「……ちなみにいつまで泊まる予定……?」
(略)
「もちろん兄の借金問題にケリがつくまで……それか、私の目的が果たされるまでです」
大学生になって初の夏休みが迫る中、長い時間を持て余しそうで若干困っていた主人公の白木求。
そこに話しかけてきた、初めての彼女が出来て浮かれまくっている友人に絡まれて、「少し前に500円貸しただろ」と、何気なく口にして。
思い出したから行っただけで、ワンコインだし取り立てる手間の方が大変だろうから、このまま流れても良いかなぁぐらいのつもりだったみたいですが。
実際その場ですぐに返せなかったり、必ず返すから少し待ってくれと自分の世界に突入したり、見てる分には面白いけど付き合うの疲れそうではある。
タイトル見て「いやワンコインに借金のカタって……」となっていたんですが、主人公の白木もそのあたりちゃんとツッコミ入れてくれる常識的な感性の持ち主だったのはホッとした。
むしろ借金のカタとして妹差し出してくる友人の方がヤバいんだな……と思ったけど、番外編で見れば妹の願いをかなえるためだったという話も出てくるんですが。
その妹であるところの宮前朱莉ちゃんは、白木に前々から好意を持っていたらしく、「借金のカタ」という言い訳を基に乗り込んできたらしいです。
兄の提案で宮前兄妹が取った手段は突飛だなぁとはどうしても思いますけど。幼少期に良い出会いをして、高校時代に再会し……ついぞ進展することなく白木が大学進学しちゃってるんだから、これくらいのごり押しの方がいいのかもしれない。
ツッコミどころしかないタイトルでちょっと距離取ってたところはあるんですが、いざ読んでみたら軽いノリで楽しめるラブコメでしたね。
グイグイ来るヒロインの勢いに負けて、なんだかんだ一緒に居ることを受け入れている主人公よ……。もう早く付き合ってしまえばいいんじゃないかな。