気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

暇奈椿

幼い女神はかく語りき2

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「この世に真理はなく、万能は遠く、おれたちは必ず、いつか何かを間違える!」

 

激闘を制し、一時の安寧を得た真人たち。

鬼と人と神とが協力して、特別な刀を生み出したことで、人に歩み寄る鬼も出てきて。

概ね順調に進んでいるかと思いきや、厄介事を持ってくる輩が居て。

女神アメノウズメと名乗る少女は、荒神霊に狙われた都を救ってほしいというものの……真人は、絶対に嘘を吐いていると取り付く島もなく。

 

当人は行く気がなかったものの、常夜の説得などもあり都に足を運ぶことに。

そこではまた、これまで見てきたものとは違う神と人との交わりがあって。

どこまでも勝手で、目の前の事しか見えていない、愚かな人間。自分たちの行いを横に捨てて、目の前の救いに飛びつく。

 

アスラウグなんて「何故、あの愚か者どもに罰を与えないのです?」と常夜に直接聞いてましたからねぇ。……いやまぁ、常夜への嫌がらせって言う面もありましたが。

そうして浅ましさを目にして、責められて、それでも人を幸せにできる神なんだと自分を信じると宣言する常夜は眩しいですねぇ。

 

元クラカヒメ、ことアスラウグ。

あの戦いの後、真人に縛られていた女神。

滅びゆく神話世界を渡り歩き、極東までたどり着いた乙女。

幼い頃に見た夢、抱いた願いの為に旅をして、戦い続けて敗れた後に死ぬこともできず自暴自棄になっていた彼女。

諦めの淵から浮上して、新たな願いを抱けるようになったのは何よりです。



幼い女神はかく語りき

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「――人間は強い。否定してみろ、できるものならな」

 

クロックワーク・プラネットを榎宮祐と共著で送っている暇奈椿の新作。

後書きによればアイデア自体は随分と前からあったようですが。

始まりは二十一世紀の日本。ただ、そこは神様や妖精などが住まう特殊な環境になっていて。

神州日本、燈京でアメリカから訪れたインタビュアーに神様は、ある男の話をして。

 

今よりも神話が、神様が、人々の近くに在り、その信仰によって加護を得る戦士なんかも居た時代。

大国、邪馬台が力を振るい各地を侵略していた。そこには異国の神々なんかも混ざっていて、何でもありな雰囲気ですが。

そしてその侵略から逃げ続けていた、非力な女神とその信奉者たち。

異形と異能を持つ『鬼』の一族と、人間の強さを信じる流浪の少年。

 

何の巡り合わせかそれらが一つ所に集まって、物語が進んでいく。

事の発端は、大国に対抗するため女神たちが鬼と協力しようとしていたことですが、鬼の棟梁はそれを断って。

その交渉の様子を見ていて、あることに納得がいかなかった少年が、横やりを入れた、と。

 

真人の存在がやっぱりかなり重要なんですよねぇ。彼が示した強さがなければ、交渉も進まなかったし。

女神の庇護を受けるだけで満足していた、人々の視野の狭さもそのままだったでしょうし。

敵国の戦力を見るに、真人が干渉しなければ、それぞれ確固撃破されて終わりだった感じがあります。

鬼に勝つほど強くなった彼の生まれにも色々とあるようですが……

『人間は強い』という信念を、行動でも示し続けた彼の姿は中々に格好良かった。

 

犠牲が全くなかったわけではないですが、まぁ、何とか人としての矜持を貫き通して、生き残った。

最も真人達は大国の尖兵を追い払っただけで、本国はまだ健在ですし、ここで描かれた以外にもまた困難を乗り越える必要に駆られたでしょうけど。

神州日本において、彼の活躍が語られるという事は、困難に折れず駆け抜けたという事でしょうし、めでたしめでたし、で締めていいんじゃないですかねぇ。



クロックワーク・プラネットⅤ

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「無限の暴力を手にするならそれを行使しない意思を持たねばならない」

「…それがYのメッセージです」

「ナオトさまなら アンクルを適切に扱えると信じていましたから」

 

まさかのアニメ化決定なシリーズ。

この作品映像化するの結構手間だと思うんですけどねぇ。

全てが歯車に置き換えられて。何万何億という歯車が使われている世界なわけですし。

原作1巻の修理シーンとか、かなり大変そうな未来が見える。

 

閑話休題。

本編は、アンクルと相対したリューズの戦闘場面からスタート。

とはいえ、従者であるリューズと兵器であるアンクルは、作り手が同じでもコンセプトが違うため、劣勢に違いはなく。

最終的に、アンクルのマスター認証も含めて何とかしていますが。ナオトの作戦がなかったら危なかった。

規格外のYシリーズ同士の戦闘は、人知を超えた領域になるため……まぁ、率直に言って勢いはあったけど、ちょっと読みにくい部分があったのは残念です。

 

しかしリューズの時にも思いましたが。

自由意志をもつオートマタを作るとか、Yは本当頭おかしかったんじゃないのかなぁ……

歯車化した世界においては、全てがそれに置き換えられて。故に、歯車に悪影響を及ぼす技術なんかは封印されていったわけですが。

政治はいつも綺麗事で済まないわけで。秘密裏に研究されていた、歯車世界に対する切り札。それを切ってきた復讐者たち。

あちこちの思惑が絡まって、かなり混沌とした状況になってますが。収拾つけるの大変そうですな……

 

クロックワーク・プラネット4

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「既に諦めたお前と一緒にするな」
「俺達は絶望なんかしてない!」


地下に潜入してみたら、Yシリーズのアンクルに襲われて。
彼女は正しい起動をしていないようで、リューズに壊してと願い。
最後に助けてと内側でこぼしていたのをナオトが聞き取り助けることを誓うわけですが。
……アンクル、戦闘特化すぎて、リューズでも勝ち目はほとんどなし。
ナオトとマリー達は一時分断されることに。

マリーは、ナオトたちと協力して軍のパージを防ぎましたが。
それに伴って公開した秘密が新たな火種となって。
とかく世界は生きにくい、というか。

天才によって生きながらえている世界だって言うのに、そこを汚染する技術を研究したりして、彼らは何をしたいんだろうか、といいますか。
パージする箇所が増えているのは、全体的に不具合が生じているって事でしょうし、もうちょっと生き残るための何かを模索していられないのかなぁ。
まぁ地球をまるまる造りかえるような技術、天才的というか狂気的なものですから、多くの技術者が夢破れたそうですし、なぁなぁになっているのかもしれませんが。

マリーの提示した、問題の解決策がぶっ飛んでいて。
抗争が起きそうだ。じゃあ、どうするか。私達で先に事件を起こして、矛先をそっちに向けよう。
……どうするとこういう発想に至れるのか。彼女の思考回路もなかなか不思議。



クロックワーク・プラネットⅢ

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「イカれた連中をどうにかできるのはイカれた奴らだけだろうよ」
「フン締まらねぇな これで自分が報われるなんて」
「そんな人間らしい感情忘れちまってた」
(略)
「ははっ… ……てめぇら ざまあ」

原作2巻のエピソードに突入。
これが描かれたってことは、3巻分までは少なくとも出るでしょう。
絵柄も原作の雰囲気壊していない、良質なコミカライズなので、続いてって欲しいですねー。
問題は、原作の方のストックが無いってところでしょうか。
原作側の体調の問題もありますし、無理しない範囲でやってほしい所です。

スペックが高すぎる故に、学校になじめないマリー。
まぁ、ドタバタ騒いでいる日常って言うのは、貴重な時間ではあるのでしょう。
原作でのこの後を思うと、落ち着ける時間ってそうそうないでしょうし。
……あいつらなら、状況を自分色に染めてヒャッハーできるから、いつでもどこでもそう変わらないんじゃとふと思いました。

マリー宛に届いた怪しげな通信。
その送り主を探しに行った先で、前回以上の厄介ごとが待っていて。
消された諜報部隊。死んだ街。地下に存在していたモノ。
そして、新たなYの遺産。
都市を歯車に乗せている様子、とかはやっぱり絵で見たほうがイメージしやすくていいですね。
アンクルの特殊能力は、うん、威力デカすぎてよくわからんな……


クロックワーク・プラネット2 

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「わたしはわたしの信念を貫く」
「その為なら地位や名誉なんて失っても構わないわ」


原作1巻のエピソード完結まで。
あちこち演出変わっていて引っかかる部分はありましたけど。
マリーのアクロバットな修理シーンとか、ちょっと迫力が足りなくて残念でしたが。
ヴァシュロンの警備網もこんなに代替的に踏み越えてなかったじゃないですか。
いや結局ゴリアテは登場して力押ししようとしていたことに変わりないけど。

ヴァシュロンの御曹司がいい感じにクズでそこはよかった。
あとは、マリーが稼働しているリューズを見た時。殺して埋めようといった場面。
ハルターの間に合ってない感じはうまく描かれていたと思います。

全体的に見れば、悪くはない、のかなぁ。
原作が共著ってところと、榎宮祐さんの体調的な問題で刊行遅い作品です。
どうせなら、コミックの方も丁寧に作りこんで、ペース落とすくらいでちょうどよかったんじゃないかなぁ、なんて思ったりしましたが。
相変わらず原作者たちのあとがきページが笑える。
「同時刊行になるか連続刊行になるか」の境目な執筆状況だったとか。
原作4巻は出るとしてまた1年後とかですかね……


クロックワーク・プラネット3

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代償を支払ってもらう、と彼は言った。
それはつまり、払う必要のないものに代償を求めない、ということだ。
同時にそれは、自分が代償を払うことを躊躇わない、ということでもある。
(略)
ただ己の大事なものを傷つけた存在に対して、その代償を求めただけ。その為に必要なあらゆる代償を覚悟した。
これはただ――それだけの事なのだ。


榎宮祐とその友人、暇奈椿による共著。
……のはずが、今回暇奈さん協著になってるんですが。
まぁ、後書きによれば、作業量半々になるはずが、やり取りしている中で大体榎宮祐さんが書いたからこういう書き方になっているそうですよ。
いや続き読めるなら何でもいいんですけど。てっきり榎宮祐さんの体調の問題で続きでないのかと思っていたら……二人での執筆とかは中々手間なところがありそうですよね。

閑話休題で本編。
前回の最後に起動した、巨大兵器。
時計仕掛けの惑星において禁忌とも言える、かつて人類が活用していた電磁技術を用いた攻撃。
ま、名目上は禁止されていても各国秘密裏に実験したりはしてるみたいですけど。
敵の攻撃によってハルターとかも活動停止してしまう訳なんですが……
自力で脱磁できるとかYシリーズまじチート。まぁ、アンクルはすぐに動けましたが、リューズの方はちょっと無茶してしばらく活動停止してましたけど。

ナオトの本性が出てきた、といいますか。
これまでは、単純に異能とでも言うべき耳を持っているだけの少年で、機構を愛しているっていう面が出ていましたが。
いざ覚悟を決めると彼ほど怖い相手もいないっていうのがよくわかる感じでしたね。
マリーはマリーで天才という評価に恥じない成果を信じられないほどの短時間で上げてましたが。
この二人のタッグは本当に敵なしなんじゃないかって感じがします。
異能による知覚と、調整・整備する技術。
お互いにない物を持っていて、補い合って活動をしていた感じですが。
今回の事件を通して、それぞれの蓋が外されて、こう、恐ろしい存在が二倍になった感じすらするんですがどういうことなの。

兵器を持ち出した敵の思惑通り、政治家とかが面白いぐらい混乱していて、呆れるを通り越して笑うしかなかった。
唐沢さん本当にお疲れ様です。常識人があの中に一人とかかなり大変だったろうに。
実際最後仕事頑張りすぎて痛い目見てますけど。なかなかいいキャラだったのでいつか再登場してほしいなぁ。

序盤は、反撃のための糸口探しってことで若干冗長な感じもしましたが。
いざ行動を起こせば、一チームとしては戦力過剰だからなぁ、コイツラ。
おっかないにもほどがある実行力を以て、途中綱渡りこそあったけれど、目的を達成するんだから流石。
今回の事件は解決したものの、謎は残ったというか最後にあからさまに黒幕自称する怪しい輩からの通信があったりしましたしね。
敵さんの目的はいったい何なのか、気になるところです。


クロックワーク・プラネット 1

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榎「いやいや、恩師の受け売りだけど、『設定は作中で語れ。じゃないと読者は驚かない』というのがあってね。あえて設定書というものは作ってないんだよ」
椿「原作サイドである僕まで驚かせてどうしたいんだ君は――・・・・・・ひょっとしてさ、他のintial-Yシリーズの設定ってあったりする?」
榎「え、あるよ。全機」
椿「よーし、今すぐテキストに起こそうか、な! ホントに困るからそれ――!」


原作が好きなので購入。
リューズの中身(歯車)とか、都市の歯車の様子とかが書かれていて満足。
特に歯車な都市の様子っていうのがあまり想像できていなかったんですけど、あの見開きは結構インパクトありましたよ。
アレは凄い。しかし、別の疑問としては別の都市に異動するのって結構大変なんじゃないかなーとか思いましたが。
歯車として回転しているなら、陸路ではいけないだろうし。短距離用の飛行機とかヘリで移動するんだろうか。
絵としてのインパクトもありますし、アレを成し遂げた『Y』っていうのがどれほど変人だったかもよく判るというものですよね。
まぁ、地球を歯車で再現するっていうのが既に阿呆な試みなんですが、それを成し遂げるための歯車とかってどうやって作っていたんだろうか。
都市を載せられる歯車があるってことは、それを作るために、それよりも大きい「製造の道具」とかが必要になるんじゃないか。
いや、リューズとかのトンデモ能力使うと案外解決できてしまうんでしょうし、実際解決して、成し遂げた空こそ、歯車で再現された世界っていうものがあるんですけど。

ただ、リューズの修理の風景はちょっとなー。
歯車抜いちゃいけないんじゃないのか。修理風景ちょっと変更入ってましたよね。
機構好きの変人だけど、素人だからもっと手間取っていたじゃないですか。
なんかあっさり終わってしまった感じがあって、何とも言えない。

ところどころ違和感があるんですが。
まー、その分良いところもあるので、そこの温度差が解消されると良いんですがねー。

そして原作者2人が、対談式で1Pの後書き出してるんですが、こんなとこでまで共食い披露しなくても。いや、面白かったですけどね。


クロックワーク・プラネットⅡ

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「(前略)このボロボロの世界に価値なんてないかもしれないけど、それでもちゃんと意味はあるんだった」
なぜなら価値を認められるのは他人でも、意味を認めるのは自分だからだ。
だから人は誰しも自分の生まれてきた意味を探すために生きていく。


寿命を迎えた地球を、歯車によって再生させた、「時計仕掛けの惑星」の物語。
1巻が4月に出ているので、実に8か月も間が空いたんですねー。
次回に続く展開になっているので、もう少し早く出てほしいようにも思います。
しかし、この作品。「榎宮祐」という爆弾を抱えているわけで。
・・・えーっと、本気で倒れちゃわないんでしょうか、大丈夫? と心配になる事間違いなし。
著者コメント欄でも合同の後書きでも、結構すさまじいことになっているようにも思うんですが。
まぁ、とりあえず、仲良いですね、とは言いますが。お大事に、とも言いたいところ。

さておき、本編の感想です。
表紙にも帯にも登場しているので丸わかりですが、1巻で出会えなかったリューズの妹「アンクル」が登場します。
この調子で一巻ごとに「Y」の遺産を継いでいくんでしょうか。
次回は流石にそこまでの余裕ないように思いますけど。
兵器として作られたというアンクル。その性能は、前回圧倒的な力を持っているように見えたリューズに勝ち目がないといわせるほど。
いや、前回確かに「最弱」とは言っていたけど、現行の兵器ものともせずあっさり破壊したリューズに勝ち目ないとか、ちょっと製作者はっちゃけすぎじゃね?
地球を時計仕掛けで再生するって発想自体がとちくるってますけどね。

プロローグの前、序章も序章というか、最初に軽く触れられてますが。
永遠は存在し得ないのが真理だというのなら。
その真理さえもが永遠ではありえないのだと。

『彼』はそう考え、だったら直せばいいじゃないと思ったのだろう、とそんな感じに書かれてます。
まぁ、今回のアンクルの機能が『永遠』を体現する「永久機関」だっていうんだから、そっちの話でもあるんでしょうけど。
こういう前提からひっくり返そうとする発想は結構好きですよ?

1巻の最初に、ナオトたちが秋葉原でテロをしていた理由とかに迫る内容でした。
しかしまぁ、京都をパージしようとした前回も思いましたが、人類終わってね?
いつの世も悪い事考える人は尽きないというか、エゴによって回っている部分あるよなぁ、とか痛感させられました。
地球が終わった時に、ある意味で終わってしまった部分もあるんじゃないかと。
歯車で再現され、異常が出た場所をパージすることで延命してきた世界。
時計仕掛けだというのなら、本来僅かでもかけたら動かないはず。
しかし、パージされてなお、他の場所が補い、周囲にいくらかの影響を及ぼしながらも、世界は存続している。
そのことに対する甘えというか、理解できずに思考放棄した人が多すぎるんでは。
いやまぁ、『虚数時間』とか『永久機関』創っちゃう人間の制作物を理解できる人間なんてそうそういてもらっても困るんでしょうけど。

政府も、軍も、五大企業も。
だれもがあちこちで歪になってしまっているんじゃないか、と思います。
第3章で、マリーが尋問した相手の叫び。
勝手なことを言うものだ、と感じましたが、あの人にとっては確かにそれが事実だったんでしょう。
主人公たちにとって優しくない展開になりながら、それでも折れない彼らがいいですね。
前回の事件は赦せないだろうし、それに報復があったのも自業自得。
それを許容できずに、あちこちで歪みが表面化してきた感じでしょうか。

作中で「数百年かけて足がかりを得るような作業」を2人は「3日」で仕上げます。
ただ、この惑星が時計仕掛けにされてから、1000年。
2人がやったテロ行為につながるようなものは別として、この機構を理解しようと、足がかりを作ろうとした人はいないんでしょうか。
『技師団』も維持と保全が仕事のようですし、彼らにもわかっていないこと多いんじゃないかなーと。
前回みたいに、変な思惑もって動かれることもありますし。
まぁ、そんな背景の事とか考えながら読んでいましたが。

とにもかくにも、前回描かれていた、キャラ同士の愉快な掛け合いだったり、2人の異能と才能の合わせ技だったり、独特の世界観にあふれる魅力とかは少しも衰えることはなくここにありました。
気に入ったシーンもいくつか。
リューズとナオトがマンガ喫茶のカップルシートでイチャイチャしまくってたりとか。
マリーとハルターのアクセルとブレーキじみた掛け合いとか。
アンクル修理するシーンは、アレをやった「Y」ってやっぱり頭おかしいわ、っていうか。
凡人なんでナオトが何を言っているかさっぱりわかりませんでした。アレわかるのナオトくらいだろうけど!

しかし、いい作品読むと心が潤いますね。
満喫しました。


 

クロックワーク・プラネットⅠ

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「理想を追求するのに最も都合のいい立場って何だかわかる?」
(略)
「それはね――テロリストよ」


ラノベには珍しい共著という形式を取っています。
MF文庫Jで『ノーゲーム・ノーライフ』を刊行している榎宮祐と長年の友人であるらしい暇奈椿。
この二人の発想がいい塩梅で混ざって、読んでいて楽しい。
2巻を読んでから1巻の感想を書いてるんですが、マリーが一度叩きのめされて、それでも折れなかったところには好感が持てます。
しかし、ただ1巻だけを読んだ時点では痛快だと思ったことが、跳ね返ってくるんだから、容赦ないですよね。
まぁ、2巻がからむ感想はおいておいて。

寿命を迎えた地球を、歯車の力で時計仕掛けのように作り変え、延命している世界。
作り変えられてから1000年後、地球をつくりかえた異才の制作物をもってしても、機構には歪みが生じ始めていた。
まぁ、現在でもある機械式時計も、部品の摩擦を防ぐための油が揮発するから、数年に一回はメンテしないといけないんですよね、確か。
それを地球規模でやったら、メンテナンスもそりゃあ大変でしょう。
ましてや、地球の機能を歯車で再現するなんて、トンデモな代物を扱いきれず、あちこちに異常が生じ始めるのも、まぁ致し方ないことなんじゃないかと。
しかし、作り変えられてから1000年が経過しているというのに、危機感とか無いんですかねぇ。
歯車を用いたさまざまな道具だったり、自動人形だったり、果ては兵器だったり。
まぁ、諸々新しい技術っていうのは生まれているようですけれど。
延命処置に甘えて、抜本的な対策っていうのを取れているんだろうか。
地球が死にゆく100年は対策を練るのに短かったでしょうけど。
作り変えられた世界が永遠だと約束されたはずがないのに。

まぁ、そんな状況に対してはいくらか不満はありますが。
その程度の事を置いていくくらいには、この作品に入れ込んでますな。
一読して、面白かった! と思えるのは当然ながら、何度も読み返したくなる魅力があります。

共著である二人が、それぞれに考える天才観を描き、その2人が最後にやり遂げたことは素晴らしい、の一言。
ナオトの持っている異才、異常な聴覚とそれによって得た情報を把握する能力。
マリーが努力と天性の才を持って獲得した、一級の時計技師としての技術。
それぞれのキャラが自分の主張を持っていて、それに従っている様がいいです。
ナオトは勉強できなくて、機構フェチの変態ではありますけど、それだけに自分の「耳」と欲求には素直で分かりやすいキャラなんじゃないでしょうか。
その異能と、リューズを修理できた発想についてはまったくもってわかりませんが。
まぁ、それはどちらかというと制作者の「Y」が一番頭おかしいと思っているので。

ただまぁ、その割に敵役はいつの時代においても進歩がないというか。
今回は、分かりやすい悪役も出てきていましたが、組織として腐敗している部分もあるんじゃないかと。
マリーが打った報復の一手が容赦なくていっそ笑えましたね。
2人が協力するときの熱とか、痛快さとか、日常でのドタバタとか。
その全てが、うまくかみ合って、回っているんだなぁ、と思いました。


 
プロフィール

ちゃか

 友人に「活字中毒っていうか読書中毒」と評される程度には本が好き。適当に感想を書いていく予定。リンクはフリーでコメントはご自由に。悪質と判断したものについては削除する場合があります。

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