気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

杉井光

神様のメモ帳9

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いや――回り道が僕の人生なのだ。これまでだってそうだったじゃないか。後悔なんて墓に入ってからすればいい。
今は、とにかく走り出すときだ。


長かったシリーズもついに完結です。
まぁ、前の巻でてからこのエピソードが本の形になるまでに時間が空いているっていうのもあって、なんか終わったという感じがしません。
久しぶりの新刊が最終巻とかジョークが利いてるなとか言えばいいんだろうか。
もうでないかもと思っていたので、ちゃんと刊行されたのはうれしい限りなんですけどね。

これまでの話では、ニート探偵団それぞれに関係するような事件を取り扱ってきてました。
エンジェル・フィックスはニートたちの居場所を壊したものだったし、彩香の事件でもありました。
園芸部がつぶれそうになったときには、テツ先輩の過去を暴くことになった。
それらは、アリスがやっていたニート探偵が死者の代弁者であったから引き出せた真実です。
引き出してしまった真実という面もあるかもしれませんが。
鳴海が遠回りをしたり、相手をだま蔵化したりしながら真相にゆっくり近づいていく危うげな道のりを、裏でサポートしたり、最後暴き立てる役回りをアリスが担当してきていたわけですが。
最後のエピソードは、これまで暴く側だったアリスのエピソード。

描かれるべくして描かれたというべきでしょうか。
シリーズを通して、鳴海は何処までも鳴海であったというか。
冒頭引用したように、いつまでたってもグダグダうじうじ悩んでいて。けど、吹っ切ってしまってからの行動は、容赦がないというか。
大事なものはすでに決まっているから。覚悟を決めた彼の行動は何処までもまっすぐで。
「大事は恐れないくせに小事にびくつく。マフィアの頭領に向いてるんじゃない?」
なんて、あるキャラクターには言われていましたけど。

微妙な個所とか駆け足な個所もありますが。
好きなシリーズという補正もかかって、中々いいラストだったと思いました。
最後、それぞれのキャラクターのその後みたいなのが少しだけ書かれていましたけど。
そこに至るまでの話、そこからの話、そうしたエピソードを読んでみたいという気持ちもあります。
それらは描かれればきっと面白いでしょう。けど、蛇足だとも感じでしまう気がしてならない。
いいラストだと思えるこの辺が終わり処、という事かもしれません。
好きなシリーズが終わるのは、やはりどこかもの悲しいものです。

神様のメモ帳 (9) (電撃文庫)
杉井光
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-09-10

東池袋ストレイキャッツ

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自分の声で空がどこまでも押し広げられていく、という感覚を、僕はその日はじめて味わった。翼なんてなくても、海の向こうまで飛んでいけそうな気がした。みんなこの瞬間の為に歌っているんだ、と確信できた。
この瞬間のために――生きているんだ。
いつかミウが言った通りだ。最高の気分だった。

良くも悪くも杉井節。
音楽好きですよね、という感じ。
いや悪くも、なんて言ったけれど、このテイストが好きだからついつい手を出してしまう身じゃ何も言えないか。
今回は音楽がメインで、ほかの作品にある推理とかの要素は少なめ。
キャラクターはなんだかんだでいつもの奴等、な雰囲気ですが。

引きこもりの高校生ハル。
たまたま出かけた時にギターを拾うが、それには死んだアーティストの幽霊がついていて。
その幽霊が「俺が生前出せなかった曲を代わりに唄え」。
そうしてストリートで曲を奏でるようになったハルが迷いながらも歩いてく話、と言っていいのかな。
熱中できる何かがあるのは幸せだと思いますが。

ヒロインのミウは、現役の邦楽アーティスト。
プロとして活躍している十七歳の少女。
ストリートでの演奏を聞いて回り辛い点数を付けて廻っている。
けれどそれはプロの優越ではなく、彼女自身の問題も影響していて。
何のために唄うのか。結局どんな立場でも人は迷うってことですかねー。

過去の経験から、引きこもりになってはいるけど、コミュニケーションが取れないわけではないんですよね。
臆病になってしまっているというだけで。ストリートで強さを獲得すれば、学校に通うことも可能になるかもしれない。
まぁ、ストリートでやっているからこそ、この作品の良さがあるように思うので、続刊があるとして、そっち方面には言ってほしくないような。問題を解決して成長してほしいような。
単巻で結構良い展開になっているので、このまま終わってもいいんじゃないのかなぁ、とか思ったりします。

東池袋ストレイキャッツ (電撃文庫)
杉井光
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-06-10

生徒会探偵キリカ4

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「にゃははっ この一行 さすがのお姉さんも開いた口がふさがらんわ どうつっこんでほしい言うん?」
「つっこみ待ってるわけじゃないんです 本気なんです」
「嘘はひとつもありませんしそれに――これは生徒会を守るためです」


1巻の、予算をめぐる生徒総会のエピソードが、今巻でひとまず完結。
オリジナルのエピソードが1話収録されていますね。
次回予告もあるようですし、このまま2巻のエピソードに進んでいくようです。
それなりに気に入っているコミカライズなので、続いてくれるのはうれしいですね。
1巻分だけで終わるものとかもあるじゃないですか。

理事会の横暴に、日影が動き出す。
生徒会詐欺師の本領発揮というか、この件とかが積み重なって詐欺師と称されるようになるわけで、まだただの庶務なんですがね。
また無茶な作戦を考え付いたものだなぁ、といいますか。
そのむちゃくちゃな作戦に乗る人が多いのもまたすごいことで。
一番恐ろしいのは、その作戦に乗ったうえで、勝ちをつかみ取っていることなんですけどね。
しかし毎度思いますが、この学校、ハイスペックな人ばっかりが集まっているよなぁ。

姉が優秀だということに引け目を感じていた日影が、姉からの電話で励まされるというか、認められるというのは
、良い流れですよね。

「ひかげがやっと全力出せるとこ見つけて――よかった」
「だってひかげ 私の弟なんだから絶対にすごいのに 本気になれること ひとつも見つけようとしなかったでしょ」

帯によれば、原作の6巻が6月に発売予定だとか。
他にも、ニコニコ静画で4月23日から、『生徒会探偵キリカたちの日常』という別のコミカライズが進行するそうで。
特に原作の方ですが、楽しみですね。



楽聖少女4

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「それを戦慣れっていうんだ」
カールさんがぼそりと僕の言い訳を遮る。
「殺るか殺されるかの間際じゃ、現実感なくして熱に浮かされて自分から進んで狂わなきゃいけない。それでいて頭のどこかではちゃんと死ぬのが怖いと思ってなきゃだめだ。その両立ができるやつとできないやつがいる。おまえはなんでか、最初からできてる」


ルゥとユキがもう完全に同棲しているようにしか見えない。
しかし、また新しい情報が出てきたといいますか、もうこの世界で何年も過ごしているのに、成長している素振りが全くない二人。
メフィストに言わせれば、本来いるべき時間じゃないから、召喚された時点で、時間が固定されている、ということみたいですけど。
本気で、何でもありになってきたかなぁ。
まぁ、悪魔とか魔法とか、とんでもないナポレオンとか先進技術とか混ざっている時点で、何でもありのごった煮な世界ですけどね。
着地点がどこになるのかが本当にわからない。

そして、またしても、というべきか。
ルゥの作った楽曲に教会が因縁をつけてくる。
正直、悪魔たちの陰謀とかその辺が印象に残りすぎていて、教会は大したことないと思ってしまってましたね。
ナポレオンのほうが怖いだろう、と。
今回はその思考のスキを突かれたといいますか、ユキの魔力やらメフィストやらについて研究した、という彼らは結構いろいろと手痛い目に遭わせてくれます。

ユキの高校の世界史の先生の話が相変わらず面白い。
こういう先生に教わりたかったかなーとか思いますが。
実際に自分が教わったのは、クラスの過半数が机に突っ伏していてなお、自分のペースを崩さずに授業を続ける、催眠術のプロみたいな先生で。
あれほど眠気を誘う授業はなかなかありませんでしたよ。先生の印象しか覚えてませんからね、世界史。
それはそれでやばいですけど。
 
ついに、ユキがナポレオンの傍にいる悪魔と出会いますが、かなり恐ろしい存在ですなー。
あれに打ち勝つとかできるんだろうか。
ナポレオンが繰り返しの中で遭遇していないゲーテと置き換わったユキの存在がどう影響するのか。
魔術というか詐術というかで、うまく乗り切ってましたけど、どんどん状況は悪くなる一方なんじゃないかなー。
落ちると死ぬ綱渡りを延々と続けているような印象。
数年この世界で過ごしているから、問題ない時期というか、一時的に鎮静化している時期もあるようですけど、そんな時期は、行間で済まされてしまうわけで。

これまでも史実に絡んだ出来事が多かったですけど、今回は、ファンタジー要素が強かったかなーという感じ。
ヴァルプルギスの夜とか出てきますしね。

楽聖少女 (4) (電撃文庫)
杉井 光
アスキー・メディアワークス
2013-11-09

生徒会探偵キリカ5

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でも、探偵は依頼を突っぱねたわけではない。
下請けに出したのだ。
「ひかげ。そろそろあなたの料金も決めたら」
キリカの言葉に、僕は苦笑いを返す。真実を難なく見通す探偵と違って、こちとら毎度毎度駆けずり回って四苦八苦してるんだよ。定額料金なんて決められないよ。


今回は口絵がちょっと、アレだったかなー。
ヒカゲの部屋に生徒会メンバーが来ている絵はともかく、他の2枚はちょっとネタバレが強すぎるんじゃないかと。
体育祭を乗り切って、今回は、ついに文化祭本番。
準備しているときに流れた、怪談話の噂。そして、ひかげの姉、ひなたの知り合いからの接触。

キリカが怪談苦手にしているのは可愛かった。
怖いけど、その手の絵本も好きで誰かに読んでもらっているっていうので、その姿が視てみたいと思いましたが。
しかしあれだけ怖がっていて、ひかげが言っていたように、よく泊まり込んだりできているもんだなーというのはありますが。

で、その事件を解決すると、今度は学園祭当日。
演劇部がらみで色々動いていくわけですね。ひかげの姉、ひなたも登場してきたりと少しずつ動いている感じはあるんですけど、前回の体育祭の魔王様ほど、パンチがなかったというか。
魔王様が、わかりやすい厨二だったくせに、選手宣誓の時に格好良かったのがやっぱり大きいかなー。
今回はひかげの詐欺師成分が少ないのと、依頼者とか謎とかにインパクトがなかった。
生徒会としては、文化祭の方が本番じゃないのだろうか。
描かれていないところで・・・ってことかもしれませんが、それだとやっぱり物足りない。

今回は、イベントの大きさの割には盛り上がりが足りなかったかなー。
体育祭より、生徒会メンバーの動きが少な目だったからでしょう。
文化祭実行委員の薫が中心になって行動してく感じでしたし、謎解きも、生徒会メンバーがどうこうっていうよりは、結構その場その場で対応している感じでしたし。
演劇部の方に焦点移っていたので。

さらっと書かれているけど、ひかげと一緒に文化祭回るのを楽しみにしていたっぽいキリカが可愛い。
そして職権乱用をしてでも、座席確保して演劇部の公演に行っているあたりが。
しかし、ひかげも覚悟決めたようで。もうじきに生徒会選挙。戦いの場は、近いようですねー。


生徒会探偵キリカ 3

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「僕らの戦いは 始まったばかりなんだ」

一番ここで笑ったんですけど。
なんてところを最後に持ってきてくれているんですか。
いや、確かに仕込みをしている段階で、戦いこれから開始する場面ですけど、すごくここで終わりそうな雰囲気ですよね、コレ。
だって、準備終えて疲れて座り込んだまま眠りに入ろうとしているときに思う事がこれって。

中央議会の「お姫様」と出会い、変態なキリカの父親と出会い、そして、キリカの為に行動を起こすところまで。
実際の生徒総会は次回に回ったので、とりあえず原作1巻の内容は次の巻で終わりそうですねー。
しかし、絵つきで見ると、キリカの父親が予想以上に変態で困る。
秘書の人も相当だよ、コレ。
幾ら給料良くても人間として嫌悪感とか感じないんだろうか。
いや、躊躇なく注射を打ちこんで平然としているあたり、この人も相当ですけど。

生徒会長は変人だし、副会長は妄想癖あるし、あっちもこっちも組織のトップは大概ですよね。
朱鷺乃さんも、まともに見えて、ある程度までは会長について行ってたんだから、耐性があるというか、適正があるというか。
まぁ、まともな人間が、こんな学校の生徒会とかその手の組織に属してやっていけるとは思えませんが。うん、多分あの会長に馴らされたってのもあるけど、あのノリを御すのは大変ですよ……?

後は、毎回思うんですけど、紙が固い? 普通のコミックとは違うように思えるんですけど、なんでわざわざこれを使っているのかが分からない。
微妙に読みにくいんですけどね、コレ。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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