気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

瀧里フユ

銀剣のステラナイツ 星屑のリヴラガーデン

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騎士であるならば剣をとれ

黄昏を打ち払うのはあなたたちだ

 

ステラナイツの、これまでに出たすべての『色』、『本質の花』を調整したうえで新スキルを追加。さらに新規の『色』としての2種(薄青・硝子)と『本質の花』6種(ユリ・キキョウ・アルストロメリア・ゼラニウム・フリージア・ヤドリギ)を追加したサプリメント。

他には、第3の遊び方として監督1人と俳優1人の2人で遊ぶデュエット形式や、IFの世界のワールドセッティングなども追加されていますね。

 

ほぼサプリ読み込みしかしてない勢なので、調整されたデータの中身とかははっきりとはわかりませんが。

これまでのデータまとめて見られるのはやっぱりありがたいですよねー。

相変わらずスキル名と情景描写がカッコイイなぁって読んでて思いました。

ユリの『百合ゆれる舷窓(トリップ・トゥ・ナウヒア)』とか、アルストロメリアの『先へ、まだ先へ、歩みを止めず(ファーアウト)』とかヤドリギの『私はここにいつ(ラクト・コンカラー)』とかの情景描写が好き。

 

ワールドセッティングとしては、ロアテラの封印が解け新たな戦いが始まったIFの世界を描く『墜星のナヴィガトリア』、同人サプリとして刊行されていた『紫弾のオルトリヴート』の再録、未だロアテラと邂逅していない異世界を描く『灰壁のフォートヴラッド』の3つが収録されています。

ナヴィガトリアもフォートヴラッドも、設定からしてこれまでのアーセルトレイとは違う味わいのある世界なのでどれも面白かったです。



アンサング・デュエット

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あなたが諦めたのなら、あなたの大切な人は、確実に異界に奪われてしまいます。

 

――決して、諦めないように。

 

私達が生きる現実世界と重なり合うように、異界と呼ばれる異なるルールが適用された無数の世界が存在している、という設定のTRPGシステムのルールブック。

増殖し現実を飲みこもうとする異界の事を、ほとんどの人は認識できないが……フェイズシフターと呼ばれる人々だけは、異界の存在を見ることが出来た。

 

ただ出来るのはあくまで「見る」ことだけ。異界は自身を認識できるシフターを取り込もうと蠢くし、通常であれば無力なシフターはそれに抗うことはできない。

そのシフターを繋ぎ止めて、現実に連れ戻す楔となるのがバインダーと呼ばれるプレイヤーキャラクターである、と。

 

『アンサング・デュエット』が特徴的なのは「ふたり用のTRPG」ってところですかね。

GMが進行とシフターを担当して、プレイヤーはバインダーを作成する。

一応、GMが進行だけを担当して、シフター役とバインダー役のプレイヤーを招いての3人プレイしたっていいんですよ、とは書かれてましたね。TRPG、基本は楽しんだものが勝ちですからね。楽しむために何しても良いわけではないですけど。

 

異界に巻き込まれた2人が困難を判定とロールプレイで乗り越えていく、という感じ。

いくつか掲載されていたシナリオの構成も、異界に迷い込んで、2人がその異界から脱出するために力を合わせる、というシチュエーションと対処法の描写に終始してましたし。

他のシステムだとNPCの台詞とかで状況説明入ることもありますけど、あくまで「シフターとバインダーの物語」にするために、RPの部分はプレイヤーにゆだねられている感じ。

このあたり、人数を削った『銀剣のステラナイツ』味を感じる。デザイナーさんがRP大好きなんだろうなぁ。

 

シフターとバインダーの絆だけで困難を乗り切れるならばそれも良し。

それでも叶わぬのならば、自身を構成する記憶や身体のいずれかを失うことで、目の前の絶望を超えることも出来るかもしれない。……致命的に変異してしまうことが、救いになるかは別として。

いいRP生み出せそうな設定のシステムだなぁ、と思いました。

銀剣のステラナイツ 霧と桜のマルジナリア

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誓約を果たす時が来た

お前たちに、戦い続ける覚悟はあるか?

 

ステラナイツの追加ルールブック。

相変わらず読みやすい文章で説明してくれている、と言いますか。

本当に制作陣がこの作品を愛して楽しんでいるのが伝わってくる文章だなぁ、と思ってます。

非公認サプリの「紫弾のオルトリヴ―ト」の修正版になるのかと思いきや、もっと貪欲に、「この作品ではこんな世界も楽しめるんです!!」という情熱をぶつけられた感じ。

 

より使いやすくなった、シースがブリンガーに使用する「ゼロセブンスキル」や、遠距離攻撃が可能になる「ロングレンジ判定」。

「さくら」・「あじさい」・「つばき」・「アイリス」・「シロツメクサ」・「アザミ」。「淡赤」・「淡緑」・「琥珀」。6つの花と3つの色の追加。

「淡赤」のスキル「突き進め恋心」が全身全霊のアタッカーという設定にマッチした、超攻撃的な効果で笑ってしまった。何回殴る気だ……

 

特に、ロングレンジ判定は楽しそうですねー。

元々、シースが変じた武器を使っているから、遠距離攻撃が出来ないという設定で。ルールが煩雑になるって面もあったようですが。

今回の追加ルールを適用する事で「謎のエネルギー」や「光弾」、「音波」といった不思議パワーで攻撃できるぜ! という清々しさが良い。

「ただし! 全員が同意した場合のみですよ!!」と強調されていますが、特殊な裁定も可という事で、妄想がはかどる。

 

ワールドセッティングは4つも収録されています。

一つ。基本ルルブ掲載の、全て敷地内で完結した全寮制の学校「シトラ女学院」を掘り下げるもの。

二つ。アーセルトレイ第216層、他の階層には行けず、来られない場所。閉ざされ、滅亡した世界を巡る人を模した人形たちの旅を描く「リコレクト・ドール」。

三つ。同じくアーセルトレイ第4096層。記す事で自分を残すしかない世界、今回追加された「レターセッション」を使用する「手紙よ、この想いを届けてくれ」。

 

四つ。未だアーセルトレイならざる場所。近い将来の崩壊が予見される場所で、世界を終わらせようとする人々と戦う表題作「霧と桜のマルジナリア」。

ここは誓約生徒会も積極的に人員を派遣している世界という事で、これまた色々と設定が考えられそう。

『銀剣のステラナイツ』にハマった人は手に取って損はない追加ルールブックになってると思います。

銀剣のステラナイツ 霧と桜のマルジナリア
瀧里フユ/どらこにあん
KADOKAWA
2019-10-19

紫弾のオルトリヴ―ト 銀剣のステラナイツ

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ようこそ、忘れられた街へ

輝ける騎士はいない

女神の加護などありはしない

ここは既に、世界から零れ落ちた場所なのだから

 

銀剣のステラナイツ、追加データ集。

公式の「瀧里フユ/どらこにあん」が著者となっていますが、あくまで同人誌。

「銀剣のステラナイツ」を判りやすくするために搭載しなかったデータ等が掲載されております。

以降追加データとして発表されるかもしれないので、最新の状況を確認の上、利用時は監督の許可を取りましょう、と注意が最初のページに入っております。

 

公式が出す同人誌。

さすが、システムを作れば自分が美味しい関係を見られるとツイッターでの販促に余念がない瀧里さん……と謎の信頼が芽生える。

いや、実際短めの設定の中にもこれでもかと愛とか性癖とかぶち込まれてる感じがして、読んでいて楽しいです。

 

本質の花「フリージア」、「アルストロメリア」、「ゼラニウム」が追加。

更に「理の向こう側(ゼロ・セブン)ルール」や、歪みへの抵抗、遠距離武器に関するルール。

間奏やエクリプス用のシチュエーション表等かゆい所に手が届く追加データの数々。

これらを採用したらさらにエモい「ステラナイツ」が見れるだろうなぁ、と心が躍ります。

同時に、基本ルルブに積載しなかったのも英断だなぁ、とも思いました。どうしても複雑になりますしねー。

 

更には「ステラバトルに敗れた階層」の設定までぶち込まれてて……

この第753層の設定がまた、重くて暗くて、だからこそラスト・ヴライトなんておとぎ話が出てくるんだろうと思うと泣ける。

銀剣のステラナイツ

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願いあるならば剣をとれ

二人の願い、勝利を以て証明せよ

 

積層都市アーセルトレイを舞台にしたTRPG

プレイヤーはこの世界を脅かす脅威と戦うステラナイツとして日々を過ごしている……

戦いに勝ち抜いて勲章を得れば、願いを叶えることが出来る。

だからこそ、彼ら・彼女らは同じ願いを抱く二人でペアを組み、戦うのだ。

 

というのがざっくりした世界観ですが。

基本的にステラナイツであるというのは公にならず、そもそもステラナイツが戦っているという事も秘されている。

一部、事情を知っていて融通を利かせてくれる人もいるようですけど。

 

そうした世界の危機を知りながら戦うキャラたちの交流、関係性を楽しむという所が一風変わってますね。

プレイヤーが順繰りにブリンガーとシースを担当しペアを作るって言うのも面白い。

それに結構文章が平易に書かれていて、読みやすい。

アドバイス多めといいますか。冒頭から「初めて遊ぶあなたへ」ってページがあり、

「間違えたらどうしよう?」「間違えても大丈夫です。TRPGに絶対の正解はありません。唯一の目標は「皆が最高に楽しいと思える時間を過ごすこと」です。」って書かれていた辺りが新設でいいなぁ、と思いました。

 

あとは「ブーケ」ルール。他のプレイヤーの行動が素晴らしかったりして心が振るえたらブーケを渡せて、クライマックス戦闘で活用できる、と。

応援システムみたいな感じなんですが。基本的に1発言に1枚渡せる。けれどあまりの尊さに手が止まってしまったら、最後にまとめて渡しても良い。尊すぎたらな仕方ないみたいな事が書いてあって和んだ。

初心者に進めてみたいルルブですねぇ。優しい世界だ。

 

 

銀剣のステラナイツ
瀧里フユ/どらこにあん
KADOKAWA
2018-09-20


プロフィール

ちゃか

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