「おたくは王子様に会えたの?」
「はい」
そこには、決意があり、意思があった。
美しかった。
文学少女と飢え渇く幽霊、コミカライズの最終巻。
そういえばこんな話でしたね、と懐かしくなりました。
原作で感じた狂気じみた人々の言動とかが、 丁寧に描かれている良作ですね。
最初から最後まで優しいわけではなく、むしろ傷付いた果てに差し込む一筋の光明が描かれているといいますか。
登場人物たちが、肉体的なことも精神的なこともありますけど、傷ついて、ボロボロになっていく描写に容赦がないな、と思っています。
だけど、最後には、そうやって傷ついて、迷って居たはずなのに、それらをより合わせて、少しでも綺麗に見える真実を見つけてくれるから「文学少女」は侮れないですよね。
ハッピーエンドでは決してない物語。
でも、それでも最後には少しの救いがあったのだと信じたい。
そんな愛と情念の物語であるように思います。
エピローグの「過去と未来」が結構好きかなー。
外側から見た、今回の一幕。
どうしようもなく止められなかった破滅の裏側。
麻貴先輩は、どうにかできた部分もあったんじゃないか、とも思わないではないですけど。
全てはもう終わった話、ですからね・・・
コミカライズもどうやら最後になるようで、終わりに一気にまとめていったのは少し残念。
カバー裏の再開後の後日談が本編の重さとは全く違って、少し和みました。
どうせなら他の巻もやって欲しかったような。
しかし、ここまで丁寧にやっていると、中々難しいのかもしれません。
原作完結したのもそれなりに前の話ですからね。
なにしろ、後数冊で「ヒカル」シリーズも終わろうっていうんだから、大分前ですか。
まぁ、良い最終回だった、ということで。