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「出来るか出来ないかの話じゃない。やるかやらないかの話だ。
 まあやらないって選択肢なんてないんだけどね。つまり、やるしかない。そうだろ?
 出来るからやるんじゃない。やるから、出来るんだ。」
――『電王の後悔。』より


タイトルで『電子魔法使いのトロニカ』って言っているのに・・・トロニカ、電子魔法使えてないじゃないですかー。
いや、帯には落ちこぼれってあるし、あらすじでは電子魔法のデバイスを壊してしまうってありましたけど。
それにしたってもう少し何かなかったのか。

ハッキリ言って軽い。
設定を詰め込んでいる上に、展開が予想できるっていうか。
事件が起きているはずなのに、驚きがない。
山も谷もないというかメリハリがないという感じで。
フラットなまま進んでいって、いつの間にか終わっていた、みたいな雰囲気があります。

スクールライフとか言っている割にいきなり、演習やっているところから始まるし。
問題もそこで発生して終始そこで展開していくし。
トロニカがどうして、デバイスを壊してしまうのか。アナログオタクっていうトロニカの個性が生かせてなかったというか。ふつうああいう、逆転の場面ってもっと光って見えるものじゃないのかなぁ。
あっさりしすぎてて笑える。
戦い方がひどく美しかった、と評されているけど、見ているこっちとしては、美しいように感じられなかったのは相当痛いと思いますが。

設定は面白そうなにおいを感じたんですけどね。
素材はよくても調理法間違えると食えたものじゃないっていう好例というか。
作者のネームバリューで買うのも善し悪しか。
お奨めはしないし、万一続きが出たとして買わない。

電子魔法使いのトロニカ。 (電撃文庫)
ハセガワ ケイスケ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-10