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イルム てめえに冒険者のなにがわかる! 冒険者ってのは命を売って日銭を稼ぐ稼業なんだ! あんたたち貴族様のように安穏と守られた生活してりゃ分からねえかもしれねえけど、命張ったからにはそれなりのもんは貰わねえと人生が釣り合わねえんだよ!

グランドキャンペーン「ドラゴンレイド」。
USAシリーズのベーテ・有理・黒崎が送る最初のリプレイ。
四人でパーティーとして活動していた冒険者たち。
彼ら、彼女らが新しく受けた依頼は、大陸東側の航路の開発を行う船旅の護衛だった。
しかし途中で嵐に見舞われ、蛮族の海賊に襲われ、船にダメージを受け、なんとか流れ着いた先。
そこが、竜が全てというドラゴン信仰が根付く、プロセルシア地方だった。

鉄壁タンクのリルドラケン、田舎者で口調が訛ってたりするオイスト。
タバコが生きがいで実に120本分を計上して一文無しになった女ドワーフの神官戦士、イルムガルド。
災いを呼ぶといわれ里でハブられ旅に出たエルフのスカウト、ユニス。
竜の巣で出土し竜に育てられた、独特の価値観を持つフロウライトの魔導士ピナ。
この4人がプロセルシアに流れ着いて、現地の人々ともめたり交流したり、厄介ごとと対峙したりしていくわけですが。

ドラゴンが中心にあるからこそ、現地の人々との価値観の違いなんかもあって中々面白かったです。
小説版だと、全員プロセルシア出身だから、いろんな価値観が「そういうもの」として飲みこんでましたが。
別の地方から来た冒険者という要素を入れることで、うまく独特な雰囲気を表現されてたと思います。
イルムの設定がアイドルとか言っていて大丈夫かと思いましたが、ピナのロールプレイが群を抜いて突っ走ってたので、うまくツッコミサイドに回ってくれて一安心。

残念なのは、巻末のモンスターのイラストで、六眼四翼と言われていた敵ドラゴンのイラストがどうみても「四眼六翼」だったあたりかなぁ。