「そうだ 人間社会で生きていく上で大事なのは 敵を作らないことと味方をつくることだ」
6話~13話を収録。
冒険者になったシアーシャと、その護衛というスタンスを変えなかったジグ。
依頼を受けて足を運んだ地域で、腕利きたちの戦闘風景を観察できる機会を得て。人間の魔術や冒険者の戦い方を見たい2人の思惑が一致し、技術を盗み見しようとしたことで敵対するリスクを踏まえた上で覗き見ていたわけですが。
魔法を感知できるジグが嗅覚で姿を隠していた魔獣、幽霊鮫を発見。
「後ろだ!!」と危険を知らせる声を発しているの、彼らしい判断基準があって良かったですね。
そして助言を受けたとはいえ即座に適切な判断を出来ていた冒険者たちもお見事でした。
先述の通り下手したら敵対していたかもしれない。だから目立たないという一点を目的にするのなら、助けずに見殺しにするのがジグ達の最善になり得た。
でも、ジグはそうしなかったわけですし……シアーシャにも、似た場面があったら可能な範囲で手を貸してやると言い、と言ってるのが良かったですね。
なにかトラブルがあった時にフォローしてくれるくらいの付き合いがあると、後々の助けになるというアドバイスは人づきあいを避けていた魔女のシアーシャにとっては難しいことですが……大事ですからね。
ランクを上げるために同じ依頼を繰り返すのに飽きて荒れていたシアーシャに、息抜きのため「服でも買いに行こう」と声を駆けたり、ジグかなり面倒見良いですよねぇ。
そして店員さんも実に良い仕事をしてくれていました。シアーシャ、素が良いので着飾ると生えますねぇ。可愛い。
……その合間に、幽霊鮫の時に助けたアランから頼まれて調査していた人物が接触してきたりしてましたが。腹のうち探りに来た相手に下剤盛ったり。必要に応じて痛みを薄れさせる薬を使ったり、それを商っている裏社会の輩に接触したりとか。
傭兵やってるだけあって、ジグ別に清廉潔白な人物じゃないし、必要であれば汚い手も使うんですけど、彼の軸は「契約」にあって仕事である以上真っ当に勤めようとしてるのが好きですね。
……裏の輩から情報収集していたところに、腕利きの冒険者と鉢合わせてしまって戦闘に発展していたの、ジグがついてないというべきか。ある意味戦闘的な意味での運命に愛されているというべきか。退屈しない人生送ってますよね、ジグ。