気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

黒鋼の魔紋修復士

黒鋼の魔紋修復士13

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「……珍しくおまえのいうことが正しいのかもしれん」

 

長く続いたシリーズの完結巻。

まぁ、4年ほど詰んでたんですけど。発売日に買っておいて、そんなに詰むなよ……

最近昔の積読の山にようやく手を出せるようになったんですけど、奥付の日付を見るたびにそんなことを思います。なにやってんだ。

 

ディミタールは、叔母から聞かされたディヤウスとノイエスについての知識を王に伝えて。

彼が覚醒しない保証はない、という事で険悪になりかけましたが。

これ以上厄介な敵を増やしてる場合じゃない、という事と。ディーがリヒテルナッハ家で得たある知識のお蔭で命をつなぐことに。

 

カリンとダンテ。ディミタールとルキウス。オルヴィエトとバベル。

因縁対決をこれでもか、というぐらい見せつけてくれて満足のいく最終巻でした。

最後ついに挿絵になってたベッチーナや、カリンの意外な勝負所とか、エピローグもいい感じでしたねー。

黒鋼の魔紋修復士13 (ファミ通文庫)
嬉野 秋彦
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-08-29


黒鋼の魔紋修復士12

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「世の中の人間すべてが、おまえみたいに割り切った考えができれば、もう少し苦労は減ったんだろうがな」

 

オルヴィエト達は動きを止めず。

各国の拠点を破壊し、神巫を襲撃し割と好き放題に動いてますね。

そして、事態を重く見たアーマッドの王は、自国の首脳陣に隠された真実を打ち明けて。

 

神巫に刻まれるコントラートについての真実。

そこからさらに踏み込んだ、アーマッドの隠していた歴史。

いやはや、人の業の深さを感じる話ですね。ありえない、とはとても言えない絶妙な塩梅です。

本来は知るはずのないその秘密すらオルヴィエトは知ってる可能性がある。

だからこそ、口封じに次は殺さなくてはならない、という非情な判断を下せる辺りもいいですねぇ。王様結構好きです。

 

ディーの過去についても明らかになっていましたけど。

リヒテルナッハの抱えていた秘密。過去の、火事の本当の原因。

そうした真実を突き付けられても、戦う事を選んだ彼の覚悟に敬意を。

 

黒鋼の魔紋修復士12 (ファミ通文庫)
嬉野 秋彦
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-04-30


黒鋼の魔紋修復士11

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「何だ、これは!? こんな都合のいいものがあるのなら、なぜさっさと出さんのだ!?」

 

アーマッドを去ったオルヴィエトとルキウス。

ディーは残ったものの、重鎮の裏切りを重く見た勢力によって、連座で獄中の人に。

信頼していた二人の裏切りに、彼自身捨て鉢になってましたけど。

カリンから恩赦のためにヴァレリアがイサークと結婚するなんて噂を聞いて、動き出すあたりかなり入れ込んでますね……

 

ディミタールを救うために、いろんな人が動いてくれて。

バベル猊下の手は反則すれすれというか。王様は面白がって活用してましたけど。

清濁併せ呑む器量を持った王様、結構好きですよ。

 

国を脱した後、オルヴィエトとルキウスは同盟各国での破壊工作に従事したりして、あちこち慌ただしくなってましたが。

裏技使って表に出てきたディーとヴァレリアのコンビが動き出したのは、緊迫した状況下で救いでしたね。いつも通りのやり取りが心地いいこと。

黒鋼の魔紋修復士11 (ファミ通文庫)
嬉野 秋彦
KADOKAWA/エンターブレイン
2014-11-29


黒鋼の魔紋修復士10

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「……アーマッドが世界に誇る〝双璧”は、今夜限りってことだな」
「運がよければひとり失うだけですみます。……もしぼくと猊下の勇み足なら、両方失う可能性もありますが」
「ふたつそろっているから双璧なんだよ。どっちかひとつが欠けても、それはもう双璧とはいわん。……ただのよく光る珠だ」

予想以上にいきなり話が進んでいったんですけど。
・・・オリヴィエトさん、マジですか。
まさかそこまで長年の計画があったとは。
随分と自分に酔っている感じがありましたけど、なにこんなにヤバいお方だったの。
ルキウスやディーもなんか必要な駒としてしか見ていないような気すらする。
しかも発揮されたその実力たるや、恐ろしいもので。
敵の正体がつかめていない状態で、さらに敵陣営が充実するとか、なんのいじめだ。

ディミタールがなんかヤバい状況に追い込まれていますが……どうするんだこれ。
彼の母親が幼いディミタールを殺そうとした理由。
ルキウスとオリヴィエトが起こした行動の真相。
オリヴィエトは何かを知っているようです……というか、全てを知っているというべきか。

ちまちまと気になる情報は出てきているんですよね。
シャキーラが気にしていた理由、イサークに打ち明けられただろう秘密。
カリンが出合った、双子の神巫なんかもいて、各国も動いてはいるようですし。
後書きにもありましたが、南方でも動きっていうのはあるわけで。
状況が複雑になっていくにつれ、描くのが難しくなると思うんですが、そこを何とか乗り切ってうまい決着を見せてほしいところです。

あと、ディミタールさん追い込まれてなんか頭のねじ飛んだのかヴァレリアに対して踏み込んでいってますが……あーそっち行くのか結局、みたいな感じが。ずっとぐぬぬさせててよかったのに。
地味にツッコミを入れたのは、ディーがアンヘルの正体に気が付いていたところですか。
シャキーラとの会話でしれっと零してましたが・・・本当ディー、有能ですよね。
このまま切り捨てられるって展開にはならないと思いますが、さてどう乗り切るのかなぁ。

黒鋼の魔紋修復士10 (ファミ通文庫)
嬉野秋彦
KADOKAWA/エンターブレイン
2014-07-30

黒鋼の魔紋修復士9

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「少なくともわたしにとって、神のため、人々のために働くのは、何か見返りを期待してのものじゃないから」
「けどよぉ――」
「もしそんな打算がわたしの中にあったのなら、わたしはそもそも神巫の候補にすらなれなかったと思う。――神巫になれなかったからといって困っている人々を見捨てるようじゃ、それは神に対する裏切りだわ」


安心安定の短編。
本編とは違った面白さを見せながらも、少しずつ設定を見せたりとか。
手堅い出来ですよね。
しかし、これ読んで思ったのは自分がやっぱりヴァレリアが苦手なんだなーと再実感。
いや、今回の短編では、出番ほぼないんですけどね。その分、すらすら読めたんですよ。
前回は特に失敗したあたり「うわー、さすが『ぐぬぬ』」と思ってちょっと手が鈍ってましたけども。

さておき本編。
『お嬢様、それはご勘弁!』
『おお、シジュベール!』
『夢の続き、もしくは少女変転』
の3章構成。

『お嬢様、それはご勘弁!』はディミタールが生意気な荷物を拾って面倒事に巻き込まれる話。
送り届けた後、真面目に対応したうえで仕事をしっかり考えたうえで投げたりと、有能ですよね。
しかし、悪ガキが悪戯していると思ったうえで、荷物を川に沈めるとか鬼だ。
やっぱりディミタールのこういう、しれっと酷い手を打つというか、なんにでも容赦ないあたりは好きですよ。

『おお、シジュベール!』はタイトル通りシジュベールの話ですね。
このタイトルで出てこなかったらタイトル詐欺にもほどがありますが。
シジュベールは正直、アーマッドの王子様との比較でダメ王子路線なのかと思ってましたが。
前回登場した時の、最後、魔導剣回収していたり、今回の件しかり油断ならない感じがしますね。
本人は傑物じゃないけれど、という見せ方は見事。

『夢の続き、もしくは少女変転』
最後の話は、なるほど、こうまとまるのかと。正直驚きました。 
いや、正直最初の方は、いったいこの話の主人公は、どうかかわってきているんだろうか、と思っていたんですよ。
「ついに語られる」 とあらすじで謳われているのに、出てきたことあったか、と本気で考えていた。
で、読み進めていって、あのシーンで真相を知るとこれまでの怪しさはこういうことだったのかと納得できるわけで。
しかしまぁ、リタの精神は、尊いですね。
例え神巫になれなくても。それでもなお行動を起こせるのは素晴らしい。
精神性でいうなら、ヴァレリアよりも大人なんじゃないだろうか。
読み進めるたびに、どうしてヴァレリアは主席に収まれたのか疑問しか生じない。
力があるといわれても、案外苦戦していることが多かったりするじゃないですか。

さて、あとがきでいろいろと触れられていましたね。
今回短編を挟んだのは、次回以降物語が動くから、ストーリー的に転換期を迎えるからだとかなんとか。
ギャラリナの祖国は結構変人が多いのか、とか。
途中で思わせぶりな登場をしていた人物が、カリンに言わせればお飾りだとか。
その辺あとがきで補完するエピソードなんですか。
というか、ここでその実力分析されているってことは、カリンに一流半って評価されたキャラは、 もう出てこなかったりすんだろうか。

さて、次巻以降からクライマックスに向けて加速していくそうなので、期待して待ちたいですねー。

黒鋼の魔紋修復士9 (ファミ通文庫)
嬉野秋彦
KADOKAWA/エンターブレイン
2014-03-29
 

黒鋼の魔紋修復士8

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「男も女も命の重さには変わりないんじゃないかな?」
「……そういうセリフは、ふつうはもっと人道的な話題の時に使うものじゃありませんかね?」


あれー、なんかラブコメの香りがしますよ……?
1巻読んだときは、そっち方向には発展しないだろうなぁ、と思っていたのに。
ヴァレリアとディーが互いに距離を取ってぎくしゃくしている、という描かれ方は結構よかったんじゃないでしょうか。
ただ、この作品で言い続けてますが、ディーは好きなんですが、ヴァレリア苦手で……
恋愛色がそっちに向かうと、ちょっとなぁ……

だって、ヴァレリアあちこち酷いじゃないですか。ぐぬぬがコンセプトとはいえ。
今回もまた凄い失態しますしね。
最近まともになって来たかなぁ、と思ってきたところだったのに。
状況が状況で、ちょっと不安定になっていたとはいえ、下手打ったなぁ、という感じで。
本当にどうしてカリンが首席じゃなかったのかと。
アーマッドは神巫を働かせるなら、その辺の事情についても呑み込ませる教育した方がいいと思います! 
安定・安心のカリンの活躍を待ちたい。
ヴァレリアの言動は読んでいてひやひやするので。

しかし、1巻ごとのクオリティは高いと思うんですけど、どんどん風呂敷広がっている感じはしますよね。
あちこちで断片だけ描かれている、ネレイダの行動原理とかが結局よく判らないというか。
なんか秘密持っているみたいですし、ダンテとかと接触するとか色々動いてはいるみたいですがねー。
ディー達と間接的にしか関与していないから、そろそろ対面してもいいんじゃないかなーとか。

他にも気になっているのは、いくつかありますけどね。
前回逃げた、変態の姉の思惑もそうですけど。神話に関する考察もまた気がかりではありますか。
少し前にダメダメだったのに最後逆転とまでは言わないでも、なんか剣とか回収していた王子もいましたし。
そこの国に関して言えば偽りの神巫もいましたよね。逃げ延びてるだろうけど、再登場はいつだろうか。

アーマッドだけじゃなくて、それぞれの国の考えが入り乱れているのは結構凄いと思いますけどね。
イサークはイサークで食えない皇太子で、味方にしてると心強い面はありますが、今回ディーにやらせた任務とかも合わせると、しっかり黒いしなぁ。

しかし、振り返ると割とあちこちで撃ち漏らしているといいますか。
ディーと戦った相手は結構死んだりしてますけど、立場ある手前、監禁とかで済んでるんですよね…
ダンテとかもそうですけど。それがのちのちの禍の芽になってるみたいですけど、どーなることやら。

黒鋼の魔紋修復士8 (ファミ通文庫)
嬉野秋彦
エンターブレイン
2013-12-26

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ちゃか

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