気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

酒井田寛太郎

ジャナ研の憂鬱な事件簿4

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 人はキマイラだ。身体は一つでありながら、決して両立しない二つの意思を抱え込むことがある。どちらが真実、というわけでもないのだ。愛しながら憎むし、沈黙しながら叫ぶ。

 

いやぁ、容赦ないわ……

って言うのが正直な感想。相変わらず苦い展開が多いと言いますか、傷口に塩を塗るような容赦のなさがあると言いますか。

1話「金魚はどこだ?」、第2話「スウィート・マイ・ホーム」、第3話「ジュリエットの亡霊」の3話を収録。

 

第一話は、ジャナ研の隣に部室がある写真部で起きた騒動を解決する話。

良太郎と同じ部活の由香子は、強い。「その時が来たら、誰だって、戦うべきよ」と言って。

それを実践し続けているんだから、強いというほかない。

自分で選んだことならば、諦めるな、と。それを強いるだけではなく、ちゃんと出来る限り協力するというあたりも、流石と言うほかない。

 

1話は、謎解きがうまくハマった感じではありましたが。

……2話、3話はまた謎が解かれても救いがないというか。

真実を公言するのを啓介が躊躇する気持ちも分かってしまうなぁ。

真冬がかつての出来事から、いなくなるまえの対話を望む気持ちも分からないではないですけれど。

 

2話の件に関しては、啓介の肩を持ってしまうなぁ。                   

家族だからと言って、無条件に愛情が湧いてくるわけでもなし。かつてはあったとしても、時の流れの中で、諦めてしまうことだってあるでしょう。

そして下手に手をだせば、状況を更に悪化させる可能性が高いでしょうし。とはいえ、他人の秘密を知って、それを抱えているというのもまた、重荷にはなりそうですが。

 

考えの差異から、啓介と真冬が疎遠になったところで、3話。

ユリの状況もまた厳しいなぁ。努力が実を結び、夢がかなう。それは絶対の事ではないけれど。これまで積んできたものを他者に台無しにされるのは、辛い。

啓介がどんどんと追い込まれている、と言いますか。真冬との関係に答えが出るのかとか思っていたら、それどころじゃなくなった感。



ジャナ研の憂鬱な事件簿3

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「俺が本当に怖かったのは――俺です」

 

第一話「自画像・メロス」、第二話「鬼の貌」、第三話「怖いもの」を収録。

啓介は不器用極まりないというか。

もうちょっと要領よく生きられるんじゃないかと思いますが。

 

友人・知人から真冬との関係を勘ぐられて、「釣り合わない」と卑下する姿はあまり見ていて楽しいものじゃないですねぇ。

ま、それを周囲の連中が指摘してくれたのは何より。……正確には、そこでちゃんと指摘してくれる人が居るのが、何より彼の糧になるでしょう。

 

第一話は、真冬の遠い親戚が残した絵の話。

処分してくれ、と言われたその絵に込められていた願いとは。

第二話は、啓介の地元の祭りで起きた、逃げ続ける少女の話。

なぜ、彼女は逃げたのか。現代にもいる、鬼の姿とは。

第三話、啓介が思い出した、幼少期の怖いもの。

忘れていた事と、何故それを恐れていたのか。

 

相変わらずどのエピソードにも苦い物がありますが。

何かからの逃避、について描かれているようにも感じました。別に逃げることは悪いことじゃないんですよね。二話の少女も、逃げ続けたからこそ、謎が解かれたわけですし。

ただ、いつまでも逃げ続けられるわけでもなく。何かしらの変化は必要になってきそうです。

真冬との関係を進展させるのか、どうなのか。その決断が迫られようとしているのでは。



ジャナ研の憂鬱な事件簿2

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「真実なんて、綺麗なもんじゃない。知らなくてすむなら、そっちの方が良くないか?」

 

今回はまた一段と重いネタ仕込んできたなぁ、と言いますか。

タイトルにある「憂鬱な事件簿」の看板に偽りありません、と押し出してきた感じがします。

耳ない法一の夜、手紙、キュマイラの短い夢の三篇が収録されていますが。

どれもこれも何とも後味が苦い感じですねぇ。

 

啓介の友人、良太郎の演奏を見に行った際にトラブルの気配があって。

部内でいざこざがあって三年が全員部を辞めて。良太郎が次の部長となったので、ライブを成功させたいという話。

その為に新しいボーカリストを登用したものの、彼女に付きまとうストーカーが居て、引き下がりそうにない……

という事で警備をするも、すり抜けられてしまって。その裏を探ったりしてます。

 

手紙は、宮内ユリが持ってきた、姉の持っていた不審な手紙の真意を読み解くもの。

何人かの意見を聞き、啓介也に答えを導き出していますが……明確な証拠があるわけでもないですが、中々重い結論で。

正直私なんかは、こんな秘密を知ってしまって、口を噤み続けている自信はないですけどねぇ。

問いただしたくなるでしょうし……そもそも自身が犯したわけでもない行いの秘密なんか抱え込みたくない。

そう思うと、黙っている決断を下せた彼女たちはかなりタフですねぇ……

 

最後のキュマイラの短い夢は以前から語られていた啓介の中学時代の過ちについて。

啓介がかなり消極的になった理由。真実を暴き立てた事で、酷く傷つけてしまった相手が居たからだ、という事実。

これまた後味が悪い感じですねぇ。責められる理由はあった。だからと言って必要以上に傷つけていいはずがない、という当たり前の事しか言えませんが。



ジャナ研の憂鬱な事件簿

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「真実なんて、分かってみればこんなもんです……綺麗なものじゃない」

 

11回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。

まぁ、賞受賞したからではなく、イラストが白身魚さんだから手に取った感じで……積読の山に埋もれていたんですが。埋まってる間に2巻出ちゃいましたよ……

 

高校のジャーナリズム研究会に所属している工藤。

かなり冷めたタイプ、と言いますか。中学時代に何か失敗したようでトラウマになっているのも影響してか、色々なことから距離を取る消極的なタイプ。

研究会に所属しているのも、学生は部活ないし委員会に所属しなくてはいけない、という校則があったためで。

 

ただの枯れ木というわけではなく、脳の回転は速い方。

だから役回りとしては、日常ミステリの探偵役みたいな感じですね。ラノベですし、謎も余りガチガチに凝ってるわけでもなく読みやすかったです。

こういう消極的なキャラクターを動かすための相方が、モデルの経験もあるという白鳥真冬という工藤の先輩で。

 

その経歴から、学内の有名人だったそうですが、ジャーナリズム研究会に属していた割に、情報に疎い工藤は知らなかった様子で。

大量のノートを女子一人で運んでいる場面に出くわし、ぶつかってしまったために、放っておくこともできず関わることに。

ノート運びを手伝い……それが1冊不足しているという状況が発生し、結果的に工藤はその謎を解いて。

 

そこから真冬に興味を持たれ、ジャーナリズム研究会に共に属する事となって、真冬の持ち込む謎を工藤が解く、といういいコンビになってますけどね。

まぁ、工藤自身はこの状況にかなり戸惑ってはいるようですが。第4話の状況においては、彼の謎解きがなかったらまた厄介な状況になっていたでしょう。

1人救ったからって1人傷つけた事が正当化できるわけではありませんが、少しは救いになればいいんですけど。

トラウマ解消するためには、過去傷つけたって言う相手と和解できれば工藤にとっての最良でしょうが……相手にとっては「都合のいいことを」ってなるでしょうし、さて、解決の目はあるのやら。



プロフィール

ちゃか

 友人に「活字中毒っていうか読書中毒」と評される程度には本が好き。適当に感想を書いていく予定。リンクはフリーでコメントはご自由に。悪質と判断したものについては削除する場合があります。

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