気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

米澤穂信

氷菓13

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「わたしはここを最高に美しいとは思いません――」
「可能性に満ちているとも思っていません」
「でも……折木さんに紹介したかったんです」


『遠回りする雛』の解決編。
最初のページに居る「わたしずっと気になっていたんです!!」やってる千反田が可愛い。
長久橋の工事に許可をだし、祭りに混乱をもたらしたのは誰だったのか。
彼女が気にするのではないか、と周囲に気を配って、情報をしっかり集めていた辺り、折木も学習してきたというか、慣れてきた感じがありますね。

それぞれに怪しいと思う人が居て、書き合ってみたら、特徴が一致。
折木の方は話を聞く中でピンときて。雛の準備で動けなかった千反田の方の心当たりは、彼らを知っているからこそ出る答えで。
違うアプローチで一致するのは面白いなぁと思いました。千反田の方は消去法ではありましたけど。

祭りも無事に終わったので、追及する事もなく。
役目を果たした折木が帰るのを、千反田が見送って。彼女の家が名家と呼ばれる所以を語っていましたが。その家の娘からすると、小さな世界で……それでも自分が帰ってくるルーツ。
彼女の迷いと、それでも胸の中にある矜持が見えるようで。かなり好きなエピソードですね。

2年生編も開幕してましたが、下手すると原作に追いついてしまうんだよなぁ。
一応『ふたりの距離の概算』と『いまさら翼といわれても』と2作あって、月刊誌連載だからしばらくは持つとも言えるのか。
タスクオーナ先生のコミカライズ素敵なので、続いてほしいなぁ。
新入生歓迎会の「欲しくないと言えば嘘になります」とか、表情が変わっていく様子が楽しい。
アニメの設定資料などない領域に踏み込んで、タスクオーナ先生は四苦八苦されたそうですが、かなり満足しました。

 





……巻末において。
米澤先生、並びにタスクオーナ先生が静かに追悼の意を表されていました。
何ができるわけでもありませんが。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

巴里マカロンの謎

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「わかった。わたしがあなたを、助けてあげる」

 

ついに出た、小市民シリーズの最新刊!

実に11年ぶりだそうです。え、11年。そんなに……? でも秋期限定はリアルタイムで買ったから、そんなもんか……

今回は短編集で、公式Twitterによれば『冬季限定』は別に出す予定とのこと。ここにきて新刊が出たので、まだ待てる。

 

二人がまだ1年生だったころの秋から冬にかけてのエピソード。

小さな事件が4つ、収録されています。『巴里マカロンの謎』、『紐育チーズケーキの謎』、『伯林あげぱんの謎』、『花府シュークリームの謎』。

前三篇はミステリーズに掲載されていたもの、最後一つは書き下ろし。

待ちきれなくて、雑誌購入していましたが。『巴里マカロン』が初回2016年だからやはり4年ほどはかかる訳ですね……

『伯林あげぱんの謎』と『花府シュークリームの謎』が好きですね。特に後者の最後で、小佐内が珍しい姿を披露していて、可愛かったです。良かったね……

 

新規オープンした店舗を訪れて、マカロンを3種類選べるセットを注文した筈なのに……気付いたら更に4つ目が乗っていたり。

他校の文化祭で、小佐内さんが生徒に連行されて。手がかりを求めて、小鳩くんが消えたCDを探す羽目になっていたり。

相変わらずの日常で起きた謎に、筋道をつけて辿り着くのがお上手というか。二人のやり取りが楽しい。

巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)
米澤 穂信
東京創元社
2020-01-30

氷菓12

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「ああ――――――」

「――――――しまった」

 

手作りチョコレート事件の解決編と、遠まわりする雛の出題編ってところですかね。

いやぁ「雛」のエピソードは好きなので、こうして漫画になると感慨深いというか。

折木の、省エネ主義が脅かされている状況というのが。

その影響がまざまざと描かれていて、本当に綺麗なんですよ。

 

原作の米澤先生のゲストコメントも印象的ですねー。

「『氷菓』という小説を書いた時、古典部の四人には過去だけがあり、未来がありませんでした」。

作品が続くにつれて変化していってる様子を、この後に続く文で短くまとめてくれてました。

 

順番が前後しましたがチョコレート事件。

折木視点では、うかがい知れない、福部里志の心中。                                

友人を信じて嘘をついた折木。言いたくない心情を明かすことになった里志。

その裏側で話し合っていた女子二人。

他人の事なんて、わかりませんからね。時に傷つけあうことだってある。言葉にしないと分からない事も、言葉に出来ないこともある。

そういう意味では、里志はちゃんと伊原と話してるんだから真摯だと思いますけどね。一年は長いようで短いですからね……



ミステリーズVol.92&93(小市民シリーズ掲載号)

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「我慢? 我慢だって、これをか? ははは、常悟朗、無理だ!」
 

積んでました。

Vol.92なんて表紙に2018って書いてありますよ。何してるんだ自分。

小市民シリーズが掲載されてるので買った号ですね。

シリーズ初の犯人あてをやっていたようで、92で『伯林あげぱんの謎【試食編】』、93で『伯林あげぱんの謎【実食編】』を掲載しています。

 

謎を提示し、次号で回答編。……どころか次の94号では講評までされてるそうで。どれだけ積んでるんだ……

まぁ、謎解きは苦手なので、期間内に読んでいても応募はしなかったと思いますが。

ミステリ系読むのは好きですが、さっぱり推理とかは出来ないので、作中の人物と一緒に「へぇ、そうだったのか」と驚くタイプ。

今回も推理するまえに回答編が手元にあったからサクサク読んで、「これはこれで楽しいが想定された形ではないよな……」とか思ってました。

 

メタ的に、不要な登場人物はいないだろうから怪しいかなーとは思ってましたが。

現場でちゃんと論理立てて推理出来る小鳩君は相変わらずだなぁ。

新聞部のアンケート回答が出揃ったため、提出にいったら厄介事に遭遇する運もありますけどね。

新しいパン屋の記事を書くにあたって、ドイツにあるらしいゲームをすることに。

なんでも揚げパンの中にマスタードを入れて誰が当たるか遊ぶゲームだそうですが……当たった人が記事を書くことになっていたものの、誰も辺りを引いてないという。

これはいったいどういう事か、という謎。

当たりを引いた人も災難でしたが、調査の為に結局新聞部全員辛さの餌食になったのには笑った。


ミステリーズ! Vol.92
奥田 亜希子ほか
東京創元社
2018-12-12

ミステリーズ! Vol.93
真藤 順丈ほか
東京創元社
2019-02-12


本と鍵の季節

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そうしながら、僕は友を待っていた。

 

図書委員をしている僕と、皮肉屋の友人松倉詩門。

二人のもとにはなぜかいくつもの謎が舞い込んできて。

同じ図書委員の先輩からの相談、割引目当てで連れ立って行った美容室での変事などなど。

思考や行動のスタンスに違いがある二人が、つるんでる様子がなんか好きです。

 

帯には「爽やかでビターな図書室ミステリ」と書かれていましたが。

謎を解いてスッキリ! って形ではなく、目の前にある謎を解き明かしても、明らかにならない情報もあって、どこか不気味な余韻を残している。

 

確かに苦くて、世知辛い。

「どんなに立派なお題目でも、いつか守れなくなるんだ。だったら守れるうちは守りたいじゃないですか」と口にできる高校生がどれほどいるだろう。

その発想に至るまでの経緯を思うと胸が痛む。

 

けれど、その苦さを飲み込んでなお、変わらずに進む彼らの様子には脱帽する。

だってそうでしょう。謎解きをして、人の身勝手さに振り回されていたのかも知れない、と思って。

それでなお次の頼み事を受けているのは、性分といえばそれまでかもしれませんが、凄いことだと思いますよ。

願わくば、二人がこのまま変わらず居てくれますように。


本と鍵の季節 (単行本)
米澤 穂信
集英社
2018-12-14


米澤穂信と古典部

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タイトル通り古典部シリーズと作者の米澤穂信さんに焦点を当てた公式のまとめ本。

『氷菓』の発売が2001年でもう15年を超えてるんですね……長いなぁ。

最新作の『いまさら翼といわれても』で、結構千反田が揺れてましたので、その後どういう決断を下すのか、というあたりはとても気になっています。

どうか、結末まで見届けられればいいんですが。気長に、待ちたい……

 

古典部の新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」が収録されています。

ほぼコレ目当てで買ったといっても過言ではない。

掲載から本にまとまるまでが長いからなぁ……我慢できないので、掲載に気付いたら買う事にしてます。

 

時間軸としては、少し前ですね。

まだ一年生の大日向が部活に顔を出していた時期なので『二人の距離の概算』よりも前ですねぇ。

ある人物が描いた読書感想文について盛り上がる、というエピソードですが。

折木、省エネ主義の割に、色々と過去から飛び出てくる男だな……

「鏡には映らない」や「長い休日」などでも彼の過去の一部は描かれていましたけど。

昔から変わっていない部分があるんだなぁ、という感じもしてなんかほっとしました。

……黒歴史、とまでは言わないまでも何年も経ってから掘り起こされた折木自身はたまったもんじゃないでしょうけどね……

 

古典部メンバーの本棚の一部を作者が考えた、って言う企画とかも中々面白かったです。気になった作品に手を伸ばしてみたいような気はしますが。

既に積読が山になっているので、あれをもっと削ってからだな……

米澤穂信と古典部
米澤 穂信
KADOKAWA
2017-10-13


ミステリーズ! Vol.86 

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小市民シリーズの短編、『紐育チーズケーキの謎』が掲載されていたので購入。

ある中学校で行われる文化祭に行こう、と小佐内さんに誘われた小鳩くん。

なぜわざわざ中学校なのかといえば、知り合いに誘われたから。

文化祭でパティスリーが出るから、という名目もあったようですけど。

 

「マカロン」絡みのトラブルで遭遇した、古城秋桜。

知り合ってからも小佐内さんとの交流が続いていたようで。

パティシエを目指しているという彼女はスイーツに詳しい小佐内さんに懐いて、電話をかけて来たり、遊びに来たりしていたとかなんとか。

 

目的のパティスリーに行った後、別行動をとることに。

なんだかんだ小鳩くんが文化祭満喫している風で笑う。

で、小佐内さんは知り合いと共にまわっていたけれど……そこでまたトラブルに巻き込まれて。

とっさの判断力はさすがのひと言ですね……

そして最終的に「なにもしなかった」という彼女が、相変わらず過ぎて、もう流石としか言えない。

 

しかしまぁ、彼女が何もしなくても裏事情を言った古城さんとかパソコン部員が先生に告発する可能性もなくはないので、今回は甘い対応だったなぁ、と少しだけ思いました。

本気の復讐じゃなければ、こんなものか。



折れた竜骨4

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「勇士たちよ よく来てくれました」

「我がソロンを守るため…」

「エイルウィンの名の下に力を見せなさい!」

 

毒を盛られたファルク。

即座に二コラに追うように指示を出し、同時に自分は解毒薬に手を伸ばして。

たまたま店を訪れたエンマの手を借りて二コラが暗殺騎士の弟子を撃破していました。

使われたのは強力な毒だが……それに故に名が知られ、兄弟騎士団のファルクは解毒薬を持っていた。

 

脅してくることは無く、手を出してくるなら殺すか殺されるか。

しかし、それにしても弟子を浪費するような手段を打ってくることはない筈で、ファルクもその辺りを疑問視してはいましたが。

……どんどんと情報が増えていって、魔法がある世界だって言うのに、ちゃんと頭を回している辺りファルクのキャラが好きですねぇ。

 

暗がりの描写が、ちょっと読みにくい感じ。

牢屋を調べに行った時とか、軍用倉庫に行った時とかの場面が何とも。

調査の途中で呪われたデーン人が襲撃してきて、被害を出しながら、不利な状況でもファルク達は戦っていましたが。

傭兵として雇われたコンラートたちが駆けつけて、多少は状況がマシになってきてました。まぁ、戦闘はまだ続いているので、油断できるような環境ではまだありませんがねー。



秋期限定栗きんとん事件 下

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「ぼくにとって小佐内さんは、必要だと思う」

(略)

「うん、小鳩くん。また一緒に居ようね。たぶん、もう短い間だけど」

 

新聞部で取り上げていた連続放火事件はどんどんエスカレートしていき。

部長に就任した瓜野くんは、記事にするだけでは飽き足らず、自ら怪しいと踏んだ現場に張り込みまでしてました。

……瓜野自身も、もう止まる事なんて出来ないとこまで行ってるなぁ、という感じで。危うさばかりが目につきます。

 

小鳩君の恋人仲丸さんが、二股をしているという話を聞いて……

それでもそれまでと変わらない関係を続けられるあたり、小鳩君中々神経太いというか、大人物ですよね……

顔は覚えていたけれど、名前もよく知らないクラスメイトの告白を受け入れるくらいだから、まぁ、彼らしいと言えば彼らしいのかもしれませんが。

結局、変わらないままの小鳩に業を煮やして、仲丸さんから別れ話を切り出されてました。

……そんな小鳩君が、小佐内さんとの会話の時には、最後まで言わせるわけにはいかないと気を利かせてましたからねぇ。本当にもうあの小市民コンビは……

 

別口で連続放火事件を負っていた小鳩君と、小佐内さんと……新聞部の瓜野君。

小鳩君が犯人を追い詰めた脇で、瓜野君は見事誘導されて、全く違う答えを出して、追い詰められてましたねぇ。

まぁ、最初から役者が違うって言うのは分かっていた話ではありましたが。

 

そして、結局一年かけて小市民たちは元の形に戻ってきましたが……既に彼らも受験生。

残り僅かな時間の中で、さらに彼らの関係が変化するなんてことがあるだろうか。

冬期限定に期待したいところですが……未だ刊行されてないんですよねぇ。最近ぽつぽつとミステリーズに短編が乗っているので、書籍化を待ちわびているんですが。

さて、あと何年待てば、続きが楽しめるだろう……何年でも待つつもりではいるんですがねー。



秋期限定栗きんとん事件 上

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「甘い衣の上に衣をまとって、何枚も重ね着していって。そうしていくうちにね、栗そのものも、いつかキャンディーみたいに甘くなってしまう。本当はそんなに甘くなかったはずなのに、甘いのは衣だけだったはずなのに。上辺が本性にすり替わる。手段はいつか目的になる。わたし、マロングラッセって大好き。だって、ほら、なんだかかわいいでしょ?」

 

別々の道を進む小鳩君と小佐内さん。

誤魔化しの技は磨かれていたので、特に大過なく日々を過ごしているようですが。

それぞれに告白して来る物好きな相手がいて。

……いやまぁ、二人の本性を知らなければ、それこそ無難な相手に見えるのかも知れませんが。

春期、夏期を見た側からすると、素人が手を出すと危険だぞ、と止めたくなるような。

 

小佐内ゆきに近づいたのは、一年生の男子。

小鳩の友人、堂島健吾が部長を務める新聞部に入っていますが……去年と似た記事を書くだけの部活に飽き飽きしていて、もっと違う事をしたい、と主張する子。

その題材に、最近あったって言う「誘拐事件」を持って来ようとするあたり、向こう見ずというか。石橋を叩いて渡るって諺を彼に送りたい。

壊れかけのつり橋だろうと構わずダッシュしそうで、見ていてハラハラします。

 

小鳩にラブレターを送ってきたのはクラスメートの少女。

夏休み以降、小佐内と行動する事が無くなって別れたなら、私とつきあっちゃおう、と割と軽いノリで交際がスタート。

文化祭やクリスマスと言ったイベントを共に過ごし、初詣にも行き、恋人らしい交流をしております。

ただまぁ、そんな中でも、小鳩君は気が付くと謎を見つけ、解こうとしてしまって。

 

そして時間が流れて……小佐内の恋人、瓜野君は市内の連続放火について新聞に載せたりして、どんどんとエスカレートしていってます。

連続放火の内の一件が、夏に小佐内をさらった連中が使っていた車を標的にした、という事を知り小鳩も少し興味を持ち調べ始めていますが。

春期、夏期は互恵関係の二人が中心だったので、ある意味では安心感がありましたけれど。今回はそれぞれの恋人という、どういう動きをするか分からないキャラが居て、心配でならない。



プロフィール

ちゃか

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