気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

I-IV

86―エイティシックス― Ep.7ミスト

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「もう充分、助けられた。……俺たちもいい加減、解放してやるべきだよな」

 

……え、ライトだった、だと……?

表紙が綺麗で、作者様もTwitterでライト回と仰ってましたが。

いや、騙されんぞと思って読んだら、本当に『86』なのかと思うくらい穏やかな時間が流れていて驚かされました。

 

立て続けに過酷な戦線を超えた、独立機動打撃軍に休暇が与えられることとなって。

ヴァルト盟約同盟にて羽を伸ばすことに。連邦のお偉いさんたちが、悪の大幹部ごっこしてたのには笑ってしまった。言葉に出さなかった副官は偉い。

お互いを意識しているシンとレーナが、見ていてもどかしいから、そろそろくっ付けと周囲が有形無形の援助をしているのも良かったですね。

 

エイティシックス達が驚いたように、シンにも変化があって。人間味が増したというか、柔らかくなりましたよね、態度が。

レーナの方がハッキリと自覚せず足踏みしていたのは、ちょっと意外というか……休暇中に割り込んできやがった、共和国の人材を思うと、納得できる部分もありますが。

 

いやまぁ、本当に未だに価値感変わらないんだな。地獄を見ただろうに。いや、地獄を見たからこそ、責任を押し付けたいのか。

共和国から更に西にある国家の生存も確認されて、狂国とか呼ばれていたのが恐ろしい。え、この大陸あの邪悪よりも評判悪いとこあるの……?

 

同時に、第三国の協力のもと前回確保した「無慈悲な女王」の尋問も行われていたようです。

最初は情報部が行っていたものの、成果が上がらずシンやヴィーカが駆り出される状況にもなってましたが。

難航しながらも得た情報が、値千金かつ爆弾みたいなもので、恐ろしい。


86―エイティシックス―EP.6 ―明けねばこそ夜は永く―

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「死ぬかもしれなくても、だからって死ぬために戦ってるわけじゃない。欲しかったのは意味だ。自己満足かもしれなくてもそれでも、……納得して生きて、納得して死にたいってそう思って、」

いずれ必ず、死ぬとしても。

それだけは。

 

ロア=グロキア連合王国編、後編。

1巻を読んで、最新刊までまとめて読んだんですが。もっと早く読んでればよかった、と思うと同時に、56巻を続けて読めたのは幸せだなぁとも思いました。

 

〈シリン〉の存在。その使われ方。

エイティシックス達は、戦場に在るという誇り一つで戦ってきて……迷子になっていたようなものですよね。

それをレーナは囚われていると言って。アネットが伝え損ねた、目指す先が見えないという気付き。シンの迷いを、ベルノルトは「可愛げ」と表現して。過去の戦いぶりを知る整備士グレンには「変わってない」と口にした。

 

そうした迷いの中で、シンが珍しく失態を見せたりもしていましたけど。

レーナと喧嘩して。彼女の方も机に伏せて涙を見せることになったり。

グレーテがレーナに優しく接してくれたのは良かったですね。

シンはヴィーカに「どこかで思考を止めている」と指摘されてましたが。

迷子になって、立ち止まっては居られなくて。進み続けた果て、帰る場所を見失っていた子供たち。

 

エイティシックスの生き残り、リトの言葉が。臆病ながら言葉を紡いだシンの態度が。

あの苛烈な戦場において、輝いて見えました。

人の可能性は、まだ広がっているなぁ、と思う一方で……レギオンの的確すぎる動きに、情報漏洩が疑われていた件。まーたあそこか……みたいな雰囲気が。

後書きによると次回はライトらしいですよ! うそだ……



86―エイティシックス―EP.5 ―死よ、驕るなかれ―

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「優しいひとは、幸せになるべきです。正しい人は、報われるべきです。人の世界はそうあるべきで、今そうでないというなら、そうなってほしい。……そうやって少しずつ、人は理想を――実現してきたのですから」

 

ロア=グロキア連合王国へ派遣されることとなったレーナ達。

共和国での実験でレギオンに量産知性体が増え、連合王国も苦境に立たされているとのこと。

情報共有や技術交流などを行っていましたが……いやはや、連合王国で採用されている対レギオン兵装もまた凄まじい。

 

「己が何を以て、人たるか。言い換えるならば、そう、何のために己は生きるかというところか。それを問うためには――良い出会いであったやもしれぬな」。

というフレデリカの言葉が、的確ですよね。

〈シリン〉。トリアージで助からないと判断された、希望者の脳データを使用して作動する、レギオンの羊飼いに近い代物。

エイティシックス達は、根幹を揺さぶられたようですね。

 

今回は、シンを筆頭に、多くのキャラクターが迷っていたように思います。

ある意味においては、そうやって考える機会を得られたのは、幸いですけどね。

削られて生きて来た彼らが、それでも戦場に立つというのなら。軸を定めてブレないようにするのは必要だったことでしょう。

とは言っても、人の業って言うのを突き付けられるようで、ここまでするか、とは思いましたし。作戦とはいえ、あの行進には鳥肌がたった。一瞬立ちすくんだ、という気持ちが少しだけ分かるような気がしましたね……

 

あ、あとダスティン君は、うん。頑張れ。からかわれ続けるだろうけど、上手く馴染めるきっかけにはなったのでは……?

イディナローグの異能を「頭が良いだけの単なるアホ」と評した場面も笑いました。美学は大事だろうけど、オイ!?



86―エイティシックス―EP.4 ―アンダー・プレッシャー―

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「わたしはそれが――とても哀しい」

 

ついに再会を果たしたレーナとシン。

二人の距離を測りかねている交流が、微笑ましくていいですねぇ。

エイティシックスを生み出した共和国への風当たりは激しく、レーナも正式に着任するにあたって洗礼というか報復を受けてました。

放っておいて爆発されるよりは、監督下で発散させた方がいいという考えもあったようです。

 

それを「自分が受けるべき罰」と行ってしまうのがレーナの優しさというか、非情になり切れない部分で。

シンはそれを否定した上で、以降は「権限と責任がある」から叱責するように

シャワー中に通信をつなぐ所とか、その後の交流とかは、ちょっかい出したくなるのも分かる初々しさがありました。

 

とは言え、可愛らしく思えたのも最初だけで。

今回は、共和国の北域奪還作戦。エイティシックスの生き残りを主力とした打撃軍を構成し、赴くことに。

しかしまぁ、共和国の生き残り。従軍を志願したレーナ達のように、危機感を持っている人も居れば、救いようがない人もいて。

憂国騎士団は、ひどかった。絶句しましたね。まだ、あんな思考でいるか。そんな人が代表として、指示を集められるのか。

エイティシックス達は迫害もいつもの事と聞き流していますが。同時に白ブタとも口にしていて。最後レーナが抱いた哀しみに、共感してしまう。

削ぎ取られた、という表現が生々しくて、痛い。

 

共和国の副都奪還作戦。

歴戦のエイティシックスが多いので、順調に進んでいる用にも見えましたが。

レギオンの狂気が、恐ろしかった。亡国の命令通りに戦闘行動を続けている、正常な機械だともいえるでしょうが。

機械だから、情がないから、効率を追求できる。実験の様が、その結果が。忌々しいくらい。

連邦の上層部が、エイティシックスを剣として重宝して、慰安の手配とかしてくれてるのがせめてもの救いでしょうか。剣や猟犬の類として評価はしてくれてる模様。

悲劇調の放送をしたり、決して理想郷ではないけど、それでも共和国よりはるかにましなんだよなぁ……



86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈下〉

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「お前の道だ、お前が決めろ。ただ、これでも道連れだからな……しんどいっていうなら、支えてやる。きついってなら、休んでろ。だから、」

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「一人で戦おうとすんじゃねえ」

 

レギオン、機械のくせに学習能力が高すぎる。

自身の設計上の限界を代替品を見繕って乗り切ってますし。そうやって獲得した意識を持つ機体によって作戦の難易度が上がるという話は出て来てましたが。

それにしたって、という被害状況。

 

長距離砲撃によって前線は瓦解し、試算によれば人類生存圏の首都すら狙える性能だと。

空から挑むこともできないため、出された結論が――シン達による敵地縦断。それによって敵の主砲を破壊するというもので。

連邦以外に生き残った国家との連絡が復活し、協力作戦を実行できたのは不幸中の幸いでしたが。

まさしく総力戦の様相を呈してきて、それでもじりじりと削られていく戦況には震えた。

 

参謀たちの非情の決断が。憤ってくれたグレーテの、それでも計れなかった彼らの誇りが、重くのしかかる。

「まあ、でも、一番やばいとこに僕達が選ばれたのは、僕達がエイティシックスだからだよね。それだけはちょっと……寂しいかな」

作戦から退くことはしない、と断言しながら零したこの言葉が切ないですね……



86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉

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「たとえ死ぬのに変わりはないとしても、死に方は選べる。いずれ死ぬならその最期まで戦い抜くのがおれ達の選んだ生き方です。それを――奪わないでもらえませんか」

 

行けるところまで行って死ね。

非道の命令に従い、旅を続けるシン達はついに隣国へとたどり着いて。

シンの異能があるとはいえ、かーなーり危ない所でしたけどね。

そうしてギアーデ連邦に保護されて、自由を与えられて……それでも彼らは戦場に戻ることを選んだ。

 

暫定大統領のエルンストが、いいキャラ。

この戦乱の時代にあって良い保護者であろうとしてくれる彼の善性が、染み入るようです。

暫定とはいえ代表を務めている以上、一筋縄ではいかない面も持ち合わせてそうですけどね。

「得体が知れない。万が一。そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないなら、人類なんて滅んでしまえばいいんだよ」。シン達ですら気圧された、あの場面には震えましたね。

 

日常パートでそれぞれが、自分なりに時間を潰している様子は、眩しかったです。

叶うならば、そのまま日常に戻っていってほしかった。けれど、そう簡単に戻れる彼らでもなし、というのが切ない。

連邦は共和国よりもまともなトップや軍人が居て、環境がマシなのは何よりですけどね。

それでも保護の道を選べたのに、戦場に戻って来た彼らに対する風当たりは強くて。その戦いぶりの異質さが際立つというのもあるんでしょうけど。

シンの戦いの苛烈さが。メンテナンスもろくもしないで動いてる機械のようで、その内壊れてしまいそうで怖かった。



86―エイティシックス―

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「……だから、あなたは〈葬儀屋〉なのですね」

『それもあります』

 

気になって買ったくせに積んでたんですが、一読して、「なんでもっと早く読まなかったんだ!」と嘆く位には面白かったです。

読み終わって翌日には残りの巻全部買ってきました。少し懐寒くなったけど、満足。

 

隣国の開発した無人機レギオンによる侵略を受けている共和国。

抵抗しなくては死ぬ状況で、共和国がとった戦術は最悪の極みともいえるもので。

85区に人民を集約し、入りきらない者を切り捨てた。彼らは存在しない86区の住人。

エイティシックスの烙印を押された、少年少女を搭載した「有人の無人機」を持って、共和国は戦線を維持していた。

 

人はここまで醜悪になれるのか、みたいな闇がそこにはあって。

ただひたすらに震えた。有色人種を追いやって、自分たちは塀の中で安穏と日々を過ごしている。パーティーなんか開催して、暢気なもので。

現状を打破するような光明も見えない道を、ただひたすらに進んでいる。

特殊通信で補佐する軍人もいるものの、職務に忠実な人も少なくて。詰んだ国って言うのは、こういう事を言うんだろうなぁ、という絶望が見て取れる。

 

P126のラフィングフォックスの叫びは、かなり痛かった。

読んでいるコチラにも苦しさが伝わってくるようで。……それでも読むのを止められない、熱量が同時に存在しています。

逆境と呼ぶのすら生ぬるい状況で、それでも日々を生き、戦い、行き着くところまで進んだ彼らの生き様に見惚れました。



プロフィール

ちゃか

 友人に「活字中毒っていうか読書中毒」と評される程度には本が好き。適当に感想を書いていく予定。リンクはフリーでコメントはご自由に。悪質と判断したものについては削除する場合があります。

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