気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

渡瀬草一郎

ソードアート・オンラインオルタナティブ クローバーズ・リグレット2

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「……わ、わかってねええ……! 伝わってねえー!」

「……コヨミ、後は任せた。書類もまとめ終わったし、私はログアウトして寝る」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

SAOサバイバーだった、探偵のクレーヴェル。

彼の事務所には、以前の縁からナユタとコヨミの少女が入り浸っていて。

コヨミはナユタと探偵の仲について警戒しているようですけれど、まぁ、それはそれとして彼のコネは頼って居たり強かですよね……

温泉に行きたいとコヨミが言い出して、クレーヴェルの心当たりを追及して同行する事に。

 

アスカ・エンパイア運営の不良社員たちの手によってつくられた、VR内の保養施設。

みんな面白がっていじった結果クオリティが上がったので、一般に公開してしまおうってなった下りは正直笑った。なにしてるんですか、運営の皆さま。

事案を懸念しているクレーヴェルの悩みも分かりますけど。ナユタも色々と無頓着だからな……正面からそれを指摘されても、表情に意識が行くあたりは凄い。

 

訪れた施設は営業しているようだったが、なぜかNPCの姿が見当たらず……不審に思って調べたオチが愉快で良かった。

まぁ、深く追及するとAIの反乱に繋がりかねない、自由度の高さが怖くもあるようですが。その辺りは、クレーヴェルみたいに問題に気付ける人が、どうにかするんじゃないですかね……

 

108の怪異」を中心にイベントを実装している、アスカ・エンパイア。

そこで新しく実装されたのが、宝探し要素を盛り込んだ、『元禄化秘祓絵巻』って。カピバラの中に紛れたウォンバットを探すクエストのようですが……

VRの中だからって、カピバラの海つくるのは思い切り良すぎじゃないですかね。

でも、モフモフの中に埋まる体験は正直興味あるな……本物よりも柔らかい、動くぬいぐるみみたいな状態で、獣臭さもなし。いいなー、楽しそう。

 

そんなゆるーいカピバラ絵巻があったかと思えば、行方不明になった父親を捜してほしいなんて話がクレーヴェルのリアルに持ちかけられたりもして。

探偵業はVR専門ではあるものの、手がかりがゲーム内に在りそうだという事で調査をしてみて。中々に闇が深いネタでしたが、終わり方はあっさりしてましたね……

そこは好み分かれそうでしたけど、メインキャラがナユタやクレーヴェルだし、個人的にはそんな気になりませんでしたね。

ソードアート・オンラインオルタナティブ クローバーズ・リグレット

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「弱さじゃないよ。別に悪いことじゃないし、会いたいなら会えばいい。それを本物だと思いこんじゃうと良くないけれど、動いて話せるだけの“アルバム”だと思えば、別に何もおかしくないでしょ? 技術の進歩って、そういうものだと思う、(後略)」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

渡瀬先生による、SAOのスピンオフ。

『ザ・シード』が広まった後の、『アスカ・エンパイア』という和風ゲームがメインの舞台。本編のマザーズ・ロザリオで登場した、ユウキが最初に活動していたゲームですね。

舞台がそこってだけで、別にユウキ達は登場しませんが。

 

ゲーム内で知り合い仲良くなったナユタとコヨミ。

二人の少女が甘味処で休んでいたところ、新人プレイヤーのヤナギと出会って。

目的地が分からないというヤナギを連れて行った先は、ゲーム内で探偵を名乗る奇妙な青年の事務所で。

ヤナギは青年に、あるクエストを1週間以内にクリアしたいと、依頼を出して。

妙な縁からその解決にナユタ達も協力する事になって……

 

アスカ・エンパイアではちょうど、大掛かりなイベントをやっていて。

108の怪異」。新しく実装したエリアを起点に、一年間で108のクエストを実装するというもの。その大半を占める『百物語』は、ユーザーの投稿作品から構成されているとか。精査するのも大変そうですけどね……実際対応している部署の人とかも出てきましたし。

 

ヤナギが攻略したいのも、ユーザー投稿企画の一つ。

未だ攻略者がいない『幽霊囃子』。餅シリーズの解法にはびっくり。何にでも抜け道ってあるんですね……

 

ヤナギが抱えている事情、なぜクエストをクリアしたいのかについては、読者視点だと描写がそこそこあるので、何となくは察する事が出来ましたが。

情報少ないのに真実に辿り着いてるナユタが凄い。探偵さんも驚くよ、そりゃ。

 

いくらかトラブルはあったものの、無事にクエストをクリアする事も出来て。

ゲームを楽しんでいる人々もいるんだよなぁ、とちょっと嬉しくなった。いや、キリト君が事件の最前線にばっかりいくから……

とは言え、ただ楽しいだけではなく。SAOのスピンオフらしい要素も盛り込んでいて、ドラマティックだったとでも言えば良いかな。結構好きな雰囲気で良かった。

空ノ鐘の響く惑星で外伝 -tea party’s story-

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「――教授、安心してください。私は今、幸せです。私の幸せを祈っていてくれたお父さんの思いにも、今は応えられた気がしています」

 

12巻最後に告白したハーミットとシルヴァーナの結末を描く「錬金術師ノ嘆息」。

舞台はラトロアで、ちょうど12巻終幕でフェリオとリセリナが帰還したぐらいの時期。

半年ぐらいしたらまた来る、と言った彼女がハーミットに会いにくる話。

元首が退いても、ラトロアの闇は深いというエピソードでもあります。北方民族の間諜、割といつも手痛い反撃を食らってるイメージだったんですが、今回はギリギリ間に合って反撃した感じかなー。ハーミットも強いですよね……そりゃ警戒されるわ。

 

ライナスティの過去と、王宮騎士団に所属することになったエピソードを描く「幻惑ノ剣士」。強かな侍従長が好きです。いや、あんな侍従長いてたまるかって剣腕でしたけど。

「今宵、二人ノ結婚式」。眼帯をした貴族ベルナルフォンの過去が重くて、辛かった。お前、そんな過去を背負いながらクラウスとニナの世話焼いてたのか……

あとはブラド―とソフィアの微笑ましい交流を描く「王ト王妃ノ今日コノ頃」。いやぁ、バロッサが老獪というか本当いい性格してますね。

 

4つの短編の間に幕間として、10年後の今を描いて。

シアとフェリオの子供たちの交流が、賑やかでいいですねー。そして子供たちにモテモテのシア。1巻からこっちアルセイフかなり大変でしたけど、その果てにこの平穏があると思うと和みます。

欲を言えば、結婚して子供を授かったフェリオ達夫妻のエピソードも欲しかったですけど。ま、コレはコレで楽しい短編でした。



空ノ鐘の響く惑星で12

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「必ず……必ず、リセリナ様やシア達を連れて、戻ってきてください。待っていますから」

 

元首ジェラルドを交えて、ラトロアの議員たちとの会談に臨んだウルク達。

ジェラルドが、リセリナ達を確保したという札を効果的に使ってくるのがいやらしい。

それでも折れずに、反撃をしてのけるあたりフェリオも成長している感じがしていいですねぇ。

しかし、会談の途中でメビウス達が行動を開始し、なし崩しに協力する羽目になったのはちょい残念ではありました。あのまま会話続いていたら、どう転がっただろう。

 

来訪者たちの世界に帰りたいバニッシュと、向こうへ行きたいメビウス。

そして彼らに与するシズヤ達暗殺者集団。さらには強化された屍の兵と対峙する羽目になって。

それでも切り抜けて、メビウスの下に辿り着く辺りフェリオの強さも相当ですよね……

パンプキンが助力してくれたり、状況に恵まれた部分はあるにせよ。

リセリナを救出したときとか、一段上の技を披露してましたし。いやはや、格好良かった。

最後まで諦めずに食らいついて、メビウスを止めてのけたのも見事でした。

 

最後の、平穏無事な未来の話が、とても暖かくて好きです。

某人物のフルネームが愉快で、読んだ当初何度も読み返して覚えたんですよね。未だに空で言えますよ。



空ノ鐘の響く惑星で11

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「……なんでもそうだよ。力が入りすぎると、上手くいかない。ただ力を抜けばいいってものでもないから難しいけれど、加減が大事なんだ。リセリナを見ていると――剣に限らず、そのあたりのことが不安になる」

 

ラトロアを訪れた来訪者一行。

元首やメビウスと対面し、バニッシュを交渉窓口に置いて日々を過ごしているようですが。

パンプキンが本当になんか日々楽しそうだなぁ、と言うか。

イリスがなんだかんだエンジュに執着しているのが、微笑ましくていいですね。

 

フェリオ達はラトロアに交渉に向かい、リセリナ達は北方民族と協力してラトロアの研究施設を叩く。

ただ、フェリオが道中で懸念していたようにリセリナは本調子ではない……というか、フェリオへの想いやらで、自分を上手く制御できていない感じ。

 

ただ、そんな中で、父の遺した手記を見て負担が減ったのは何よりではありましたけど。

裏で動くにあたっては、敵地という事もありメビウス達に軍配が上がって。

いやまぁ、アレは情報収集の時に警戒を怠ったハーミット達にも難がありますけどね。彼以外から漏れる可能性も考慮するべきだった……




空ノ鐘の響く惑星で10

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「危ないから駄目だって、何度も言おうと思ったけれど、同時に“止めても無駄だ”っていう気がしたから。だったら、ウルクが望みを果たせるように手伝いたいって、思ったんだ」

 

タートムとの交渉など諸々の事案の為に、ジラーハを訪れたフェリオ達。

これまでもウルクが「神姫の妹」というのは触れられてきましたが。お膝元での人気には正直驚きましたね。

いやまぁ、驚いたと言えば一般に「神託」と言われている「神姫」の選出方法でしたけど。それでいいんだ……

 

あとは、ウルクに内緒で父親が見合いの話を進めていたというのがまた。良かれと思って行動して嫌われるヤツだ。

記憶を失った事で一度は流れたとかで。アレが役に立つこともあるんだなぁ……

そしてついにフェリオ達と対面した神姫ノエル。ウルクの姉だけあるというか、中々強かな人で楽しかったですね。振り回される周囲は大変そうですけど。

 

これまで敵国として描かれてきたラトロア。

ただ、ラトロアも決して団結しているわけではなく。元首の方針に対抗する勢力も居る。

コチラがラトロアを知らないように、彼らも東方諸国の内実を知らない。

ならば、有力者を招いて交流してみようじゃないかと、行動を起こしてみる無謀な政治家が居たのは、不幸中の幸いと言いますか。

 

志を同じくする人からも「本格的に処置無しの阿呆ですか」とか言われてましたが。でも、信じたいと言う彼の意思は尊いと思います。いやまぁ、中々に無茶ではありますけどね。

でも、その無茶を通して来た王弟とかが、ジラーハにはいたんだよなぁ。非公式の使者が来たタイミングが、奇蹟的です。



空ノ鐘の響く惑星で9

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「彼の期待に応えられる王になれるか、まだわからないけれど…でも僕も、この国を愛する心だけは、確かに持っている。これは諸卿も同じことだろう。まだ未熟な王だけれど、これからどうか、支えてもらいたい」

 

タートムの侵攻を退け、アルセイフでは舞踏会が開かれることに。

ウルクの記憶も無事に戻り、戦姫として名高いリセリナと共にフェリオと一緒に参加して。

両手に花状態で、比較されることを畏れて令嬢が近づいてこない効果が発揮されていた模様。

 

三角関係も中々こじれてきているというか。フェリオが、第四王子であったこと。家族に恵まれなかった事もあって、自分はどうしたいのか困惑していて。

ライナスティが「貴族社会なんて嫌いだ」なんて零してましたが。家族には恵まれなくても、良い縁にはめぐり合っているので、それぞれが納得できる答えが出るといいなぁ、とは思います。

ウルクが、記憶を失っていた時期の事も覚えていて、より強くなったなぁと言う印象。

 

平穏無事に舞踏会が行われれば、戦乱の中でも穏やかな時はあったとまとまりそうなものですが。

ラトロアの工作員が、またちょっかいを出してきて。しかも、今回赴いてきたのが、シズヤ達に指示を出しているトップだって言うんだから、そこは行動力なくていいんだよ……

気軽に王宮に潜入すんな。ウィスタルの縁で、ハーミットがアルセイフに滞在しているタイミングで良かった。

空ノ鐘の響く惑星で8

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「それも、とびっきり頼りになる味方だ。どういう理由であの方が動いたのかはわからんが……これは、紛れもない好機だ」

 

侵攻してきたタートムに対抗するために、ベルナルフォンが兵を率いて先行。

クラウスの保証があってなお、若造である彼を好ましく思わない人は居て……

いやぁ、世知辛いですね。彼も危ない橋渡ってはいますが、内乱で上手く立ち回っただけと、王都から離れるほど辛く評価されてるとかで。

そんな彼に手を貸してくれる人もいるから、捨てたもんじゃないですけどね。

 

タートムの行軍が遅れるように裏で動いている兵も居て。

序盤は上手く状況をコントロール出来ていたと思います。ただ、シズヤ達がタートムに合流して工作要員を排除していった上に、玄鳥で戦場支援までしてくるのが厄介で。

タートム側の指揮官が、シズヤ達がラトロアに与しているのを知ってなお活用するという、良い性格してたのもアルセイフにとっては誤算でしたね…

 

予想を裏切ったと言えば、ブラドーが動いたのも意外ではありました。

実際にいい方向に作用していましたし。病弱ってことでしたが、単身レージクを排除しようとしたこともありましたし、結構思い切りが良いタイプですね。

フェリオとは違った方向に行動力がる感じ。そして、そのフェリオも神殿関連でトラブルがあったとはいえ、自国の危機にじっとしていられる性質ではなく……

蓋を開けてみれば、タートムの侵攻を1巻で撃退してるんだから大したもんです。



空ノ鐘の響く惑星で7

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「そうかね? しかしバニッシュよ。天が人に言語を与えたもうたは、敵とも言葉をかわせとの思し召しであろうと我は愚行している。言語なき獣を見よ。彼らの本能に忠実な様は、それはそれで美しくもあるが、我はそこに楽しみを見出せぬ。獣は笑わぬし泣かぬではないか」

 

ラトロア側の行った実験によって、御柱から謎の兵が現れて。

フェリオ達王宮騎士団と、神殿騎士団は暫定的に協力して対応していましたが……

戦闘狂のべリエが暴走して、味方すら攻撃する面倒な状態になったり。

剣聖と呼ばれるウィスタルが、実力者と戦う場面が描かれたのは楽しかったですけどね。今、正直そんな事してる場合じゃないけど!

 

御柱に詳しいシャジールですら、解決方法は一つしか出ず……それは、フォルナム神殿に、アルセイフに大きな影響を与える手痛い方策で。

それしかないとあっても、それまで当然にあったものが失われるのは、かなり痛い。

ラトロアがそれを狙ったわけではなく打撃を与えて来てるのがひどさを増してる。

 

騎士たちが屍の兵と戦っている裏側で、来訪者たちの間でも動きがあって。

イリスから事情を明かされたウルクが毅然と振る舞ってくれたのには、正直スカッとしました。

その後、パンプキンと相対したライナスティの会話が結構好き。なんだかんだで相性いいと思うんですよねこの二人。出会いが違ってれば友人になれたと思うけど、初手で王殺してるのが、致命的過ぎる。

 

ラトロアからの勧誘を受けて来訪者たちは神殿を離脱。最後昇華させて損害を拡大させてる辺りイリス……って感じですが。

教授がシアを連れて残ってくれたのは、幸いでした。彼が居なかったら、ウルクへの処置も間に合わなかった可能性が高いわけですし。

泣いているシアの絵が切実で、あそこで「大丈夫だ」と言ってくれる人が居るのは、ほっとした。




空ノ鐘の響く惑星で6

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「いいか、パンプキン――そもそも俺は、そんなことを選ぶような立場にいない。誰かの命を選んだり選ばせたりするなんて、ただの傲慢だ。俺は――どっちも護る――!」

 

教授と呼ばれる来訪者、ムスカ。

彼は文献に当たり、神官から話を聞き、来訪者たちの世界と今いる世界との時間差に気付いた。

一つ一つ当てはめていけばその答えに辿り着くのは確かですが。イリスが、あり得ないと言ったように、推論とはいえよく思い付いたなぁ。教授の肩書はダテじゃない。

 

そしてこの騒乱の時に、西の大国ラトロアから、アルセイフを訪れた剣士が居たのも巡り合わせでしょう。

彼がウィスタルを訪ねてきたこと。その道中で、フォルナム神殿に協力している北方民族に出会った事。そして神域の街を訪れた際に、フェリオが介入できる場所で会った事。

この縁が、また後々大きく影響していくわけですよね。1つの出会いにいくつもの意味を持たせて、繋げていくのが上手い。

 

カシナートとの交渉にあたって、フェリオが来訪者を見逃す条件すら出して来たのにはちょっと驚きました。

何につけまず行動の人だと思っていたからなぁ。王族らしい、優先順位と判断も出来るのか。ただ、彼自身の価値を過小評価しがちなのかな。

意外だったと言えば、神殿騎士の悪辣さを煮詰めたべリエが、今のアルセイフの力を正しく評価しているって言うのが皮肉というか。戦いを求めるからこそ、力には敏感なんでしょうかね。

状況を動かす為に副団長のリカルドに指示出したのは許せませんが。



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