気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

巡る冬の果てで、君の名前を呼び続けた

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「さあ、次の思い出を作りに行こうぜ。未来の人間共が、羨ましく感じるくらい、すげー何かを!」

 

魔王を討伐した勇者は、しかし相打ちだった。

仲間もほとんどその戦いで倒れ、魔法師エルメだけが唯一生き延びて国元に魔王討伐の成功を知らせた。

大きな犠牲が出たのは悲しいが、人類は未来に向かって進んで行ける……そのハズだった。

しかし魔王と勇者の力はあまりに強大で……限界を超えた魔力の余波が毒となって世界中に広まってしまった。それは後に【悪性魔力】と名付けられたわけですけど。

 

そんな名づけなんて多くの人々には意味がなく、解決方法はない。【悪性魔力】に侵された人類は滅びへの道を歩むことになってしまったわけです。

エルメは勇者一行に選ばれるくらい魔法に秀でていたため、【悪性魔力】への耐性が多少あったため国が滅びに向かってからも生きていたものの、彼女も【悪性魔力】に侵されており、死に向かうのは避けられなかった。

孤独になってしまった彼女が王都を出たところ、強大な魔力の波動によって目覚めたアンデッドの少年と出会うことに。

 

何も覚えていないけど、永くを生きて……そのせいか記憶を失ってしまったというアンデッドの少年。

色々と抱え込んでしまいがちなエルメを見たアンデッドの少年が、「エルメが満足に終われる結末」を探しに行こうと旅に誘って。

2人の、終わりが約束されている旅が始まるわけです。楽して、寂しくて、幸せで……時間の流れの残酷さを突きつけられる旅。

それでも、エルメもアンデッドの少年もこの旅を後悔することはなく、大切に胸に刻んでいるんだよな……というのが沁みる話でしたね。

隣国から来た嫁が可愛すぎてどうしよう。 冬熊と呼ばれる俺が相手で本当にいいのか!?

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「もし、わたしの知識で救える人がいるのなら、わたしはわたしの知識を提供すべきでしょう」

 

その性格と体格の良さ、敵を蹴散らす強靭な姿から「ティドロスの冬熊」という異名を持つサリュ。

ティドロス王国の三男でもある彼は、辺境での野党狩りに赴いて身だしなみを後回しにしがちで……25になっても未婚で婚約者もなし。

もう結婚は諦めているつもりだったが……そんな彼が王妃である母と一緒に、隣国ルミナス王国の王太子の婚約式に参列。サリュたちのように各国の要人が集まる場で、王妃はサリュのお相手探しをしようと考えていたわけです。

 

しかし、ルミナス王国の王太子アリオスは、婚約者であったタリア王国の令嬢シトエンを婚約式の場所で糾弾し、婚約破棄を宣言。

彼女の悪行をあげつらっていきましたが、その中で彼女の容姿すらもけなし始めて。さすがにそれは許せないとサリュは彼を

そしてサリュの相手について全権を委任されたサリュ母が、「婚約破棄になるなら、ウチに来ませんか」と声をかけることになって。

 

シトエンの父親は、サリュの母を知っていたこともありその提案を飲むことに。

あくまでタリア王国の臣下であるため、一度国許に帰って許可を得てからという話にはなりましたが、提案は受け入れられてシトエンはサリュの婚約者となったわけです。

女性の扱いに不慣れだとは言いますけど、シトエンを守ろうと立ち上がれる善性はあるし、不慣れなりに彼女を大切にしようとしてるのは好感が持てます。

だからこそシトエンもサリュに惹かれて行ったんでしょうしね。サリュとシトエンには幸せになって欲しいものです。

 

実はシトエン、別の世界で生きた記憶を持つ転生者で。前世では医師として働いていた。

それは会話の中で「ビタミンCやクエン酸を取ると良い」とか零した時点で分かってた話ですけど。

前世の記憶に引きずられることなく、王太子妃となるための貴族教育を完璧にこなし、ティドロス王国の言葉も習得している。スペック高い良い子ですよね、シトエン。

作中の世界よりも深い医療知識はあるけれど、医師ではない。そんな彼女だからこそ頼りたい、とサリュの友人からも頼りにされたりもしてたの良かったですね。

始まりこそ婚約破棄された悲劇ですけど、そこから良縁に恵まれているわけですから。

 

ルミナス王国王太子は大魚を逃した。それは、シトエンが竜紋と呼ばれる、鱗状の紋を宿していることを忌避したため、みたいですけど。

尊いものだからこそ隠され、それゆえに誤解した部分はあるみたいですけど。誤解を原動力に婚約破棄に踏み切ったのは自分なのに、その過ちを飲み込めてないのが愚かすぎる。

……国王はシトエンの父に対して頭を下げられる人でしたけど、息子は止められなかったし。宰相も馬鹿げた行動に踏み切っていたし、ルミナス王国終わってますね……。

昔の男友達と同居をはじめたら、実は美少女だった~距離感があの頃のままで近すぎる~

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「けーちゃんの応援があれば、あたしは最強」

 

公園でよく遊んでいた幼馴染のまーちゃんとけーちゃん。

しかし「また明日」と約束していつも通り帰っていったまーちゃんは、それ以降公園にやってくることがなかった。

公園で一人待っていたけーちゃんこと主人公の霧島圭介は、母に手を引かれ帰宅。

その後しばらくして母も亡くなってしまい、父と2人暮らしになり……いつしかまーちゃんの事を思い出すことも減っていき、彼は高校生になっていた。

 

まーちゃんの件だけではなく、中学時代にもいろいろあって……トラウマになった、というほどでもないですけど、教室では寝たふりをして敢えてクラスカースト形成に乗り遅れてみたりして、気ままなぼっちライフを送っていた模様。

そんなある日、父が再婚するという話を聞いて。

その相手が「まーちゃんのお母さん」だという驚きと、再婚相手が引っ越してくるのが明日だって言う衝撃と……男友達だと思っていたまーちゃんが実は女子で、美少女に成長していた驚愕を一気に味わうことになるわけです。

 

まーちゃんこと真咲は、幼少期のまま朗らかに育っていて。その容姿を活かして、モデル活動をしたこともあったとか。

学校側の配慮で同じクラスになって、既に両親も籍を入れていて同じ苗字になった2人。さらには先生が「義理の兄妹になったんだから手伝ってやれ」なんて暴露までしてくれて。

真咲は素のままクラスに受け入れられていったわけですけど、ぼっちを気取って距離を取っていた圭介はその輪に直接入ることはできず。……出来たとしても当人の性格的にやらなかったでしょうけどね。

 

真咲は陽キャのノリも楽しめるタイプだけど、圭介とも絡みたくて。敢えて距離を取る圭介のスタンスは尊重しつつも、「家族なんだから完全無視もおかしいでしょ」と建前も設けて積極的に交流するという真咲が強い。

家も一緒だから仲良くゲームしたり、風呂上りの姿を見せたりとか……圭介だからこそ許してる、家族以上の距離感での交流は微笑ましい。

圭介が陰キャ認識なのは変わらないけど、それでも真咲を大事にしているってことで理解者が増えたりしていったのも良かったですね。

圭介の中学時代の因縁も解決できてましたし。真咲が人気過ぎて、ストーカー発生したりとかのトラブルもありましたが、乗り越えて幸せそうなのは何よりでした。

魔王様は回復魔術を極めたい~その聖女、世界最強につき~1

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「残念ながら、生まれてこのかた後悔などしたことありません」

 

あらゆる術理を極めた最強の魔王ルブルヴィム。

彼を討伐するために神から祝福を受けた勇者ロロと、それに味方する英雄たちと戦うことも多かったようです。

魔王であり武人でもある彼は、戦いの前に敵を回復させて万全の状態にしてから戦う流儀を持っていたものの……魔の性質を持ったルブルヴィムは、神聖術との相性が悪く彼の満足する領域まで極めることが出来ずにいた。

……ルブルヴィムの理想とする回復魔術って「相手の弱さ」みたいな概念的な物すら「治すべきもの」ととらえて回復させるレベルで、それはもう回復魔術って枠に収まるものではなさそうですけどね……。

 

そして何かを極めることに全力なルブルヴィムの高潔さを、敵であるはずの勇者ロロですら認めて……自分の必殺技で傷一つつけられなかったこともあって、敗北を認めることになったわけです。

勇者ロロは人類最高戦力ではあれど、全人類の意思決定担当ではなくて。自分が敗北を認めても、国王たちの協議は必要だろうと現実的な話はじめたり、魔王を友と呼ぶロロ、なんだかんだ好きだな……。

そして勇者に力を与えた聖霊も現れて、魔王に「転生してみませんか」と進めてきて……ルブルヴィムは回復魔術を極めるためならと速攻で頷いたわけです。

回復魔術を極めるのが今一番楽しいことだったからかもしれませんが、「転生とはどうやって為すんだ」と掘り下げなかったのは少し意外か。

 

そして魔王ルブルヴィムは転生し……人間の少女として生まれることになったわけですが。

危機にさらされたのも影響はありそうですが、母の腹の中に宿っているタイミングで既に意識を取り戻して。

母を助けるためにそのまま魔術をつかって脅威を追い払ったり。

赤子があまりにも頼りなさすぎると、ルブルヴィム流の回復魔術を使って急成長して、当人にとっては不本意なことにたわわな胸を獲得するわけです。

こんなのは脂肪の塊なんだから「治療されてしかるべき」とか考えるあたり、魔王様の思考があまりにも魔王様というか。転生先の事、男と女の事とかもう少し常識インストールしてからやるべきだったのでは……? みたいな気持ちになる。

 

いやでも、肉体的に急成長して外見上は問題なくなっていること。ルブルヴィムとしての意識がハッキリしていること。そして両親からの教えをしっかりと吸収できたこと。

それらの要素が噛み合った結果、ルブルちゃんは5歳にして回復魔術を扱う聖女育成のための学園に通うことになったわけです。

学力試験と実地試験では最高評価を得たものの、適正検査で水晶に触れたとき「ジャアク」と連呼されたことで、ルブルは最低クラスのFクラスに放り込まれた上で、学内でも距離を取られることに。

 

まぁ当人は回復魔術を極めるために特訓できれば良いので、そんな気にせず学校生活送ってましたが。調子に乗った先輩を叩きのめし、ジャアクと呼ばれていようと気にしない友人を作り、ルブルの望むレベルには至らないながらも特級の回復魔術によって悩める人を救い、周囲に激震を走らせるわけです。

ルブルが生まれ変わったのは1000年の時が過ぎた未来で、魔王の存在は歴史から隠されていたし、聖剣使いも弱体化したり……魔王ルブルヴィムの行動を見た魔族が仕込みをしていたり、と。世界そのものも激動の瞬間を迎えていましたが……ルブルちゃん強すぎるからだいたい一蹴できるんだよな……。

コドクな彼女

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「大丈夫だよ奈紺。君は……君が思うほど、悪い奴じゃない」

 

主人公の大学生男子、叶。

彼は正体不明の少女に「赤瀬奈紺」と名付け、同棲をすることに。

とは言えそれは甘い恋愛的なソレではなく……迷い猫とかを保護するイメージに近い。奈紺、暗いところを怖がるような人間味もあるんですけど、その実、怪異に近い危うさを抱えた少女でもあった。

 

悪友から欠席者が出た合コンの穴埋めに熱烈に誘われた叶。

流れで奈紺の存在もバレて一緒に行くことになって……。叶は、奈紺の事情を知ってる天草教授に相談の上顔を出すことにして。

そこに奈紺以外の怪異も紛れ込んでいて……悪友の幹事・中沢くんが襲われる、なんて場面もありましたが。

奈紺があっさり撃退。ホラーを目撃した中沢も驚いていましたが……奈紺が助けようとした理由が、合コンとか初めてで「楽しかったから」だっていうのが、良かったですね。

 

奈紺は確かに並みの怪異よりも強い、異質で異常な存在ではありますが。

叶が傍にいる限りにおいて、普通の少女のように過ごせているのはとても凄いことだと思います。

天草教授、オカルト方面に詳しいし自分にも悪魔ハルファスがついていて、そういったトラブルに対処する専門家とのつながりもある人物で。

とある組織からの脱走者についての相談を持ち掛けられたりもして……読者目線だとあからさまにストーリーラインが繋がってるので「逃げて―」ってなっていましたが。

専門家であっても脅威に感じる奈紺に駈け寄れる叶くんが実に良かったですね。

俺がモテるのは解釈違い~推し美少女たちに挟まれました~

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「変なところでついムキになっても、(栞さんたちなら)全部受け止められるから」

(略)

「恋花さんはそのままでいい。恋花さんのそういうところ、(栞さんたちは)好きだと思っているからさ」

 

主人公の男子高校生、成瀬壮真。

彼は百合過激派で、百合に男が挟まろうものならその相手を殺してでも排除しようというスタンスを掲げていた。

男友達相手には「女子同士で仲良くしてほしい」という妄想を口にはするものの、彼はその尊い百合を見学したいという欲求もあって。

 

女子の前では格好つけるところがあるというか、仲良い女子が喧嘩していたら仲良くなれるようにアドバイスしたり、女子同士の時間を確保できるように雑用を買って出たりと色々やっていた結果……順当に好感度高くなっていった、というね。

女子3人と連れ立って遊びに行っても「男除けとして便利だったんだよ」とか言ってるし。自分に言い聞かせようとしてる部分はあるにせよ、往生際が悪い……。

 

百合信者である彼からするとタイトル通り「俺がモテるのは解釈違い」なので、どうにか好感度調整しようと四苦八苦していましたけど。時すでに遅し。

委員会の仕事をサボってみたりしても、それまでの信頼があるために体調悪かったのかと思われて納得されちゃうし。

どうにか距離を取ろうとしても好感度高い彼女達の方から迫って来るし。

 

彼女達から距離を取ろうとしたのは「百合に挟まる男が自分だろうと許せない」という、自分自身の問題でしかないというか。

彼が崇める「百合」が存在しないと、そもそも「そこに挟まる男」にすら慣れないと表現するのもちょっとズレてそうですけど。

つまり何が言いたいのかというと、自分が許せないから距離を取ろうと思っていたとしても、彼が大切にしている女子の関係に異常を見つけたら復旧に奔走したくなる難儀な生き様なんですよね、これ……。

もう好感度下げるの、本当に路線変更してグレるくらいしかなさそうですけど、「百合は眺めたい」という思想から無理そうですね。諦めるんだ……。

もなかとわたあめ

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「趣味だけど?」

「わ~やっぱそうなんだ!!

 そっかー! カッコイイね!!」

 

ウルトラジャンプに掲載された読み切り……を、SNSで公開されていた時に見て好きになったんですよねー。

読み切りに加えて旧Twitterで公開していたラフだったり、ファンボックス公開エピソードに描き下ろしを加えた同人誌。

 

高校二年生男子の最中樹(もなか たつき)くん。

彼にはとある趣味があった。それは着物を着て喫茶店などで穏やかなひと時を過ごす事。

ただ着物を着ているだけではなく……いわゆる女装をしているんですよね。

短編の合間にちょっとしたコラム的に書かれていましたけど、別に性自認が女性ってわけではなく、「女性の格好がしたい」だけ。隠したいわけでも、黙って女性のグループに潜り込みたいとかそういうわけでもない。

あくまで趣味なんですよね。でも、自分用の着物を買って、祖母の使っていた小物を借りてコーディネートしたり、趣味だからこそしっかり準備してるのは好感が持てる。

 

幼少期から女性用の服装に興味があって。ただ、周囲の理解が得られないことにもすぐ気づいたので、週末にこっそり和装で出かけるのを楽しんでいた。

そんなある日、喫茶店から出たところで同じクラスの女子グループとすれ違ってしまって。内心ドキドキしながらも、素知らぬ顔でやり過ごした……つもりだった。

しかし翌日、そのグループに居たギャル・綿雲飴里が「昨日の和装の人、最中でしょ」と話しかけてきて。

メイクに本気だという彼女は、最中の変装を見破っていて。それを公言するでもなく、趣味で好きな格好をしている彼を「変だ」と切り捨てることもなく。

カッコイイと言って、「好きに純粋なの、良いね」と認めてくれるの良いですねぇ。

飴里、他の人の良いところ認めるのは得意みたいですけど、自分の中で「コレ」という軸がないことに悩んでいる部分もあるとかで……そんな彼女の、初めての和装を最中が選んで着て、「めっちゃ元気出た」と言ってるのがいいんですよね。

最中や飴里がお互いに刺さる言葉を自然に出しているのが尊いんですよ。

 

……ここまで読み切りパートの話しかしてないんですけど、やっぱり好きだなぁと思いました。

女装している彼を「最中」と呼ぶとバレてしまうだろうから、とあずきってあだ名をつけて。それから飴里の心に「あずき」のスペースが出来ているのが良いんですよね。

他の女友達と出かけているときにネイルでダスティローズという色が、あずき色っぽいなぁ……って手に取ったりしてますし。

最中も飴里という友達が出来たことで少し世界が広がっていましたし。

 

飴里、自分でも調べて和装を着られるようになって。当人曰く「ありあわせ」でもカワイイ格好になっているのは、それまでの積み重ねというかセンスの賜物だなぁ……という感じ。

飴里は最中の「和装&女装」を受けれいてくれたけど、分かってくれる人ばかりではない。だから、飴里の他の女友達とは会わない。「言わなければよいんじゃ?」って言う飴里に「友人として会うなら、男って言わないのは対等じゃない」って言う最中君、自分なりの芯がハッキリしてて良いですね。


メロンブックス通販にあった同人誌は在庫なくなってましたが、読み切りパートは先生のpixivに掲載があったので、参考程度に。


86-エイティシックス- Alter.2 魔法少女レジーナ☆レジーナ~戦え! 銀河航行戦艦サンマグノリア~

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「前に、変わっている、と言いましたね、レーナ。……訂正します。優しいんですね、あなたは」

 

アニメBDの特典小説だった、IFストーリーをまとめた一冊。

加筆修正と書下ろし短編を加えてるそうで、満足度は高い。レイドデバイスという名のマジカルステッキが無かったことに、イラストを見てから気付いたそうでそれが加筆されていたりするそうです。

 

部隊が宇宙になっているし、そもそもそこで戦っているの「魔法少女」になっているし。シンやダスティンといったエイティシックスたちはケモ耳ついた精霊になって、魔法少女のパートナー的存在になっているしで、IFで好き勝手やってるなぁ! 楽しそうだなぁ! ってシリーズですね。

 

レーナが魔法少女として格別な才能を示して、精霊シンを発見しともに戦う中で彼女達が戦っている敵についての真実をしることになっていくわけです。

宇宙で、魔法少女で、「レジーナ☆レーナ」みたいに名前に☆は必須とか言う謎ルールがあって、独特なネーミングがある世界ではありましたけど。

捨て犬のように箱詰めされた状態で、魔法少女の前に現れる精霊の顕現儀式とか。ツッコミどころ満載なんですけども。

「羊飼い」や「エイティシックス」の真実や、それが明らかになっていく展開はなるほどエイティシックスの味わいだなぁ……と思いました。

 

そしてレーナ編で少し寂しさもありつつも良い終わりだったな……と思ったら、その後のフレデリカ編でギャグ味増していくの笑っちゃったな。

なんですかあの妙な名前砲。さっぱり正式名称覚えられる気がしませんけど、効果ちゃんと強いのやめて……?

あと新しい魔法少女「メルクリウス☆」さんの存在が、笑えて仕方なかったですね。

俺は学園頭脳バトルの演出家!Vol.1 ~遅れてやってきた最強転校生は、美少女メイドを引き連れて学園を無双するそうです~

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「あんた……なんでこの状況で笑ってるの?」

「そりゃあ、最高に面白い状況だからに決まってるだろ」

 

11回オーバーラップ文庫大賞、銀賞受賞作。

主人公の田中叶太は自称モブの化身。自分が目立つのではなく、誰かを目立たせる……そんな「演出」に熱意を注ぐ少年。

 

小学校時代にクラスで演劇をやって、ヒロイン役の子が台詞を忘れて事故りそうだった時に、アドリブで主人公を送り出し、破綻する展開を更なるアドリブを加えてハチャメチャながらまとめて乗り切った。

そんな経験から「演出」に興味を持ち、推しの監督の「目立たない方が良い」という金言を胸に、裏方になろうと努力を続けていくことになるわけです。

転校した際なんかも、ゲームがあることでクラスメイトを家に招き、誰にも気づかせない接待プレイをして上手い事交友の輪を広げていくことになったりもしたんですが。

 

ある日、父が借金をこさえてしまったと言い出して。

全寮制で学費は無料、さらに上手くやれば借金もチャラに出来る可能性がある、とか言う怪しい話を持ってくるわけです。

一般には知られていない、ゲームによる決闘ですべてが決まる帝王学園。そんな場所に踏み込んだ叶太は、自分と同じタイミングでやってきた「謎めいた、実力者の転校生・霧谷透」を主人公キャラと見なして、彼を最高に輝かせようと計画を練るわけですが。

 

そんな透の幼馴染である学園最強のお嬢様西園寺だったり。透のメイドとして侍るソフィーだったり。ゲームによる決闘ですべてが決まる学園、に通うだけあって個性が強いキャラが多いんですよねぇ。

今までいた学校では「演出」の為に下調べとかを入念に行って、誰にも気づかれることなく演技を続けられていたようですが。

 

帝王学園に転校してきたばかりでは叶太の持っている情報は少なくて。個性的な生徒が多い学校なこともあって、モブに徹したい彼の思惑とは異なり、どんどんと注目を集めて行ってしまうことになるわけです。

99連勝していた西園寺に勝利して、100連勝阻止した上でゲームの勝者として得た権利で彼女をメイドにして侍らせたり。透の秘密について知ってしまったり。

そして開催された大会で透を相手に決勝戦を戦う羽目になっていくわけですが……過去の失敗を思い出しつつも、それを上手く乗り越えて最後には笑顔を浮かべられるようになったのは良かったですね。

 


毒の王5 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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「俺にできることと言えば敵を叩き潰すことくらいだな。慰めてはやれないが、代わりに」

 

暗殺者ロズベットを味方に引き入れたカイム達。

彼女がミリーシアの暗殺に失敗したことで、高額報酬狙いの暗殺者が群れを成してやってくることに。

千とも二千とも言われるメンバーを抱えた組織力が売りの『カンパニー』。

「暗殺」と聞いてイメージする闇に紛れる静かな振る舞いではなく……無数のスケルトンを使役して群れで潰しに来る『骨喰い将軍』。

 

多様な暗殺者に狙われつつ、それらを撃退していたわけですが……。

彼等もさるもの、というか。人質を取ってミリーシアが手出ししにくい、民をカイム達にぶつけてくるなんて搦め手を使ってきたりもして。

ミリーシアを確実に殺すために、街一つに壊滅的な被害を出す派手な行動をとったりもして……生き残った人に責め立てられる、精神的な方向での攻撃もしてくるんだからたまりませんね。

 

ミリーシアはしっかりと皇族としての覚悟があって、自分を狙って敵が動いた結果、街一つが滅びたという事実から目を逸らすわけにはいかないというあたり真面目ですよねぇ。

カイムにも律儀というか難儀とまで言われてましたが。

敵が自分を狙ってくるというのなら、敢えて自分の所在を明らかにすることで、敵をコントロールしようとしたのはお見事。

明らかに罠だけれど、一人だけが得られる報酬のために暗殺者同士でのレースになっていることから誰も引くことはなかった。

仮に報酬がしょっぱくても、ミリーシアがギルドを通して自分の位置を知らしめた以上、彼女が無事で過ごしていることが示されたら「あれだけ挑発されても、殺せなかった臆病者」というレッテル張られて今後の活動に響きそうですけどね。

 

だいたいは蹴散らすことに成功していましたが、暗殺者界隈でも最古参の『不死蝶』と呼ばれる人物・アゲハまで出張ってきて。

彼女の狙いは、人でありながら魔物に育てられた『人魔』と呼ばれる……同胞であるリコスだった。しかし、リコスはリコスで既に自分の主をカイムと定めていたので、アゲハの誘いには肯かなかった。

 

その在り方を認めて引いてくれたのは良かったですね。『人魔』の寿命は定命の人とは違う、という情報も明かされてましたが。……『毒の女王』と同化したカイムはどうなんでしょうね。アゲハが興味示してなかったから『人魔』ではない扱いなんでしょうけど。リコスを一人にしないで上げて欲しいものですが、どーなるかなぁ。

口絵にも描かれてましたが、巻末の番外編「番う狼」で成長したリコスとのシーンが……夢という形ではあれど描かれたのは、リコスだけ仲間外れにならずに良かったというべきか。アゲハと出会ったことで、『人魔』ならではの技術を学んでますしいつか夢じゃ亡くなればリコス的にも本望でしょう。

本編は暗殺者という脅威を退けランスと合流を果たすところまでたどり着いてましたが……決戦まで1週間とかいう最後の一文が不穏ではありますね。戦力、足りるのだろうか。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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