと後宮内をさすらって、妃たちの様子を垣間見たことで「呪い」の真相に気が付いて。

 

直接言及する事のできる身分ではなく、スカートを割いて即席の手紙を残し、忠告して。

それを聞き入れた妃の子は助かって、無視した方は亡くなった。それに恩を感じた、助けられた妃の方が、手紙の主を探し始めて。

不審な動きをしていた女官、という断片情報から猫猫を見つけ出したのはお見事。まぁ、特徴に合致する女官を全員集めて探し当てるって言う力技ではありましたけど。

 

妃付きの女官として、出世する事になって。毒味役を務めることに。

猫猫、マッドサイエンティストで自分でいろんな薬とかを試してるせいで腕がボロボロで……それを見て、他の女官が「可哀想な子だ」と同情して仕事を引き受けてくれてるすれ違いには笑いました。

結構さくさく描写されていて、好みの絵柄だったのでサクサク読めました。

薬屋のひとりごと11

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「無理が続く前にやっておきたかったからな」
「……無理しなきゃいいじゃないですか?」

蝗害が起きたあとの戌西州。
過去の被害を知る者も少なく、人心は乱れることに。
即座に街中で騒ぎが生じたりはしないものの、物資の不足から不安が広まっていくのは避けられず。
猫猫も出来る限りの手伝いをしていますが、課題山積で安らぐ暇もない状態。

壬氏は皇弟という貴い身のため、軟禁に近い状態で。中央から遠く離れた土地と言うこともあって、思うようには動けない。
それでも打てるだけの手を打って、支援を引き出してるのは流石です。ただ、それを玉鶯がさも自分の手柄の様に演出して。
民草から皇弟への不信感も募るばかりだったようです。猫猫視点が多いので、どうしてもそちらに共感してしまい玉鶯の事好きになれませんな……。

まぁ壬氏としては、皇弟は傀儡にする気持ちもわかないくらい無能であればいい、という考えの下利用されるのも受け入れる構えのようですが。
「気安いことと舐められることは、別物だ」と、この混乱の中に戦を起こそうとしてる玉鶯に断固反対してくれたのは良かった。
変人軍師も居ましたけど、薬師としての娘に影響が出そうだからと離席してますからね。判断基準が分かりやすい。

そして、玉の一族の事情というか。かつての戌の一族に関する騒動の事情とか、玉鶯がどうしてあんな行動をとっていたのかについても明かされますが。
陸孫さん、表紙にいるから何かと思えば、そんなもの抱え込んでいたのか……
比喩として作中にも出て来てましたが、玉鶯回りでは、糸がもつれまくって最早ほどくことも出来ない状態になっていたんだな、と言う感じ。
どうにかブレーキを踏んで解決したというよりは、相手が事故って途中退場みたいなオチで、目の前の問題を超えたら次の課題がやって来て。伏線回収してく話しですが、落ち着くまでにはしばらくかかりそうですなー。

薬屋のひとりごと10

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「母に教えられました。どんな状況であっても自分を見失ってはいけないと」

(略)

「気が狂いたくなるときほど、冷静になれとの遺言です」

 

西都へと到着した猫猫たち。

玉一族のテリトリーなわけで、月の君であっても横車を押すわけにはいかず。

情報収集したり、調査に人を派遣したり。農作物の様子を窺ったりと、動いてはいますが……

まだその真意が読めないキャラが多いので、どうにも手足に重しがついているような感覚で読んでいましたね。

 

調査の傍らで出会った、過去に起きた大蝗害の生き残りの老人の証言。

与えられた別邸で流れた怪談とその正体などなど。色々な情報が合わさって、過去に起きた変事の断片的な情報を猫猫たちは獲得していきますが。

政治ってややこしいな……という想いが強くなりますね。

 

できる範囲で対処している猫猫たちは偉い。雀さんもいい性格していて好きです。

いくら問題なさそうだからって、囮にするとか中々強い。まぁ、実際相手を誘導で来てるんだから有効な策なんですけどね。

調査して事前に対策が出来ないかと動いていようと、神ならぬ身では手が届かない場所も出てくる、と言うのは非情な話ですが。

それでも彼女達が居たからこそ、マシになった部分があるとは思いたい。

現状だと玉鶯さんの印象がイマイチ良くないんですが、どうして民からは慕われてるんでしょうね。その辺りの背景も今後明かされるんだろうか。

薬屋のひとりごと9

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「はは。遠まわし過ぎる言い方だったね。僕は、意固地になって、優秀な人が合わない道を選んでほしくないだけだよ。それはとても非効率で美しくない。二人とも優秀だから、表に出て仕事をするにしても、陰になって支えるとしても上手くやれるだろう。極めるかは別として。ただ、本当にやりたいことを目指すなら、効率も何もなく、その心情が美しいとだけ言っておく」


壬氏の衝撃的な行動によって、道連れにされた猫猫。
秘密を共有してしまったために、彼の治療を行う事となって。
最低限の知識と技術はあるものの、猫猫の本領はあくまで薬屋。
医官として求められるものがあまりにも不足している。

今後の事を考えると、より知見を深めなくてはならないだろう、と彼女は考え……
羅門に教えを乞おうとしたものの、彼から不思議な課題を出されることに。
彼がかつて住んでいた部屋に隠された、とある医術書を受け入れよ、と。
世界的にも医術の知識は発展途上にある状態で。
猫猫が死体に触れないよう育てられた、というのは語られてきましたが。
医官付き宮女三人は、医術の業を見せつけられることに。
まぁ、2人ほど予想していて、ある程度のみ込んでたのは流石でしたね……

さらには、様々な思惑から西都に壬氏が派遣されることとなって。
猫猫が限られた時間の中で、出来る事をしているのがいいですね。
巻き込まれて、逃げられない以上はベストを尽くす気概が感じられる。
一方で、壬氏は今回は大人しかったと言いますか。前回ラストみたいな勢いは、感じられず。
猫猫に軽く叱咤される場面すらありましたからね。
ま、彼の戦いは西都に着いてからが本番、とも言えますが。もうちょっと頑張ってもらいたい。
西に派遣された中には変人軍師ややぶ医者なんかも居て、道中も中々に賑やかで楽しい巻でした。


薬屋のひとりごと8

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「仕事は分配。使えるものは誰だって使う。使えないものは邪魔にならぬよう、毒にも薬にもならない違う仕事を与えてください」

 

変人軍師が、囲碁大会を開催するとか言い始めて。

性格はともかく実力はかなり高いため、注目を集めているうで。

壬氏の手伝いをしている文官が熱を上げてる様子には少し笑った。解読も難しいし文才はどうでもいいけど、あの人の棋譜は見たい! という想いを壬氏に披露できるあたりは見事。

 

変人軍師の囲碁大会という一見ネタにしか思えないイベントもかなり大仰なものになっていましたし。

そうでなくても蝗害の報告や、不思議と甘い葡萄酒の話など壬氏は毎度のことながら苦労してますね……

 

正直今回一番笑ったのは、猫猫が同僚と化粧品を買いに行って……何故か薄餅を焼いていた所ですかね。

「ねえ、二人とも。周りが呆れているわよ」と姚に言われてましたけど……しれっとツッコミ入れてる辺り、彼女も大分毒されてきてますよね……

 

とは言っても猫猫が薬を試すためにわざと怪我しようとしたら焦って止めたり、ちゃんと常識的な部分も残っているようで安心しました。

友達だから、という姚に燕燕が妬むような眼を向けてる場面も微笑ましかったですねぇ。猫猫にちゃんと友人が出来たのは何よりです。

 

玉葉妃の周囲もかなり不穏な気配があるようで、猫猫を引き込もうとしたりしてました。

人気者ですね、猫猫。毒見が出来て、頭の周りも良い女となれば使い勝手がいいんでしょうけど。

最後、壬氏がとった行動は、高位の人間としては正直ありえないものだと思いますが。いざとなったら手を選ばない辺りが彼らしいのかな……怖いわー、敵に回したくない手合いだ。


薬屋のひとりごと7

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「なにがなんでもうかってもらわねばなりません」

「そ、そういわれても」

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「なにがなんでも今度こそ受かっていただきます」

 

里樹妃の一件が解決し、市井に戻った猫猫。

そこに高順がやってきて、官女にならないか、という話をして。

以前興味がなかったためロクに学ばず、落ちた試験ですが……今回ばかりは、と方々に手を回し、逃げようがない状況を創り出すあたりやり手ですね。

 

そして状況が整ってしまえば猫猫はちゃんと出来るんですよねぇ。

興味があることとないことへの反応が極端なだけで、元々のスペックは決して悪くないのですから。

詰め込み教育で、主席を取ってしまう辺り、要領も良いというか。呑み込みが早い。

 

見事官女となり、医官の手伝い何かをする部署に回されていましたが……

どこぞの軍師がそれを嗅ぎつけて周囲をうろつき、他の官女たちから不審がられたり。

血縁を使ったコネ採用ではないか、と疑いを向けられたりしていました。

そんな状況でも気ままに仕事に打ち込める猫猫は、本当強かです。周囲に流されてここまで来ているのに、なんだかんだ生き残りそうな雰囲気がある。

……扉絵に、官女の集団の中にいる猫猫を軍師が見守っている絵がありましたが……そこでの猫猫の目がかなり死んでて、思わず笑ってしまった。

 

新たに妃として迎えられた他国の娘、愛凛。

彼女からもたらされた情報で、またも厄介な状況になっていることが明らかになりますが。

白い娘について、ここまで尾を引くのか、という感じですねぇ。

今回もまぁ、上手い着地点を見つけられていましたけれど……不穏な影はまだあるんだよなぁ。

続きが楽しみです。ちゃんと仕事していたけど、影が薄かった壬氏にももうちょっと頑張ってもらいたいところではありますが……どうなるやら。


薬屋のひとりごと6

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「私はあなたに幸せになってもらいたいと思った。ただ、それだけなのです。その願いすら、単なる官の一人には過ぎた望みでしょうか」

 

壬氏がついに行動を起こしましたが……猫猫にいいように振り回されますなぁ。

本当に彼女は猫みたいに気ままなので、壬氏からしても調子が狂うのではないでしょうか。

馬閃との会話が噛み合ってないことにも気づかずに誤解を招いてましたしね……笑った。

 

猫猫の周りでもチラホラ怪しい動きがありましたねぇ。

変人軍師の実家で当主の座を奪われた老人に絡まれるなどもありましたが。

羅の一族は変り者ばっかりだな、ホント……それに振り回されてるご老体は哀れ。まぁ、彼自身小物臭くて、羅漢に蹴落とされなくても別の奴に追われてたんじゃないかなと思えますがね……

 

里樹妃の周りもきな臭いというか、彼女もトコトン運が悪いというか巡り合わせが良くない。

あちこちから疑いを向けられ、大分心を痛めたのではないでしょうか。

思惑が重なり、妃でありながら幽閉されることに。命を狙われるのを危惧し、守るために隔離した結果なんですが……

 

よりにもよって、なんでそいつと接触してしまったかなぁ、という状況になって。

此ればっかりは彼女のせいではなく、管理が甘かった周囲のせいだと思いますが。

まぁ、その結果としてなんか綺麗にまとまりそうな感じになってたのは、良かったですが。猶予期間があるわけで、その間に何かトラブルが起きないことを祈ります。


 
プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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