気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

四月は君の嘘4

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「課題曲なんてどーでもよかったの 本当にどーでもよかった コンクールに出てくれれば」
(略)
「この空間に身を置けば 否応なく刺激されるはず 触発されないはずがない」
「他のピアニスト達が 留まる事を認めない 止まることを許さない」
「だって 有馬君は演奏家だもの」


いやぁ、ライバルって、いいものですね。
コンクール使用のロボットみたいな有馬公生に少年はヒーローを見た。
少女は、幼少期たった4分足らずの演奏で自分を引き込んだ、音楽の楽しさを体現している姿に惹かれた。

どちらも有馬公生何ですよね。
相座の憧れを、絵美の寂寞を向けられているのは。
そして、この二人の演奏がまた、その思いに引きずられて、堅実なものと、気分に左右される情熱と。
かをりが言ってますが、有馬公生は演奏家で。彼ら、彼女らもまた格別の表現者であるわけです。

コンクール荒し、有馬公生の名は悪名だ、という言葉が前にありましたが。
そんな悪名を気にせず、ライバルが減ったことを喜ぶのではなく、自分の目標に掲げた相座武士と、戻ってこいと思いを響かせた井川絵美。
もう圧倒されてばかりです。

そして、ついにはじまる公生の演奏。
母の影を見ながら、それでもピアノに向き合って。
前半は、操り人形と評された、譜面に忠実な演奏。
その演奏風景を見た、武士と絵美の表情の差が、一コマだけど上手く描かれてますね。
中盤、音が聞こえないいつもの症状が現れ、音に乱れが出てくるところで終了。
最後のページ、公生がどんどん崩れていく様が端的に描かれているようで。
毎度言ってる気がしますが、音が聞こえないはずなのに、その演出が巧みで弾きこまれます。


グラウスタンディア皇国物語4

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追い詰められた人間の退路を断ってはいけない。戦場に於いても逃げ場を失った兵は何をしでかすかわからない。だからこそ退路を作り、相手に譲歩させながら負けを認めさせる。それはほかでもなく軍師としての初歩の教えであった。
(略)
今は亡き師の教えにクロムは漸く安堵の息を吐いた。


敵の港は難攻不落。
正面から打倒しようとするならば、皇国が今動員できる兵をすべて投入しなくてはならない。
そんなことはできないから、策を以て落とそうとするわけですが。
前準備として、ラトルグへ渡り、色々と手を回すわけですが。
あらすじに「大博打に打って出る」とはありましたが、まさか本当に博打に手を出すとは……

それでいいのか、軍師。
敵に策が見破られることを前提とした、前回の作戦といい、クロム、軍師としてかなりクレバーというか、チャレンジャーというか、頭おかしいというか。
ファウラが手わざには長けているから、普通にやって負けは無いでしょうけど、これ万一負けてたら国庫に穴が……っていうか、これから戦だって時に作戦に組み込んだとはいえ賭け事とかしてんなよ…。
身一つで、敵対勢力の信を得たコウソンの方が実は主人公なんじゃ。

伏線回って事ではありますが、ちょっと欲張りすぎじゃないかなぁ。
コウソンの事情を合間に入れていることと、今回別行動のガジェルの話が多かったっていうのもあって。
一つ一つが結果を出してるのに、駆け足って感じがあります。
端的に言って、物足りない。次回大きく動きそうですし、それ次第では評価下がるかもなぁ。


週刊少年ジャンプ  No.2 感想

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四月は君の嘘3

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「君は君だよ」
(中略)
「私達はバッハやショパンじゃないもん」
「君の人生で ありったけの君で 真摯に弾けばいいんだよ」

かをりとの約束で、コンクールに出ることになった公生。
自分の演奏の録音を聴いて「これはダメだ」と苦悩してますが。
「君はなんのためにピアノを弾くの?」「本当の君はショパンをどう弾きたい?」
そうかをりに諭されながら、葛藤しつつも、公生が音楽と自分のピアノと向かっているのは青春だなぁ、という感じがします。

かをりが公生に肩入れする理由。
椿が公生を気にする理由。
幼馴染として、昔のように弾いてほしいと思いながらも、苦しんでほしくないと椿は言って。
けれど同じ演奏家であるかをりは、その苦しみすら音に乗せて、生きた音を奏でる道の途中なのだ、と返して。
この二人の関係っていうのも、またちぐはぐな所がありますよね。
自覚できていない椿が歪になっているっていうのもありますけどね。
駄目な弟のようだと思っていながら、ほかの人が駄目だというと、ダメじゃないよ、と行ってしまうあたり、自分のズレに目が言ってないよなぁ、っていう。

途中で渡や椿の大会模様についても描かれてましたが。
割と軽く流されてましたね。主人公は公生である、って事でしょう。
まぁ、あの二人も公生の日常を表現する重要なキャラではあるんですがね。

小学生時代の有馬公生。
彼を意識していた、相座武士や井川絵見といったライバルキャラも登場して。
コンクールでの待合室。この二人はこの巻での登場なのに、中々キャラ立ててきたなぁ、といいますか。
そしてライバルとはいうモノの、公生自身は彼らを忘れていて。母のためにひたすらに弾いて、順位を気にしていなかったから、彼らのことを知らなかったっていうことなんですけどね。
相座武士が、格好良かった。音なんて聞こえないのに。なんでこんなに迫力があるんだろうか。


親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。

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友人の彼女に思いを寄せることは、どこからが罪なのかと、弘凪は最近考える。
どこまで赦されるのか。
どこまで見つめてもよいのか。
どこまでなら近づけるのか。
どれぐらいなら、言葉を交わしてよいのか。
それとも、心がどうしようもなく惹きつけられてしまった時点で、すでに罪なのだろうかと。


もう、タイトル読めば内容大体わかるんですが。
それでも、野村美月さんだからつい手に取ってしまって。
まぁ、一気に読みました。
正直もっとドロドロした展開になっていくのかと思いましたが、想像以上に、青春をしていたといいますか。

向井弘凪は過去の経験から、親友に対しても「親友の彼女」という存在に対しても後ろ暗い思いを抱えていて。だけど親友が「彼女ができた」と報告してきて。
親友が進んだのなら、と彼も気になっていた子に対して行動を起こそうとするが、それこそが全ての始まり。
その気になっていた相手、が親友の彼女になっていて。
気落ちしながらも、「親友の彼女」になってからの方が彼女との交流は確実に増えて。
ま、前は同じ車両によく乗っているという認識だったところから、会話するようになって、弘凪が彼女を避けようとしても遭遇してしまって。
弘凪の親友を嫌いだ、と宣言する佐伯さんがちょっかいを出して交流させたイベントなんかもありましたけど。
仮に、弘凪が自制できていたとしても。そう遠くないうちに破たんしていたと思うような、歪な状態のは確かで。
最終的には落ち着くべき形に落ち着いたってことになりますね。

恋は盲目とはよく言ったもので。
心に刺さるような、繊細さで、痛かったし、読んでてまぶしかった……
佐伯さんが思った以上に良キャラでしたから、続き……はタイトル的に難しいにしても、スピンオフ的ななにかでないだろうか。
あとは、全体的に好きなんですけど、誤字、多くないかなぁ、と。あらすじも最後の段落で「遥平に彼女ができたらな、と~」ってあるんですが「できたなら」何じゃないかなぁ。。
 

この恋と、その未来。 一年目夏秋

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「恋なんて、幻だよ」
(略)
「幻ってことはな、何をしてもいいってことだ。だって、幻なんだから。恋をする相手すら、初戦は自分で生み出した幻なの。だけど幻だから、何をしても後悔するし、何もしなくても後悔するよ。それだけ分かってりゃ、いい。以上。じゃあな」


四朗の過去のエピソードが挟まるたびに泣きそうになる。
お前、よくもまぁ、あんな理不尽な姉たちに囲まれて、ぐれなかったな……
父親は愛人連れて会いに来たりするし、もうちょっと良い思いしてもいいと思うんだ。
けど、彼は未来のことを好きなってしまって。
打ち明けられない、秘さねばならない想いに身を焦がす道へと進んでいく彼のことが見てられませんでした。

夏秋編と二つの季節をまとめてきたので、イベントもいくつか。
夏休み。帰省する面々も多い中で、残っていた四朗と未来は、和田、三好と四人で泊りがけの旅行に向かって。
「親友」として接してくる未来に、四朗は何とも言えない気分になってますが。
四朗の悩みは丁寧に描かれているのに、肝心の未来の事情って断片しか見えてこないのが。
まぁ、簡単に口出来る話題でもないですけど。未来、嫌いじゃないんですが、なんか好きにもなれないんだよなぁ、今のところ。
未来自身も自分の環境に戸惑っている部分があるから、なんだろうか。

秋には学園祭もやってましたが。
学校としての積み上げがないから、大成功とはいいがたい感じですね。
あちこち対応も適当だし。もうちょっと詰めて行うべきなんじゃないのかなぁ。
その辺はノウハウを蓄積してからになるんだろうか。

春編でも、ちらっと東雲侑子に触れられてましたが。
今回もからめてきているあたりはファンサービスというべきなんだろうか。
登場人物たちと交流あるキャラに「東雲侑子の知り合い」とか言う属性がつけられているのは、何かの伏線とかになってるのか否か。
後書きのところで、東雲侑子シリーズの二人のその後、みたいなところが少し書かれていたのはうれしかったです。
あっちの彼はまだまだ夢をつかめていないようですが、それでも二人でいるのは確かみたいですし。

未来の言ではないですけど、三好さんは四朗に好意持ってるだろうし、そちらと落ち着けばいいんじゃないのかなぁ、と思っていた部分はあります。
ただ今回のような流れで行くと、ちょっとなぁ。
エグイというかなんというか。
三好さんが良い子だし、四朗も大変な思いしてきてるから、幸せになってほしいと、切に願うのですが。
四朗自棄になってないだろうか。あの展開だと、破綻が待ってるんじゃないか、と不安に駆られます。
冬編はよ。

この恋と、その未来。 -一年目 夏秋- (ファミ通文庫)
森橋 ビンゴ
KADOKAWA/エンターブレイン
2014-11-29

放課後アポカリプス

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「私達はもうとっくに取り返しがつかないところまで来てるのかもしれない。抜け出す方法とか終わらせる方法とか、そんなものそもそも存在しないのかもしれない」
死ぬまでゲームをやらされるのかもしれない。考えないようにしていた可能性だ。
「それでも、なにもしないわけにはいかない。少なくとも敵を倒し続けていれば生き残れるわけだし、ね」


割と嫌いじゃないです。るろおさんの絵かわいいし。
毎週水曜日、唐突に始まるゲーム。
それは、天使と戦う危険なサバイバルゲームで。
普通に学校に通っている主人公たちは、どうしてそんなゲームに巻き込まれているのかも分からずに、生き残るために戦ったり、情報共有したりしていくわけです。

ただ、一丸になれているわけでもなくて。
学校内でも、差別のようなものもある状況で。
何とも、歪な環境に置かれていると思ったものです。
ゲーム内ではクラス委員長がコマンダーとして、それ以外の生徒であるソルジャーに指示を出したり、コマンダーが敵にとどめを刺すことで得られるポイントで武装強化したりしてます。
じゃあ、現実においてコマンダーは優遇されているかというとそうでもなくて。

誰もやりたがらなかったクラス委員の仕事を、押し付けられた人も入っている状態。
更には、コマンダーは現実でもゲームのことを覚えているものの、ソルジャーである一般生徒たちは、普段はその記憶を失っている。
だから、現実においてコマンダーがいじめの対象となっていて、ゲームになってからやり返される、と団結力の欠片もない。

最後にどんでん返しがあるのは中々よかった。
けど、ゲームがああいった目的であるのなら、もうちょっと優しくてもよかったんじゃ、と思うんですが。
作りこまれているゲームではあるのだから、そこで起きている問題は結局人と人のものだってことでしょうか。

他の杉井作品に出てくるようなキャラクター像でしたが、世界観が大分違うので、多少は新鮮だったかも。
ただ、いい加減違う性格のキャラとかも見たいから、その辺には期待したいんですがねー。
主人公の抱えている謎っていうのは増していくばかりだったので、続きで解決されることを祈りますが。


ジャンプSQ 2015年 感想

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光刃の魔王と月影の少女軍師

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「……生命を削っているようなものじゃないのか? その技は」
「俺は死にたがりじゃない。身に着けた技のすべては生きるため……護るためにある」

第8回HJ文庫大賞。
……清々しいまでに微妙。キャラ多いし、展開早いし。
2~3巻かけてじっくり書いていたら、あるいは楽しめたのかもしれませんけど。

軍事大国アルマージア帝国に属する、天才少女のアルシェ。
侵攻された、エルセリア王国には六魔将という実力者がいて。
主人公のリクトは、その六魔将の一角で、不可能と言われていた二種の魔法を扱う神童で。
と、いろいろ盛ってるなぁ、という感じ。

強い強い言われてる六魔将の強さがはっきり分からない。
戦をしている、敵国の将軍同士である割には、リクトとクルドの対応が気安いというか。
女性陣に好意を向けられているらしいリクトが、どうしてそこまで想われているのかっていうのも、正直分からない。
全体的に見て、キャラクターが魅力的に映らない。
洗練されてない。新人とはいえちょっとこれはなぁ、という感じ。
もし続きが出るようでも買いません。


僕らはみんな河合荘6

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「…………おせっかいなこというと」
「女優にばっかり気を遣ってても いい舞台にはならないと思うよ」


しょっぱなから、麻弓の不幸せライブINカラオケボックスとか。
もうこの人は本当にダメだな。
春になって花見のエピソードも収録されているんですが、案の定酔っぱらってるし。
カラオケでも、宇佐には「奢られてる分際で歌う気か」といい、律には「奢られてる分際で歌わない気か」と迫る。
「麻弓さん手ためらいなく頑丈な矛と盾振り回すよね…」という律のコメントが全てだよなぁ。

新キャラも登場して、状況が動きそうですね。
宇佐の方には佐久間の友人、椎名。笑顔が輝く明るい少女。
律の方には高橋という、読書家の青年。
何ともまぁ、狙ったようなタイミングで絡んできたものですが。
省エネヒロイン河合律の牙城を崩せるのか。
宇佐は宇佐でヘタレてるからなぁ。すれ違いをうまく乗り越えてほしいものです。

あとは、彩花の地雷な過去をしるツネコが襲来。
普段はいじるほうな彩花が、動揺しまくっているのは、毎度新鮮ですね。
毎度驚きのネタを提供してくれるツネコもツネコですが、ネタが尽きない過去を過ごしてた彩花も彩花だよなぁ……


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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