「……三波先輩って、東雲先輩のためなら色々やるんだなと思って。図書委員の仕事なんかいっつも面倒くさそうにこなしてるのに」
(略)
「でも、素敵だなって思いますよ。好きな相手のために何かするのって」
後書きで作者も言っていましたが、もどかしいつながりで始まった二人がいちゃいちゃし通しで。
いや、今回も悩みは確かにあるんですけどね。
ここまで来るとのろけの物語というか。
章間の小説は、今回は今までとちょっと形が違ったけど、今まで通り、読んでみたいな、と思えるような感じ。
三年に進学した二人。
その為、悩みは将来の事になってきますよね。
進学するのかどうするのか。また、進学するにしても、同じところを目指すのかどうか。
目指したとして、その後は。
色々と悩んでる最中に、あちこちから恋愛相談が持ち込まれてきたりしてます。
一年の時から恋人同士というのが、周知されていますからね。
東雲は、作家として有名だし、演劇部の脚本の件もあって色々大変だったみたいですし。
それでも付き合っているんだから、多少のやっかみとか相談が舞い込んでくるぐらいは、いいんじゃないかなぁ、と他人事だから思えます。
作家としての好奇心が出てきた時点で、英太にも否やはないんですがね。
……初期の無関心であった彼は果たしてどこへ行ったやら。
ここで終わるのが綺麗な話。
まぁ、欲を言うなら、もっと読みたかったというのはありますが。
良いシリーズが終わるとき、必ず思う事ですよねこれは。
終わりがきれいだった分一層強く思うんでしょうが。
そんなことを読み終わったときには思っていましたので、新シリーズの『その恋と~』で二人が登場したりしているのは素直にうれしいです。
英太はもうちょっと根性みせろよ……と思わないではないですが。