「僕は――夢の中では君を説得出来なかった」
(略)
「非常に、馬鹿馬鹿しい」
イラストは若干好みから外れていたんですが、あらすじが気になったので購入。
なかなかいい感じにまとまっていて、私は好きです。
条件付きではあるものの、一日先の夢を見ることが出来る少年春先考太郎。
それを使って両親の喧嘩に巻き込まれ辟易するとかいった自身に降りかかる災難を回避し、自分の日常が平穏であるように振る舞っていた。
けれどある日から、同級生の冬芽木実に付きまとわれるようになり。
今まで行ってきたように、夢を用いた先読みで回避しようとするものの、なぜか上手くいかずに、否応なく彼女との交流を続けていくことに。
そうして、これまでと違った生活を送るようになり、二人の距離も縮まって……
けれど、そうして距離が近づいたら、今度は夢に不穏な気配が混じりはじめ。
事故や事件に巻き込まれる夢を見る事が多くなってきた。
一体、なぜ夢が変化していったのか。そもそもこの能力は何なのか。
作中に用意された特殊なギミックに答えを示しつつ、少年少女の青春をちゃんと描いてくれてました。
まぁ、黒幕との対峙はちょっとあっけなかったかなぁ、と思わなくもないですが。
最後幸せな結末に辿り着けていたから、ま、それも味のひとつという事で。