「……なぁ、ライよ。何故だろうな。いい思い出だと思っていたが……改めて思い出してみると割と辛い思い出しか残ってないぞ」
「そうか? オレはいい思い出ばかりだぞ」
短編が4つと中編1つ。
相変わらずこの街はぶっ飛んでるなぁ。
犯人がまだ家の中にいるだろう状況に出くわしたのなら……踏み込まず「家ごとぶった斬れば良かった」とかいう意見が出てくるあたり、流石としか言えない。
今回のメインは、モルトがリキュールに来てから自警団の非正規見習いとして過ごしていた頃が描かれた中編でしょうか。
彼の過去なんかも描かれていますが……裏稼業で生きていた割に、甘い所は当時からあったんですね。
約束を守ろうとする彼の姿勢は好感が持てますが……不器用だよなぁ。リキュールの住民ほど割り切ってしまうとそれはそれで大変そうですけど。
捨て去ったはずの過去が彼に襲い掛かり、幼いリッツが攫われるような状況にまでなって。
幸いにも無事にことを収められてましたが、街を去ろうとしたモルトを止めたのもリッツで。長い付き合い何だなぁ、本当に。
しかし彼女は良い子なのに、割とモルト絡みで酷い目に合ってるよな……過去連れ去られているし。漢祭りの時にはモルトの象徴にアレ使われたかと思ったら今度はコレですよ……可哀想に。
もうちょっと報われてほしいと切に願います。
かなり短いエピソードとして最後にサシャの話がありましたが、彼女の事情も中々複雑そうですよね。あの過去からどうして巡り巡ってこの街で何でも屋みたいなことをしているのかは気になるところです。