気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

野村美月

むすぶと本。『さいごの本やさん』の長い長い終わり

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「そうだ、これが読みたかったんだ。この本に会いたかったんだ……」

 

『むすぶと本。『外科室』の一途』と同時発売。

こちらは単行本で刊行されて、表紙以外にイラストは無し。

雪降る街に、一軒だけ残った書店。しかし、店長が事故で亡くなり、店じまいをすることに。

 

お客様への感謝と在庫の整理を兼ねて、最後の1週間だけ開店する事も決まり、残されたスタッフは準備に追われていた。

そんな中、店長の遺言によって想いを託された少年が、店を訪れて。

それが『外科室』でも主人公を務めた、本の声を聴けるというむすぶ君。フットワーク軽いな……

 

お客さんとコミュニケーションを取り慕われ、閉店が惜しまれる書店。

常連だった人、ほとんど行ったことはないけれど印象的な思い出がある人。

閉店の話を知った人々が、想い出を胸に訪れて、むすぶ君がそれを壊さないように手助けしていて。温かさが胸に染みる。

 

本も、書店も、進化の途中にあり、今ある形は滅びてゆくのかもしれない。

ぼくらが愛してやまない一切が存在しない世界が、訪れるのかも。

けれど、それは未来のことだ。

本も、書店も、まだぼくらが生きているこの場所にあり、ぼくもまた生きているかぎり本と言う健気で優しい――奇跡のような存在を、愛するだろう。

彼らと出会うために、書店へ足を運ぶだろう。

本編の終盤に記された、このくだりが。一介の本好きとしても、元書店員としても、印象的で忘れ難い。

業界は厳しく、工夫しても売り上げが伸びるかは分からない。そもそも、注文して希望数が来るかどうかすら、あやふやだ。

それでも、今も確かに本と書店はそこにあって。どうしようもなく、心惹かれるのだ。

むすぶと本。『外科室』の一途

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『忘れません。ずっと』

 

『文学少女』などのシリーズを書かれた、野村美月先生の新作。

本の声を聴くことのできる少年、むすぶ。

彼は「本の味方」を自称し、悩みのある本達の声に耳を傾け、解決の為に行動する。

なんというかまっすぐで青くて、眩しいなぁ。

 

かなり行動力はありますけど、入れ込み具合も中々で、危うい雰囲気も感じる。

本と話せること隠す気もそんななさそうと言うか。必要であれば口にしてますし。

迫害とか、そうでなくてもいじめの標的になりそうですけど……大丈夫だったのだろうか。

頼りになって、能力への理解もある先輩が居るようですし、そこまで心配はしてませんけど。

 

駅の貸本コーナーにあった、かつてある少女が持っていた『長くつ下のピッピ』。

図書館で声を発し続けていた『十五少年漂流記』や『外科室』。

そうした本の声に触れて、人を探したり、時には冒険をしたり。はたまた、想いを告げる手助けをしたり。

『外科室』の結末に関しては、妻科さんの意見に近いんですが。

そうなるんだ、と思ったのはありますが。選んだならば貫き通してほしいものです。


楽園への清く正しき道程 国王様と楽園の花嫁たち

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「ああ、ずっと楽園にいるようだったよ」

 

置手紙を残して去った王妃を迎えに行く決断をしたルドヴィーク。

それを止める声も当然あったんですが、振り切って彼女を追って。

行動力だけはありますねぇ。事情が事情とはいえ、王様一人だけの行軍なんて危なくて仕方ないと思いますが。

実際問題、不思議空間に迷い込んで連絡が付かなくなったりもしてましたしね……

 

無事に国に戻っていたお転婆王妃は王妃で、「勝手に戻ってくるとは」と親たちから監禁されかけていて、逃げ出すという自業自得トラブルの連鎖に見舞われていましたが。

かつての想い人と対面し、今の自分の心境の変化に気付き。

そこに追いついてきたルドヴィークとちゃんと話をして、お互いの思いをしっかり伝えられたのは良かった。

 

まぁ、王が長期不在にしていたけど何とか回っていたあたりだとか。

王妃と寵姫で6人迎えるというあたりを国民があっさり受け入れてる辺りだとか。

そもそも王妃を迎えに行った時の相手側の反応だとか。

色々うまく運びすぎかなぁ、という部分はあります。一歩間違えばアーデルハイドが企んでいた計画が実行されていてもおかしくなかったわけで。

そういう意味ではルドヴィーク自身の運というのも捨てたものではなかった、という事でしょうか。

 

 

楽園への清く正しき道程 庶民出身の国王様がまたご愛妾を迎えられるそうです

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「ルディが大切な人たちを失わずにすみますように、幸福な楽園の主として、賢く誠実に行動できますように」

 

愛する寵姫を迎えたけれど、正妃との間に子が出来るまではイチャイチャしすぎるな、と妨害が入る状況のルディ。

庶子のルディを引っ張ってこないといけない状況なら、とりあえず安全策として王の子供量産しといた方がいいんじゃないかなぁ。

正妃との関係が改善したときに、血統の問題が出てきそうなのは面倒ですが。

 

1巻から思ってましたが、この国の貴族叩けばホコリが出る輩が多すぎないだろうか。

特命騎士がちょろっと調べただけで、崩れ落ちる程度には弱みが転がっている。

……この国で世継ぎ騒動が起きると、確かに通常よりも面倒そうだという納得はできますな。絶対利用されそうな未来が……

アーデルハイドの一族が健在だったら、そう大がかりな工作できなそうではありますが。

 

今回は女騎士エヴァリーンに縁談が持ち上がり。

オマケに公爵令嬢のテレーゼも妹の縁談がまとまったこと、幼馴染のエヴァリーンの縁談の話を聞いて、色々と暴走中。

まぁ一番暴走してるのはフロリンこと正妃様なんですがね……やることなすこと裏目に出ていて、こう目を覆いたくなるポンコツ感が。

 

前回ミーネ一人だったので、一巻一人で進めるのかと思いきや二人まとめて進行してきたときには、ラノベの短期打ち切り増えてるから巻いてきたのかなぁ、と思いましたが……

巻末の短編でさらに増えたのを見て、流石に笑った。驚きの速さ。

正妃が最後逃走を図りましたが……短慮にもほどがあるというか、これ結構問題なのでは。6番目と「手に入らない」7番目が誰なのかが気になりますなー。

 

楽園への清く正しき道程 1番目はお嫁さんにしたい系薄幸メイド

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「死にたいなんて言ったらダメだ。僕もきみと同じように、ついさっきまで絶望していたんだ。僕はずっと一人で、本当に欲しいものは決して得られないし、なにも変わらないんだって。今も――絶望はしてるけど、それにのまれちゃダメだ」

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「僕もあきらめないから、きみもあきらめないで」

 

国に想い人がいるという王妃。

彼女は、王様の恋を応援すると約束していて。だからふさわしい相手を見つけようと画策したりしているようです。

城内で開催されることになった「お嫁さんにしたい子番付レース」。優勝者は王の寵姫として迎えられるという噂まで広がりヒートアップしてますが。

……この国、コレで大丈夫なのかなぁ、ホント。

 

そんなレースが開幕されてから、ルドヴィークはいじめにあっている内気な侍女と出会い。

彼女を勇気づける為に色々と手を打って、身分を隠した状態で心休まる時間を過ごしていたようです。

途中、不正疑惑が持ち上がり、上手い事膿を出すことに成功するなどの棚ぼたもありましたが。

 

今回のヒロインは、表紙にもいるメイドさん。

いじめられているけれど、業務熱心で、自信がなくて。

けど、ちゃんと魅力を持っている少女で。

ルドヴィークが王だと知ったときに離れてしまいますが。

それでも、彼のかけてくれた言葉はうれしかったから、と再び会いに来てくれたのは良かった。

 

ルドヴィークも環境の変化に戸惑い、望んだものが得られず絶望を感じていたようですし、彼の安らげる場所ができたのは素直に祝福できます。

……最も王妃との関係が進んでいない状態で、寵姫と先に進むことは許されず。別種の悩みを抱えることになったようですけど。

今回の終わり方を見るに、次回は女騎士さんが絡むエピソードとなるんでしょうか。

 

 

楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?

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「おまえは、望めば楽園の主にもなれるだろう」

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「だが、七番目だけは、おまえのものにならない」

 

つい先日まで服屋で若旦那をしていたルドヴィーク。

しかし、彼は今なぜか国王として戴冠式を行い、他国の姫を迎えることになっていて。

悪性の病によって王族が次々と倒れ、前王の隠し子であった彼を祭り上げるしかなくなってしまうほど切羽詰まっているようで。

それを思えば、即位三日後に結婚話を側近から持ち出されるのも納得はできます。

 

元々服屋として生きてきた彼に、それを飲み込んで上手くやれって言うのは中々の難問ですがね。

そうして迎えられた王妃が、氷のように冷たく、初対面でキモイなんて言ってくるような相手だったらなおさら心が痛むでしょう。

ぽっと出の隠し子が王となって……という事情も考えれば対応が冷たくても仕方ないか、と思いきや、彼女の秘密が明らかになるとこう肩から力が抜けました。

 

庶民の血を引くルドヴィークが王になる事には色々と問題やら課題もあったでしょうが。

そのあたりの話はメインではなく、女性陣に振り回される彼の姿を見て微笑ましく見守るような感じでしょうか。

帯にも「ファンタジーハーレム(予定)コメディ」ってありますし。

気遣いが出来る王様を慕う女騎士なんかもいるようですし、とりあえず王様稼業も何とかできるんじゃないか、とは思えますが。彼の恋路のゴールは果てしなく遠いな……

 

 

晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と

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「他人にお節介をやいたり親切にしたりする人間は、自分も淋しいんだって。だから淋しさに共感して、放っておけなくなってしまうんだって……他人の受け売りだけど」

 

心に傷を抱えた大学生の春近。

片道2時間ちかくかけて実家から大学まで通っていたが、ある事情から一人暮らしを始めて。

それは心機一転してのものではなく、傷から逃げ出すためのもので。

 

「なにをやっているんだろうか」と自分でも思うのに、変わることはできず。

悩んでいる時に、犬を連れて散歩している人妻、ひまりさんに出会い。

彼女に相談することで、憂鬱な気持ちが少しマシになった彼は、少しずつ変わってく。

 

通学時間が短縮されたため、サークルに入ろうかと動き出し、交流する範囲を広げてみたり。

おせっかいな性分がでて、いろんな問題に巻き込まれたり、解決のために動き回ったり。

まだまだ不慣れな部分もあり、振り回されるばかりだったり、動いて失敗したりなんかもしているんですが。

 

でも、周囲には優しい人がいて、相談に乗ってくれる相手もいて。鬱屈していたものを上手く昇華して、いい方向に変わることができたんじゃないですかね。

とりあえず、当初抱えていた問題はマシにはなりましたが。彼自身がもうちょっと報われてほしいかなぁ、とも少し思いました。

 

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる  Long Long Engage

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「みんな、お父さんより先に死んじゃうんだよ。そしたらお父さんは、やっぱり一人になっちゃうでしょう」

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「ううん、詩くんは、この先も一人にはならないよ。詩くんは、そういう人だから」

 

本編が多くの謎を残したまま、続きが出ないと知ったときの悲しさが少し晴れた気がします。

成長した詩也の娘、ミナ・アリス=原田の視点で語られる、「その後」のお話。

 

甲斐崎の謎とか、雫の過去だとか、そういったものの答えが描かれていたのはうれしかったです。ただ、同時にやはり惜しくもあります。

謎は明かされましたが、「昔を懐かしんだ父の語った話」という体裁なので、どうしてもダイジェストなんですよねぇ。

それが惜しい。甲斐崎と詩也のバスケ勝負とか、それは楽しいシーンだったろうから、それに至るまでの話を見てみたかった、という想いもあります。

けど、本当はあそこで終わりだったはずなのに、期せずしてその後の話が見られたのは本当にうれしく作者さんや編集さんには感謝の気持ちで一杯です。

 

あらすじで「母は父のそばにはいられなかった」と有ったので、一体何があったのかと思っていたんですが。

吸血鬼である故に別れが来るのは分かっていて、それが想っていたよりも早かった。けれど、子どもたちが生きていたり、彼の秘密を知ったうえで黙ってくれている人達がいる、というのは安心できました。

吸血鬼、という事に苦悩していた十六歳の少年はもういなくて。全てを受け入れた「父親」として、ミナを見守っていた詩也が格好良くなっていたなぁ、と思います。

これから先、喪失は増えるだろうけど、きっと今の彼なら大丈夫なんじゃないかなぁ、と思える良いお話でした。

 

……あとがきで作者さんの容態の方がちょっと心配になりましたが。元々先に原稿を書いて余裕を持っているとか以前書かれてましたが……それでも、どうかお体をお大事にしていただきたいものです。



吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる5

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「一番好きな相手と恋人になれるのって、とても幸福なことよ。それいつまで続くかは、本人たちしだいだけれど。苦労して手に入れた者は、大切にしたほうがいいわ」

(略)

「大切にしても……失われてしまうこともあるけれどね」

 

……完結巻、です。

話は、途中です。むしろこれから盛り上がってくるところだったろうに……

売り上げ的な理由で、ここで終了となってしまったようです。好きなシリーズだったので、すごく残念でならない。

というか、野村さんと竹岡さんのコンビは『文学少女』以来鉄板のコンビで、まさか打ち切りの憂き目にあうとは予想外。

 

本編は相変わらず面白かったです。

バレンタイン公演から、カレナたちの世代の卒業まで。

相変わらず報われずに空回っている偲とか、表向きは交際していないことになった詩也達の付き合い方とか。

ホワイトデーまでのイベントとか、詩也の周囲の女子たちの想いとか。

イベントが盛りだくさんで、飽きることなく最後まで読めました。

男女逆転の『ドラキュラ』は、コレはコレで見ごたえある舞台だったことでしょう。迫力はあった。

 

理歌が覚悟を決めたり、例によって冒頭の「ミナ=アリス・原田」の気になる記述とか、

終わりの「この後に来る哀しみを、今は、知らなかった」とか。

本当に、これから盛り上がってくるってところで終わってしまうのは無念です。

……どこか他のレーベルで続きとか出してくれないものだろうか。

 

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件8

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「この気持ちは、恋です」
心臓が、ドキンと高鳴った。
「わたしは、ずっとシャール先生に恋をしています。たとえシャール先生でも、それだけは否定していただきたくありません」

家庭教師という仮面を捨てて、国に帰ったシャール。
彼は、外交官となるべく日々勉学に励んでいるようです。
ただ、そこに聖羅が訪れたり、「グリンダ」として過ごした中で出会った相手と再開したりするエピソードが挟まって。

一方で他のキャラクターたちの恋愛模様なんかについても描かれていましたね。
竜樹王子は、ポーラローズ姫との仲を順調に深めていって、それが故にポーラローズ姫が一度離れてしまうなんてハプニングもありましたが。
……シャール、君はどうしてそこまで女装と縁があるのか……
アニスも彼女の幸せを見つけたようですし、ギルマーは……いつまでもギルマーというか。失言癖をどうにかしたほうがいいんじゃないのか、一の騎士。
まぁ、奥さんにベタ惚れで頭上がらないって言うのも知られているだろうから、その辺はきっと生温かい目で見守られているんだろうなぁ。

成長していく聖羅が、一途にシャールを想っている姿は可愛かった。
P13の髪を切った彼女は結構印象変わって見えましたねぇ。シャールが好きすぎて、暴走するところとかは相変わらずでしたが。
8巻全体を通してシャールがこれまで以上にヘタレてましたが。
まぁ、最後にはしっかり思いが通じ合ったようで良かった。周囲は結構やきもきしていたんじゃないかなぁ、コレ。
あちこちで発破かけられてましたしね、シャール。
いい最終巻だったと思います。しかしこれが8巻まで続いたのに吸血鬼は終わってしまうのか……個人的にはあっちの方が好きだったので残念でならない。
吸血鬼の方も読み終わってはいるので、近いうちに記事書きます。 
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