気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

詰みかけ転生領主の改革

詰みかけ転生領主の改革7

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「殺しの魔法がこんなくだらない代物なはずないだろ。あれはもっと派手で、俺でも真似できないようなとんでもない遺物だよ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

シリーズ完結巻。WEBでは後日譚も描かれているので、気になった方はそちらもどうぞ。

負傷したチャフたちが行動できるようになるまで。商会連合を乗っ取ったホルガ―やザシャが双頭人形と道を別つ準備を整える期間。

 

様々な思惑が蠢く中で、奇しくも各勢力は準備に半年ほどを費やすことに。まぁ、その間もソラ達が止まっている筈はなく、リュリュ・サニアに任せた切り札の新造船を隠したり、件の粘土板についての答え合わせエピソードが入ったりしています。

 

神話の時代、この世界は「人は人を、獣人は獣人を」のみたいに同じ種族を殺すことができなかった。しかし、殺しの魔法使いが現れたことで、同族を殺せるようになった。

そのために、教会は魔法使いを敵視する教えを広げていたそうですが。その「殺しの魔法使い」が何を思ってそんなことをしたのか、を記していたとは。

 

教会が教えを伝え続けていたように、粘土板に書かれた知識を重視する側の末裔もいて。異国に行って遺跡を荒らしていたフリーダも途中で合流したりしてましたが、思わぬ情報ばかりが出てきたなぁと思いましたが。徒に否定しないソラ達が好きです。

遺跡があったために双頭人形も目星をつけていた場所で、敵側を上手く騙しおおせたのも愉快でしたしね。

 

状況をひっかきまわしてばかりだった双頭人形。

その配下も振り回されていたのは哀れに思う部分もありましたが。それまで火事場盗賊団として好き勝手暴れ回った他国の間者集団なわけですし、因果応報か。

逃げ回っている相手を、負傷の癒えたチャフたちが夜襲して削り、火炎隊まで合流したあと、トドメにソラまで来るんだから逃げ場ないですよねぇ。

商会連合に苦い思いをさせられてた期間長かったですし、決着はこれくらい完全勝利じゃないと。


詰みかけ転生領主の改革6

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「それは妥協ではないのですか?」

「――支え合いだ。受け売りだが、しっくりくるだろう?」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

ソラ・クラインセルト子爵は処刑された、と言うことにして。仮面をつけた謎の貴族空・クライン伯爵として帰還したソラ。

家臣団を引き連れて「発展を再開しよう!」と宣言した辺り、言い訳を作れれば隠すつもりはなさそうですけどね。

実際、そうやって誰からみても答えに推察が出来るから住民に歓迎されたわけですけど。

 

爵位にまつわる騒動でソラや家臣団が自由に動けない状態でも、敵は待ってくれず。

両親は国外追放して、レウルの干渉も無視できる状態になったけれど。イェラが作り上げた商会連合と、裏側で蠢いている銀の娘たちが手を伸ばしてくる……というか、これまでに蒔いた種を収穫に動きだしてる辺りが面倒臭い。

 

さらに、粘土板を狙って大樹館に何者かが潜入していた痕跡まで見つかって。商会連合を表だって潰そうにも、国王から釘を刺されているため難しい。

伯爵という地位を得ても、ソラの苦悩はまだまだ続くって事みたいですね……。

粘土板についてソラは解読したものの、それをサニアに預けて。リュリュとシャリナの三人娘が解読に挑戦することに。ますます「なにか」が有りそうで、答え合わせ回が楽しみですね。

 

あとはシャリナが村の再興という夢を諦めず、ソラの知恵を借りながらでも道筋を作ったのはお見事。イェラから途中交渉を持ち掛けられてもバッサリ切り捨ててましたしね。

チャフが根回しをしたうえでソラに意思表明をして、彼なりの意地を示し結果も出したのも成長を感じられて良かった。復路で負傷する羽目にはなってましたが、今の彼ならしっかり意趣返ししてくれることでしょう。

詰みかけ転生領主の改革5

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「何をしている。俺も拘束しろ。覚悟の上だ、遠慮はいらん」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

父親と教主レウルが手を組んだことで、爵位剥奪されそうになったソラ。それでも可能な範囲で対策を取っていたのはお見事ですが。

子爵位にあるうちに無理を通して支援しても、痛んだ偽造品を混ぜることで評判を落とす手にしてくるとか、レウルのこと好きにはなれないなぁ。

 

まぁ、ソラもソラで偽書使ってのだまし討ちを仕掛けるわけで、どっちもいい性格してるのも確かなんですけど。

クラインセルト伯爵領で、教会を信じ、ソラの悪評を信じ、その果てに見捨てられた民草の怒りは正当なものでしょう。

かつてのソラを知っている村人の描写とかが増えているのかな? WEB読んだのが大分前なのでちょっと自身が無い。

世話になった夫婦に託された娘のために食事を抑え、状況を読んで行動を起こし、新しい畑を任されることになった彼は応援したくなりましたね。

 

科学力で魔法に対抗する「新生教会」としての立場を叫んだガイストが、伯爵領で安全な保存食の実演をして炊き出しをしてたり。

助命嘆願してるチャフの場面とか、解像度はあがっていた感じがしますね。……チャフはチャフで、多少融通効くようになってもまだ視野がせまいようですけど。

ソラが居なくても機能する家臣団の有能さが他所にも知れ渡り、彼女達を狙った密偵とかが侵入したりする一幕もあったようですが。しっかり逃げ延びてるあたりは流石。

牢獄の中で、レウルとソラが神話時代の出来事が描かれた粘土板について、思わせぶりな話をしていたのは気になるところ。何書かれてるんでしょうね、アレ。


詰みかけ転生領主の改革4

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「私からこれ以上を申し上げることはできません。いつの日か、殿下が目指す未来と実現への手段をお聞かせ頂いた時、私が目指す楽園の話をしましょう」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

未だチャフはソラへの敵意を隠すことはなく。頑迷から頑固に悪化した、ソラには評価されていましたが。

足踏みを続けているチャフを置き去りにしていく、リュリュやサニアの成長が著しくて目標や意識の差が激しいなぁと実感しましたね。

 

そんなある日、ソラはチャフと一緒に王都に呼ばれて。

秘密裏に勧めたい計画に必要な装置をソラに立案してもらいたい、とのことでしたが。チャフは未熟さを指摘され、孫のようにかわいがってるシドルバー伯爵にしごかれることに。

それでもまだ噛みついてばかりではありましたけど、最終的には見えていなかったものに気が付いて、成長してくれたのはまぁ良かった。

 

延々噛みつく野良犬が傍に居ると、読んでて疲れますしね……。まぁ、害にしかならない父親とそれに与する教主っていう厄介な敵がソラにはまだ居るんですけど。

エピローグでソラが呟いた「腐ってやがる」という、伯爵領側の打ってきた手と、それによって死んだ民草の事を思うと、苦い顔になるのを止められない。

ソラも手を打ってないわけではないけど、届く範囲には限りがあるし、敵に潰されるしで散々だっていうんだから辛い。

 

いつかはソラの想像を超えた解決策を提案したいというリュリュが好きです。

中盤にあったガイストとの「同じ方向を見ている」という話。ガイストは同じ方向を見ているだけだけど、自分はソラの居る場所に追いつこうとしているんだ、という違いが示されてたのも好きですね。

ソラからの目配せがあったとはいえ、自分で解決方法を考えて実施することで、リュリュ自身が言葉だけではないって証明したのを含めて良かった。


詰みかけ転生領主の改革3

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「三年だ。三年でこの景色を子爵領から消してやる!」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

決闘勝者の資格を持って一部領土を子爵領として奪取し、チャフを相談役として招いたソラ。

冒頭に地図が追加されてましたが、意外と子爵領広いんだなという印象。

 

自分ならより良く出来ると吹いた割に、チャフの視野が狭いんですよねぇ。ソラ達の会話も聞き流してますし。

もう少し頑張れ、と言いたくもなりますが……年相応ではあるんですよね。他所に口出しするなら人並みでは困るってだけで。

チャフ自身も自分の至らなさには築いていて、悩んではいますけど。比較対象がソラなのが問題ややこしくしてるんだよなぁ……

 

領地を獲得し、自ら采配を振るえるようになったソラは、三年での改善を目標に掲げていますが。

ちょっと前まで油豚な父親な領地だったわけで。まぁ、腐敗が進んでいるんですよね。

官吏は着任前に逃げだすし、そもそも領民からの反応も芳しくないしで。それで諦めるんだったら、改善をしようとも思わないんですが。

 

嫌がらせのように残されていた仕掛けも乗り越えて。祭りの企画が出て来たりして。

少しずつでも進んでいるのが分かって良いですねー。

祭りはサニアが提案して仕切りもしてるので、ソラの周囲の成長も著しい。

逃げたのとは別の腐敗した官吏たりも出て来てましたが……ソラを侮るとこうなるんだなぁという好例になりましたね。

必要であれば搦め手だろうと罠だろうと使えるのは強い。


詰みかけ転生領主の改革2

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「ソラ・クラインセルト、兵にかける言葉はないのか?」

(略)

「無い」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。WEB既読。

冒頭に、サニア視点のエピソード「九歳少女の悩み事」が収録。

信者が離れる一方のガイストや、負い目を感じて距離のあるシャリナとサニアが、昔みたいに話が出来るように、少しだけ協力する話。

ソラも素直じゃないというか。言い訳ばっかり上手くなるな、君。

それをしっかり理解しているラゼットっていう側付がいるから、平気か。一人でやろうとはしてないもんな。

 

ソラも順調に歳を重ねていますが……六歳にして、隣接する領地の領主に近づいて、商売の交渉を纏めてしまうとか、中身を踏まえても中々の実績ですよね……

同じ年数生きたとしても出来る気はしない。合算するとソラのが歳上なんですよねぇ。

次の章では七歳にして、他家の子息と決闘を起こすことになってますし。

 

騒動から逃れられない星の下に生まれたのね……

いやまぁ、この決闘に関しては、あまりにも評判が悪いクラインセルト領に対して因縁をつけてきた、相手側の方が問題なんですが。

ソラが口八丁で逃れられそうだったのに、王太子の横やりまで入ったら逃げられませんよねぇ。王家も、脂豚とまで呼ばれるソラの実父に対しては思う所があるようでしたが。

喧嘩を吹っ掛けてきたチャフにしたって、理想が先に立つ子どもだし、余計な茶々いれてくれるなよ……と読者視点では思ってしまう。

まぁ、ソラみたいなイレギュラーを計算に入れろ、というのも酷な話ですけどね。
決闘への準備と、決闘自体はシリーズ中でも結構好きなエピソードでたまに読み返してました。

詰みかけ転生領主の改革1

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「残念だったな。捕まえられなくて」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。WEB既読。

タイトル通り「詰みかけ」の領地に転生したソラが、知識を活かしてどうにか環境を良くしようと奮闘する話。

知識チートとか内政チートとか言われる類の作品ですね。

 

というか、ソラも色々頑張っては居ますけど、これ詰みかけというかほぼほぼ詰んでるというか。

組織が完全に腐敗して、使用人たちも領主夫妻を恐れて子息であるはずのソラに正しい情報が下りてこない。

幼児のころに記憶を取り戻し、ようやくまともに動けるようになったとはいえ、2歳スタートはハードモード過ぎるというか。まだイヤイヤ期とかなのでは……?

 

実際いろいろ考えてはいますが、手駒となる信頼できる相手もおらず、裏切られたりしてますし。

序盤から丁寧に描いてますけど、もどかしさを覚える人は居そう。

出来る事が少ないなりに努力して、少しずつ出来る事や仲間を増やしてく面もあるので、どんどん面白い要素は増えて行くんですけどねー。


詰みかけ転生領主の改革(旧:詰みかけ転生領主の奮闘記)

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「……それは良かった。また、良い夢が見られるといいですな」
「もう見てるさ。お前達にも見せてやるよ」

小説家になろう掲載の作品。
連載中で、記事を書いている時点で全178部。
冒頭のセリフは、4章の途中で出てくる会話ですね。

異世界に転生したら、上級貴族の子息としの生活が待っていた。
しかし、その領地は賄賂に横領、重税など、豚領主(父親)によって搾り取られた「詰みかけ」の領地だった。
というのがおおまかなあらすじ。
うん、正直詰みかけどころか既に詰んでないか、って感じがしますけど。

しかも、主人公が意識し、行動を介し始めるのは、なんと2歳の時から。
知略はあれど、体力も伝手もなく、まずは味方を見つけるところから始めなくてはいけない。
油断をすれば横から利益をかすめ取ろうとする輩が出てくるため、バランスを考え、なおかつ父親に気付かれないように、目立ちすぎてもいけない。
ハードルばっかり高くて、お先真っ暗な感じもしますけど、そこは転生物の常、知識を活用してなんとか目の前の問題を片付けていく。

一つの問題を解決しても、問題の数が多すぎて火の車だったり、父親の人望が地の底なせいで打てる手が狭められていたりと、前途多難。
そういう意味では、爽快感には欠けますね。
ソラ自体は理念高く、汚い手を使ってでも目的を果たし、ちょっと暴走するときもあるけど、おおよそ好人物です。
ただ、何度も書くように、父親とかどうしようもない輩もまた居るもんで、どうにも。

MFブックスから書籍からもされているんですが、手に取るかが微妙なラインですね。
嫌いじゃないんですが。

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ちゃか

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