気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

紅緒

世界救い終わったけど、記憶喪失の女の子ひろった2

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「賢い私が、一つ教えて差し上げましょう。女の子は、幸せになるために恋をするわけじゃないんですよ。幸せになれるかわからなくても、恋をしてしまうんです」

 

記憶喪失の赤髪ちゃんと出会い、あわせて襲ってきた問題をひとまず解決した勇者一行。

しかしまぁその代償として辺境で頼るものなくサバイバル生活を送る羽目になってしまったわけですが。

協力プレーでなんだかんだにぎやかな旅を満喫してますねぇ。……魔王軍の四天王としての経験もあって、死霊術師さんは口の中に収納用のアイテム仕込んで一人食糧に不足を感じてなかったというのが強かで彼女らしい。

 

途中で行商人と出会い、隠れ村へと案内してもらえることになったわけですが。

……そこで勇者たちにとっては予想外なことに、かつて助けることのできなかった過去の出来事を掘り起こされることになります。

 

今回は表紙にもある通り、賢者ちゃんについて掘り下げるエピソードなんですが。

幼少期の賢者ちゃんは魔法のコントロールがうまくできず、予期せずものを増やしてしまうことがあって。

そんな彼女が勇者と出会ったときに増やしてしまった自分と勇者。

ハーフエルフな賢者ちゃんを勇者が保護しようとした時、エルフの長老と敵対する一幕なんかもあり……その騒動の中で死んでしまっていたものだと思っていた。

 

けれど、生き延びていた2人目の賢者ちゃんと勇者くんは……オリジナルのように生きるのではなく、2人で手を取り合う生き方を選んだ。

イチャイチャ煽りしてくるのなかなかに新鮮でしたねぇ。

魔法で生み出されたために存在が危うくなった2人がオリジナルになり替わろうとしたのもわからないではない。だからとはいえ、勇者の顔で賢者ちゃんの心を殺そうとしたのは許しがたい。

……いやまぁ、今回の一件でオリジナルの二人は過去を乗り越えてるし、ちょっかい出してきたことも許してるので、当人たちがしっかり話の落としどころ見つけてるので、外野がとやかく言う段階は過ぎ去ってもいるんですけどねー。

 

前回はジェミニが接触してきたし、今回もタウルスが絡んでたし。

勇者が魔王を打倒した後でも健在な悪魔と、魔王に与した人類が暗躍しているのが気掛かりなのは確かですね。

世界救い終わったけど、記憶喪失の女の子ひろった

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「傲慢、大いに結構」

構えた剣に、迷いはない。

突きつけた意思に、曇りはない。

「世界も、女の子も、両方救う。それが勇者だ」

 

主人公の勇者は仲間と力を合わせて、魔王を撃破し世界を救った。

しかし死に際の魔王によって呪いをかけられてしまって……彼は、「名前」という概念を認識できなくなってしまった。

自分の名前も、大切な仲間たちの名前ですらも。誰かが名前を口にしても聞き取れないし、文字に記したところで読み解けない。

そんな彼がある日であったのは、何者かに追われている赤髪の少女。記憶喪失だという彼女が唯一覚えていたのは、自分の名前だけだった……。

 

名前が分からない勇者と、名前しか分からない少女が出会って。その少女――赤髪ちゃんについて調査しようと、勇者のかつての仲間たちを訪問していく話ですね。

勇者が本当に勇者として活躍していたんだなぁ、というか。仲間たちが彼を慕っているのもよくわかるんですよねぇ。

 

仲間のところを訪問する、敵が襲撃してくる、別の仲間のところへ行くというステップで物語が進んでいくんですけど。

勇者と赤髪ちゃん視点だけじゃなくて、それぞれの仲間の心境についても描いてくれるのが良い。特に賢者ちゃんが可愛くて好きかなぁ……「私の愛が、最も多い」と認識している通り、重さもありましたが。

賢者、騎士、武闘家に死霊術士。勇者のパーティーそれぞれの過去が短いながらしっかりと描かれているのがとても良かった。

数字で救う!弱小国家2 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

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「さあ――世界を変えてやりましょう!」

 

ソアラの父である国王が崩御。

どうしたって国力が揺らぐ瞬間であり……準備を進めていた敵国が居るのに、戦端が拓かれていなかったのはそれを待っていたからだ、とナオキは予想していました。

実際、状況はその予想通りに推移していくことになります。

戦力比などをしっかりと分析してるソアラは、このままでは戦に勝てないと判断してどうにか未来を掴もうと模索しますが。

 

「戦士の経験を不要と申すか!」と絡んで来たり、独断で行動したり、戦果を出せなかったからと更迭したら反旗を翻すような人材が居るんだからたまりませんね。

そりゃあ、勝てる状況であっても勝てなくなりますよ。その上、ファヴェールは弱小であり、敗色濃厚な状況だったわけですからね。

 

数学的な知見を用いて対処しようとする2人に対して、理解が及ばずに否定的な意見を持つのは分かりますけど。

口先だけで反抗して成果をだせないんじゃ、どうしようもないでしょう。

ソアラとナオキも数字に重きを置きすぎている、という悪癖があるのも否定できませんけどね。

絶望的な状況にあってもソアラは王女としての責任を果たさないといけないから、ナオキの「一緒に逃げないか?」という提案を拒否します。

ソアラが味方が居ない状況でも矜持を示してくれるので、自分たちの主張ばかりしてる侯爵だったり暗躍してた輩の姿がみっともなく見える。

一度は立ち止まってしまいましたが、それでも計算を辞めず未来を掴み取った結末は結構好きです。

数字で救う!弱小国家1 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

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――わたしは出会いました

人生で初めてのわたしの理解者に

 

数学オタクの主人公の芹沢直希が異世界に転生。

そして弱小国家で独自のポリシーをもって活動していたために、孤立気味だったソアラ姫が出会い、数学によって通じ合い協力していく物語ですね。……あらすじだと「ぼっち」と明言されてたりするソアラ姫が、理解者と出会えたのは良かった。

原作1巻のころはこんな感じだったよなぁ、とちょっと懐かしくなりましたね。

 

たまたま電卓を持っていた直希は、その価値を認めてくれるソアラに高く買ってくれるうちに売りつけようとしたり、暗殺者に狙われた時に弱さを明示して、なんとか生き延びる道を探しているのが面白いですね。

孤独だったソアラの理解者に直希がなったのもいいですけど、この世界で直希のことを分かってくれる存在も稀少なので、良いコンビなんですよね本当に。

 

ソアラは計算によって自国が一番弱いことを自覚しているけれど、他の家臣は「戦いはやってみなければわからない」と主張していて、この2人の出会いがなかったら順調に亡国となっていただろうっていうのが分かるのが、世知辛い。

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました

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「せっかく強くなったんだから、いいことに使わないとね」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで331日まで。

小説家になろうからの書籍化作品で原作未読。……なんですが、なろうの方は完結を期に公開を終了されているので、気になる方は書籍をどうぞ。

 

社畜だった女性アズサが死に、神様の手で異世界に転生させてもらえる上、幸せに生きられるよう望んだ力を与えてあげましょうと言われて。

仕事に追われた結果として死んでしまったので、もっと長くいきたいからって「不老不死の存在にしてください」はスケールデカすぎて笑った。

その願いを聞いた神様もポンと願いをかなえてくれるので凄い。

オマケに容姿は十七歳で固定、目覚めた場所のすぐそばに棲める家まで用意されているとアフターサービスも充実。

 

その後、近くの村の住人に挨拶して生活スタート。

スライムを倒してお金を稼ぎ、不老不死の力と一緒に与えられた魔女としての薬草の知識などを使って、村の人を助けたり。

「高原の魔女様」として慕われる暮らしをつらつらと繰り返していた所、気がついたら三百年が過ぎ去った、と。

 

そんな暮らしを続けていたある日、魔石を売りに行ったギルドの女性職員が「そう言えば魔女様ってどれくらい強いんですか?」と言い始めて。

長く生きて村を守ってくれている人だから、さぞ強いんだろうと好奇心をあらわにしてますが。アズサ的には断る理由もないし、そもそも測定してなかったのもずっとスライムとしか戦っていなかったから。

 

それで試しに測ってみたら、レベル99という成長限界に到達していることが判明……したのはいいんですが。女性職員がそこで大声で讃えたせいで、情報が流出してしまったのは、正直いただけないと思うんですがねぇ。

実際それで魔女の強さが知れ渡って、ドラゴンが腕試しにやってきたりするわけですし。

まぁメタいこと言うと、アズサの強さが公にならないと物語が動かず、またぞろ300年スライム狩ってました、とかになってしまうので仕方ないとも言えるんですがね。

情報が広がり彼女の家を訪れる人も増え、色々と騒がしくもなったわけですが。

同居人や、娘扱いする子たちを迎えいれたり、日常に彩が増えて。主要キャラが女性ばっかりなのもあって、華やかと言えばいいのかな? 緩い雰囲気をのんびり楽しむ系のファンタジー小説。

 

数字で救う!弱小国家5 勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。

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「奴は僕らを襲わずしてすでに攻撃してる。未来のファヴェールをね」


北の小国ファヴェールが属する『同盟』と、帝国やピエルフシュが属する『誓連会』。
2者間での大戦争が開幕しようとする段階にあっても、各国の思惑は蠢いていて。
同盟の連合軍が帝国を攻める一方、ファヴェールはピエルフシュを相手取る2正面作戦が結構されることになったのが4巻。
ファヴェールが戦果を挙げたのに対し、同盟は敗北して。戦争の長期化が避けられない情勢に。

そんな状況だって言うのに序章ではまたナオキとトゥーナがおっぱい論議していて、相変わらずだなこの二人……とちょっと笑ってしまった。
けれど、結局はそんな平穏な時間こそが一番尊いんですよね……
戦争をする以上、犠牲は避けられない。
単純な事実を容赦なく突き付けてくるエピソードでもありました。

同盟内の関係もあって、ファヴェールは帝国側の戦線にも戦力を割かないわけにもいかず。
初戦で帝国を勝利させた立役者、ナオキの戦法を流用した指揮官が登場したり。
共和国側も、次代の英雄を投入して状況を動かしに来たり。
中々油断できない状況ではありましたけれど。
相手の思惑を読んで上手くあしらったりしていて、ナオキ達の成長著しいなと感じました。

ソアラは北方の雌獅子と称され、ナオキは魔術師の名を確かなものとした。
……ソアラは今回も要所で哀れまれて「かわいそがらないでください」って言ってましたけど。
味方からも悪だくみしてると言われるような、ナオキの在り方が見ていて楽しいです。
ファヴェールの若い世代も育ってきて、ますます今後が楽しみになる下地が整ってきている。
だからこそ、喪失が痛いんですよね。的確に心を刺しに来ている。
手紙を読む場面も中々きましたけど、やっぱり一枚だけ遺していった彼の事を想わずには居られない。
あぁ、格好良かった。心の底から震えるくらいに。


数字で救う! 弱小国家4 平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。

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「えっとだな、僕は“ひょっとして”って思ってる。勘違いじゃないといいんだけど」

「奇遇ですね。わたしもです、ナオキさん。最愛の人に隠しごとをされてたのかもって、思ってます」

                                                                                          

主人公とヒロインが結婚して、5年後の物語。

ヒロインと愛人の間にそれぞれ1人子どもが出来てるとか、かなり思い切った方向に舵を切ったなぁという感じ。

でも、面白かったです。今のところシリーズで一番な巻ですね。

 

5年の間にファヴェールはおおむね平和だったけれど、周囲の火が消えたわけではなくて。他国との同盟を組んで、他の諸国連合に対抗している状況で。新しい、大規模な戦争が起きようとしている、一歩手前。

同盟も一枚岩ではないので、無理難題を吹っ掛けられない程度に要求を拒み、同盟を追われない程度の貢献を計ろうしたりしてましたが……

最終的に、同盟他国が予想していなかった新しい戦争を起こすことに。

 

しかし、ナオキがますます宰相らしくなってきた、といいますか。

露呈すれば糾弾されるだろう汚い手も使えるようになったようですし。政治家らしい一面が強化されてましたね。

前線に出て演説をぶったときなんかも威厳というか、迫力がありましたし。

 

ライアス公やケズテルド伯との関係も良好。なんか悪友って感じになってましたけどね。楽しそうで何より。

一方で、ソアラは……「かわいそがらないでください」って言われても、ちょっと……子どもの前で「友達がいない」宣言は流石に……

交渉の場では女王らしく振る舞ってましたが。ちょっと涙が。

ファヴェールは今回予定通り勝利しましたが。一方で予想外の展開も起こっていて、周辺が落ち着くのはまだまだ先の事となりそうですねぇ。



数字で救う! 弱小国家3 幸せになれる確率を求めよ。ただしあなたの過去は変わらないものとする。

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「今回は違うね。平気だね」

「そうですかィ? 俺ァ賭けてもいい。もっと兵隊が必要になる、に大銀貨1枚」

「いいぞ、乗った」

 

12巻よりなんか読みやすく感じましたね。

帝国の戦いから少し時間が経ち……ファヴェール宰相ナオキは苦境にあった。

ナオキに領地を与え、貴族階級に迎え入れるという案をソアラが提示。

しかしナオキはそれを拒否。胡乱な宰相に地位を与えることに反対意見があったのは確かなようですが、そもそも抗おうとはしなかったとかで。

ソアラからはちょっとしたいやがらせを仕掛けられるし、ライアス公にもツッコミをもらう事に。

 

異世界人であること以外にも、彼にはしり込みする事情があって。

彼の過去。特に、数学を語らう仲であった祖父の最期と残された数式。それを読み解くことができなかったナオキが得た呪い。

悩み続けた彼は、答えを求め続けていた。

そんな折に、ある地方から届いた書面から数学の天才の気配を感じ取り、急行。

 

大きな騒動にはならないだろうと少数の手勢と共に行ってみたら、見事に厄介事にぶち当たるから凄い運だな……

実際ナオキが足を運んでなかったら、トゥーナという才能ある少女が喪われていたわけですし。幼いながらも、頭脳明晰な彼女の言葉を無視することは出来なかった。

どうにか丸く収まるか、と思ったところで騒動が大きくなって。かなり追い込まれてました。

あと一歩のところまで追い込まれてましたからね。天秤はともすればナオキの死へと傾いたかもしれない。

そこを乗り越えたナオキが、最後しっかりとソアラと向き合ってくれてちょっと感動した。



数字で救う! 弱小国家2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。

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「理想的な世界だということは、認めてくれるのですね」

 

国難をなんとか乗り切ったものの、問題は山積み。

素性のしれぬまま宰相となったナオキに対する反発もありますしねぇ。

いや実際、彼のいう事は数学的に間違いのない正論なんですよ。

ただ、一方的に正論を押し付けて黙らせてるだけで、その内不満が爆発しそうな心配が湧いてくるだけで。

 

実際、自分数学苦手なんで、彼の理論聴いてもふんわりとしか判りませんしね……自分で説明しろと言われたら無理と答える。

でも、現場に彼らを理解しようと行動する人がいてくれたのは、何よりでした。

紆余曲折はあっても最終的には味方得られてましたしね。首の皮一枚つながったと言う所かなぁ。他人事ながらほっとした。

 

西部戦線へ向かったソアラとナオキ。

そこにはソアラが苦手にする、前王に頼りにされていた従兄殿が居て。

彼は彼なりに王を立てようとしていたようですが……ソアラと向いている方向が違うもので、意思疎通に失敗し続けている状況。

まぁ、数学的思考でソアラと意思疎通できるナオキが特殊なんですが。一度徹底的にソアラに拒まれて、それで退かずに残ってくれた彼を尊敬します。

 



数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

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「――数学は、時を超える」

 

スニーカー文庫から刊行された『理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい』を読んで気になったので購入。

数学好きで、院に進んで論文まで書いていたナオキ。彼はある時、気がついたら異世界に迷い込んでいて。

彼が、小国の王女ソアラと出会い、『数学』によって国家の危機を乗り切ろうと奮闘する話。

 

まだまだ若いから仕方ないともいえますが。

ナオキもソアラも、研究者寄りの思考が強いですねー。

正論でぶん殴ってくる感じ。計算でその数字が出てくるのは、説明されればなんとなくはわかる。数学的には正しいんだろう。

でも、それで全てを飲み込める人ばかりでは、ないんだ。

 

数学的思考によって、問題を乗り切ったり…

人の心理という数学で測り切れない部分で足元を掬われたり。

中々の綱渡りを披露してくれていますが。

それでも諦めずに計算して、道を見つけて進んでいく二人の事を、見守りたいですねぇ。

もうちょっと清濁併せ呑めるといいんですが。さてはて。



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