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「けれど、もし生徒があなたの前に立つなら……堂々と正面から、ひとりであなたに打ち勝とうとするのなら――あなたはその時、生徒の前に立ちふさがるものでいておさげなさい。この学校と外界をつなぐ門の番人として、高い壁でありなさい」


小説家になろうでいくつか作品を書いている藤村由紀さんのデビュー作。
昔から賞には応募していたらしいんですけど、ついに書籍化。
最終選考からの拾い上げらしいですが、楽しめるのなら何であれ問題なし。
ネットの方が気に入っていたので、ちょっと楽しみにしていた作品です。

面白く読みましたよ。
他の作品みたいな雰囲気があって、なかなか良さそうな設定ですし。
ただ他の作品だと世界観を描く部分をじわじわやって、慣れてきたころにイベントが発生して・・・という流れですが。
ちょっと情報が詰め込まれすぎだったかなぁ、という感じもしました。

古人、獣人、竜人、巨人、羽人。
五種族からなる他種族国家、ディアラ。
過去に起きた大戦の後に成立したこの国には一つ、特殊な学校が存在していた。
通称が「監獄学校」。
各種族の12歳になった子供の内、「1割の強者」に例外なく入学義務の生じる学校。
強力すぎる力を隔離するための施設。単位をどれだけ取ろうと、学校から許可が出なければ卒業もできず、退学制度すらない。
文字通りの監獄のような学校。

閉ざされた場所ながらに、生徒たちは生き生きとしている部分もあるんですよね。
門番へのちょっかいは、本当に人によっては死ぬようなレベルですが。
戦争が過去あったことも影響して、ギスギスしている部分とか暗い過去っていうのも相応にあるようですが。
主人公、クレトの過去については……あからさまに触れられているあっちではないんだろうなぁ、と思っていたらドンピシャでしたけども。
ちょい駆け足に感じましたが、嫌いじゃないですよ。続きがでたら買います。

監獄学校にて門番を (電撃文庫)
古宮九時
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-10