「わたしは、あなたのことを知ってます!」
経験したことの無い夢を見ることがある少年、幸成。
夢の中で彼は、あったことの無い同年代の少年少女と遊んだりしていて。
けれど、実際はその夢で出会った「トモキ」や「ユウコ」といった名の相手は知らず、小学校の卒業アルバムなどにも乗っていなかった。
病院に行っても原因不明で、カウンセリングも試してみたがよくわからず。
知らない記憶を夢に見るというだけで、それが特に日常に悪影響を与えてもいなかったので、あまり気にしないようになっていたある日。
彼は、夢の中で見た場所へふらっと立ち寄り、そこで夢の中で会っていた少女、ユウコと初めて対面して。
彼女も、幸成と同じように「知らない記憶」を夢に見ることがあって。
夢で出会った他の友人たちの状況、周囲の環境など一致する事が多く。
その不思議な現象が気になったユウコの提案で、二人は「記憶のかけら集め」なる交流を続けていくことに。
順調に親しくなって、恋人になって、時間は流れていきますが……その果てにあるトラブルが起きて。
他の人に離しても信じてはもらえないような出来事。
決して派手ではないけれど、確かに起きた異変。彼女の為に奔走できる主人公でほっとしました。
周囲の人々も、秘密を守ってくれる人で良かったなぁ、とちょっと安心する結末でしたねぇ。良い物語でした。