これからも、いろいろ迷惑をかけてしまうかもしれないけど。
お互いに助けてもらったり、手を貸し合ったりすることになるかもしれないけど。
でも、ちょっとぐらいなら許してもらえますよね。
(略)
わたしたちはもう、ひとりじゃないんですから。
自分では制御できない『テレパシー』によって、見知らぬ少女の感覚を共有していた高校生、水上瞬。
勝手に流れ込んでくる様々な感情、自分のものではない感覚によってもたらされる音と映像。
一方的に受信して、こちらからのメッセージを送ることはかなわない。
誰とも知らぬ少女の生活を盗み見するようなテレパシーを瞬は疎んでいたし、そもそもそんな「テレパシー」なんて存在せずに、自分が頭の中だけで作り上げた幻なんじゃないかと苦悩していた。
だが、修学旅行で赴いた京都で、彼は彼女と出会う。
里美繭子。
瞬と七年の間、断続的に感覚がつながっていた少女。
周囲の友人にテレパシーのことを説明するわけにもいかず。
一目惚れをしたために、どうにか会いたいと理由をつけて、力を貸してもらって何とか場を設けるものの失敗。
伝えたいことはうまく言葉にできず、しかし能力によってよりにもよってこんなタイミングで、って時に送信に成功したりして、関係が一進一退というか。かなり綱渡りな状態で進んでいきますが。
テレパシーとか不思議な要素が混じっている一方で、展開としてはかなり地味。
でもそれがつまらないとイコールではない見せ方がいいですねー。
良質な青春モノと言えるのではないかと。
でもそれがつまらないとイコールではない見せ方がいいですねー。
良質な青春モノと言えるのではないかと。