気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

魔弾の王と聖泉の双紋剣

魔弾の王と聖泉の双紋剣6

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「他者の正しさは、君の納得を担保しない。君が迷うのは、君が心から納得していないからだ。故に導きだされる答えは、こうなる。君に必要なのは、君の中の正しさをはっきりと見つけることなのだろう、とね」

 

アスヴァールの戦乱が終わった後、次の戦いが始まる前の合間を描くエピソード。

第一話は「エリッサ商会」。リムの知人でもある行商人の少女エリッサのお話ですね。

彼女はジスタートでは珍しい褐色の肌に銀髪、赤い瞳と異国の血を引く風貌のため、いじめも受けていたようですが……。

珍しい容姿ということは、他の人の記憶に残りやすいと言う事だから、善い行いをすれば信頼を勝ち取れるというリムの教えを胸に、商人として堅実に生きているのが好ましいキャラでしたね。

 

戦闘方面でも秀でた姿を見せる女性が多い魔弾の王シリーズではありますが、エリッサは一般人なんですよね。

盗賊がたむろしているから危ない、という話を聞いて引き返す選択を取ろうとするくらいには。損切りも視野に入れられるの偉い。

でも、何の因果か彼女は流浪の戦姫オルガと……アスヴァールの戦乱を生き伸びた旧魔弾の王と出会い、友人としての縁を育んで助けられることになるんですから、数奇な運命を持ってるなぁと言いますか。

 

そして第二話は「最後の円卓の騎士」として、蘇ったサーシャが得た穏やかな暮らしについて描かれます。

アスヴァールの田舎にある村で、子供達に文字や計算を教えていたようですが……先日まで戦争をしていたこともあって、野盗の問題が近づいてくるなど平穏ばかりではありませんでしたが。

 

第三話は「ライトメリッツの春」。エリッサがリムとティグルに会って色々と話す短めの章で、エピローグ1みたいな味わいでした。

後書きで語られていましたがエリッサの出身であるカル=ハダシュトが第二部の舞台になるそうですから、そこに繋げるためのエピソードなんだろうなぁ感。

エピローグでは、復活したサーシャについて聞けばそりゃ動くよな……と納得のシーンで、詳しい会話については描かれないのも味わいがあって良い。

魔弾の王と聖泉の双紋剣5

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「王の資格はその血だけに宿るものではない。みよ、そこの下僕の凡庸な顔を」

(略)

「王の資格は、そのありかたに宿るのだ」

 

アスヴァールの争乱が決着することになる巻。

リネットが殺されてしまったのは本当に残念でなりませんでしたが……彼女の来歴とアルトリウスの契約がぶつかってしまったが故の不幸な事故だったようで。

納得できるかと言えば、当然できず。ギネヴィアもしばし落ち込んでいましたが。それでも再起してくれたのは良かったですね。

 

この戦争において、一番戦功をあげたのはティグルであることに疑いはなく。

けれど彼はあくまで異邦人であり、故郷へと戻って行くことが約束されている。

多くの血が流れた戦が終わった後のことまで考えて、重要な個所を普通の兵士たちに託すことが出来たのは良かった。

……もちろんその分の代償は重く大きいものでありましたけど。

 

復活した円卓の騎士たちは、精霊契約の縛りがある中で各々の誇りを持っていましたが。

ガラハッドの最期の姿は結構印象的ですかね。生前も破る事はなかった誓約を破って、後を託すのは結構好き。

帯文も「ティグルVSアルトリウス」でアスヴァール編決着、とあるように。魔弾の王の物語、第二部も予定されている(というか積んでる間に刊行もされてる)ので追々読んでいきたいところです。

魔弾の王と聖泉の双紋剣4

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「知ることは、大切です。敵を知らなければ、対応できない。倒すためにも知識を得なくてはならない」

(略)

「ですが、それを受容してはならないのです。理解してはならない。納得してはいけない。魔物とは、きっとそういうものなのです」

 

前回、からくも撃退した魔物ストリゴイ。

いくつもある身代わりの一つをつぶしただけで、本体は逃げ延びていて……けれど、ストリゴイは屈辱を忘れなかった。

 

影法師を大量に動かし、アスヴァール全土で騒動を巻き起こすことにして。

これはギネヴィア派もアルトリウス派も。島も本土も。関係なくアスヴァール全域で人を襲ってます。

既に蘇った死者たちとの戦争によって上層部の人員が削られているのに、二派閥の争い以外でもこうして民草に被害が出ていると、今後国としての体裁整えるのも大変なんじゃないかと心配してしまう。

 

これ本当にどう決着つけるんだろう。今は、戦時中だし都度成果を挙げてくる「竜殺しの英雄」ことティグルが居るから、バランスを取れていますけど。

旗印がブリューヌに帰国した後が大変そうだよなぁ。そう考えると、リネットがティグルと婚約しようとするのも頷ける。

作中でも語られていたように、政治的な意味のほかに彼女個人の思いもあるようでしたけどね。

 

ティグル達は影法師への対策を取りつつ、根本的な解決策としてストリゴイの打倒を目指して。

道中、ティグルとリムはそれぞれ精霊に再会して、助言を貰ったりしていましたけど。リムの方の情報量が少なくて、悩ましい。巫女の血脈、ねぇ。順調に考えるなら王家の事なんでしょうけど、さて。

時を同じくして、円卓の騎士の二人がこちら側に来ていたのは行幸でした。あの戦力が無かったら、流石に厳しかったでしょう。

 

魔物が大々的に行動を起こしたことによって、ヴァレンティナの胸中にも変化があったり。

ストリゴイ対策の為に、一時的に共闘できないかとアルトリウスに使者を送ることになったりと色々と動いています。

しかしまぁ、アルトリウスの思惑も本当に分かりませんよね……なんで最後、あぁなるんだ。続きが読みたい。


魔弾の王と聖泉の双紋剣3

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「気に入ったよ、ティグル。この地の人々を代表して、感謝を。その作戦で行こう」

 

蘇った死者と言う特殊な存在に引っ掻き回されているとはいえ、やってることは内乱で。

なのに略奪許可とか出すんだものなぁ。王族すら殺されている中で、そういう事やってると、終息後に国力落ちて大変そうですけどね。

まぁ、提案した侯爵含めてアルトリウス軍の奇襲によって多くが死に、わずかな手勢が辛くも逃げおおせたという感じではありますが。ギネヴィアやリネットは頭が痛いことでしょう。

敗走する勢力を救出する傍ら、ティグル達は古い神殿に辿り着き、そこでアルトリウスの過去を見る。

 

敵の情報があまりにも少ない中で、それは何かの手がかりになるのではないか、と他の神殿を調べに行くことを決めて。

別の場所では、円卓の騎士となったサーシャが指示を受け、ある地方で起きた怪事件の解決に足を運ぶことに。

それぞれが別の思惑の元に行動して鉢合わせるんだから、天の導きとでも言いましょうか。

 

即座に切り結ぶのではなく、一時休戦してこの地の問題を解決しよう、と妥協できたのは何よりでした。

本当にサーシャが強いし、神殿巡りで明らかになった生来のアルトリウスの強さなんかもありますから、どうやってアルトリウス一派を倒せばいいやら、ますます分からなくなってきましたな……

ティグル達がずっと暗中模索しているし、猫の王は種族的に仕方がないとはいえ、全てを明かしてくれるわけでも無いので、焦れてくる。

とはいえ、少しずつ手掛かりは得ていますし、前進してないわけではないので今後に期待。

魔弾の王と聖泉の双紋剣2

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「まだ身体ができていない幼少期から剣を学ぶ者は、今すぐ強くあろうとしてはならないと、どの流派でも教えます。それではいずれ成長したとき、ひどくバランスの悪い剣術になるからと。おそらくそれは、学問でも何でも同じなのでしょう。人は、いつか成長が止まった時に完成していればよいのです」

 

蘇った戦士たちによって騒乱渦巻くアスヴァール島。

偽アルトリウスは、王族や背いた者にこそ容赦のないものの、恭順した者は臣下として認めて運用しているとかで。

ギネヴィア派はギリギリのところで踏みとどまっている感じで、バランスが崩れれば瓦解しそうな所が他シリーズよりも強くてハラハラしますね。

 

舞台がアスヴァールという、ティグルやリムにとって異国でバックアップが心もとないのもありますし、敵が何を企んでいるか分からない神器を扱う伝承寄りの強者という事もありますが。

そこに本編では病を抱えていたサーシャを蘇らせて、完全無欠の戦士として鮮烈に加えるんだから容赦がない。いや円卓の騎士だけで持て余してるのに、本当に鬼。

後書きでもサーシャのスペックの高さについては触れられていましたが……ロラン以外と対峙した場合の原案担当の川口先生のお言葉よ。逆にあれと張れるロランが凄いというべきか。

 

サーシャを交えた会戦は、一先ずの決着はついたものの損害も多く。

ギネヴィア派は、未だ騎士を鮮明にしていない諸侯を取り込もうと動いて。

アルトリウス陣営も、本土に派遣していた円卓の騎士を戻したりもしていましたが。

蘇った人々もまた一枚岩ではないのが明らかになったと言いますか。モードレッドが、ヒールとして完璧なロールを徹底していたよなぁと言いますか。

あそこまで悪者&小物ロール出来るのは凄い。態度に見合った実力があるのがさらに酷い。

新たな円卓の騎士との戦いもあり、ギネヴィア達はいくらかの情報を獲得していましたが……まだまだ後手に回っているなぁ、という感じ。

どうしたって劣勢側なので仕方ない部分もありますが。サーシャ、アルトリウス、弓の王。少なくとも敵には強力なカードが三枚あって、結果がどうなるか不安で仕方がない。



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