気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

Tamaki

鬼人幻燈抄 幕末編 天邪鬼の理

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「多分、今の甚夜君は私が何を言っても納得できないと思います。でも、貴方の言う弱さを忘れないでくださいね。きっといつか、その弱さを愛おしく思える日が来ますから」

 

明治編が10月予定、さらにはコミカライズも始動だそうで。

力を入れてるなーと言うのが伺える。巻ごとにカバー裏のイラストにも工夫されてますしねー。楽しみ増えていい感じです。

 

サブタイトルに在る通り、幕末です。

移り変わる時代が描かれます……それは決して穏やかなものではなく。

外国勢力の干渉に、幕府の態度などが合わさって、動乱が始まりそうな危うい雰囲気がある。

巻ごとに時間がどんどん流れてますが、それぞれの味わいをしっかり見せてくれる辺り、描写の幅が広くて凄い。直次なんか結婚して子どもいますしねー。

 

人々に不安が広まったことで、鬼が跋扈する部分も増え甚夜も仕事が増えていて。

ある廃寺に人喰い鬼が出るという噂を聞いて足を運んでみれば……そこで、彼は嘘吐きな鬼と出会うのだ。

鬼は嘘を吐けない筈ですが、天邪鬼の説話なんかもありますしね。

実際それに絡めて、優しい夢を見せてくるのが上手いし辛い。

 

今回は土浦絡みのエピソードも悲しいんだよなぁ。

もし出会いが違っていたら。また違う道もあったのかもしれない。

どのキャラも頑固故に道を譲らず、変えられず。鉢合わせればぶつかる事に成るわけですが。

敵対する相手の中にも魅力的な人が多いので、IFを想像するのが楽しくもありますね。

新キャラの野茉莉が可愛くて癒しなんですよねー。WEB既読民としては明治編も楽しみです。

鬼人幻燈抄 幕末編 天邪鬼の理
中西 モトオ
双葉社
2020-06-17

鬼人幻燈抄 江戸編残雪酔夢

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「名は聞かん。鬼を討つのは、私の役目だ」

 

あぁ、表紙がなんて寂しく美しいのだろう。

今回もまた、カバーをとるとまた違った様相を見せてくれるのですが。

あまりにもネタバレなのでくれぐれも読了後にご確認ください。

 

江戸編が終わる、第三巻。この次の章は、幕末編と言いまして。

時代が移り変わろうとしている、激動の序章でもあるのです。

2巻で培った縁は今も続き、蕎麦屋でいつもの顔ぶれと出会う日々。平和でいいですねぇ。

甚夜の下には変わらず鬼退治の依頼が来て、闇は変わらずにあり続けるんですけど。

 

夜桜の下で夜鷹と出会い、夕暮れの中陰陽師と相対する。

新しく出会った二人はどちらも食わせ物と言いますか。飄々としていて、甚夜を上手くあしらってる感じが好きです。

夜鷹の方は「あの人」の幻に取り乱したりもするし、秘密も抱えてるし、等身大の人間っぽくていいんですよねぇ。

 

三代目も好きですけど、あの人は抱えているもの多すぎて、こう一言では表し難い。

鬼を討つ技を継いだ陰陽師としての顔や、商売人の顔があって。昏く静かに「忘れたらあかん」と忠告するし、甚夜に対して手札を隠す。

けど予想外の事があると口を開けて魅入ったりもするんですよね。見ていて飽きない人だと思います。

 

甚夜も、時に斬りたくないものを斬りながら、色々な問題に対峙して。

名を聞く習慣を身に着けた彼が、名を聞かずに立ち向かった場面が、とても痛くて悲しい。

積み上げたものが壊れて、守りたいものは守れなくて。別れを突き付けてくる。

心をグサグサ刺されるような、辛くて、それでも読んでよかったと思える不思議な読後感があります。


鬼人幻燈抄 江戸編 幸福の庭

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「その必要はなかろう。あいつならば、必ず為してくれる。最初から分かっていたことだ」

 

葛野を離れて十年。

甚夜は拠点を江戸に移していた。「鬼が出る」と言う噂を聞きつけ、それを斬る浪人と言う体裁で。

鬼の噂を聞けば調査し、危険であれば斬る。

まだ迷いの中にあって、それでも自分に出来る事をしながら必死に生きている。

 

最初の商家でのエピソード「鬼の娘」が好きなんですよねぇ。

その商家の主人に借りがあるという事もあって、依頼を受けた甚夜。

護衛対象の娘からは、最初「帰ってもらって」なんて言われていましたが。

しっかり腕前を見せつけて、事態を解決してましたし。

主人と甚夜の、多くは語らないながらも、信頼している関係がとてもいい味出してます。

巻末の短編「九段坂呪い宵」も、主人からの依頼での調査で、予想外の情報が出てきたりして楽しめました。

 

甚夜は鬼故に成長しない。それを怪しまれないように拠点を変えながら、活動しています。

彼を心配し忠告してくれる相手とも出会ってましたし。

「……だが私にはそれしかない」と言われた後も会話を続け、「ほら、“それしかない”なんて嘘ですよ」と返す彼女が素敵。

 

始まりの葛野での悲劇を想えば、適切ではないかもしれませんが……甚夜はなんだかんだで、縁に恵まれていると思います。

どうしようもなく傷付いた彼が、少しずつ傷を癒していくための時間を過ごす感じでしたね。

辻斬り騒動なんかは、哀しみが募る話ではありましたが。友人と、上手い酒を飲めたという記憶も一つの救いだとは思うんですよね。

江戸編の続きとなる3巻は、来年2月ごろ予定だそうで。まだまだ追いつけますから、多くの出会いが繋がっていく、この物語をどうか多くの人に読んでほしい。




鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々

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「随分、遠くまで来たんだな、俺達」

「本当。もう帰れなくなっちゃった」

 

フォロワーさんが激しく推してるのをTwitterで目撃して、物は試しくらいのつもりで読んだんですが……

思いっきり、ぶん殴られたような衝撃を受けましたね。正直、舐めてた。

出来ればネタバレを見ない内に、自分の眼でこの本を手に取って読んでほしい。

「小説家になろう」の方にも掲載はありますが、あちらのあらすじはネタバレ満載なので、本をオススメしたいところです。

 

ある山間の集落、葛野。

鍛冶が盛んな里であるがゆえ、土着神である火の神マヒル様を崇めていて。

その巫女は「いつきひめ」と呼ばれ、巫女守と呼ばれる護衛役を置いていた。

よそ者ながら、その役を務めている甚太が、この物語の主人公です。

巫女守は里の守護者として鬼のような怪異を斬る「鬼斬役」でもあり、彼は日々刀を振るっていた。

 

それは、よそ者であった自分と妹を迎え入れてくれた里に報いるためであったし、養父と幼馴染の少女との約束のためでもありました。

巫女守という役職に誇りはある。同時に鍛冶の里である葛野で、職人としての才能がなかったことに対する劣等感も抱いている。

年相応の青さを感じる場面もありましたが……それでも、甚太には、揺るがぬ芯があって。

 

彼に大きな影響を与えているのが、彼が守るべき巫女。

「いつきひめ」としてあがめられる立場になった、家族として過ごしたこともある少女、白雪。

母もおなじく「いつきひめ」であり…覚悟を持って、その地位を継いだ。

 

甚太と白雪の、不器用すぎる告白と、わかれてしまった道が切なくて苦しかった。

お互いの誇りを思えば、その答えになってしまうだろう、と丁寧に描かれてなお痛かった。

途中から、結末が予想出来て、それでもなおページをまくる手が止まらなかった。

書籍読んだ後、かっとなってPOP書いたりして気持ちを落ち着けようとしましたが、読み終えた後、残った熱が引いていかなくて…思わずWEBの方まで飛びましたね。

 

まだ途中までしか読めてないんですが、尊いやら悲しいやらいろんな感情が沸き上がって「あ、あぁ…」と呟く機械みたいになってました…

今までこの作品を知らなかったことを後悔したし、書籍化を期に読めた事には歓喜しました。すごい物語であると保証します。どうか、ご覧あれ。


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ちゃか

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