気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

鴨志田一

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない

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「受かると思ってる?」

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「受かってほしいとは思っています」

 

12月が過ぎ、3学期。

麻衣との高校生活も残りわずかとなり……受験本番の季節。

それはつまり、三年の麻衣や同じ学校に行きたいと勉強するようになった咲太が望む大学受験だけでなく……高校受験も迫っているという事で。

 

花楓も、本調子ではないけれど、義務教育である以上卒業する事になってしまう。

故に彼女の進路問題も浮上してくるわけですが。登校を再開したばかり。

居なくなってしまった『かえで』が勉強していた分が『花楓』の中にも残っていて、全く勉強ができない、という状況にはなっていない。

故にいくらかは選択肢があるけれど、通学実績がないため内申点での評価がない等課題も多くて。

 

父親やカウンセラーがしっかり言葉を尽くして、説明会なども案内してくれて。

咲太がしっかり、花楓に対して兄として心配しつつ、応援する姿勢を取ってくれたのが、本当にいい兄だなぁ、と思いました。

本人的にはそういう自覚……というか自信はないようでしたけど。

今回のメインは花楓が前に進むために、何を選択するのか、という感じで咲太や麻衣もそれを応援し、見守るスタンスだったので、思春期症候群絡みのトラブルがあったこれまでと比べればかなり穏やかだった感じですけど……

まぁ、次に向けての伏線はしっかり引かれていましたけれど、今度はいったい何が起こるやら。



Just Because!

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じゃあ、何が理由なのか。どんな理由があるのか。

この問題を解くのは簡単だ。

瑛太はもう答えを知っている。

彼女が夏目美緒だから。

答え合わせは、たぶん、必要ない。

 

アニメでやっている「Just Because!」の原作小説。

作者も絵師も好きなので、気になってはいたんですが……アニメ見れないエリアでくやしい思いをしておりました。

一応ニコニコとかの1週無料放送なんかで飛び飛びで見たりはしてるんですが。……飛び飛びなのは仕事状況とかで、慌ただしくしていて見逃したんです。

 

瑛太と美緒、二人の視点メインで進むので、他の場面の描写がかなり抑えめですね。

アニメの方だと他のメンバーも交えた、高校生活最後の三か月が描かれていますし。瑛太たちが居ない場面の描写なんかも入るから、どうしてもあっちの方が情報多くなりますね。

陽斗の友人男子二人とか、恵那以外の写真部の事とか、判りにくい部分があったのは残念。

限られたページ数の中で上手くまとめてあったり、瑛太と美緒の心中がしっかり描かれていたのは良かったです。

 

チャプター5の「デートに誘ってもいい?」「ダメ」のやり取りとかは、中々いいシーンだった。

誰も彼も不器用だなぁ、って感じではありますが。その中でも、必死に前に進んでいる彼ら彼女らの青春模様は、等身大の物語という感じがして、読んでいて心地よかったです。



青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない

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「僕は……もう……幸せなんだ……っ!」

(略)

すぐそばにある小さな幸せに気づくこと。

もう手の中にある小さな幸せに気づくこと。

それこそが、幸せなんだと……何度でも咲太は自分に言いたかった。

 

初恋の相手、年上の翔子さん。病魔に苦しむ幼い翔子ちゃん。

彼女の為に無茶をした咲太ですが……失敗してしまい、麻衣が犠牲に。

失われてしまった未来の物語が最初に描かれていましたが……いやはやこれは辛い。

抜け殻のようになった彼を、心配してくれる人がいたのは良かった。

あそこで周囲に責められ続けたら、また動くことはできなかっただろうから。

 

失意の彼の前に、大人の翔子さんが現れて。

彼女と同じ、思春期症候群を使って過去を替える為に動き出し。

ここでも人の手を借りて、助けてもらいながらなんとか事故を回避していました。 

この泥臭さが咲太だよなぁ。
……けれど、そうして戻っても、全てが解決したわけではなくて。
咲太は色々と葛藤していましたが。 

 

戻ってきた後に出会った双葉の反応が良かったなぁ。

咲太は自分を犠牲にするだろうと思っていて、不安だった、と。

まぁ確かに一度はそうしたわけですし、言い訳のしようもないよな……

「可能性がある」とも言えない、奇跡的な確率を願い、行動していましたが。

最後の最後、未来を掴んだのは翔子自身であった、と。
奇蹟が起きた事に賛否はあるかもしれませんが……頑張り続けていた咲太が何かを失うのではなく、翔子も翔子の方で未来を得た、という決着は大団円と言っていいものかと。 

まだ続きを書く気はあるようなので、この後どういう展開にするのかは気になるところ。

 

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

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(前略)それでは麻衣のせいにしているみたいだ。

決めるのは咲太でなければならない。

(略)

立ち止まっていても答えが出ないのなら、歩き出すしか方法はなかった。

 

満を持して登場した、咲太の初恋相手「翔子さん」。

彼が知り合った中学生の翔子ちゃんとの関係がついに明らかになるわけですが……

今回はまた一段と重いなぁ。

思春期症候群によって、色々と抱え込んでいたものが表に引きずり出されるのはこれまでもありました。

 

翔子さんの事情を知り、咲太の胸の傷の秘密なんかも明かされて。

答えが分かってしまったら、どちらかを選ばなければいけない、というのは残酷だよなぁ。

どちらも大切で、時間ばかりが迫って来る。

そんな中で、咲太はまた自らの心に従って、答えを出していくわけですが。

今回ばかりは彼も結構悩み、涙する場面もありましたね。けれど、結局根幹の部分ではぶれていなくて。

 

けど、彼が行動したことで変わってきたことがあり。

大切にして来たものがある。だから、最後の展開はある意味で必然だったのだとは思いますが……

翔子の抱えている問題が解決したわけでもないのに、次の課題がやってきて。

今回大分悩んでいて、彼が出した答え。それが間違っていた、という事でしょう。だから、次の問いではよりよい答えを見つけてほしい所です。

シリーズ7弾目は10月に発売予定みたいなので、今から待ち遠しい。

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-06-10
 

 

青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない

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長くて険しい道になるだろう。
だが、咲太の心が臆することはなかった。むしろ、立ち向かう気持ちしかない。
今さら驚く必要は無い。臆する必要は無いのだ。
なぜなら、この日を迎える心の準備はとっくの昔にできていた。

今回はついに、咲太に手紙によって接触を図ってきた翔子さんの話……になるかと思ってましたが。
タイトル通り、妹のエピソードに乗っ取られてました。
麻衣との交際騒動の時に流出した映像を頼りに、かえでの友人が咲太を訪ねてきて。
妹の方も思うところはあったようで、引きこもってばかりの現状を変えよう、と「学校に行きたい」という目標を立て。 

兄として咲太がそれを支えていくわけなんですけど。
彼は本当に、自分が大事なものに対しては臆さないというか、行動力にあふれているといいますか。
兄妹としての距離感としては微妙なものがあるとは思っていましたが、それは過去の事件に起因するものだと思っていました。
けど、かえでが抱えていた事情は、確かにそこらへんに根っこはあるけれど、違う問題で。

花楓とかえで。咲太が見ていた二人の妹。
失ってしまったものと、それでも残っていたもの。
彼にとってはどちらも大切なもので、最後、取り戻せたはずなのにまた失ってしまって。
これは、痛い。咲太の嘆きがよくわかる。
彼にはもう一人妹がいたようなもので、それがいなくなってしまったというのだから、悲しくないはずがない。
また、胸の傷からの出血が生じたりしていましたが、これは花楓になったために発生したのか、そもそも咲太自身に寄る思春期症候群なのか。
満を持して、翔子さんが登場して、最後ちょっと修羅場っぽくしてましたが……自由だな、この人は……

青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-09-10

青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない

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「咲太って生き方が無気力じゃん」
心外な発言だが、強く否定できる気もしない。
「がんばるとか、ダサいって思ってるのかと思ってた」
「他人の努力を笑うようになったら人間終わりだろ」


麻衣久しぶりに会えると思ったら、また思春期症候群に襲われて。
今回は、麻衣とその妹である新人アイドルの豊浜のどかの中身が入れ替わってしまって。
これが面倒なのは、麻衣ものどかもそれぞれに仕事を持っている所ですよね。
お互いのスケジュールを確認して、入れ違ったまま仕事に臨むことに。
ただ、思春期症候群が発生している時点で、うまくいくはずもなく。

のどかが麻衣の異母妹である点がさらにややこしくしているといいますか。
それが無ければ接点もなかったんだから、こんな現象に巻き込まれることもなかったわけですが。
麻衣の方は努力して、「アイドル・豊浜のどか」をしっかり演じ切ってました。
一方で、コンプレックスを持っていたのどかの方は、麻衣の仕事で一度失敗をしてしまって。
喧嘩もしていましたし、何とも面倒な状況ですね。
それでも咲太がいつも通りで安心したといいますか。
主人公の軸がぶれないので、読みやすいです。
咲太と麻衣の関係が、結構絶妙な距離感といいますか、二人とも楽しそうで見ていて心地よい。

あとは、毎度おなじみのさくら荘からのゲスト。
今回は生徒会長とはうはうでしたね。
咲太が中々見れないレアな場面に遭遇してましたが。
幸せそうで何よりです。
本編は、結局すれ違っていたようで、大切だった姉妹の絆のお話。
割とオチは読めますが、思春期症候群という非日常の要素がありながら、しっかり心情描いていたりとか安定して面白いです。
最後には翔子からの手紙が入っていて、また事態が動きそうですけど、どうなりますかね。

青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-05-09

青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない

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「普通、ここは『少しずつでも自分を好きになって行けばいい』とか、『双葉にもいいところはいっぱいある』とか言うべきなんじゃないの?」
と言ってきた。
「そんな前向きな生き方、疲れるだけだろ。自分大好きな奴ってウザいしさ」
 無理やり嫌いなものを好きになんてなれない。好きになろうとすればそこに摩擦とか圧力とか、何らかの無理が生じる。それが自分を苦しめるだけなら、前向きに諦めてみるのも一つの手だ。それで救われるものがあることを、咲太は二年前に学んだ。かえでの件を通して知った。戦うだけが全てじゃない。それでいいのだ。


二年前にあった、咲太の初恋の相手、牧之原翔子。
高校生だったはずの彼女は、再開したら、中学生になっていて。
思春期症候群のような気がしますが、咲太が中心なのか、翔子が中心なのかは気になるところです。
ただまぁ、今回は翔子の事情が明らかになったりとか交流したりもしていましたが。
ロジカルウィッチ。科学の輩、双葉理央がメインなわけで。

咲太と双葉、それに佑真。
どこか歪なようでいて、それぞれ馬があっているんですよね。
いい友人関係を築けている。帯にもありますが「友達だけど好きになっちゃった」。
好きな人には既に彼女がいて、なんだかんだでそこの関係は強いようです。
咲太を嫌い、時にそれでケンカしながらも付き合っているんだから、あそこのカップルも相当な感じ。
今回、嫌っているはずの咲太に理央の話をしたあたり、単なる嫌なヤツではない気もしますが。相当不器用というか、逆にまっすぐすぎる感じ。

咲太も、思春期症候群に巻き込まれまくってて、あまり長く交流で来てませんが、美人の彼女がいるわけで。
自分が嫌いだという理央は、不安だったんですよね。
彼女の実家も、温かさとは無縁の場所のようですし。
だから彼女は孤独で、寂しかった。頼ろうとして、頼れなくて。
けど、咲太は「青春ブタ野郎」で自分の事ならいいけど、他人のためなら行動を起こせるヤツだし。
佑真だって、深夜に呼び出されても、事情を聴く前にすぐに飛んできてくれるわけで。
そんな二人と友人である彼女が、孤独であるはずはなかった。
ちょっと異常な症候群が挟まっている物の、大分まっすぐ青春しているなぁ、という感じです。

そして一つ事象が片付いたと思ったら、また次が発生するわけで。
いくらなんでも咲太の周りで、頻発しすぎじゃないかなぁ、コレ。
咲太もまた「ラプラスの悪魔」だったりするんだろうか。最終的にそうやって壮大な夢落ちにされると萎えるのでやめてほしいものですが。
興味を持っている記者の方とかもいるわけで、症候群についても何がしかの回答みたいなものがシリーズを通して示されるといいんですけどねー。

青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-01-10

青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない

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「別に全人類に好かれるために生きているわけじゃないからな」
「わたしはみんなに好かれたい……ってか、嫌われたくない」
「僕はたったひとりでいいけどね。そのひとりが必要としてくれたら、生きていける」

タレント業に復活した麻衣。
彼女と、恋人同士になれたはずなのに……咲太は昨日に戻っていて?
とりあえず一日疑問を感じながらも過ごしてはみたが、また同じ日に戻ってしまって。
ループ展開に入り、自分以外にはその現象を覚えている人がいないようだった。
まぁ、咲太の交友範囲って妹、麻衣先輩、友人二人程度の狭い輪だからなぁ……それでもクラスメイトの様子やニュースなどを見て、繰り返しの自覚があるのは自分だけ、と判断した。
双葉に相談をして「本物のラプラスの悪魔を探すんだね」と現象を起こしている引き金となる人物を探せとアドバイスを受ける。

そして出会ったのが、前回奇妙な出会いをした後輩の古賀朋絵だった。
空気を読みすぎる彼女は、友人の憧れの先輩から告白されそうになり困っていた。
告白を受けても断っても、友人グループからは浮いてしまうだろう。
力の強いグループにいるから、そこからはぐれた後、紛れ込めるとこもない気がすると心配そう。
そこで古賀がとったのは、同じように繰り返しの記憶を持っている咲太「恋人」であるという嘘をつき、周囲との軋轢を少しでも和らげようと、あたりさわりなくいこうという行動だった。
彼女がとりあえずの解決方法を見つけたからか、時間はまた進み始めるように。

咲太も、妹と似たような発言をした古賀のことを放っておけず、その偽恋人の関係に協力することに。
麻衣との関係もあるので、期限付きの契約ではありましたけど。
『空気に喧嘩を売っても仕方ない』と、人付き合いの少ない咲太ではありますけど、気に駆けた相手に対してはやっぱり優しいんですよね。
嘘の関係だと、麻衣のことが好きなのだとわかっていても古賀の気持ちを動かしてしまう程度には。
そんな思いに気が付きながらも、麻衣のことが好きだから、と正直に伝える咲太は一本筋が通っている感じがして好感が持てます。

咲太に爽やかすとかイケメンでムカつくとか言われながらも交友を続けている国見。
毒吐きながらもなんだかんだと咲太の相談に乗ってくれている双葉。
絞っている分咲太の友人たちにはいい奴が多いですね。まぁ、国見の彼女とかは1巻で咲太に対して「あんたと仲良くしていると国見の評判が落ちる」とか「国見がかわいそうだ」とか面と向かっていってくるような輩もいるわけですけどね。
国見はなんだかんだでそんな彼女の事を大事にしているようですけど、双葉の方がいいんじゃないのかぁ、とか思います。
友人の想い人だからどうしようかなーと古賀が対応に困っていた先輩も、ダメな部分見せてましたし。

さて、また最後、気になる引きで終わってましたけど。
過去咲太が出合っていた、気になる相手と同じ名前、と面影を持つ少女。
しかし、彼女は咲太よりも年上だったはずで。どう見ても、咲太が出合ったのは中学生くらいだった。
今度はどんな思春期症候群が起きるのかどうか。気になりますねー。
ヒロインが先輩から始まり後輩になり、今度は中学生になるとか、どんどん幼くなっていってまた咲太の評判が悪くなっていく流れなのではないだろうか、コレ。

青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-08-09

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

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「困ってるのに、誰にも頼れないのはしんどいから」

中々面白かった。
ある日、主人公の梓川咲太は、図書館でバニーガールの格好をした女子を発見する。
それは、同じ高校に通う先輩で、活動を休止している人気タレントである桜島麻衣だった。
彼女によれば、ここ数日「彼女の姿が周囲に見えない」という状態になることがあって、それの検証をしていたのだとか。
バニーガールの格好をしている人がいたら、思わず二度見するだろうから試金石としての格好だったらしいですけど。なぜそこでバニーガールなのか。

一方、ネットでは「思春期症候群」という都市伝説が広まっていた。
他人の心の声が聞こえたとか、誰それの未来が見えたとか、オカルトじみた出来事が起こるとか。
ま、都市伝説なので当然市民権を得ているわけでもなく、精神科医に見せても「多感故に不安定な心が見せる思い込み」だとばっさり切り捨てられるような自称。
けれど咲太はそれの実在を信じていた。
なぜなら、妹が過去その思春期症候群でしか説明できないような状況に陥っていたから。
いじめを受けて引きこもりになった妹は、SNSでの悪口を見ると、身体に傷が突然浮かびあがる症状を見せていた。
周囲の人は誰も信じれくれず、母も、妹の置かれた状況を受け入れられず離れて暮らすような状態になってましたが。

妹の影響か、咲太にも怪我が浮かんだことがあり病院に搬送されたこともあった。
その様子に尾ひれがついて「同級生を病院送りにした奴」という、どうにも近寄りがたい存在として咲太は認識されていた。
咲太は咲太で、そんな実体のない『空気』に喧嘩を売るなんて馬鹿げていると、交流を取ろうとはせず、自分の言葉を信じてくれた二人だけを友人と呼び、日々を過ごしていた。
しれっと書かれているけど、中々重いというか。そりゃあこんな捻くれた行動もするかなぁ、という感じ。
デリカシーない発言をすることもありますし。
けど、それでも彼は優しいんですよね。付き合いを極端に絞っている分、その大切な誰かのためになら『空気』とだって戦って見せる。行動を起こせるというのはすごいことだと思います。

最初は、一部の地域で見えないだけだった麻衣。
学校では見える人も多く、普通に通うこともできた。
けれど、見えなくなる時間はどんどん増え、買い物もままならい状況に。
しまいには存在していたことすら認識されないようになっていって、アレは中々辛い。
そして咲太も一度は忘れてしまうモノの、断片は引っかかっていて、それを活用して、消えた麻衣を取り戻した。
交流を通して、距離を縮めた二人。告白して、付き合うことになったと思ったら……
エピローグで、次回への引き。また新しい思春期症候群か、告白が成功した日の「昨日の朝」に戻っていたのだった、と。

「思春期症候群」っていう異質な要素を入れながらも、しっかり真っ当な青春をしていたといいますか。
咲太が結構好きですよ。自分なりの芯がある感じで。心臓が鉄でできているような言動・行動は真似できない。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田 一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-04-10

トラキス A School Odyssey 3

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「そりゃ誰の書いたシナリオだよ」
「こういう時悪党ってのは 全部教えてくれるもんだろ?」


世界を一変させるほどの価値を持つデータを巡る戦いが繰り広げられている、学園島。
勝者は敗者の持つデータを閲覧することができる。
ただし、その方法は、粘膜を介在―つまりキス―をしないといけない。

あれこれ理由つけてキスさせるためにこの設定考えただろ、っていうにおいがプンプンと。
ただ、世界観が結局のところよく判らない。
情報をもたらすものがあり、それに適合したものは、ファイと呼ばれるアバターを顕在化できる。
そして、相手の持つ情報を知りたければ、戦って勝利しないといけない。
ただ、それは良いとしても、メインキャラが、情報を収集しているシーンがないから、相手の持つ情報を知りたければ・・・って言われてもよく判らないといいますか。

1巻でトラが、情報もたらす者に接続していないことが問題視されていたように思います。
ってことは、そういう情報集める義務みたいなものがあるはずで、その辺が描かれずに、バトル一直線なのがなぁ。
よく判らないけど、学園内には序列もあって、序列上位のキャラたちがそれぞれ陰謀を巡らせている感じなのはわかるんですけど、その割には、主人公たちの情報収集能力とかその辺には不安がある。
あと、13番目の人型? とか言っていた割に、人型についての説明もほとんどないような。

情報っていうのが相手の持っている記憶とかその時一番強く抱いている感情とかで、ただひたすらキスするために戦うコメディにしたいのか。
得られる情報とそれに絡む利権をめぐる、陰謀渦巻く中、主人公が勝ち進んでいく学園バトルものにしたいのか。
ちょっと焦点がぼけているような感じ。
説明が全体的に足りていないので、世界についてよく判らないというのが正直なところ。
世界観説明が十分じゃないのに、キャラクターだけは多いから、結局、何が書きたいのかさっぱりわからない。
そろそろ切ってしまおうか。

トラキス A School Odyssey (3) (電撃コミックス)
トマトマト
アスキー・メディアワークス
2013-12-21

プロフィール

ちゃか

 友人に「活字中毒っていうか読書中毒」と評される程度には本が好き。適当に感想を書いていく予定。リンクはフリーでコメントはご自由に。悪質と判断したものについては削除する場合があります。

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