気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

甘く優しい世界で生きるには

甘く優しい世界で生きるには10

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「――来たか。ドイル・フォン・アギニス」

「ああ」

(略)

「決着を付けよう。マリス」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

シリーズ完結巻。ドイルはマリスと同族であるエラトマと対峙して、転移で分断されたレオ先輩たちとシオンがゼノスとぶつかることになっていましたが。

サナが自ら封印した記憶を取り戻し、周囲の気遣いも理解し、過去と向き合えたのは良かったですね。

 

道を阻むエラトマを排除して、竜が進軍を開始した原因となる病の治療薬、その原料を確保した上で戻るドイル。

しかし病は待ってくれず……想定よりも先に状況が悪化したらしく戦端が開かれてしまったり、向かう道中では勇者の逆概念である魔王マリスと戦う羽目になったりしてましたが。

 

マリスが何を思ってこれだけの騒動をおこしたのか。

力と才能があって、望まれなかったが故の葛藤からというのはなんとも。それに巻き込まれた人々からするとたまったものではないでしょうけど。

彼からすれば、譲れない理由だったんだろうなぁ。ドイルがその挑戦を受けたのも、納得は出来ます。ここで止めない事には、止まれないでしょうし。

ここでマリスの遺したものを回収していたことが、ユリアの一族が抱えていた問題を解決する事に繋がるわけですし、何が幸いに転ずるか分かりませんな。

ドイルの尽力によって、多くの種族が手を取る未来への道のりも見えましたし、良い決着だったのではないでしょうか。


甘く優しい世界で生きるには9

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「では、【勇者】と呼ばれる者と【英雄】の違いは何だと思いますか?」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

前半が特に閑話が多かったですねぇ。神託を受けたドイルの母から荷物を託されたレオパルド達がドイルを追いかけて来たり。

ドイルの両親が出会った当時、どんな思いを抱いていたのか。そうした情報が描かれています。

レオ先輩たちが来て、傷を負った獣人を助けた事で、すれ違いの一つが解消されましたしかなり良い働きをしてくれました。

 

盗まれた聖木を求めてアグリクルトの大神殿を訪れたら、母の育ての親から意味深な問いかけをされて……。

祝福された彼の手に、ふさわしい武器が託される結果となりました。槍の勇者にはなれずとも、違う形であれ勇者になる資格を得られたのは、再起を誓った彼の行いが認められたようで嬉しい。

 

マリスに与する商会の制圧をして。攫われた要人を救って。エルフ達の里で離反者の問答をしているところに、龍の襲撃があって……とかなり目まぐるしく状況が動いていましたけれど。

手に入れたばかりの聖刀を携えて、問題を切り開いていく様は見事に主人公をやっていましたね。彼の祖母が遺してくれたものが、未来に繋がる一助になったは出来過ぎではありますが、劇的で……地の文でも触れられてましたが、かつて戦乱を生み出した国にあったものが、戦乱を止めるための手段になってくれたのは良かった。


甘く優しい世界で生きるには8

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「――――現状を伝えたところで二人は来ませんよ。そう、俺と約束しましたから」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

マリスやゼノスを追いかけるドイルは、傭兵団古の蛇を頼ろうとしますが、どうも避けられてしまっているようで……手っ取り早く接触するために、魔獣を狩りまくって名を売ってるのは笑った。

 

ドイルが訪れたフォルトレイスでは、獣人で構成された盗賊団の活動が問題になっていたり、精霊の加護を受けているドイルに接触して来るエルフがいたり。様々な問題が起きて、火種がくすぶっている状態ではありましたが。

祖母の知人である傭兵との出会いがあったり、付き物が落ちたエーデルシュタインの王太子と協力する事が出来たり、悪い事ばかりでもないんですよね。

……というか、彼がマルスの情報を持って来なかったら、それこそかつての大戦の再現が起きてもおかしくなかった状態だったわけで、危うい所だったなぁとひやひやしました。

 

祖母との縁が、アギニス公爵家と交わした約束があるからこそ、古の蛇の頭領は態度を硬化させていたようですが。それがなかったら、多少は先回りも出来たかもと思うともどかしさもありますが……。思いやり故の判断なので、悩ましさもある。

ただ結局それはドイルのことを軽んじてるわけで、引き下がらず丸め込まれず、行動の自由を勝ち取ったのはお見事。

 

シオンの出自を知ってる傭兵がいて、その事情が裏側で明かされたりしましたが。ドイルが薄々察しながらも気付かないふりをしたのも無理はない。

二十年前ドイルの両親に救われた王族が、成長した今なら出来ることがある、と矜持を示してくれたりしたのも良かったですね。

 

甘く優しい世界で生きるには7

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「近いうち俺はマジェスタを離れる。しかし必ず戻る。だからどうかこの地で、俺の帰りを待っていてくれ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

学院に戻ったドイル達。問題のメイド・ユリアはセルリーの助力も得たことで、学院に連れてくることに成功したようですが。セルリーのメイドになった彼女は、自分たちの一族が為したことを知っていた為、肝心な部分は口を噤んでいて。

 

秘密を抱えていることは察していたために、ドイルは信頼関係を築いてから打ち明けてくれるのを待つつもりだった模様。

しかし学院の七不思議という噂話を調査している中で、彼の祖母をしる精霊と出会い、遺された手記から今まで知らなかった情報が大量に出て来て……。

 

待つことが出来なくなったと問いただしに来た所、セルリーと対峙する羽目になって。ゼノに続き、彼にも引導を渡し未来を託されて。こういう継承の概念に弱い。

大切なものを守るために行動せずにはいられず……しかしそれは学院にいては出来ない。

だから、婚約者のクレアとは一時別れることになって……それを察したクレアが、止められないのを知って苦悩を抱えている一幕もありましたが。再会を約束して、旅立つ姿は凛々しかったですね。

それ以外のシーンだと気になるもふもふを追いかけてる火の妖精フィアが可愛かったと思います。

甘く優しい世界で生きるには6

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「己を誇り、生きろ、ドイル」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

自分と契約し器を与えたことで誰からも視認できるようになった精霊。そして貴重な薬の材料であるフェニ-チェ。

それが城の薬師や魔術師に目をつけられた、と言うのはなるほどよくわかる話ですが。セルリーの言う通り、誰の関係者か推察できそうなものなのに手を出す辺り、行動力が凄いな。

ドイルの庇護下にあるのにセルリーの甘言にのった薬学科の先輩方のこともあるから、あまり強く言えることでもないか。

 

クレア誘拐に関与した王太子から声を掛けられたり、婚約披露の式典のためにやってきた諸外国の要人と交流する場面もありましたが。

王太子の想いを知った上で、しっかりと自分の意見をぶつけるのドイルらしくていいですね。問題の王太子も青いと言われてたのも納得ですが、自分の中で想いに決着をつけられたのは良かった。

 

ただ、他国の人員に紛れ込んで間諜……よりも面倒な、魔王の末裔が紛れ込んでいたというのはややこしいにも程がある。

部下に手を出されて怒り、しっかり現行犯を確保したのはお見事。黒幕と、部下の兄弟であるゼノスに逃げられたのは痛いですけども。

 

情報源を確保できたのと、それによって先んじて問題に対処できたのは安心できましたね。

ゼノとセルリーが結託して起こした「先陣を超える若者が育っている」と示すためのドイルとの決闘。そして、深淵の森で生じた魔物の集団との激闘。

武勲を示す機会に恵まれたのはなにより、というか。覚醒した彼を認めれくれる人材が増えてるのはいい感じ。

甘く優しい世界で生きるには5

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『貴方がドイル君にしてあげられることは、彼に追い衰えた力を晒してその力を自覚させてあげることと、枷をつけようとする大人達を退けることだけです』

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

精霊のラファールと契約することが出来た上、セルリーの師事を受けて魔力量も増えたり順調に成長はしている模様。

今年度の合宿は、昨年の魔王騒動を受けて王都での警備に交代で参加する事になったようですけども。騎士団の雑務に参加しつつ巡回を行ったりする、と。

 

ドイルはここでも真剣に訓練をしていますが。

……幼少期の彼に目をかけていた近衛騎士団部隊長視点の話がありましたが、彼の今の力は認めつつ、それだけの才能があったのになぜ道を間違えたのかと、思わずにいられない面倒な大人が多いなぁと思ってしまった。

祖父のゼノも、かつてつけていた監視を解く位にはドイルのことを信用しつつ、無理はするなと言ってきますし。

 

この状況においては、セルリーが「今更できることなんてありませんよ」とバッサリ切り捨ててくれたのが、個人的には良かったですね。

ドイルはもう自ら判断して問題解決に乗りだせる人材なわけですし。気を遣った周囲は彼に渡る情報を抑えようとしてますけど、それを察知して情報集めて独自の伝手を作ってくるような子なんだから、行動制限しようとしても無駄だよ……。

今回、ラファールの知り合いの水の精霊と契約までしたし、傭兵団を雇い入れたりして自分以外の戦力も拡充してるし、どんどん穴を埋めてる感じはします。

甘く優しい世界で生きるには4

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「――力を貸してくれて、ありがとう」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

無事にクレアを救出した後、グレイの側近との立場を勝ち取ったドイル達は、ゼノとセルリーの引退に伴う各種式典に振り回されて大変な目にあった模様。

まぁ、彼らの身分を思えば追々覚えなくてはならない作業も含まれるでしょうし、何事も勉強ということで一つ。

 

クレアが入学した後、学園を案内することを頼まれて。デートをすることになったけど、兄と従者がついて来てるのは……まぁ……。

婚約者として振る舞えるクレアが楽しそうでなによりです。差し入れを振る舞いたいとなれない料理に挑戦するのは偉いし、女の戦いに挑む彼女の事は好きです。

 

ドイルが落ちぶれかけた後再起したのはよく知れているだろうに、彼の事を「勝ち組なんだし、戸惑え」とか言う従者が彼女の傍にいるのは解せませんけど。

クレアが一途に信じていたから面白く思わない部分があるのかもしれなけど、主の不名誉につながりそうなことを許容するなよ。ドイルが男をみせて微妙な料理完食してくれて良かったね……。そういう細部がやっぱり気になってしまうんだよなぁ。

 

引退後のセルリーはなんと学院の教師として入り込んできたそうで……ドイルの部下に接触して誘惑をかけたり、ドイル自身に興味をもって干渉して来たりと厄介な先達が近くに来たなぁという感じではありますが。

ドイルの未熟さを、的確に甘え容赦なく指摘してくれる人でもあるので、ありがたい人材でもあるんですよね。実際ドイルもそれが分かっているし、見栄っ張りなのもあって「不都合はありませんでした」と言うしかなくなってる辺り、まだまだ成長の余地がありそうです。

甘く優しい世界で生きるには3

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「他の男にやりたくなかったから、迎えに来たんだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

ドイルがその才能を広く知らしめる回。

読み放題だと13巻が対象なんですが、正道を往くと誓った彼の行いが認められる一つの区切りが描かれるので、施策として正しいくくりですね。

……そもそも2巻までだと、合宿途中も途中ですからね! あそこで終わってたら生殺しも良い所ですよ。

 

魔獣の数が多いなど、異変を感じ取っていたドイル達。

深部に近づいているからかと思っていた所、他の魔獣を従える魔王と称される存在を察知して。

非戦闘員を連れて逃げ切れる状況ではなく、敵に近づくとしても、森に散らばってる教師の下へ向かう事を選んで。

結果としては最良の判断になったように思います。先生方でも協力すれば、倒すことも可能みたいですが。ドイルほど鮮やかに、手早く始末する事は出来なかったでしょうから。

 

その功績故に、新しい縁なんかにも恵まれてましたしね。

ドイルの祖父と同じく四英傑に数えられる魔術師、セルリー。曲者っぽいというか、彼に気に入られるとは、可哀想な……みたいな雰囲気がありますが。

正道を往くと誓ったからには、認められるに越したことはありませんからねぇ。頑張れドイル。

 

隣国からの干渉で、婚約者が攫われるなんて事態も起きていましたが。

即座に行動を起こして取り返しているんだから、もう……

スペック高すぎて、大抵の判定には成功するTRPGPCを見ている気分だな……

婚約者との久しぶりの再会が、とんだ修羅場になってましたが。二人が幸せそうだったからいいんじゃないかな……


甘く優しい世界で生きるには2

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「王の隣に立つのに大事なものはですね……」

「はい!」

「決して王に頼らないことです」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

 

ドイル賛歌は相変わらず。

馬術訓練を行う段になって、動物からも慕われる寵愛っぷりを披露していて、ここまで来ると清々しいですねー。

とは言え、彼のかつての行いがなかったことになるわけでもなく。

 

入学の宣誓の役回りを奪われた平民、リュート・シュタープには酷く恨まれていて絡まれることに。

まぁ彼がドイルに対する当たりが強いのは、それ以外にも理由があると後々明かされるんですが。恋は盲目とはよく言ったものですねー。

状況が切羽詰まってるとはいえ、手段は良くなかったので、ドイルに目論見を潰される羽目に。

 

そこで完全に切り捨てられず、想い人との関係が丸く収まる方法はないか悩むあたりドイルも人が好い……

まぁ、お相手が自分の婚約者付きのメイドで乳母姉妹でもあるから、失恋したら婚約者が悲しむよなぁとか。上手くすれば恩を売れるよな、とか。打算含みではありましたけど。

 

悩みながら合宿開始。

森に入って魔獣を狩りつつ野営をする、というもので。

下級魔獣の間引きをして、強い個体が生まれないようにするという役割もあるとかなんとか。

ドイルがこれまで打ち明けていなかった過去を、王子様をはじめとする親しい相手に伝えられたのは良かったですね。少しずつ、前進している感じがする。


甘く優しい世界で生きるには1

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「それは無論。この試合中に、この刀をもって、全力で証明させていただく!」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

WEBは半分くらい読んだことあるかなー、って感じです。

 

英雄と聖女。そう呼び慕われる両親から生まれた息子、ドイル。

公爵家の嫡男であることを笠に着て、傍若無人な振る舞いをしていた。

そんな彼が、薬も回復魔法も効かない原因不明の高熱に倒れ……意識を取り戻した時には、地球で21歳まで生きた記憶を取り戻して。

それまでの自分の行いを反省し、今度こそ間違えず正道を進もうと誓うファンタジーです。

 

異世界転生。高貴な血統。異界の知識の活用

剣と魔法・スキルなどがある世界で、世界そのものから寵愛された高いスペック。

これぞなろう小説って感じの、ある意味王道の作品ですね。

 

タイトルにある通り、舞台は「甘く優しい世界」です。

勝手気ままにふるまったドイルの事を両親は溺愛していて見捨てなかった。

ギリギリのところで踏みとどまって、やり直しの機会を得た。

再起を誓った時に、それを果たせるだけの能力を兼ね備えていた。彼を慕い、力を貸してくれる人も居た。

なので、かなりポンポン進むと言いましょうか。側近のバラドが、ドイル至上主義で彼の行いの全てを肯定し賛歌するタイプなんですが。

作品全体に、その雰囲気は浸透している感じですねー。賛歌を疎ましく思う人も出そうな感じ。

                                                                                     

炎槍の勇者と呼ばれた祖父と、雷槍の勇者である父。

三代目槍の勇者になることを期待されていたドイルは、しかし槍の才能も、炎と雷魔法の適正も無かった。

期待に応えられない、と歪んで道を誤ってしまったわけですが。

他の適正は軒並み水準が高いので、その気になれば正道を進めるドイルの成長譚という感じ。

登場するキャラのほとんどが貴族ではありますが、親近感の湧くキャラばかりなので、読みやすい作品ではありますね。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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