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「(前略)だから君に誰かを殺し殺される覚悟がないのなら、俺は剣術を教えることはできない」
(略)
「そう、言いたいんだけどね。あいにくとこの世界は命が軽い。君が誰かを殺そうと思わなくとも、誰かが君のことを殺そうとするかもしれない。この世界に来て最初に遭遇した連中のことを思い出すといい」
(略)
「その時、俺が傍にいてあげられればそれでいい。けど、常にそうだとは限らない。だから俺は君に命を懸ける覚悟がなくとも剣術を教える。君には自分の身を、そして君にとって大切な人を守る術を身につけておいてほしいんだ」

小説家になろう連載の作品。
異世界転生モノ。
「第一章 異世界にて目覚める 第1話 前世」~「五章 思い描いた未来の先で第111話 黒の騎士、その名は」まで。
 
現代社会で生きていた大学生としての記憶が、異世界のスラムで生きていた少年の中に宿って。 
大学生、天川春人は交通事故で死んだと思ったらスラムにいるんだから、驚いた、なんてものではないですけど。
春人としての記憶、リオとしての記憶。
それらは欠落なく揃っていて、融合したような状態になって混乱もしてましたが。
偶々、王族の誘拐事件に出くわして、春人の知識にあった武術を応用して助けだしますが。
スラムの孤児がそんな力を持っていることを怪しまれて、尋問を受けたり。
褒美として教育の場を与えられたけど、身分差故に居場所もなく。最終的には、濡れ衣着せられて国を脱出する羽目に。

異世界転生ものの常で、彼もチートじみた能力を得ているわけです。
強力な精霊の加護だったり、現代の知識だってチートになるような、魔法がある中世風異世界ですし。
友誼を結んだ人々から、貴重な武器やアイテムをもらったりと、恩恵はある。
春人は、かつて約束した幼馴染が行方不明になり、少し枯れていた部分がありますが。
その設定すら、転生ではなく「異世界召喚」というネタが入ることで、再会できるというイベントになっているわけですが。
……力はある。意志も、覚悟もある。けれど、今のところ、報われていないのが辛い。
リオ、或は春人は、力に慢心せず、努力を怠らず、一人で生活できるような術にも長けて、そこそこ好感が持てるんですが。
そんなのを鼻で笑うように、色々と不幸が重なっているわけで。
ようやっと、彼が踏み込んだと思ったら、台無しにする輩なんかも出てくるわけです。
 
春人の幼馴染が巻き込まれていた「勇者召喚」。
あちこちバラバラに召喚されて、確保した国家がそれぞれの思惑を以て相手に接しているようですけど。
この「勇者」たちのキャラがなんというか、格が違うというか。
沙月なんかは、覚悟を決めて、立ち位置を決めているからいいとは思うんですが。
貴久が状況引っ掻き回すだけで。もうちょっと頭使ったほうがいいんじゃないのかなぁ、年長者なんだし。ちょっとみっともないというか、笑えるぐらい自爆で株価下げてるから、全てが明るみに出た時どうなることやら。

感想蘭で色々あったりしたようですが、私生活に問題ない範囲で、更新続けていってくれればいいんですがねー。
コンスタントに更新してくれた方が読者としてうれしいというのはありますし、長期停滞すると不安になるので難しい所ですが。私生活犠牲にしてまで続けられてもこっちも混乱しますし。 
現状、良い目をほとんど見れていないリオに、どうか救いがあってほしい所ですけど。
気長に更新を待ちます。活動報告によれば、ちょっとは予約が設定されてるみたいなので、それ待ちですか。