「そのまさかよ。彼をこの地に呼び戻すわ」
ガルアーク王国にて、炎の勇者タカヒサがレイスの手に落ちて。
その時に発された業火は王城からも明らかに見えた。マサトは兄が関連しているのでは……と疑いを持っていましたが。
レイスが賢神の残したゴーレムをハッキングして操り、王都に出現させたために大人しく相談できる状況でもなく。
アイリスが姿を現して非難を促す程度には危険……どころか、権能を使える超越者にとっても面倒な手合いだそうで。
七賢神のリーナの生前の仕込みによって、美春に憑依して色々とサポートしてくれていましたが、それが無かったら大分厳しかったでしょうね……。
今の彼女は裏技のような手法で存在しているだけで、過去からの準備によって望んだ未来をつかみ取ろうとしているわけですが。
仮面とはまだ違った形で、神のルールを無視する手段を構築してみせたのはお見事。
それによって、忘れられていたリオの記憶を他の人々が思い出してくれて……懐かしの交流の機会を持てたのが良かったですねぇ。ついに、という感じがする。
色々と状況が落ち着いた後、セリアが母を連れて挨拶に行っているシーンとか微笑ましくて良かったですね。
制限付きではあるけれど、ガルアーク国王たち勇者を擁立している陣営の人々に、勇者の抱えている危険性について伝えられたのは良かった。
ゴーレム相手に竜王の眷属であるソラがかなりバチバチやりあってくれて、強さが実感できたのも読んでて楽しかったですね。
リーナ、美春と夢で交流していた時にもそういう感じでしたが、今を生きる人々に未来について教えることは悪影響を齎すこともあるため、基本的に伝えることはできないというスタンスで。
リオ相手にも分岐になりうる選択肢を提示してくる、不審なアドバイザー仕草をしてきたわけですが……いったいどんな未来が見えていたらあぁいう提案をしてくるんだろうか。
彼女が持ち出したアイテムが重要な役割を果たすのかなぁ?
怪しいは怪しいんですけど、美春がそれを受け入れなかった結果がアレだという前例を見せつけられているわけで。信じがたいけど、完全に無視も出来ないというのが悩ましいなリーナ。直接言葉を交わせるようになったからこそ、より扱いが難しくなった感はある。
さて、26巻のサブタイトルだけ予告で出ましたが「虚構の在処」ねぇ。伏線回収回になるということで、楽しみではありますがどうなるやら。