気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

S.I.R.E.N

S.I.R.E.N―次世代新生物統合研究特区― 5

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「お前は、オムニスの方程式を知ってるか?」
(略)
「世界で一番偉大な先生が、俺に教えてくれた方程式(おしえ)だ」

あらすじで佳境に突入とか書かれてますけど、完結巻じゃないですか。
あちこち気になる因縁が見いだされつつも、駆け足で終わりに向かった感じで。
打ちきりコースに乗ってしまった雰囲気ですなー。
なぁなぁの終わりにするのではなく、とりあえず、このシリーズで描くつもりだった因縁とか設定は全部ぶっこんだ感じですかね。

そのせいで、急に出てきてなんだコイツとか思うところはありますが。
変に謎を残されるよりかは、こうやって「説明しようとした感」がある方が、個人的にはまだ救いがあるような気が。

ネックザールを利用していた蒼の第一相。
緑と黒の第一相も出てきて、ばとっていきました。
京花とエリスが共闘している展開は、これまでのぎこちなさがありながら、うまく合わせている感じがして良かった。
あとは、レイベルトとの因縁がある相手が出てきて、彼がどうして福音機関から離れたのかなんかも一気に明かされて。

エルベルトとアナスタシアの立ち位置や関係なんかある程度は語られていましたね。
フィアを作った理由、彼女をミソラに託した真意。
そして、ミソラに残した「オムニス」の正体。
色々と彼女なりに準備をしていたようで。それがしっかり結実していてめでたしめでたし、ってところで。

もう2~3巻くらいあると十分書き切れたって雰囲気になったと思うんですが。
面白い要素が散っているだけに惜しい巻ではありました。
書き足りないものがあって、新作の構想もあるようですしそっちの方で挽回してくれるといいんですが。


S.I.R.E.N. 4 ―次世代新生物統合研究特区―

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痛みは耐えることができる。
傷もまた、時の流れのなかでいつしか癒えるだろう。
だが敗北による心の呵責は、正当な勝利でしか許されることがない。


福音機関が再度行動を起こして、フィアを狙って接触してきます。
あちらさんも一枚岩ではないようで、前回襲ってきたネックザールが、失敗で懲罰受けたりしてますけど。
ネックザールとしても、目的があって、それを譲ることなんてできないから、怪我を押してミソラの前に対峙するわけで。

しかしまぁ、今回はミソラ主人公じゃなかったな。
敵の一人は、エリスが自分の誓いのために倒してましたし。
もう一人にしたってネックザールの妹であるために、ミソラとの共闘だったとはいえ、ストーリー的に主人公はネックザールの方だろうし。
なんちゃって科学要素が足りなかったというか、正直物足りない。

細音啓ワールドは思う存分広がっていってるんですが、広がりすぎているというか。
エリスと京花の関係とか、ミソラの方程式とか、この世界の事とか。
アナスタシアやエルベルトの目的とかも、よくわからないままですし。
謎が全然解き明かされずに話が進むから、置いていかれている感じがしてきた。
そろそろ目的地が見えるといいんですがねー。


S.I.R.E.N―次世代新生物統合研究特区―3

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「俺が、人間代表だ」
「……なに?」
「全ての人間に代わって俺が謝って、戦って、傷ついて、そしてお前と仲直りするためにここに来た。それを奈々に託されてな」
(略)
「だから、これが最初で最後! 人間(おれ)と竜(おまえ)のたった一度の戦いだ!」


三巻で描きたかったエピソードの一つが描かれるとか前回のあとがきにあったと思いますが。
今回は、他所の勢力とか思惑とかが全く絡まずに、S.I.R.E.N内の問題に終始しています。
こんな感じで、S.I.R.E.N内の問題をやりつつ、よその問題少しずつ引っ張ってきてればよかったんじゃないのかなぁ。
これが1話だったらよかったんじゃないかっていうのは……ヒロインキリシェになっちゃうからダメか。
細音ワールドが広大なせいで謎が多いからなぁ、このシリーズ。

科学世界におけるバイオテスタとの距離感。
捨てられているのを見ると拾わずにいられないミソラは一種の例外としても。
研究をしている人々がいて、その人たちが高潔であるとは限らないわけで。

問題が起きた時に、鎮圧でいるように、強力なバイオテスタを作った所があった。
その完成度からA級バイオテスタとして認定された者の、それに触発され、「ただひたすらに強いバイオテスタ」を作ろういう動きが活発になった時期があるそうで。
もともとの目的が、鎮圧用だっていうのに、さらに強力なの作って、どんどんパワーインフレ起こしてどうするんだっていう感じですけど。

その到達点。放浪バイオテスタの中でも、非公認ながら最強のバイオテスタと認められた固体。
Ω指定種、コードネーム赤色標識。喫緊の危険性が確認できない場合、手を出す義務はないと認められた、唯一の存在。
それは、敵に知性があり、強大な力があり、向こうから仕掛けてくることがほぼなく、血気にはやった人間側が襲っても、死者が出ていないという結果から導き出された予防線。
相互不干渉の不文律。
けれどフィアは自分の経験から、その個体を可哀想だと呟く。
放浪バイオテスタと疑われ襲われた経験があるから。怖くて、不安で仕方がなかったから。
それを長年続けている固体の想いはいかほどだろうか、と。

ミソラが自分の信念をもって、Ω指定のバイオテスタ。竜人キリシェへと対峙します。
名前見た時には思わず吹いたというか、細音啓ワールドは広大だなぁ、と思ったといいますか。
それ他社さんから出ている作品のキャラ名じゃなかったか。いいのか。カドカワグループ内だからいいのかなぁ。
人間の手で開発され、そして人間の都合で切り捨てられた。だから人間を信じていない。
そんなキリシェに対しても、しっかり向き合おうとする心意気は買います。


S.I.R.E.N2 ―次世代新生物統合研究特区―

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「強く在りなさい。この先も理想執行者(シュミレーター)として生きたいのであれば、貴女に必要なものは、紛れなき強さ。精神(こころ)も肉体(からだ)もその成長の伸び代は貴女次第なのだから」
(略)
「強さに意味を求めるのは、その後でも遅くない」


師匠の研究の断片を用いて制作されたバイオテスタ「暴君」。
その名の通り、暴走しまくる厄介な奴で。
バイオテスタに、幻獣融合させたらどうなるか、という実験の結果のようで。
同様の実験の成功体というか完成体がフィアでもあるわけで。
師匠、かなりの重要人物だなぁ。そして、その重要人物の足取りや思惑を、中央部も把握し損ねているようですし、本当に何者なのかと。

科学世界と幻想世界。
それぞれが接続したことは、各世界の一部の人のみが知っていて、その知っている人の間で、簡易な情報交換だったり、貿易じみた真似は行われているようです。
ま、重要な情報が流されていた、っていうんだから結構間抜けというか。
「暴君」の中にいる幻獣を解放というか回収するために、幻想世界の新しい期間『見えざる烙印』っていうのが出てきたりします。
新キャラ、ネオリエの言によれば、福音機関の奴らと比べると戦闘能力は格段に劣るとのことですが。

ミソラは、己が信条の為また、バイオテスタの前に立つ。筋が通っているのはいいですねー。過去作との繋がりもちらほら見えて、気になることは多いです。
レイレイに接触していた、主任研究者についても謎があるというか・・・イリスの方で暗躍していた人じゃないですか、貴方? みたいな。

他にも京花の義姉が新キャラとして登場。
レイベルトのⅠ級よりさらに上、怪物じみた強さを持つ無(ゼロ)級だとかいう高位の理想執行者であるようです。
まぁ、レイベルトがⅠ級どまりなのは、無級には第二世代しかなれないっていう制限があったりするからでもあるようです。
姉のエリス。高位なだけあって京花を軽くあしらっています。ただ、歯牙にかけていないってわけでもない様子。
素直になれないだけ・・・ともまた違うなんか微妙な距離感を維持しています。

面白いんですけど、同時に可もなく不可もなくというか。
安定していると言えばそうなんですが、なんか個人的にはこれまでのシリーズほどの引力を感じなかった。
3巻のエピソードがこのシリーズで書きたかったことの一つになるらしいので、全体の評価はそれ待ちな部分もあるかなー。
来月にはMF文庫Jから新シリーズを刊行する予定もあるそうで、そっちも楽しみにしてます。


S.I.R.E.N―次世代新生物統合研究特区―

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「俺が何言ってるかわからないか? いいか、一度しか言わないからよく聞いとけ」
(略)
「俺は、お前たちのことだって助けてやるっつってんだよ!」

細音啓さんの完全新作。
相変わらず微妙につながっている世界なので、気になる描写とかが多くて困ります。
新約召喚と旧約召喚という言葉。
たびたびこれまでのシリーズに名前が出てきた「ネクサス」。
まだまだ序章という感じで、世界観説明と、事件が一つという感じ。
これから盛り上げていってほしいなぁ、と思うのですよ。

次世代新生物、バイオテスタ。
それは竜や妖精といった空想の産物を再現した生命工学の結晶。
この世界は、そうしたバイオテスタを生産できるような科学技術が発展しています。
そうした技術を研究している最先端エリア『SIREN』の一角で学生をやっているミソラは過去の経験や師の教えなどもあり、バイオテスタを大事にしている少年だった。
ただ、バイオテスタは維持に金がかかる。
そのため、時に実験の結果暴走するバイオテスタの鎮圧などに赴くことも。
師の残したある力によって、彼は強力な力を持つバイオテスタとも戦うことができた。
優しいから、戦うといっても暴走の原因取り除く方向にもっていく感じなんですがね。

ある暴走を止めた時にであった少女。
その少女は、行方不明の彼の師匠の娘であると主張して。
同時に何者かに狙われているらしい少女を、彼は自分の信念に基づいて助けるわけですが。
狙ってくる敵が福音機関イスカリオテ。
青の触媒を用いて、水精霊や冬妖精、大海蛇など、青系統の幻獣を召喚する敵。
どこかで聞いたような技術ですよねぇ、コレ。

名詠式とはどこか違うんだろうか。新約と旧約の召喚があるようですけど。
氷結鏡界のエデンの最期でカインツもなんか色々やってるようでしたし、絡んでくるのかなぁ。
気になるのは、敵さんが口走っていた言葉。敵側には黒とか銀とかの色をつかさどる奴もいるようで。
S.I.R.E.Nの都市区分も『紅楼』、『蒼河』、『碧陽』、『黄蓮』と見たことある色区分ですし。
全く無関係ってこともないでしょうが……まだ謎が多くてよくわからないですね。

ミソラが、「先生」の教えを受けて、自分をしっかり持っているのがいい感じ。
知らないことがあっても、先生絡みのことで謎や不安があっても、行動を起こせるというのはいいことだと思いますよ。
世界観そのものの謎を差っ引いても、「先生」のことや、ミソラのオムニスにしても謎は多いですね。
楽しく読んだので、次の巻にも期待してます。
あとがきの予告によれば次は6月ですか。

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ちゃか

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