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「……なら、決まりだな。僕らはここから帰るんだ。僕らのいた世界へ」

脱出ライトノベルと表紙にありますが、まぁ、確かにそんな雰囲気。
秋原場に出かけた主人公たちが、不思議空間に閉じ込められて、脱出しようとしている話。
脱出ゲームとゲームブックを混ぜた感じ? 
ゲームブックなんてほとんど読んだことないのでその辺の比較が難しいんですが。

ゲームブックとしても、ラノベとしても中途半端で終わっちゃったかなぁ、という印象。
分岐が結構飛ぶせいで、途中の挿絵でネタバレを余裕で喰らうし。
あぁ、これは爆発すればいいのにっていう感じのエンディングだろうなーとか、明らかにこれバッドエンドだろうなーとか。

ゲームブックとしても、ちょっと選択肢が微妙なんですよね。
大きく分ければ、あっちこっち言って閉じ込められているんだっていうのを実感する分岐と、ヒロイン選択の分岐しかないじゃないですか。
ヒロイン分岐からさらに良エンドとバッドエンドに繋がったりはしますけど、ゲームブック風にページバラバラにしただけ、っていうような印象になってしまう。 

後は、主要キャラが主人公の男子一人、女子三人という構成なのも、今回は悪かったんじゃないかなぁ、と。
正直、それぞれのキャラクターの状況が多少わかってきたかなーと思ったらもうエンディングになるんですよね。
エンディングのパターン増やした分1本毎のルートは結構短くなっていて、全部のルート見ようと思うとちょっと時間かかりますけど、かなり短時間で読み終わってしまう。

ゲームブックでエンディングの分岐が無いってのはそれこそ無い選択ですけど。
もう少し絞ってもよかったんじゃないかなぁ、と。
これはゲームブックをあまり読んでないからこそ思うのかどうかが分からないんですがね。
ただ、それこそゲームブックを読み、なおかつライトノベルを読む人ってそんなに多くはないと思うんですよね。
そういう意味では、ゲームブック(風ラノベ)と後書きで書いている以上、もうちょっと引き付ける力が欲しかったといいますか。 

まぁ、ストーリとしてみても、脱出ゲームをしかけてきた『秋葉原の番人』さんは、手ぬるい。
その役を脱したいと本気で思っているんだったら、もう少し難度高いゲームにすればいいのに。
「物知りの店員さんに聞いて、目的地に行く」だけの展開っていうのは退屈。
ゲームブック風にするんだったら、もうちょっと謎かけというかそういう要素があってもよかったんじゃないかなー。
主人公のガラケーが途中でスマホに化けたりと、どこまで必要でどこまで本気なのかわからないノイズが多かったように思えます。

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