気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

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Babel world -memoriae- ACT3~幕間

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「そうなんですけど。でも逃げても取り返しがつかない、なくしてしまって、きっと一生それを後悔するだろうって……そういう時があるんです」
(略)
 あるかないか分からない可能性に賭けて逃げ出したとしても、その可能性を得られるのか分からない。たとえ得られたとしても、失ったものを取り戻せるかは分からないのだ。
 そして、取り戻せても、きっとそれはもう失う前と同じものではないのだろう。
 だから退かない。
 人の本質は精神に在り、その尊厳は容易く踏みにじられるものではないと示す為に。

バベルの3章感想ー。
書きたいことが多くて、まとめて感想書くと大変だから、章ごとにしてみたんですが……
今度は他の感想書くのに追われて、なんかどんどん先延ばしにしてしまったというなんとも言えない感じに。 

現代大学生の雫は、突然異世界に放り出されてしまって。
たまたま出会った魔術師と一緒に帰る方法を探して魔法王国まで行ったのが2章までの話。
で、最後の最後に、他国のスパイが接触してきて雫を拉致るんですよね。
全く持って面倒な話というかなんというか。
「異世界の人間」っていう稀少価値を存分に使っていますが。

生体言語という、「生まれ持った言語」があるとする常識。
それは魔法がある以上にこの世界が異質であると見えるわけですが。
雫としては当然に思える、「言葉は覚えるものだ」という認識がこの世界にはなくて。
異常自体と判断され、解決の為に様々な実験が行われて、犠牲になった子供も出ているわけで。
優しい彼女がそれを見過ごせるはずがなく。
無鉄砲で、いっつも無茶ばっかりしているので、見てるとすごくハラハラしますね。
それでも、失敗だって重ねながらも、王族に気に入られたり、痛い目見ても自分を曲げない強さがあるあたりは結構好感持てますよ。

しかしまぁ、王族っていうのはどいつもこいつも。
歪んでいるというか、歴史がある分闇が深いというか。
最初の方のヒステリックな姫はあまり好きになれませんが、途中から、雫が信を置くに足るだけの器量を見せてくれて。
それで過去の行い全てが消えるわけではないですけれど、先のために、地位にふさわしいだけの行動をしてみせたのだと証明されたのは、いいことでしょう。
最も、今後が大変そうなのは……まぁ、ファルサスが近くにある以上しかたのないことか。
幕間にある章のまとめが、割と笑える。空気読まないファルサス王とか。
なんか毎回のように最後ピンチに陥っていた気がしますが、今回はとりあえず、無事に解決したようで何よりです。
国同士の交渉でちょっとバチバチなっていたのは……マシな部類でしょう。 

Babel world -memoriae- Act2~幕間

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「人間を単なる動物から人として分け隔てるものこそが精神だと、私は思います。知性、理性、感情、意思、こういったものを持ち得るということが何よりも人間に与えられた可能性であり、現にそれを働かせているという状態が人であると……違いますか?」
(略) 
「理性を持たない人間は動物か?」
「自ら理性を退けるのなら。少なくとも、人ではありませんね」

エリクと旅を続ける雫。
途中、ある男が女を殺している場面を目撃して、目撃者として連行されることに。
ちょうど女の人員が求められていたから、体よく利用されるところでしたが。 
こういう展開を見ると雫が本当に戦力という意味では頼りないことが分かります。
エリクの知識やメアと共にいることで助けられたりしていますが、非力な現代人なんですよね。
けれど、彼女の精神は、それを理由に諦めることを許さない。
行動力はあるよなぁ、と思います。

問題を超えながらも、ファルサスに無事に辿り着いた二人。
『Unnamed Memory』が好きなので、ファルサスと聞くと懐かしくなるし、何となく心が弾みます。
まぁ、この時代のファルサスは少し前に王族同士の争いが起きて直系がほとんどいない状態のようですけど。
疑い深い王と相対したとき、雫が塔の上で下した決断とか。
ラルスは王として疑わしきは斬る、とばかりに窮地に立たされていましたが。
身一つでそれと向き合った雫は相当の傑物だと思います。

ファルサスに来たことでエリクの抱えていた過去が明らかになったり色々と状況も明らかになってきた感じはありますが・・・最後。
また雫は拉致されるのか。お前もう一人で行動するなよ。
・・・でも、ある意味こう来ると様式美な感じもしてくるからきっとまた一人でいる時に危機に陥るんだろうなぁ、とか思ったり。

Babel world -memoriae- Act1.~幕間

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「そうだね、それはありがたいことかもしれない。治療法の分からない病気に手立てがあるのなら喜ぶ人も多いだろう。ただ線引きが難しいとは思うけれど……単に便利になるだけのものなら、僕は欲しくない。もし本当に必要とされるものならば、それはいずれこの世界の中から生まれるだろう。だから、どれ程世界の現状が不自由なものであっても―――― 僕は混入された便利さより、あるべき不自由を望むよ」

大学1年生の水瀬雫は、大学の帰り道、おかしな「穴」に出会い異世界へと吸い込まれる。
そして穴を抜けた先は、魔法のある世界。
なぜか言葉が通じることに安堵しつつも、帰還する方法はわからない。
魔法が当たり前に存在するといっても、まぁ、異世界にわたる方法なんてそうそう確立されているわけありませんし。
まぁ、違う作者の作品とかで「異世界から人が来るのが珍しくない」世界とか描かれていて、そこでは理論上ではありましたが成立してたりしましたが。

閑話休題。
雫が異世界へと降り立って最初にいたのは・・・砂漠だった。
大学からの帰りなので、持っているものは電波のつかないケータイに、レポート提出間近だったので辞書各種。
無理ゲー。知らない世界に飛んだと思ったらいきなり砂漠とか。
幸い通りがかった親切な人に保護されて近くの街までは行けるんですけど。

そこで彼女は、魔法文字を専攻している魔法師、エリクに出会う。
彼は、雫の持っている異世界の文字の知識に惹かれて彼女の帰還する方法を探す旅路を手伝うことに。
魔法大国であるファルサス。
過去に起きた事件の情報を求めて、彼らはその国を目指すことになる。
陸路をまっとうに進めば数か月かかるような長い旅路ですが。
エリクが決して親切心だけで他国にわたるような長距離の旅路に同行するんじゃなくて、自分の好奇心を満たすためっていうのはわかりやすくていいんじゃないのかなぁ。

「world -memoriae-」シリーズなので、ファルサスとか見覚えのある名前が出てきたりと、つながりが見えてくるのが中々楽しい。

ACT1.では雫とエリクが交流して仲良くなっていく流れ、そして、少しずつ雫がこの世界の事を知って行ったり、エリクが雫の特異性をもうちょっと自覚したほうがいいとたしなめたりイベントを順調にこていくんですが。
途中で立ち寄った国で、事件に見舞われる。
見舞われるというか、渦中に飛び込んでいった人もいるわけですが。
怪しげな宗教と怪しげな魔法。
国家絡みでそんなものに手を出そうとしては、ろくなことにならないわけですな・・・
結果として、目的としていなかったところに飛ばされてますが、転移と相性悪いんじゃないのか雫、と思える。

Unnamed Memory  word-memoriae-

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それは、青き塔に住む魔女。
呪いを受けた王族。
時を書き換えられるのなら何を望むのか。
全ては塗り替えられる物語である。


小説家になろう掲載の作品。
完結済みで、全106部。

作者さんのサイトからの転載作品で、《word-memoriae-》という共通の世界を描いた作品の内の一つ。 
小説家になろう掲載で、完結となっているのは、本編のみです。
作者さんのサイトの方には、日常を描いた番外編だったり、後日談だったりがいろいろ描かれています。
サイト名は「no-seen flower」。
本数も多くて、「その後のお話」というちょっと(?)未来の話まで含めると本編より長いでしょう。

魔法とそれを使う魔法士が当たり前のものとして存在する世界。
大陸では、永い時を生き強大な力を操る五人の魔女が存在し、人々に畏れらていた。
これは、魔女の一人と、ある王族の運命に纏わる長い御伽話である。

本家サイトに掲載されているあらすじを引用。
冒頭のセリフは、本分の最初も最初に掛れている文言ですね。
これらからわかる通り、これは呪いを受けた王子と、一人の魔女の物語です。

オスカーは、ある国の王子だが、子を残せない呪いを魔女に与えられた。
その呪いを解くために、別の、大陸最強と言われる魔女ティナーシャの元へとやってくる。
それをきっかけに、二人の物語が動き出していく。

こうオスカーとティナーシャのやりとりが軽快で読んでいて楽しいんですよね。
文章が合ったのもあるとは思いますが。
オスカーは、第一王子という立場でありながら、いわくある遺跡にふらっと潜ってみたりする、王族としてどうよっていう癖を持ってます。
武術も巧みで、将軍にすら勝ってしまったり、通常なら数十人で攻略する、試練を乗り越えたものに報酬を与えるとされる「魔女の塔」を一人で攻略してしまったり。
わりとはちゃめちゃ。
ただ、仕事は出来るし、締めるところでは締めるので、人望はあるようです。

一方ティナーシャは、魔女として畏れられる力がありながらも、割と普通の女の子だったんじゃないかと。
いや、永い時のなかで、悲惨な目にあったり、見たりして、その精神性、実力とかもなるほど魔女だ、と納得できるものですけど。
オスカーと一緒にいるティナーシャは、結構楽しい日々を送っていたんだろうなぁ、と思うのです。

Act.1の「分からないこと」、Act.2の「約束の折り返し」あたりの、自分の気持ちに惑い、揺れ動いているあたりとかが凄い好きです。
本編の二人のやりとりも面白いんですが、本筋に絡まない本家サイトの方のSide Storyも笑えます。
気に入っているエピソードは、『蛇足―逸脱の道行き―』に分類されている「日常のお話」ですね。

「では見合いはいいですから、こちらに目を通しておいてください」
「何これ」
「逆見合い書類です。1週間後のガンドナの式典に出席する女性の中で問題がある女性を挙げておきました」

と何とも愉快なやりとりがあって、思わず笑いました。
この話に出てくるのはオスカーとティナーシャではないんですが、まぁ、その辺はぜひ本編読んでもらってから、目を通してほしいかなーとか思います。
他のSide StoryとかShort Storyも、短いのに笑える要素が織り込まれていて、いい作品だと思いますねー。
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ちゃか

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