気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

電撃文庫

魔法科高校の劣等生32 サクリファイス編/卒業編

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――自分は弱さを、許されなかっただけだ。

 

シリーズ完結巻。

昨今では珍しい30巻を超えた超大作となりましたが、終わるんですねぇ。

……まぁ、直後から続編を刊行する予定なので、まだまだ続くとも言えるんですが。

光宣やパラサイトとの決着がメインではありますが、達也がその実力を広く知らしめたことで起きたあれこれに対する、事後処理と今後の為の根回しがほとんどでしたね。

確かに必要なことですが、最終巻でそれをやるあたりは勇気がある。

 

達也が多芸でスペックが天井突破していて、そんな彼を上手くあしらっている真夜を見ていると、十師族会議とか魔法協会の一支部長の反応とかもうちょっと頑張れと思ってしまうな……

まぁ大人全員が、真夜なり八雲みたいに達也にマウント取れる相手ばかりだったら、彼の活躍度合も変わってくるわけで。このシリーズに達也の活躍を期待していた身としては、いい塩梅だったと思うべきなのか。

 

そういう意味では、ラスボスが光宣なのはちょい物足りなかった感はある。

実戦経験などもあるので仕方がありませんが、順当に決着ついたなぁという感じ。

ただ、そこに至るまでの心情とかをくみ取れていなかったのは、年相応みたいなさじ加減にはなっていましたか。

……最終的に見出した解決方法が、技術者としての達也の真骨頂みたいで笑いましたが。何を作り上げているんだ君は……。

 

一年生からスタートして、順調に進学して後輩キャラも増えて……をやり続けた結果、気に入ったキャラの描写が減ったとかはありますが。長編シリーズの宿命でもありますからね、それ……

なにはともあれ、完結おめでとうございます。

新約とある魔術の禁書目録17

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「悪いな。僧正からは逃げ続けて後悔した。上里の時も黙って見送った結果、重たいものを背負って抜け出せない。もうああいうのは真っ平なんだ!!」

 

上里勢力に追い込まれた唯一は、諸共自爆しようとして……上里自身に阻まれた。

しかし、復讐という軸がぶれ始めていた彼は、取り戻した『理想送り』によって異界へ飛ばされてしまい……

残った右手を回収して、上里勢力に「この右手は上里を取り戻す手がかりになるかもしれないんだよねぇ」と希望をちらつかせて、自分の手駒にするのは悪魔の様だった。

 

そして、追い込まれた状況で上里を見送ってしまった上条は着火。

「らしくないのはここまでだ!!」と。「上条当麻をみせてやる!!!!!!」と吠える姿は格好良かった。

まぁ、目標自体はハッキリしてますからね。上里が人質に取られているようなものだから、どうにかして彼を取り戻す。

それによって、上里勢力から敵対している理由を取り除く。言うは易し、の典型ではありますけど。まず第一に打った手は敵からの逃走でしたけど。

 

上里勢力の中でも唯一の悪意から逃れたUFO少女・府蘭の協力を取り付けて、どうにか道筋を立てようと奮闘するも……学園都市は未だ混乱の最中にあって。

エレメントと大熱波はさったものの、たちどころに全てが元どおりになるわけでもありませんしね。

避難所から離れられない人も多いし、ここに至るまでに悪意に触れて、リミッターが振りきれている子まで居る。

 

だというのに、大熱波の最中ほとんど動きがなかった学園都市の機材を駆使する『営巣部隊』が治安回復に向けて活動を開始。

上条たちが事件の一員であると指名手配したり、暴動鎮圧のために水浴びせたり、武器を回収するために荒業使ったり、と中々のヘイトを稼いでいましたが。

その志だけは、間違ってなかったんだよなぁ。終盤は手を貸してくれましたし。嫌いじゃないけど、好きでもない微妙な感じ。

 

学園都市をあちこち動き回って、手がかりを探して。何度も追い込まれながらも、目的を果たした上条たちに拍手を。良い恋の終わりでありました。

表は表でなかなか派手に暴れ回ってましたけど。『理想送り』で吹き飛ばされた上里は上里で、魔神たちのドタバタに巻き込まれてたのは正直笑った。

自分の意思で魔神に『理想送り』を使ったんだから、反撃されるのも止む無し……ではあるけど、怪獣大決戦に放り込まれたのはちょっと哀れではあった。

 

そして、最後。アレイスターが自ら動き、「彼」が対峙してましたが。

潮時と見切って即座に、容赦なく行動する辺りがらしいなぁ。そのあとおちゃらけて「クラスメイトに相談」とか言ってる辺りも含めて。

 

唯一の生死に関しては、どうなんでしょうね。上里が居ない間の振る舞いを想えば、容赦しなかった可能性も捨てきれないし。上里妹にしていたように、意識を封じ込める方法があったらそれを選んだかもしれないし。

敵として厄介なので、トドメを刺しておいて欲しくはあるけど、自称とはいえ「普通の高校生」な上里の関係者なら、その一線は超えて欲しくはないような。色々と想像できるので、こういう要素も楽しいですね。たまにある分には歓迎。



新約とある魔術の禁書目録16

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「確かに物事には適性ってものがある。でも、適性を持たない事が挑戦してはいけない理由にはならない。あなたはそれをようく知っているでしょう?」

 

積読消化。1冊読み飛ばしたかな??? くらいの気持ちになった。

冒頭からなんか上条たちが、知らない戦いに身を投じているんですもの……

12月だというのに、気温が50度を超えた学園都市。しっかり着込んでいた生徒たちが倒れるほどで、今活動している生徒たちはやむなく水着姿になっていた。

 

問題が熱さだけで済んでいたならば、服装を調整するだけで終わっていたのですが。

それ以外にも多くの問題が発生していて。大熱波と同時に電気・水道などのインフラが停止。水分を確保するだけでも一苦労することに。

オマケにエレメントと呼称される、擬態を駆使する厄介なエネミーが地上を闊歩するようになって。

『水』が紙幣代わりになったような、荒廃した環境。エレメントから身を守る為にバリケードを創ったりしてましたし、世紀末というかなんというか。

 

当麻たちも学生なりに出来る範囲で奮闘していましたが、根本的な解決方法は見えず。

そんな折に、御坂美琴と遭遇し彼は常盤台中学のある『学舎の園』へと足を踏み入れる事に。

能力を駆使して、可能な範囲で娯楽を残しているお嬢様達は強いなーというか。電子機器壊滅してても水を確保できるのは強い。

 

彼女達は彼女達で戦っていて、『水晶の塔』というエレメントたちのマーカーのような拠点すら見つけていた。

当麻も協力して塔を攻略しに行っていましたが……窮地で希望を見せた後、絶望に落すんだから鎌池先生は小説がお上手だ……容赦ねー。

 

美琴たちとの遭遇の後は、姿を消していた上里勢力に拾われて。

裏側の事情を聴いたりしてましたが。熱波とエレメントは同時期に発生した以上だけど、発生源は異なるだとか。片方上里勢力の仕業だとか、なにしてくれてるんだ感はありますが。

木原唯一が好き勝手してるのがスタート地点だからなぁ……仕方ないとはいえ電子機器壊されたら泣く自信ありますけどね。最近は電子書籍に移行したりしてますし、正直今までの騒動の中では、想像しやすいだけに一番怖かったかもしれない。

情報を集めて、準備を整えて。しっかり反撃をしてましたが最後の最後で逆転されて……嫌がらせもプロ級ですね唯一さん!?

新約 とある魔術の禁書目録 (16) (電撃文庫)
鎌池和馬
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-08-10

新約とある魔術の禁書目録15

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「……疲れないか、その生き方?」

 

積読消化。

上里勢力、全然把握できてないのに中でも飛び抜けて厄介だという、彼の義妹が登場。

制御しきれないから、意識を閉じ込めるような形で行動できないようにしていたという徹底ぶりでしたが……

ある思惑を持って上条勢力とみなされる人々に接触して、戦闘を吹っ掛けて。いや、本当におっかないな。ちゃんと手綱握っててもらえません?

 

一方で上条当麻は……家なき子ならぬ学校なき生徒と化していた。

まぁ、防犯オリエンテーションの時に僧正が好き放題して半壊しましたからね……

学園都市でも即座に再建とはいかないのか。技術はあっても学校一つ立て直すために使われるかは別か。

行き場を失くした生徒たちですが、先生たちが奔走して別の学校の空き教室を借りて、臨時態勢で指導を行っていくことに。

 

即日で体制を整えている辺り先生方有能ですねー。問題は、提携先の学校に上里が先んじて転校してきていたというところでしょうか。

出会い頭にバトルを始めるほど考えなしではなかったのは幸いですが……それってつまり、ある程度計算してるってことで敵に回すと厄介極まりないんですよねー。

やってきた義妹の情報を使って、上手いこと上条を動かそうとしてましたし。油断ならない相手だわー、ホント。

 

さらには敬愛する木原脳幹を行動不能に追い込まれ、上里に敵意を向けている木原唯一の策略も着々と進行していて。

キレて殴りに来るようなことはせず、立場を活用し、これまで起きた事件などからピースを拾い、最悪な介入をしてくる辺りは、さすが木原の一員って感じでしたね……

 

上里妹にちょっかいだされて、更には木原の一端に遭遇して、厄介な道具まで見つけてしまった御坂美琴の在り様が不安だなぁ。

上里妹が不吉な予言を残していましたし、「じきに大きく踏み外す」と言うか、もう既に一歩線を超えてしまった疑惑がある。

 

あとがきによると、14~15巻で共通してある実験をしていたそうで。

「主人公としての積み重ねが見えているか、否かで、どこまで人物像がガラリと変わって見れるか」。

確かに、これまでの積み重ねがあるから上条贔屓にしてる部分はあるよなぁ。魅力的に思うからこそシリーズを追ってるわけですし。

 

ただ、上里だって100人の少女に慕われる「積み立て」は確かにあったんですよね。上里自信が信じられなかった、自分の価値。右手という力を失ってからそれを実感する辺りは皮肉ではありますが。それでも止まらない辺りは、なるほど主人公だ。

学園都市と言うアウェーの地に踏み込んで検討してるのは認めますが。それでも上条贔屓したい気持ちがあるので悩ましい。



新約とある魔術の禁書目録14

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「殺すぞ」

「それで格好つけてるつもりなのか、恩知らず」

 

上条当麻の『幻想殺し』と対になる、『理想送り』を右手に宿した、自称・平凡な高校生男子である上里翔流。

学園都市に潜入していた魔神のほとんどをその能力で無力化したものの……ネフテュスには1割ほど逃げられて。

そのネフテュスは上条当麻に接触してるんだから、ドミノ倒しのようというか。事件からは絶対に逃さないという意思を感じる。

 

序盤、ポンポン居候増やしてどうするつもり! とインデックスが当麻を叱っていて、それは確かにそうなんですが、食生活を脅かしているシスターに言われるとちょっと釈然としないな……みたいな気分になった。

釈然としないと言えば、上里勢力そのものが突然出て来た割に個性強いしキャラ多いしで飲み込み切れない部分はありました。(そもそもとあるシリーズに個性弱いキャラなんてほぼいませんが……)。

 

困っている少女を見捨てられず、本来の目的から外れようとも手助けを躊躇わない。

右手に特殊な能力を持っている事と言い、彼を慕う少女たちが手を貸してくれているように。

上条当麻は違う形の主人公、みたいな造形をしています。

似ていると言えば似ていますが、けれどやっぱり、決定的なところで違う。水と油ほど、相性は悪くなさそうでしたけど。

魔神を絡めた上条と上里の争いに、バードウェイ姉妹の問題まで飛び込んできてましたが。

主義主張が異なって戦う羽目になっても、少女を助ける為には手を組めてましたし。

ただ、上里勢力に引っ掻き回された結果として、厄介な「木原」が目覚めてしまった感があって嫌な予感しかしない。



新約とある魔術の禁書目録13

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「ふざけてんのか僧正。赤の他人が、知ったような口で俺を語るんじゃねえよ!!」

 

積読消化。

上条当麻の出席日数などの問題は、ちょっとやそっとの補講でどうなるものでもなく。

防犯オリエンテーションの暴漢役を務めることで貢献して、ポイントを稼ぐ作戦に。

しかし、彼に平穏はなく……真なるグレムリンに属する魔神、僧正が現れて。

取り引きを持ち掛けてきますが、当麻は断り……さらにはその在り方を許せないと判断して。

 

力ある魔神相手に啖呵を切れる辺りは流石の主人公。

とは言え情報も足りず、最初は逃げの一手を打ってましたが。たまたま鉢合わせた御坂美琴と一緒に、アクロバイクという学園都市製の電動補助付きの自転車での逃避行。

逃げる為に必要だったからとはいえ、スタントマン顔負けのトリックをいくつも決めてて、笑えてしまった。

イベントで使って盛り上げてもらおうとか小萌先生が言って、当麻は無理だと断ってましたが、意外と出来るんじゃん……みたいな気分。

 

しかしまぁ、僧正が本当に楽しそうにおっかけてくるな……「うほほーい☆」じゃないんだよ爺さん。

そして木乃伊のような脆そうな形をしてようと、魔神は魔神。特殊車両ぶん投げたり、ビルを逆さにしたり、好き放題に暴れ回って。

美琴の能力や知識。さらには、スタンスが微妙に異なる他の魔神たちからのアドバイスまでもらって、敵を宇宙に撃ち出したりもしてましたが。

……それでも止まらないとか、魔神本当怖いわ。アレイスター、なに引っ張り出してるんですか……。

 

学園都市も座して見ているわけではなく、介入によって僧正を撃破してましたが。

他の魔神がキレて異能を奮おうとしたところに、『理想送り』という力を持った新キャラが登場。あっさり魔神たちを退場させてて、びっくりしました。

後書きでも「魔神戦が延々続くと思った人は手を挙げてー」と書かれてましたしね。えぇ、しばらく続くのかなと思ってました。素直に挙手。

そして、上条当麻の戦いと魔神の恐ろしさに直面した御坂美琴には、ツンツン頭の少年が遠く感じられてしまい……焦りが見えて、怖いなぁ。

 


新約とある魔術の禁書目録12

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「後はお前が語る番だ。俺にじゃない、自分の心に自分で語れよ、ペテン師野郎」

 

魔神オティヌスは、上条当麻という理解者を得て、日常へとやってきた。

とはいえ魔神の力は失ったし、身体のサイズもミニマムになっていて、あらすじでは「小さな妖精さん」と呼ばれてましたが。

三毛猫のオモチャとして振り回されている模様。いやぁグレムリン達の起こした騒動を想えば、平和な一幕ですね。

 

オティヌスが、せめてもの安息が欲しいと避難所代わりのドールハウスを求めて。

インデックスと共に買い出しに出かけた先で、サンジェルマンという新たな敵と遭遇する事になるんだから、もう……当麻の不運は留まるところを知りませんね。

オマケに舞台となった場所には、学園都市第六位の名を騙る少年や、元アイテムの面々まで居合わせていて。

 

結果的に、誰が欠けていても解決には至らなかったでしょうけど。

各々の行動指針が違うので、途中敵対したりしていて、中々ハラハラしました。

上条当麻と浜面仕上が、相手の事を理解していて……それでも止まれないから、と。ヒーロー同士でぶつかる展開は熱くて好きでしたけど!

アレイスターがぶつかった魔神たちも、なんか学園都市入りしてて、厄介事の気配しかしない……


新約とある魔術の禁書目録11

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「あの人は、私のヒーローなの」

 
積読消化。

学園都市第五位。最強の精神系統能力者『心理掌握』の食蜂操祈。

御坂美琴と同じく、常盤台中学に通うお嬢様。

彼女の秘めていた上条当麻との接点が明かされる、過去エピソードを収録した1冊。

いや、ばったり出くわして、なんだかんだと接点が出来て。

交流を続けている様子は中々良い青春模様だったんじゃないですかね。

 

自分の抱えていた当面の問題がおおよそ片付いて、かるく燃え尽きていた彼女にとって、楽しくて幸せな、忘れ難い記憶。

それを垣間見ることが出来たのは、こちらとしても喜ばしいというか。

上条当麻は、いつでも上条当麻だよなぁ、と言いますか。『今にも泣き出しそうな女の子を守る側に立てりゃあ、こっちはそれで本望なんだよ』と、窮地に叫べる人がどれだけいるだろう。

 

だからこそ、その思い出を汚すような相手を見逃すことは出来なかった。

精神系最強の能力者を相手に、記憶操作が疑われる状況を作りだし、その為に膨大な準備をしている辺り敵もさるものというか。

レベル5を相手取るのに、妥協はしないという意思を感じてよかった。

敵にも相応の格や覚悟が欲しいですしね。ただ敵対した彼女は、レベル5の事を理解しきれていなかった。相手の予想を上回ってくれた、食蜂陣営がカッコよかったです。

 

……それで終わってれば、ハッピーエンドだったかもしれないのに。

上条当麻は無印1巻で記憶を失ったし……それ以外にも爆弾を抱えているなんて、無情すぎる。

小さな奇跡くらい起こってもいいじゃないか、と思えてしまう。感情が、引っ張られてる。

この世界で「奇跡」なんて、そう起こるもんじゃないとも分かってしまうのが痛い。かねてより噂は聞いていたのですが、なるほど話題になるのも頷ける展開だった。



新約とある魔術の禁書目録10

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「……何だ、ちゃんと分かってんじゃん」

 

魔神オティヌスを止める。その為に行動していたはずだった。

けれど、上条当麻はあの繰り返しを経験してしまった。オティヌスを理解してしまった。

そうなれば、彼がオティヌスを見放せるはずはなく。彼女を救うための行動を開始する事に。

とりあえずの方針は決めたものの、詳細はなにも決まってなくて、オティヌス頼りという抜けてる辺りが彼らしいというか。助けてオティえもん……

 

魔神オティヌスは、強大さ故に見逃されることはない。

ならば、その力を削いでしまえば良い。かつて彼女が捧げた右目を取り戻せば、魔神としての力は振るえなくなる。

……そもそも『妖精化』を喰らって死にかけで、魔神の力全くと言っていいくらいつかえないんですけどね。オティヌスにはタイムリミットがある。

世界が何度も滅び、ここへ帰って来たというのを信じてもらい、目を取り戻しに行くのには時間が足りない。だから、最優先目標の為に、デンマークへと飛んで。

 

そこから始まる、オティヌスとそれに与する上条当麻を撃滅せんとする、魔術と科学の尖兵たち。

ここまでやるか、と思わず唸るくらいのボスラッシュ。いやぁ、あれだけの面々敵に回したら普通片手の指じゃ足りないくらい死にませんかね。

身体を酷使しながらも、少しずつ前進している辺りは、凄まじいというほかない。

 

各勢力の思惑が噛み合ったり、知己がいたりでどうにかこうにか進んでる感じではありましたけど。

「まーた同じくだりを繰り返すのかよ?」のシーンは振るえました。……恐怖で。

当麻、説得するために言葉を尽くすことも出来るのに、身内相手だと失言しまくるよな……それだけ受け入れているというか、気が弛んでるんだろうな。

 

駆け抜けたその姿は、まさしくヒーローでした。

そのまま終わってもおかしくなかったというのに、終章でアレイスター・クロウリーがこの件に関して沈黙していた理由。

裏で動いていた事情が明かされましたが……なんであからさまな地雷を引っ張り出してるの。やめようよ……



新約とある魔術の禁書目録9

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「で、今さら何を埋め込まれた」

「きっと、お前の知らないものを」

 

上条当麻は、間に合わなかった。

オティヌスは完成し、「世界を滅ぼすか」と気軽に滅ぼせるほどの力を得た。

世界そのものが消えた虚無の世界。

当麻はその右手の特殊性故に、滅びた世界には含まれず、たった一人で魔神オティヌスと対峙する事に。

 

魔神相手に上条当麻が真っ向から戦って勝てる道理はなく。

それでも。自分一人しかいないのならば、元の世界を取り戻すために足掻こうとするのが上条当麻で。

オティヌスは神の力を使い、当麻の心を折りにかかる。

吹けば飛ぶような相手に対して、己が潰すのではなく、相手に潰れてもらおうとする辺りは神様っぽいというか。

 

その為に用意された舞台が、本当に容赦なくて笑っちゃった。いや、笑い事じゃないんですけど。

多くの事件に関わり、その右腕で人を救ったり、野望をくじいたりしてきた。

上条当麻は、ヒーロだった。

 

では、その彼がいたからこそ多くの事件は起きたのだ、と見方を変えてみたら?

そんな世界を再現して、当麻を放り込んで。これまで守ってきた人々、縁のある人々から迫害を受ける様子は結構堪えた。

「上条当麻」によく似た誰かが、彼の場所に入り込んだ世界があったら? エトセトラエトセトラ。

 

数多の世界を再現し、上条当麻を折ろうとした。

それでも止まらなかった彼の足取りを凍らせたのが、幸福だって言うのは皮肉と言うか。

正攻法ではありますけどね。絶望に抗い続けてきた彼だからこそ、あの世界は眩しく見えた事でしょう。

溜まりに溜まった鬱憤を吐き出す、あの見開きは、ヒーローなんかじゃない上条当麻自身の叫びであった。いやぁ、演出が上手い。その直前のイラストもいい感じでしたし。



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