気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

椎名優

本好きの下剋上 第四部 貴族院の図書館を救いたい!7

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「けれどわたくしの奇策で大した苦労もせずに こんな穴だらけの連携で勝つのは エーレンフェストにとって最悪の勝ち方です」

 

採寸を終え、他領の妨害も乗り越え、無事にシュヴァルツとヴァイスを図書館に送り届けることに成功したローゼマイン。

これでもう魔術具の守りもあって一安心、とローゼマインは胸をなでおろしていましたが。

「王族の魔術の主」という地位は彼女の想像よりも重く……。他領が動いた結果、仲裁にアナスタージウス王子がやってきた上に、一番絡んできた相手が大領地のダンケルフェルガーだったというのが面倒極まりない状況に。

 

ダンケルフェルガーの寮監ルーフェンの提案により、エーレンフェストが魔術具を守れるだけの力があるかを示すためにディッターを行うことになって。

ディッターを行う会場の広さとか、ダンケルフェルガーの誘導に釣られるエーレンフェストの騎士や、地面を掛けてくる襲撃準備態勢とか、コミカライズでより分かりやすくなっていて良かった。

フェルディナンドの薫陶を受けたローゼマインの作戦によって、なんとか勝利を得ていましたが……弱さを実感しているのが、領主候補生のローゼマインだけというのが良くはないですよね……。

それはそれとして、混乱して「なんですか」連呼してるユーディットは可愛かったです。

 

31話がダンケルフェルガーの食堂で、ディッターについて語り合っていたりするのも、他所の寮の様子とか見られて良かった。外伝収録のエピソードとかも盛り込んで再構成してくれてるの良いですねー。

描き下ろし番外編が「ルーフェンの指導」で、コミックで見た時に31話から続けて楽しめるのも良かった。

SSは「寮での留守番」。寮に残ったヴィルフリートが、なにも分からない状態で困惑を続けている様が良く分かった。お疲れ。

本好きの下剋上 第四部 貴族院の図書館を救いたい!6

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「ジルヴェスター様ではなくフェルディナンド坊ちゃまになればよいのですよ

 坊ちゃまは姫様の神殿長のお仕事を手伝ってくださっているのでしょう?」

 

図書館大好きすぎて、図書委員になりたいと熱意を見せすぎたせいでソランジュ先生に協力を申し出て断られたローゼマイン。

本好きで、それを原動力に動いて結果的に多くの問題を解決していくのがローゼマインの魅力ではありますが。このあたりの流れは、原作の時からなーんか他のエピソードより苦手なんですよねぇ。

「図書委員」という理解しやすい用語があることで、ローゼマインの暴走がより近く感じられてしまうからだろうか。

 

リヒャルダが嗜めて良い方向にもっていってくれたのは良かったですけど。

そこからソランジュ先生をお茶会に誘うことになって、中央の貴族を相手にしたお茶会の練習を出来ることになったりしたのも良かった。

シュヴァルツとヴァイスの着替えについての話し合いも出来ましたしね。

音楽の先生のお茶会で、誘われてもいないのに紛れ込んでいたアナスタージウス王子、本当に好き勝手動いているなぁ……。

ローゼマインも図書館絡むと暴走しますけど、それにしたってなぁという感じはある。

 

採寸に赴くために2匹と両手を繋いでいるローゼマインの「きゅっ」ってコマが可愛くて好き。その直後に王族の魔術具を動かすことになるから警戒態勢になって、ひと固まりになって動く場面になって他所の貴族たちのざわめきも聞こえてくるので、緊迫感高まっていくわけですが。

噂になったことで武装した領地に待ち構えられる結果になってしまって。対応するために祝福を与えるシーンとか見られたのは嬉しい。厄介ごとやってきたのは頭痛いですが。

 

番外編コミックは「リーゼレータの決意」。シュミルが好きなリーゼレータ、ローゼマインがシュミルに似ていることに気付いてから、ときおりお耳が生えて見えるとか言ってて、側仕えらしく主張しない性格ですけど、結構面白い子ですよね……。

シュヴァルツとヴァイスのしっぽが衣装に隠されていたことに気付いて、今回の衣装ではそれを主張するように変更しようと決意してましたし。

SSは「音楽の先生方のお茶会」。ロジーナ視点で、貴族院でエーレンフェストの楽師として過ごしているエピソードだったり、お茶会で演奏しているときの彼女の胸中とかが分かるエピソードで良かった。

本好きの下剋上 第四部 貴族院の図書館を救いたい!5

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「フィリーネ 他領に詳細を伝える必要はありません 曖昧にしておけばよいのですが決して嘘を言ってはなりません」

「信用を得ることから始めなければ 敵を欺くことさえできませんから」

 

色々と話題にあがる行いをしていることで、第二王子から声を掛けられることになったローゼマイン。

面倒くさいと思いつつも、「魔獣を模した騎獣で教師に襲い掛かった」なんていう変な噂に関しては明確に否定しないわけにもいかず。

双方の言い分が違うから講義の後にでも確認しよう、という流れになったのにいざ講義後になったら去っていく王子はあまりにも王子らしい傲慢さではありますなぁ。

王子に侍る女性の争いの片りんも見えてそれに関与したくないから、とパパっと逃げるのが彼女らしい。

 

同学年で一緒に実技に参加する中で、ヴィルフリートが進展具合の差とかに驚愕する場面もあったり。

来年に向けた参考書づくりの中で、先達たちと受ける講義内容の差が生じている気付きがあったり。フィリーネにハルトムートが助言するシーン、彼らしさが見えて地味に好きですねぇ。

騎獣の講義に参加したヒルシュール先生、普通の貴族からは奇異に見えるレッサーバスを受け入れられる形に変化させていたの凄いですよねぇ。変人だけど腕は確かなんだよな……。

 

シュタープの実技で一瞬歩みを合わせるのを考えてましたけど、図書館第一! と突っ走るあたりが実にローゼマイン……。

その後の「ローゼマインがすべての講義に合格してしまった」という食堂の空気の重さよ……。講義を終える=図書館、というのがローゼマイン方程式ですけど。正確には社交がスタートする証明でもあって。話し合いをすることになっていたのは良かったですね。

その後の旧ヴェローニカ派の子どもたちの話し合いもそうですけど、ローゼマイン目線では見えない交流も重要なんだなよぁ、というのが良くわかるので。

 

巻末番外編は「楽しみな朝」。図書館通いが楽しみすぎて早起きして神に祈りを捧げているローゼマインは、でしょうねとしか言えない感じではあった。

SSは「ローゼマインの講義終了」。ヴィルフリート視点で、彼女が講義を最速で終えたということを彼の側近と話しているシーン。

ローゼマインの社交開始に合わせて、話題にして良いものがどこまでかという打ち合わせをすると決めたのもここでの話し合いがあったから、とのことで。良い話し合いではありましたね。

本好きの下剋上 第四部 貴族院の図書館を救いたい!4

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「なんてすばらしいのでしょう…」

「幸せ過ぎて泣きそうです 神に感謝しなければ…」

 

コミカライズで絵がついて、シュバルツとヴァイスの可愛さが強調されてて良かったですね。これはなるほどリーゼレータ達が惹かれるのも分かる。

そして装飾に凝った扉を潜って図書館へ。貴族院、つまりは貴族が使う場所とあってこういう細かいところにもこだわりを感じるのが良いですね。

 

これまで起動していなかった貴重な魔術具であるシュヴァルツとヴァイスが動いていることで、驚いているモブ学生なんかもしっかり描かれていました。

図書館にお熱で暴走しまくりなのは、不安しかないなぁ……という感じですが。

新たな目標を前に燃えるローゼマインが挑むのは、領主候補生向けの宮廷作法の授業。ハンネローレとかわかるキャラもいましたけど、他領地の候補生の姿見えるのいいですねぇ。

ピリッとした緊張感が漂う時、表情を隠すのが貴族とは言え多くが冷や汗かいてるのも、分かりやすくて良い感じ。

 

ヒルシュールが魔術具目当てで協力を申し出てくれたことも、ローゼマインの爆速合格を後押しした要因なんですよねぇ。エーレンフェスト的には恨めしいのでは。

まぁ、反発しているフラウレルム先生の担当の授業でもフォロー入れてくれる確約とれたから、乗らない選択肢もないですが。

「神の意志」の採取とかも楽しく読めて良かったですね。あとは奉納舞で、華やかな踊りにドキッとした後、技量の足りてない王子の踊りを見てスンって表情になってるローゼマインが面白かったです。

 

巻末番外編のコミックは「秘密の相談」。リーゼレータが側仕え見習いたちとの交流で、シュヴァルツとヴァイスの魅力について布教する話。小説本編の巻末SSで見たことある話でしたが、衣装の話し合いが本当に楽しそうで良かった。

書き下ろしSSは『ローゼマイン様の側近として』。ハルトムート視点で、ローゼマインの祝福を間近で見たことでまたテンション上がっていましたね……。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部女神の化身XII

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「神々よ、英知の女神は私に嘘を吐いた。ユルゲンシュミットの礎を満たしてもローゼマインから神々の御力は消えなかった。これは神々が望んだ結末か?」

(略)

「最も神々に祈りを捧げてきたローゼマインこそ、最も生きる価値がある。呪うならば私にすべきだった。これより呪いと化した祝福を返す。神々に翻弄されたローゼマインに正しき祝福を」

 

本編完結となる第五部12巻。

ローゼマインの記憶を取り戻すために奮闘しているフェルディナンド視点のプロローグからスタート。彼の視点から見ると英知の女神があまりにも神様過ぎてなぁ……。

呪い返しまで視野に入れて行動をしていたとなれば、本当にできる事全部やったんだなと感心してしまった。

それなのに「後はフェルディナンドがなんとかしてくれる」と楽観決めてるローゼマインみたら、苦言の一つも言いたくはなるか。

 

あまりにも本好きすぎて、一般的な男女間の感情については理解できない。

それでもフェルディナンドが大切だというのは間違いなくて、彼との関係を受け入れることにしたのは、落ち着くべきところに落ち着いた感はありますね。

そして新たなツェント・エグランティーヌとの対話、婚約からの領地でのアウブとしての宣言が入って。

WEBにはなかった、まだ信頼できる貴族が少ないためにエーレンフェストに一時的に帰還して諸々の準備を整える章が結構なボリュームあって良かったですね。

 

それぞれの側近たちにも想いがあって。ローゼマインの筆頭文官としての地位をより早く確かなものにしようとアレキサンドリアでの滞在期間を延ばすことを選んだハルトムートは相変わらずだなぁ、と思いましたし。

親族の扱いについて聞いたアウレーリアについても、彼女の置かれた状況を思えば納得できるリアクションではありましたか。あとは、ローゼマインがエルヴィーラから「貴女以外の誰にもできなかったことです」とお褒めの言葉を貰っているシーンも尊くて良かった。

 

就任式で、他の領地から不満が出た時もローゼマインは隣にフェルディナンドが居たこともあって落ち着いていたの良かったですね。

……魔王様の策略に嵌められた人、というのが明確だったし。反撃できる状況でもあったからなぁ。言われたままで終わらない、大領地のアウブらしい姿勢は見せられたのでは? 

 

なろうの方の活動報告で書かれていましたが、ローゼマインとフェルディナンドが就任式で切ることになった「(結果的に)互いの髪の色になった服装」は、『このライトノベルがすごい! 2024』の表紙イラストになっているそうです。言われてみればそうか。

あと、口絵のカラーイラストが「帰宅」のシーンを採用していてネタバレになるから、と巻末に置かれているのも珍しい配置でしたが、こだわり感じてよかった。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部女神の化身XI

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「神話が真実ならば命の恩人ですから、わたくしにとってのフェルディナンド様のような存在かもしれないとは考えました」

 

カラー口絵で空中に描かれた魔法陣とそれを見るローゼマインの側近たち、みたいな構図が結構好き。WEB既読なので、ついにここまで来たか―って感慨深さがありますね。

ランツェナーヴェからの侵攻を撃退し、いよいよ事後処理が始まろうかという状況なわけですが。

ローゼマインは急成長した体に馴染めていないし、英知の女神を降臨させた影響が抜けていないし、大分振り回されていますね……。

大事な記憶が一時的とはいえ失われていることや、もともと自分の大事なものを優先するタイプの子だったこともあって、彼女自身はそこまで気にしてないように見えますが。

 

プロローグのフェルディナンド視点で、ローゼマインが英知の女神を降臨させたときのやり取りとかを見ることが出来て、神々の傲慢を感じましたね……。

この巻の後半で、再び降臨させることになってしまっていますけど、フェルディナンド憎しでローゼマイン巻き込んでくるの、本当になんだかなぁ……って気分になります。

うっかり遥か高みに上りかねない危険を背負わされたローゼマインでしたけど、フェルディナンドや側近たちの協力もあって、「神々の魔力」という爆弾を処理できたのは何よりでした。

……まぁそこで区切りとなって引きなので、書籍化の人にとってはだいぶ待ち遠しい状況にはなりそう。完結巻は今冬予定ということで楽しみに待ちます。

 

エピローグはローゼマインを見送ることしかできなかった側近グレーティア。ローゼマインに救われたことを本当に感謝しているのが、彼女視点だとより詳しくわかって良かったですね……。

巻末のSSは「閑話 継承の儀式」でWEBにもあったハンネローレ視点では神秘的に見る儀式(裏では大分ドタバタしてましたが……)について。

そしてエグランティーヌ視点の「始まりの庭と誓い」は、彼女の覚悟が感じられる描写が多くて良かった。

あと「新しいアウブのすげぇ魔術」で、アーレンスバッハの平民視点のエピソード入れてくれたのは個人的に嬉しかったポイントですねー。より影響を受けることになる彼らから見て「すげぇ」ことをしたのが分かりやすかった。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部女神の化身Ⅹ

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「君が思い悩むようなことではない。他人の行動の何もかもを背負い込もうとするな、馬鹿者」

 

プロローグはディートリンデ視点。

フェルディナンドを害しランツェナーヴェについた彼女が、何をしていたのかが描かれるわけですが……いやぁ、根っからの貴族だろうにあちこち甘くて浅くて、ここまでくると流石ですねとか思ってしまう。

だいぶ好きに動いてましたけど「ディートリンデの期待する明日が来ることは二度となかった」でプロローグ終わってちょっと溜飲下がった。

 

ローゼマインたちは貴族院に乗り込み、アーレンスバッハの敵対陣営とランツェナーヴェの対処に走って。

中央騎士団長のラオブルートが戦力を現王族へ差し向けたり、いよいよ離反を隠さなくなったりして。いや、ダンケルフェルガーの戦力いてよかったというか。

ランツェナーヴェ側がグルトリスハイトに手をかける瞬間だったわけで、かなりギリギリの状況だったんだなぁという思いが強まりました。

 

ローゼマインがアナスタージウス王子に「大切な人を人質に取って逃れられない選択を迫るのが王族のやり方でしょう?」ってかつてやられたことをやり返すの、正直痛快でしたが。

多用しすぎると反撃くらうからそのあたりのさじ加減は難しいところです。……アウブ・ダンケルフェルガーをして、あまり的に回したくないと言わしめたフェルディナンドがそばにいるから大丈夫か。

 

エピローグは、アウブ・ダンケルフェルガーの第一夫人ジークリンデ視点。

後方支援の慌ただしさの一環を見たのと、他領から見たフェルディナンドの暗躍について知れるのが面白かった。

女神が降臨したと聞いて、都合よくごまかされてないかと疑うあたりしっかり貴族してるんですが……トンデモ本好きがメスティオノーラ降臨させたのは事実なんですよね……。

 

書下ろしSSは中央の戦いをテーマに、「イマヌエル視点 帰還した傍系王族」で中央神殿が何をしていたのかを。「アナスタージウス視点 王族の立場」・「マクダレーナ視点 裏切り者の討伐」で王族の反応とラオブルートへの対処などを見ることができます。

特にマクダレーナ視点は貴重で、王族に嫁入りしてもダンケルフェルガーとしての矜持は健在で。彼女がいたからこそ守れた命もありそうです。

 

「ジェルヴァージオ視点 女神の降臨」は、ローゼマインの目線だと女神の図書館にいたタイミングで何が起きていたのかわからない状況なので、降臨の状況を知れたのは良かった。

メスティオノーラもまた女神なんだよなぁって傲慢さを感じる状況ではありましたが。

「介入できる余地が出来て安堵いたしました」じゃないんだよなぁ……それで人の記憶奪っていくし。結果だけ見れば助かってるんですけども、もどかしい。

 

そして暗躍している「フェルディナンド視点 負けられない戦い」。いろんな意味が込められてそうで、ワクワクしちゃう題名でしたね。そのために手段を択ばず、迅速に動いていたので周囲への影響甚大でしたが。

王族とかには遠慮しなくとも、意向を聞いてきたローゼマインを血なまぐさい戦いから隔離できると安堵してたり、大分感情出てくるようになったな……みたいな気分になった。

まぁ大切だからってのを除いても、女神の干渉で記憶に穴が生じているローゼマインを連れ歩くと、いつも以上に予想外が発生して間に合わなくなる可能性があるって計算もあったみたいですけど。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ ふぁんぶっく7

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「火の神ライデンシャフトへ誓え」

何を、と言われなくてもわかる。私は父上に視線を向けた。父上の赤い瞳が細められ、ニッと唇が笑みの形を作る。

「このためにダンケルフェルガーの領主一族は古語を学ばされるのだ。ほら、スティロで答えをさっさと書け。わからない者に次期領主の資格などないからな」

 

書き下ろしSSが「次期領主と礎の魔術」。

エーレンフェストとアーレンスバッハの間で行われることになった「本物のディッター」に誘われたダンフェルケルガー側の話を、レスティラウト視点で。

礎の魔術を継承する際の正しい手順について知る事が出来たのは良かったですね。領地ごとの差異を作れる部分もあるみたいで、エーレンフェストとかどうなってるのか考えるの楽しい。

 

……未来の某領地とか、うっかり高難易度になってそうですけどどうにかフォローしてほしい所。

領の実情を知ってる者には解きやすくすることで、代替わりが上手くいかなかったときに備えつつ「次期領主争いはディッターで決着をつければ良い」って言う当たりがあまりにもダンケルフェルガー過ぎて笑った。

 

あとはいつもどおりのドラマCDアフレコレポート。第6弾と第7弾分。リモート参加した回もあるみたいで、いろいろ試行錯誤されてるんだなぁと見てて面白かった。

貴族院全景で、大神の祠の位置が分かったのは良かったかなー。聖地と呼ばれるの納得の配置だわ。あとは大領地の寮意外と離れた位置にあったりするんだなー、とか。新鮮だった。

 

Q&Aを面白かった。神々の加護は奉納した魔力量によるけど、量が突出していたり全く奉納されてない中で奉納した人は神様にお気に入り登録される、という表現が面白かった。

ハンネローレが気に入られてるのこの辺りの事情関係してそう。

あとは始まりの庭で見えた光景についての回答だとか、歴史関係の研究者からはダンケルフェルガーの現代語訳本が刺さりまくっているの面白い。

成長したローゼマインの頬をつねったフェルディナンド様の心境を聞く質問が採用されてたのも笑ったし、回答もあの状況でこんなこと考えたたのかと思うとなお笑える。

王族からの許可証といったジルヴェスターの真意も、彼らしくて好き。


本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部 女神の化身Ⅸ

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「私の主はいつも想定外です。貴族院の寮で派閥の壁を壊した時も、粛清の連座回避を洗礼前の子供達まで行った時も、私は驚かされてきました。故郷の蹂躙を命じるゲオルギーネ様ではなく、手の届く範囲をできる限り助けようとするローゼマイン様を主として選ぶことが出来て良かったと思います」

 

プロローグが、ゲオルギーネの忠臣グラオザム視点。エピローグが、ジェルヴァ―ジオを選んだ中央の騎士団長ラオブルート視点。

エーレンフェストとユルゲンシュミットを揺るがす大騒動を起こした陣営に属する人物が何を考えていたのか描かれたのは、理解度が上がるって意味ではありがたいですね。

各々の事情はあれど、ローゼマイン達とは相容れないのが改めて示された形にはなります。

 

ゲルラッハでの戦場、ローゼマインは養女ではありますが「領主一族の責務です」と言って敵地に踏み込めるんだから大したものですよね。

まぁ今回の敵は悪辣で即死毒とか使ってくるし、色々と準備してから事を起こしてるのもあって、領地内をかなりかきまわされてしまった感じがありますね。

それでもゲオルギーネを打ち倒すことが出来たのはなによりですが……ローゼマインがトラウマ抱える結果になってしまったのは痛い。貴族的な観点で見ても、弱みを抱えることになりますしね……。

 

自分の願いが叶わなかったこれまでの事を思って、アウブ・アーレンスバッハになるのは難しいだろう、とローゼマインは考えていましたが。

大領地出身のハンネローレに焚き付けられたり、フェルディナンドの根回しなどによって、彼女の道が定まったのは、まぁ良い事ではあるんですけども。

ジェルヴァ―ジオはまだ暗躍してるし、王族の反応は鈍いしで、もうひと騒動あるんですよねぇ……。

 

巻末の描き下ろしは、エーレンフェスト防衛線の後半。

各所に指示を出すシャルロッテ視点の「後方を担う者」。領主教育を受け初めて、最初の任務が防衛線となった彼女がそれでも奮闘している一方、重荷を下ろしたヴィルフリートが元気有り余ってるのが、なぁ……。そういうところだぞ。

 

平民の兵士レクル視点「西門の戦い」はタイトル通り、門での攻防。主についていけなくて不貞腐れつつ、仕事を果たしているユーディット視点「残された者」。名捧げによって連座回避した子供達に厳しい目を向ける人はどうしても出てくる、というのがローゼマイン視点だと中々見えないので、読めて良かった。

 

あとはフロレンツィア視点「白の塔で」、ジルヴェスター視点「礎を巡る戦い」は領主と領主夫人としての戦い。旧ヴェローニカ派の子を特別室に隔離してたこととか、そこでミュリエラがバルトルトの妹に厳しい一言を放ち大人しくさせたって下りは、成長が感じられて良かったなぁ。ミュリエラはバルトルト達を隔離する名目に巻き込まれた形だけど、不満を漏らしてないそうですが……絶対、忙しくて読めてなかった新刊を読める自由時間が出来てラッキーって思ってるんだろうなぁって所まで伺えて好き。

本好きの下剋上 第四部 貴族院の図書館を救いたい!3

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「わたくしのお母様はすごいのですよ」

「貴族としての利益を確保し 上級貴族に相応しい社会貢献をして さらに自分の趣味にも妥協しないのです」

「わたくしは心からお手本にしたいと思っています」

 

実技を終えて寮に戻ってきたローゼマインを出迎えるアンゲリカ。

うーんこれは確かに、「主から仕事を得られず思いつめた美少女」の図ではありますね。

でもよくわかってるローゼマインには通じず。コルネリウスと目で会話してるシーン、結構好きです。

 

騎士見習いに囲まれて勉強してるアンゲリカのどよーんとした感じと、追い込まれている一年生ズの緊迫感がとても凄い。

ローゼマインの言葉を聞いて、一年生が一斉にヴィルフリートの方を見た瞬間とか、感情を隠すのが基本の貴族らしからぬ反応ではありますが。それだけ圧を感じてたんだなぁ。

そりゃフィリーネもローデリヒも、講義は受けるけど点数足りてるなら合格にしてくれって言うよ。先輩方が温かく出迎えてくれたのも納得。

 

騎獣服ローゼマインも可愛いですねー。レッサーバスが特殊なため、滅多に見られない恰好ですし新鮮。

後は圧縮講座で、先生方がいろんなことを言うので生徒たちがみんな「ぽかん…」ってしてるシーンも割と好きです。圧縮の場面だとローゼマインの新しい魔力圧縮方の脳内イメージが、コミカル過ぎて吹いた。

その後事情を聴きに乗り込んでいたヒルシュールの剣幕に、アンゲリカとコルネリウスが即座に反応してるのが経験が生きてていいですよね。

 

巻末の番外編コミックは「ご褒美のデザート」。ローゼマインが最速合格の褒美に約束した1品プラスしたデザートを、1年生たちが堪能する話。ローゼマインの提供するカトルカールは冬の子供部屋でも貴重で、それを食べてる子達の幸せそうな顔が良かった。

書き下ろしSSは「主には見せない裏側」でレオノーレ視点で、タイトルの通りローゼマインからは見えない側近たちの交流のエピソードですね。

1年生でローゼマインと親しくない子からは、彼女の図書館への暴走で影響が及ぶことに不満を抱かれているとか。それをフィリーネから聞いた面々が対処法を相談したり、図書館での護衛方法やフィリーネの教育についての打ち合わせをしていたり、こういう情報が補足されてくエピソード好きだなぁ。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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